# 第10章
部屋の中は薄暗く、カーテンの隙間から差し込む夕日が床に細長い光の帯を作っている。私はベッドの上に跪き、心臓が激しく打ち鳴らされていた。彼が目の前に立っている。あの太った体が私を見下ろし、その目には嘲りと征服の光が宿っている。
「口を開けろ」
彼の声は低く、命令口調だった。私は従順に唇を開いた。彼のペニスが私の口の中に入ってくる。熱くて、少し塩辛い味がした。私は目を閉じ、舌を使って奉仕を始めた。頭を動かし、彼のリズムに合わせて。
「そうだ…その調子だ」
彼の手が私の頭を押さえ、深くまで挿入させる。喉の奥に当たり、吐き気がこみ上げてきたが、必死にこらえた。涙が目尻に浮かぶ。
彼のもう一方の手が私の胸に伸びる。シャツの上から、私が隠し持っていた柔らかい感触を揉みしだく。その指が乳首を抓るたびに、私は体を震わせた。
「お前、乳首が立ってるぞ」
彼は嘲るように言い、指で弾いた。痛みと快感が混ざり合い、私は思わず声を漏らしそうになった。口の中に彼のペニスがあるため、くぐもった音しか出せない。
「感じてるのか?この変態め」
彼の言葉が心に突き刺さる。恥ずかしいのに、それでも体は反応してしまう。自分の下腹部が熱くなり始めているのを感じた。私は本当に変態なんだ。こんな辱めを受けているのに、興奮している自分がいる。
彼は私のシャツのボタンを外し始めた。冷たい空気が露わになった肌を撫でる。私は女物のレースのブラジャーを身につけていた。彼の目が一層深く歪んだ。
「やっぱりな。お前、ちゃんと女装してるじゃないか」
彼の指がブラジャーの縁をなぞる。その感触に、私は背筋が震えた。彼はゆっくりとブラジャーを押し上げ、私の胸を露出させた。自分の胸を見下ろす。男なのに、そこには柔らかな膨らみがあった。日頃から密かに女性ホルモンのサプリメントを摂っていた結果だ。
「感じやすい乳首だな」
彼の指が私の乳首を優しく撫でる。その快感に、私は無意識に腰を揺らした。彼のペニスを口に含んだまま、嗚咽にも似た声を漏らす。
「もっと深く」
彼の手が私の頭を更に押し付ける。ペニスが喉の奥まで入り込み、私は必死に呼吸を整えた。涙が頬を伝う。それでも、私は彼に奉仕を続けた。この辱めの中で、自分が必要とされている、所有されているという感覚が、心の空洞を埋めていくようだった。
彼の指が私の後孔に触れた。ディルドの先端がまだそこに挿さったままだった。彼はゆっくりとそれを引き抜き始める。その動きに合わせて、私は体を震わせた。ディルドが完全に抜かれると、後孔が切なく震えている。
「よく準備されてるな」
彼は私の尻を撫でながら言った。その手が大きく開き、ぱんっと音を立てて叩いた。痛みが走る。
「俺に犯されるか?」
彼の問いに、私は一瞬躊躇した。しかし、彼の目を見た時、その中にある支配の光に、私の抵抗心は溶けていくようだった。恥ずかしさで顔が熱くなる。
「犯してください…」
自分の声が耳に届いた。私は本当に堕ちてしまったのかもしれない。彼の玩物として、ただ支配されることを望んでいる。
彼は私をベッドの上に押し倒した。仰向けになった私の足を大きく開かせ、彼の大きなペニスが後孔に触れる。その熱さに、私は体を強張らせた。
「力を抜け」
彼の声が耳元で響く。ペニスの先端が後孔に押し当てられ、ゆっくりと挿入され始める。裂けるような痛みが走った。
「ああっ!」
私は悲鳴を上げた。この瞬間、何かが心の中で割れたような気がした。
「やめて…やめてください!」
私は必死に体を捩った。自分の置かれている状況が、急に現実味を帯びて襲ってくる。なぜ私はこんな格好をしているんだ。なぜ大の男が、同性に犯されなければならないんだ。
「離して…もう犯さないでください!」
私は彼の胸を押しのけようとした。しかし、彼の体は重く、びくともしない。
「今更何言ってるんだ」
彼は嘲笑うように言った。
「自分で縛った縄を、どうやって解くんだ?」
その言葉に、私ははっとした。そうだ。私は自ら進んでここに来た。自分から彼に支配を許した。もう逃げ出せない。
「いいから慣れろ」
彼はゆっくりとペニスを押し込んでいく。痛みが再び走った。涙があふれ出て止まらない。私は唇を噛みしめ、声を必死に抑えた。
彼のペニスが少しずつ、しかし確実に私の中に入っていく。自分の後孔が彼を受け入れ、広げられていく感覚。それは苦痛でありながら、同時に、満たされていくような感覚もあった。
「はあ…はあ…」
荒い息遣いが部屋に響く。彼の汗が私の肌に滴る。その熱さが、ますます私を彼に縛り付けていく。
ペニスが完全に挿入された時、彼は動きを止めた。
「お前のケツ穴、結構上手に食べるじゃないか」
彼の嘲笑うような声が耳に刺さる。顔から火が出るほど恥ずかしかった。自分の身体が、彼を受け入れている。その事実が、私の心を引き裂いた。
後悔の念が押し寄せる。あの時、彼に支配される刺激に溺れなければよかった。もしあのリモコンを落とさなければ。もし彼に見つからなければ。しかし、もう後戻りはできない。
私は彼の玩物だ。彼は私を逃がさない。
彼の腰が動き始める。ペニスが私の中で出入りする。その動きに合わせて、私はただ耐えるしかなかった。
「お前のここ…すごく締まってるぞ」
彼の言葉に、私はますます恥ずかしくなる。自分の中が彼に犯されている。その事実が、頭の中をぐるぐる回る。
それなのに、身体はもうこの支配される感覚に慣れてしまっている。彼の動きに合わせて、無意識に腰が動く。快感が少しずつ痛みを上回り始めていた。
私は本当に変わってしまったのだろうか。最初は嫌だったのに、今ではこの感覚を待ち望んでしまう自分がいる。この辱めの中で、自分が完全に彼のものであることを感じる。その感覚が心地よかった。
涙が止まらない。恥辱と快感が絡み合い、私の心をかき乱す。もう自分が何を感じているのか、分からなくなっていた。
「もっと動くぞ」
彼は腰の動きを速めた。部屋の中に、濡れた音が響く。私はその音に耳を塞ぎたくなった。こんな淫らな音を立てている自分が、情けなくてたまらない。
「あっ…あん…」
声が漏れる。彼の動きが激しくなるにつれ、私は自分の声を抑えきれなくなった。
「いい声だな」
彼は楽しそうに言う。その言葉がますます私を辱めた。こんな声を出している自分が、ますます恥ずかしくなる。
彼の手が私の腰を掴み、更に深く突き上げる。私はシーツを掴み、必死に耐えた。頭が真っ白になりそうだった。
「もうすぐだ」
彼の声が響く。彼の体が一層熱くなり、動きが速くなる。私はそのリズムに飲み込まれそうになった。
「俺の精液、お前の中に出すぞ」
その言葉に、私は拒否しようとした。しかし、言葉が出てこない。ただ、彼の動きに身を任せるしかなかった。
彼が私の中で爆ぜた。熱い液体が私の中に流れ込む。その感覚に、私の体も震えた。
彼がゆっくりとペニスを引き抜く。精液が私の後孔から垂れ、シーツに染みを作った。
私はベッドの上に横たわり、天井を見つめた。涙の跡が乾き始めている。身体の奥に残る彼の熱さが、まだ消えない。
彼は服を整え、ベッドの横に立った。
「また明日な」
その言葉に、私は何も言えなかった。もう自分から逃げ出せないことを、思い知らされたからだ。
彼が部屋を出ていく足音が聞こえる。私は一人、部屋の中に残された。
身体が熱い。心が冷たい。この矛盾した感情が、私を抱き締めていた。
やがて、窓の外は完全に暗くなった。私はゆっくりと体を起こし、乱れた服を整え始めた。もう一度、自分は彼の玩物であることを確認するように。
今日もまた、私は一歩深い闇に落ちた。しかし、その闇の中で、私はなぜか落ち着きを感じている。こんな自分が、もはや嫌いになれなかった。
カーテンの隙間から、月明かりが差し込む。その光は冷たく、しかし美しかった。私はその光を見つめながら、明日の自分を思った。また彼に呼ばれる。また彼に支配される。その事実に、心臓が高鳴った。
もういい。私はこのままでいい。彼の玩物として生きていくことを、私は受け入れ始めていた。その覚悟が、心のどこかで静かに芽生えていた。