林雪は陳宇の部屋の掃除をしようと思い立った。彼のパソコンの電源が落ちているのを確認して、そっとほこりを拭いたそのとき、デスクトップの隅に「Rei」という名前のフォルダが目に入った。普段は几帳面な彼が、こんな目立つ場所にフォルダを置くなんて、何か大事な資料だろうか──そう思いながら、何気なくダブルクリックした。
画面が切り替わり、無数のサムネイルがずらりと並んだ。林雪の指が止まる。どれもこれも、見知らぬ女性たちが淫らな姿をさらけ出している画像だった。顔を隠しているもの、逆にカメラ目線で妖しく笑うもの、さまざまなシチュエーションがあるが、共通しているのはすべてが寝取られ、つまりNTRをテーマにしたアダルト動画の一部であることだった。
林雪の心臓がドキリと大きく跳ねた。彼女は慌ててフォルダを閉じ、パソコンの電源を切った。机の上に置かれた写真立てには、二人で一緒に笑う過去の写真が収まっている。陳宇の優しい眼差しが今は違って見える。彼のあのベッドでのほのめかしを思い出すたび、林雪は胸が締め付けられるような思いをした。
「今日は友達と遊びに行くって言ってたけど、誰かと会ってるのか?」──数日前、彼が何気なく口にした言葉だ。そのときはただの嫉妬かと思っていたが、今思えば、もしかすると彼は私が他の男性といる姿を見たいのだろうか。そんな考えが頭をよぎり、林雪は強く唇を噛んだ。
数日後、林雪は意を決して陳宇を試すことにした。夕食の席で、彼女はなるべく自然に話を振った。「最近、張磊っていう同級生が私のことをよく気にかけてくれてるんだ。ずっと一緒に勉強しようって誘われててね」
陳宇の手が止まった。一瞬、彼の目に何かが走った。林雪はそれを見逃さなかった。その目は心配ではなく、むしろ──興奮。その一瞬の光が彼女の疑念を確信に変えた。
「そうか……張磊って確か体育会系の男だよな? お前のこと、ずっと狙ってるって噂だぞ」陳宇は抑揚のない声で言ったが、その口元がわずかに緩んでいるように見えた。
林雪は内心で激しく鼓動を打つ心臓を感じながら、さらに一歩踏み込んだ。「うん、彼から週末に一緒に映画に行かないかって誘われてるんだけど……どう思う?」
陳宇の目が深く沈んだ。彼はしばし沈黙した後、ゆっくりと答えた。「お前が決めていいよ。もし行きたいなら、俺は止めない」
その言葉に込められた意味を、林雪は全身で受け止めた。彼は本当に、私が他の男に奪われるのを望んでいるのか──胸が張り裂けそうになったが、同時に、彼の欲望に応えたいという衝動が湧き上がってきた。彼女は自分が知らない自分に変わりつつあるのを感じていた。
「そうだね……じゃあ、行ってみるよ」林雪は微笑みながら言った。その笑顔の裏で、彼女は自分が堕ちていくのを自覚していた。陳宇のために、彼の歪んだ愛を受け入れるために、自分がどんどん淫らになっていくのを感じていた。