偽装性奴隷:女社長のb国屈辱の旅

站点:NovelAI.one内容:前8章在线试读ID:a9927a84更新:2026-07-26 21:48
A国最大手テクノロジー企業「彩雲科技」の本社ビル最上階にある会議室は、重苦しい空気に包まれていた。巨大なガラス窓の向こうには摩天楼が立ち並ぶが、室内にいる者たちの視線はすべて中央に座る一人の女性に注がれている。 張彩児──この企業の若き女社長は、細い指先でプロジェクターに映し出された一枚の資料を指し示した。そこには、b
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社長の決断

A国最大手テクノロジー企業「彩雲科技」の本社ビル最上階にある会議室は、重苦しい空気に包まれていた。巨大なガラス窓の向こうには摩天楼が立ち並ぶが、室内にいる者たちの視線はすべて中央に座る一人の女性に注がれている。

張彩児──この企業の若き女社長は、細い指先でプロジェクターに映し出された一枚の資料を指し示した。そこには、b国との巨額契約交渉が目前に迫っていること、そしてb国の法規に「女性は男性の保護下に入国すべし」という、時代錯誤も甚だしい条文が明記されていた。

「要するに、私が単独でb国に入ることは不可能だと言うのね」

彼女の声は静かだった。だが、艶やかな黒髪の下に光る瞳には、鋭い光が宿っている。

テーブルを囲む重役たちは一様にうつむき、誰も口を開こうとしない。法務部長が恐る恐る口を挟んだ。

「はい……b国はいまだに男性優位社会を維持しており、女性がビジネス目的で入国する場合も、必ず『男性の同伴者』が必要です。しかも……」

「しかも?」

張彩児が冷たく促すと、法務部長は額の汗を拭いながら続けた。

「単なる同伴ではなく、『所有関係』を証明する必要がございます。具体的には、婚姻関係、親族関係、あるいは……奴隷契約です」

室内にどよめきが走る。奴隷契約──二十一世紀の国際社会において、そんな言葉が存在すること自体が異常だ。しかしb国は自国の特殊な文化を国際貿易の場にまで押し付けており、この条件を呑まなければ一切の交渉が成立しないのだ。

張彩児はゆっくりと資料を閉じ、背もたれに深く凭れかかった。胸元を飾るシルバーのペンダントが、照明に冷たく光る。

「この契約が成立しなければ、当社は来期の海外売上げの四割を失う。サプライチェーン全体が崩壊するわ。どんな手段を使ってでも、私はb国に行かなければならない」

彼女は決断を下した女の顔だった。数々の修羅場を潜り抜けてきた自負がある。手段を選んでいる余裕などなかった。

会議の終了後、張彩児は自席に戻るや否や、秘書室に内線を入れた。

「陳峰、すぐに来てちょうだい」

ほどなくして、ドアがノックされ、一人の長身の男が入室した。歳は三十代半ば、整えられた髪と黒縁眼鏡の奥に、穏やかだが鋭い目をした男性だ。陳峰は五年間、張彩児の秘書として側近を務めてきた。寡黙で有能、決して表に出ることはないが、社内では社長の影と恐れられている。

「お呼びでしょうか、社長」

「ドアを閉めて。人払いをしてあるわ」

陳峰は静かにドアを閉め、施錠した。彼は無言で社長席の前に立つ。

張彩児は手元の書類を捲りながら、淡々と告げた。

「陳峰、あなたに極秘の任務を依頼する。b国への出張に同行してほしい。ただし、通常の出張ではないわ」

陳峰は微動だにしない。ただ、眼鏡の奥の瞳が一瞬だけ細められた。

「b国の入国条件は知っての通りよ。私が入国するためには、男性の同伴者が必要で、しかも『所有関係』が証明されなければならない。結婚するわけにはいかない。だから……」

彼女は言葉を切り、真っ直ぐに陳峰を見上げた。

「私があなたの性奴隷という設定で、一緒に入国する。あくまで偽装よ。契約は書面上のもの。b国の税関を通過するためだけの方便だと思ってほしい」

室内に沈黙が落ちた。空調の低い唸りだけが響く。

陳峰は感情を読ませない表情のまま、数秒の間を置いてから口を開いた。

「……承知いたしました。社長のご決断であれば、私はそれに従います」

声には一片の動揺もなかった。まるで社長のコーヒーを買ってくるような軽さで、彼はその異常な提案を受け入れたのだ。

張彩児は内心で胸を撫で下ろした。彼女の目には、陳峰は忠実な駒にしか映っていなかった。万が一にも私欲を出すような男ではないと、信じて疑わない。

しかし、陳峰が一礼して退室するとき、ドアの向こうで浮かべた表情を彼女は知らない。口元に浮かんだ薄い笑みは、獲物を見つけた獣のそれに酷似していた。

その夜、張彩児は自宅の書斎でb国に関する情報を徹底的に調べ上げた。モニターには、b国のカルチャーや入国審査の事例が映し出されている。彼女は必死に知識を詰め込んだ。

「服従の姿勢……言葉遣い……歩き方……」

そこには、まるで中世に逆戻りしたかのような非現実的なルールが羅列されていた。男性を『主人』と呼び、常に三歩下がって歩き、許可なく顔を上げてはならない。このような条件を、一企業の社長たる自分が実行するのは屈辱以外の何物でもない。だが、これも仕事の一環だと自分に言い聞かせる。

翌朝、張彩児はオフィスではなく、陳峰が手配したプライベートサロンに足を運んだ。そこには、b国の税関を欺くための「準備」が整えられていた。

サロンの個室に入ると、壁一面に鏡が張られ、中央には一脚の椅子が置かれている。陳峰はすでに到着しており、傍らには数着の衣装が用意されていた。

「おはようございます、彩児」

名を呼び捨てにされ、張彩児は眉をひそめた。

「……陳峰、いきなり呼び捨て?」

「申し訳ありません。しかし、税関で私があなたを『社長』と呼べば、たちまち疑われます。今から慣れておかなければ」

陳峰は淡々と説明し、椅子の背を叩いた。

「さあ、まずは衣装の確認から始めましょう。b国では、奴隷は主人の指示に従って服装を選びます」

張彩児は口を噤んだ。頭では理解している。だが、感情が追いつかない。彼女は深く息を吸い、自分に言い聞かせるように頷いた。

「……わかったわ。始めましょう」

陳峰は衣装ラックから一着のワンピースを手に取った。デザインはシンプルだが、膝上の丈で、襟元が大きく開いている。

「これを着てください。下着は不要です。b国では奴隷に下着の着用が許されないことが多い」

「ちょっと待って! そこまでする必要があるの?」

さすがに抵抗の声が上がる。しかし陳峰は有無を言わせぬ口調で続けた。

「税関で身体検査がある可能性を想定しています。万が一、下着を着けていることが発覚すれば、奴隷としての偽装が露見します。社長、ここは我慢してください」

理屈は通っている。通ってはいるが、張彩児の頬には屈辱の色が浮かんだ。彼女は震える手で自分のスーツを脱ぎ始めた。ブラウスのボタンを一つひとつ外すたびに、自分が社長としての鎧を剥がされていくような錯覚に襲われる。

下着を外し、裸の上にその薄いワンピースを纏うと、鏡に映った自分の姿に愕然とした。布一枚隔てただけで、身体の線がはっきりと浮かび上がっている。胸の頂きさえも、服の上から確認できるほどだ。

「よくお似合いですよ、彩児」

陳峰は背後から鏡越しに彼女を見つめ、満足げに呟いた。眼鏡の奥の視線が、まるで商品を品定めするように彼女の全身を舐め回す。

次に、陳峰は一枚の首輪を取り出した。黒革製で、銀色の金具がついている。小さな錠前も見えた。

「これは奴隷証明のタグ付き首輪です。b国入国時にはこれを着用し、私がリードを持ちます」

「……冗談でしょ?」

「冗談ではありません。税関の規定です」

陳峰は近づき、張彩児の細い首に手を伸ばす。彼女は思わず身を引こうとしたが、壁際まで追い詰められていた。冷たい革の感触が首に巻かれると、小さな金属音が響いて施錠される。

カチリ。

その音は、仕事上の仮初めの鎖であるはずなのに、張彩児の心の奥底にまで響いた。彼女は鏡の中で、首輪をつけられ、薄着で立ち竦む自分の姿を見つめる。そこに立っているのは、決断力と才能に溢れたカリスマ女社長ではなく、ただの無力な女だった。

「これで入国準備の第一段階は終了です」

陳峰は言い、リードを手に取る。鎖がピンと張り、張彩児の首が軽く引かれた。

「次は歩行訓練です。私の三歩後ろをついて歩いてください。目線は常に下に。許可なく私の顔を見てはいけません」

「陳峰……これ以上は……」

「税関で一発アウトになりたいのですか? ここで手を抜けば、すべてが水の泡です。あなたが決断したことでしょう」

陳峰の声には、冷徹な諭しがあった。張彩児は唇を噛み締め、言われるままに頭を垂れる。床の大理石の模様だけが視界に入る。

「歩きます。ついてきなさい」

命令とともにリードが引かれ、張彩児はよろめきながら一歩を踏み出した。ハイヒールの音が虚しく響く。三歩分の距離を必死に保ちながら、彼女は陳峰の後を歩く。顔を上げることは許されず、彼の背広の裾だけが目に入る。

サロンの中を何周も歩かされるうちに、張彩児の思考は少しずつ麻痺していった。最初は強烈だった屈辱感も、繰り返される単純な動作の中で、一種の諦めに変わっていく。

「止まりなさい」

声がかかり、張彩児は足を止める。だが、視線を落としたままなので、陳峰が自分の目の前に立っていることに気づかなかった。

「顔を上げて」

許可を得て、初めて彼女は顔を上げる。目の前に立つ陳峰は、いつもの秘書の表情とは違う、どこか嗜虐的な笑みを浮かべていた。

「よくできました。しかし、まだまだです。今日から出発まで、毎日この訓練を行います。失敗すれば、その都度やり直しです。いいですね?」

張彩児は声を絞り出す。

「……はい」

「はい、ではありません。b国では奴隷は主人に対して『はい、ご主人様』と答えます。もう一度」

陳峰の言葉に、張彩児のプライドが悲鳴を上げる。しかし、彼女にはもう後戻りする道はない。巨大なビジネスチャンスと数千人の社員の生活が、この馬鹿げた偽装にかかっているのだ。

彼女は震える唇を開き、小さく呟いた。

「……はい、ご主人様」

その瞬間、陳峰の目に一瞬、隠しきれない喜悦の色が走った。それを知る由もなく、張彩児は再び深く頭を垂れた。

鏡に映る二人。リードを握り悠然と立つ男と、首輪を付けられ項垂れる女。それは絵に描いたような「主従」の構図だった。

訓練が終わり、サロンを出る頃には外は暗くなっていた。張彩児は車の中でグッタリとシートに凭れる。首にはまだ首輪の感触が残っているような気がして、何度も自分の首に手をやる。

「大丈夫ですか? 明日も訓練があります。しっかり休んでください」

運転席の陳峰が、バックミラー越しに声をかけてくる。その声はまたいつもの秘書のトーンに戻っていた。張彩児は小さく頷くしかない。

自宅マンションの地下駐車場に到着すると、陳峰は車を降り、後部座席のドアを開けた。

「お疲れ様でした。今夜はゆっくり休んでください。これから大変ですから」

その気遣うような言葉の裏に、どれほどの企みが潜んでいるか、この時の張彩児には想像もつかなかった。

彼女がエレベーターに消えるのを見届けると、陳峰はポケットからスマートフォンを取り出した。画面には、サロンで撮影したらしい一枚の写真──首輪を付けられ、ワンピース姿でうつむく張彩児の姿があった。彼はそれをじっと見つめ、口元を歪める。そして通話ボタンを押した。

「もしもし、私だ。例の件、順調に進んでいる。b国到着後、すぐに第二段階に移れるよう準備を頼む」

電話の相手は、b国の何者かだった。陳峰の本当の狙いは、単に会社の契約を成功させることではない。彼はこの機会を利用して、長年胸の内で温めてきた歪んだ欲望を、この異国の地で完遂しようとしていたのである。

一方、自宅のバスルームで、張彩児はシャワーを浴びながら泣いていた。湯気に混じって、熱い涙が頬を伝う。彼女は自分の選択が正しいのか、何度も自問する。だが、もう引き返せないところまで来ていることも理解していた。

「これはビジネスだ。私は社長だ。必ず乗り越えられる」

鏡に向かって自分に言い聞かせるが、首に残る違和感と、心に刻まれた「ご主人様」という言葉が、彼女の虚勢を静かに侵食していた。

数日後、彼女は正式な場で決断を発表した。陳峰と共にb国へ発つことを。社内には隠密裏に準備が進められ、偽装工作は完璧を期した。

出発の朝、空港のVIPラウンジで、張彩児はすっかり「奴隷装束」を身に纏っていた。今回のために特注された控えめなワンピースに、さりげなく首に巻かれたスカーフ。その下には、例の首輪が隠されている。スカーフを外せば、すぐに奴隷証明タグを見せられる仕組みだ。

「では、行きましょう。私の……奴隷」

陳峰はリード代わりの細いチェーンを手に、彼女にだけ聞こえる声でそう告げた。

張彩児は小さくうなずく。

「はい、ご主人様」

それは、ビジネスのための偽りの言葉のはずだった。しかし、こうして口にするたび、不思議な麻痺と屈辱が彼女の精神をじわじわと蝕んでいく。飛行機が滑走路を離れ、雲の上へと昇っていくにつれ、彼女はまるで自分自身の人生からも飛び立っていくような、漠然とした不安に駆られていた。

b国──そこは、女性を人として扱わない狂った国。張彩児は今、その扉を自らの意思でくぐろうとしている。そして彼女を待ち受ける真の地獄は、入国後の「調教」であることを、まだ知る由もなかった──。

奴隷の道へ

飛行機が着陸の衝撃を滑走路に伝え、窓の外にB国の見慣れぬ風景が広がると、張彩児は乾いた唇をそっと噛んだ。隣席の陳峰は、すでに手荷物をまとめ、穏やかな微笑を浮かべている。その笑顔の奥に潜む、かすかな熱を彼女はまだ知らなかった。

機内アナウンスが流れ、乗客たちが次々と立ち上がる。張彩児も腰を浮かせたが、陳峰がそっと彼女の手首を掴んだ。

「社長、いや……彩児、ここからは俺の言う通りに」

声は低く、有無を言わせぬ響きがあった。張彩児は一瞬息を呑み、小さくうなずく。これは必要悪だ。A国最大手のテクノロジー企業を率いる女社長が、B国で商談をまとめるためには、どうしてもこの屈辱的な偽装を受け入れなければならない。彼女はそう自分に言い聞かせ、背筋を伸ばした。

空港の入国審査場に足を踏み入れた瞬間、張彩児は空気の違いを肌で感じた。無機質な蛍光灯の光が、灰色の壁を冷たく照らしている。職員たちは一様に無表情で、その視線は入国者を値踏みするかのようだった。特に、女性に対して向けられる目には、あからさまな優越感が宿っている。

陳峰は張彩児の肩を抱くようにして、審査カウンターへと進んだ。カウンターの向こうには、角張った顎を持つ税関職員が座っている。名札には「王」と記されていた。

「パスポートと入国目的を」

王は抑揚のない声で言い、陳峰が差し出した書類を一瞥した。

「ビジネスです。こちらは私の奴隷です」

陳峰は淡々と答え、張彩児の腰に手を回して引き寄せた。張彩児は心臓が跳ね上がるのを感じたが、顔には従順な微笑みを浮かべる。

王の目が、張彩児の全身を舐め回すように動いた。

「奴隷か。B国では、奴隷の入国には規定の服装と装具が必要だ。知っているな?」

「もちろんです。準備してあります」

陳峰はそう言うと、手にしていたバッグを開けた。中から取り出されたのは、銀色に光る細い鎖と、黒い皮革の首輪。そして、ほとんど布地と呼べないほど小さな布切れだった。張彩児は思わず息を呑んだ。事前に説明は受けていたが、実際に目の当たりにすると、その卑猥さに足がすくむ。

「ここで着替えさせろ」

王は顎で、カウンター横の仕切り板で囲まれたスペースを指した。わずかな衝立だけで、周囲からは丸見えだ。

陳峰は張彩児の腕を掴み、そのスペースへと連れて行く。

「大丈夫だ。すぐに終わる。おとなしくしていろ」

耳元でささやく声は、表面上優しいが、どこか愉悦を含んでいた。張彩児は唇を噛みしめ、震える指で自分のスーツのジャケットを脱いだ。ブラウス、スカート、ストッキング。一枚一枚、衣服が剥がれ落ちるたびに、彼女の自尊心もまた削り取られていく。

周囲から、好奇と嘲弄の入り混じった視線が突き刺さる。男性職員たちだけでなく、B国人らしき女性たちでさえ、軽蔑の色を隠そうともしなかった。

ついに下着だけになると、陳峰は無言で奴隷服を差し出した。それは、胸と腰をかろうじて覆うだけの、薄いラテックス製の装束だった。張彩児は手を震わせながらそれを身に着ける。冷たい素材が肌に張り付き、乳首と秘部の輪郭をあからさまに浮かび上がらせた。太腿から尻にかけては完全に露出している。

「よく似合っているよ、彩児」

陳峰は満足げに言い、次に首輪を手に取った。冷たい革が、彼女の細い首に巻き付けられる。カチリ、と金具が留められる音がやけに大きく響いた。首輪の正面には、銀のプレートがキラリと光り、「陳峰所有」と刻まれているのが見える。

最後に、細い鎖が首輪の金具に連結された。鎖のもう一方の端は、陳峰の手の中にある。

王はその様子をじっと見ていたが、やがてにやりと笑った。

「よろしい。だが、奴隷の身体検査が必要だ。B国では、不衛生な奴隷の持ち込みは禁止されているのでな」

張彩児の顔から血の気が引いた。身体検査。ここで? こんな公衆の面前で?

「陳峰……」

思わず助けを求める声が漏れたが、陳峰は冷たい目で彼女を見下ろした。

「彩児、検査は必要なことだ。脚を広げなさい」

彼の声は、もはや秘書のものではなかった。まったく別の人格が、その口を通して命令しているようだ。

張彩児は周囲を見回した。十人以上の税関職員や、他の旅行客たちが、この光景を固唾を呑んで見守っている。逃げ出したい。叫びたい。しかし、この契約を失えば、会社は計り知れない損害を被る。何百人もの社員とその家族の生活がかかっている。

彼女はゆっくりと、ラテックスに覆われていない太腿を左右に開いた。

王がカウンターから立ち上がり、張彩児のすぐ前に立つ。そして、使い捨ての手袋をはめた指で、彼女の秘部を覆うわずかな布地を無造作にずらした。

「ひっ……!」

冷たい空気と無遠慮な視線に、張彩児のそこが晒される。王の指が、ためらいもなくその狭い入り口に触れた。

「濡れているじゃないか。奴隷のくせに、感じているのか?」

王は嘲笑うように言い、指をさらに奥へと進めた。内部を探るように動き、粘膜のひだを分けられる感覚に、張彩児は屈辱で目の前が暗くなりそうだった。

「問題ないようです。清潔で、異常も見られません」

王は陳峰に向かってそう報告し、指を引き抜くと、手袋を脱ぎ捨てた。

陳峰はうなずき、鎖を軽く引いた。

「よし、では次は這って進め。奴隷は主人の後ろを、這ってついて行くのがB国の流儀だ。税関の通路を、あそこまでな」

彼が指さしたのは、約五十メートル先にある出口ゲートだった。その間、床は冷たいタイル張りで、多くの人々が行き交っている。

張彩児の瞳に涙が滲んだ。しかし彼女は抵抗せず、四つん這いになった。膝と手のひらが冷たい床に押し付けられる。ラテックス越しに、床のザラつきが直接肌に伝わってきた。

「いい子だ。さあ、行こう」

陳峰は鎖を握り直し、ゆっくりと歩き出す。張彩児は彼の足の動きに合わせて這い始めた。一歩進むたびに、尻が上下に揺れ、露わになった肌が空気に撫でられる。周囲からは笑い声や、卑猥な囁きが聞こえた。

「A国の女社長だって? 今じゃただの雌犬だな」

「いい乳をしている。後で俺も使ってみたい」

「陳峰って奴は、いい主人だな。奴隷をちゃんと訓練している」

一つ一つの言葉が、張彩児の心に突き刺さる。それでも彼女は顔を上げられなかった。上げれば、ますます多くの目と合ってしまう。ただひたすら、磨かれたタイルの目地を数えながら前に進む。

陳峰はわざとゆっくり歩いているようだった。時折立ち止まり、通りすがりのB国人と言葉を交わす。

「ああ、新しく買った奴隷です。まだ調教が足りなくてね。今日は初めてのB国で、勝手がわからないようです」

そのたびに、張彩児の首輪が軽く引かれ、彼女はその場に止まらざるを得なかった。汗と、自分の体内から滲み出たもので、太腿の内側が湿っている。屈辱なのに、曝け出された身体は愚かにも反応しているのかもしれない。そう思うと、さらに強烈な自己嫌悪が襲った。

ようやく出口ゲートにたどり着くと、陳峰は鎖をぐいと持ち上げた。

「よく頑張ったな、彩児。立て」

張彩児はよろめきながら立ち上がる。膝は赤く擦りむけ、わずかに血が滲んでいた。奴隷服は汗で肌に貼り付き、全身のラインを一層強調している。

陳峰はハンカチを取り出し、彼女の額の汗を拭ってやった。その仕草は優しいが、その目は獲物を見つめる捕食者のそれだ。

「この調子なら、契約もきっと上手くいく。だが、まだこれは始まりに過ぎない。B国にいる間は、お前は俺の奴隷で、一匹の犬だ。心しておけ」

張彩児はかすれた声で答えた。

「……はい、ご主人様」

その言葉を口にした瞬間、自分の中の何かが、かすかに音を立てて崩れていくのを感じた。それでも彼女は、心の奥底で強く念じ続けた。これでいい。この恥辱さえ乗り越えれば、必ず商談は成立する。それまでは、ただ耐え忍ぶだけだ、と。

空港の自動ドアが開き、B国の、かすんだ空が広がる。陳峰は鎖を手にしたまま、満足げにそっと笑い、新たな奴隷を伴って一歩を踏み出した。

ホテルでの調教

スイートルームの重厚なドアが閉まると同時に、張彩児は陳峰の鋭い視線を背中に感じた。窓の外にはB国の首都の夜景が広がり、無数の高層ビルがきらびやかな光を放っている。しかしその豪華な景色とは裏腹に、彼女の心は鉛のように重く沈んでいた。

「さあ、ここからが本当の始まりだ」

陳峰の声は抑揚なく、冷たい響きを帯びていた。彼はスーツのジャケットを脱ぎ、ゆっくりとネクタイを緩める。その仕草には、かつての有能な秘書としての面影は微塵もなく、今や一人の支配者の風格が漂っている。

「ここのスイートは、B国でも最高級の設備を誇る。防音も完璧で、どれだけ叫んでも外に漏れることはない。覚えておけ」

張彩児は唇を噛みしめ、何とか平静を装おうとした。彼女はまだビジネスウーマンとしての誇りを手放してはいなかった。しかし、空港での屈辱的な検査と入国手続きを通じて、彼女の立場がすでに著しく脆弱になっていることを、身に沁みて理解していた。

陳峰は部屋の中央にあるキングサイズのベッドの前に立ち、右手の人差し指で足元の床を指した。

「服を脱げ。全てだ。そして、ここに跪け」

「……何ですって?」

張彩児の声はかすかに震えた。彼女は反射的に一歩後退り、胸の前で腕を組んだ。

「聞こえなかったのか? 主人の命令だ。服を脱ぎ、跪けと言っている」

陳峰の口調には一片の容赦もなかった。彼の目は冷たく光り、かつて彼女が会議室で見せていたような有能な部下の視線は、もはや存在しなかった。そこにあるのは、獲物をじっくりと観察する捕食者の目だった。

「……わかったわ」

張彩児は歯を食いしばり、震える指でスーツの上着のボタンを外し始めた。シルクのブラウスがはらりと床に落ち、タイトスカートが足元に崩れる。ブラとショーツだけの姿になった彼女は、再び手を止めた。

「全部だ。隠すな」

陳峰の声はますます冷たくなった。彼は腕を組み、壁に寄りかかりながら、まるで舞台を観賞するかのように彼女を見つめている。

張彩児は深く息を吸い込み、下着を外した。A国の一流企業を率いる女社長としての全ての外装を取り去り、彼女は一糸まとわぬ姿で陳峰の前に立った。冷たい空気が肌を撫で、彼女は無意識に両手で体の前を覆った。

「手を後ろに回せ。お前の体はもはやお前のものではない。私の所有物だ。隠す権利などない」

陳峰はゆっくりと近づき、彼女の腕を掴んで背中に回させた。彼の手のひらは驚くほど熱く、その熱さがかえって張彩児の心をざわつかせた。

「跪け」

張彩児は膝を折り、冷たい大理石の床に膝をついた。その瞬間、彼女の胸の奥で、何かが音を立てて崩れ落ちるのを感じた。

「良い子だ」

陳峰は彼女の頭を軽く撫で、まるでペットを褒めるかのような仕草をした。そして一歩下がり、上から下までじっくりと彼女の裸身を眺める。

「A国の有名なテクノロジー企業の女社長が、今やB国の高級ホテルで裸で跪いている。その姿を君のライバル会社の連中が見たら、なんと言うだろうな」

「やめて……お願い……」

張彩児の声は涙声に変わっていた。彼女は顔を上げ、陳峰を見つめた。その目には、これ以上辱めないでほしいという懇願の色が浮かんでいる。

「やめて、だと? お前はもう『お願いします』と言え。そして私のことは『ご主人様』と呼べ」

「……ご、ご主人様、お願いです……これ以上は……」

「これ以上は何だ? まだ何も始まっていない。これは単なる基本訓練に過ぎない」

陳峰は彼女の顎を指で持ち上げ、強制的に自分と目を合わせさせた。

「今からお前に、B国における女性奴隷の基本規範を教えてやる。少しでも間違えれば、体で覚えてもらうことになる。いいな?」

張彩児は無言でうなずいた。涙が頬を伝い、素肌の胸元に滴り落ちる。

「まず第一に、主人の前では常に跪くこと。椅子やベッドに座ることは許されない。第二に、主人が許可しない限り、勝手に口を開いてはならない。第三に、主人の体は常に清潔に保ち、いつでも主人の欲求に応えられるよう準備しておくこと……」

陳峰はゆっくりとした口調で、次々と規則を列挙していく。その間も彼の視線は張彩児の体を這い回り、時折手を伸ばして彼女の敏感な部分を無造作に触れた。

「さあ、今からお前にB国の女性奴隷マニュアルを見せてやる」

陳峰はスーツケースから一冊の薄い冊子を取り出した。表紙にはB国の文字で「完全服従の手引き」と印刷され、中には詳細な体位のイラストや調教方法、罰則規定が事細かに記されている。

「このマニュアルは、B国のすべての女性奴隷所有者に配布される公式文書だ。お前は今日から、この内容を暗記しなければならない」

張彩児はそのページをめくりながら、顔色が徐々に青ざめていくのを感じた。そこには想像を絶するような調教方法が、科学的かつ体系的な口調で記されていた。鞭の使い方から、特殊な器具の装着方法、心理的服従を促すための長期プログラムまで、すべてが克明に描かれている。

「もしお前がこのマニュアルに従えず、人前でボロを出せば……どうなると思う?」

陳峰はしゃがみ込み、彼女の耳元でささやいた。

「お前は政府の奴隷訓練所に送られる。そこでは専任の調教師が、もっと……徹底的にお前を教育する。想像してみろ、カメラの前で、見知らぬ男たちの前で、お前がどれほど残酷に扱われるかを」

張彩児の体が小刻みに震え始めた。彼女は訓練所という言葉に、言い知れぬ恐怖を感じた。空港での入国審査官の冷たい目の奥に潜む残虐性を思い出し、背筋が凍る思いだった。

「お願いです、ご主人様……どうかそれだけは……」

「だったら、私の命令に完璧に従うことだ。私を失望させるな」

陳峰は立ち上がり、ベッドの横の床を指さした。そこには犬用のマットが一枚敷かれている。

「今夜、お前はここで寝ろ。もちろんだが、ベッドの上ではない」

張彩児はマットを見つめた。かろうじて一人が横になれるほどの薄いパッドで、スイートルームの豪華なキングサイズベッドとはあまりにも不釣り合いだった。彼女は再び陳峰を見上げたが、その目に情けを求める余地は微塵も残されていなかった。

「服を着ることは許さん。その裸のままで、犬のように丸まって寝ろ。明日から忙しくなる。契約交渉の準備もしなければならないからな。だが、お前の第一の任務は、私に仕えることだ。それをおろそかにすれば、どうなるかわかっているな?」

「はい……ご主人様……」

張彩児はかすれた声で答えた。彼女は四つん這いでマットに近づき、冷たい床の上に身を横たえた。素肌にパッドの粗い繊維が触れ、不快感が走る。彼女は膝を抱えて丸まり、できるだけ体を小さくした。

陳峰は部屋の照明を落とし、自分は広々としたベッドに横たわった。シーツの擦れる音が、張彩児の耳にやけに大きく響く。

闇の中で、張彩児は目を開けたまま天井を見つめていた。A国にいるときは、こんな屈辱を想像することすらできなかった。彼女は常に人を指揮し、尊敬を集める存在だった。ところが今、彼女は異国のホテルで、裸で犬用マットの上に横たわり、かつての部下に「ご主人様」と呼んでいる。

最も屈辱的なのは、この状況が完全に彼女の意志で選んだものだという事実だった。ビジネス契約のために偽装した「性奴隷」という立場が、偽装ではなく現実になりつつある。陳峰の態度の変化、B国の狂気じみた社会規範、そして何より、彼女自身の心の中に芽生え始めた奇妙な諦念と、ほんのわずかな……期待。

(私は……どうなってしまうんだろう)

彼女はそう自問したが、答えは闇の中に溶けて消えた。

遠くの街の灯りがカーテン越しに微かに差し込み、彼女の裸身をぼんやりと照らし出す。ベッドの上からは陳峰の安定した寝息が聞こえ始めた。彼女は凍えるような寒さと心細さの中、B国での最初の夜を、犬のように丸まって過ごした。涙はすでに枯れ果て、残ったのは抜け殻のような虚無感だけだった。

窓の外では、見知らぬ街の灯りが瞬き続けている。それはまるで、彼女の未来を暗示するかのように、冷たく、それでいてどこか魅惑的に輝いていた。

商談前の屈辱

陳峰の後に従い、張彩児はB国の取引先が所有する高層ビルの一階ロビーに足を踏み入れた。無機質な白い壁と冷たい照明が、彼女の不安を一層掻き立てる。周囲を行き交う男たちの視線が、まるで品定めするかのように彼女の全身を舐め回した。彼女は思わず胸元を隠そうとしたが、今の自分の姿を思い出し、手を下ろした。薄手のコートの下には、ほとんど身につけているとは言えない下着だけ。陳峰が用意した「性奴隷」としての出で立ちだ。

「ここからは、君は僕の所有物だ。決して口を開くな。目線も上げるな」陳峰は振り返らずに低く命じた。彼の声は普段の忠実な秘書の口調とは違い、どこか冷たさを帯びている。張彩児は唇を噛み締め、小さく頷いた。仕方ない。これはすべて、A国に持ち帰る大型契約のため。一時の恥辱に耐えれば、必ず元の自分に戻れる。そう自分に言い聞かせる。

エレベーターを上がり、重厚なガラスドアを抜けると、広々とした応接室に通された。中央の革張りのソファには、スーツ姿の男が三人並んで座っている。いずれも中年で、鋭い目つきをしている。彼らが立ち上がると同時に、部屋の隅で待機していた数人の男性社員も一斉に視線を向けてきた。

「陳様、ようこそおいでくださいました」中央の男が流暢なB国語で話しかけ、手を差し伸べる。彼の名は王建国。今回の交渉の窓口だ。

陳峰は穏やかな笑みを浮かべて握手に応じた。「お招きいただき光栄です。本日は、弊社の『商品』をご覧いただくために参りました」

商品。その単語に、張彩児の肩がピクリと震えた。まさか、会社の社長である自分が、こんな風に呼ばれるとは。だが、抗議の言葉を飲み込む。陳峰の説明では、B国ではビジネスの前に、互いの「所有物」を鑑賞し合う風習があるという。それに従わなければ、交渉の席にもつけない。

「ほほう、これはまた美しい……」王建国は興味深げに張彩児に近づき、顎に手を伸ばして彼女の顔を持ち上げた。「A国の女はみな、こんなに肌がきめ細やかなのか? 陳様は良い奴隷をお持ちだ」

張彩児は必死に目を伏せ、歯を食いしばった。男の指が首筋を撫でる感触に、鳥肌が立つ。

「ありがとうございます。この奴隷は特別に調教したものでして、どんな命令にも従います」陳峰は平然と言ってのけ、張彩児に目配せを送った。それは『全てを私に任せろ』という意味だと、彼女は信じたかった。

「では、その忠実さを確かめさせてもらおうか」王建国はパチンと指を鳴らした。すると隣室から、若い男が一枚の透明な革製の衣装を手にして現れた。それはまるで、身体にぴったりと張り付く薄い膜のようなデザインで、胸元や股間の部分が不自然に強調されている。

「これを着せて、我々の前で這い回らせてくれ。奴隷の健康状態と従順さを確認するのが我々の流儀でね」王建国は事も無げに言った。

張彩児の頭に血が上る。そんな屈辱的な姿を衆目に晒すなど、正気の沙汰ではない。だが、陳峰はすぐに彼女のコートを取り去り、有無を言わさずその透明な革衣装を手渡した。「自分で着ろ。手間取らせるな」

彼は小声で付け加えた。「ここで拒否すれば、契約はゼロだ。君がここまで来た意味がなくなる」

張彩児は唇が震えるのを感じながら、衣装を受け取った。薄暗い応接室の隅で、男たちの視線を浴びながら、彼女は元々着ていたわずかな下着さえも脱ぎ去り、その冷たい革を身にまとった。衣装はボディスーツのように全身を覆うが、透明な素材のため何一つ隠せない。胸の先端や秘部は、むしろ衣装のデザインによって強調され、淫らに突出していた。

着用が終わると、陳峰は彼女の首に細い鎖を取り付けた。

「さあ、お得意様にご挨拶を」

彼が鎖を軽く引くと、張彩児は思わず四つん這いになった。冷たい大理石の床に手と膝をつき、彼女は這いずるようにして三人の男たちの前へ進み出る。顔を上げることができず、彼女には彼らの靴先しか見えない。だが、頭上から降り注ぐ笑い声と品評の言葉が、耳に痛かった。

「いい動きだ。腰の振り方にもムダがない」

「A国のテクノロジー企業が、こんな上等な奴隷を飼っているとはな。これなら信用できる」

張彩児は奥歯を噛み締めながら、部屋の中を一周這わされた後、王建国の足元で止められた。

「なかなかだ。では、次のテストに移ろう」王建国が立ち上がり、部屋の一角へと歩いていく。そこには奇妙な仕掛けが施された壁があった。腰の高さほどの位置に、直径20センチほどの穴が二つ、並んで空いている。穴の周囲には無数の細いベルトと金具が付いていた。

「我が社のオフィスには、こうした『リラクゼーション設備』を導入していてね。社員のストレス解消に一役買っているんだ。陳様の奴隷にも体験してもらおう」

言葉の意味を理解する間もなく、張彩児は陳峰に抱え上げられ、壁の穴の前に連れて行かれた。強制的に腰の高さに合わせられ、両手を穴の上の金具に固定される。足は床に届かず、彼女の上体は壁によりかかる形になった。そして、腰の位置が調節され、彼女の臀部がちょうど二つの穴のうちの一つに密着するように押し付けられた。

「この穴は、まさにこういう用途でな」王建国はもう一つの穴の方をポンと叩き、「こちらは同僚が同時に使用できる」と笑った。

恐怖で張彩児の身体が強張る。彼女は振り返ろうとしたが、首の鎖が短く固定されて動けない。視界は壁のみ。背後で男たちの話し声と衣擦れの音が聞こえる。

「では、試させてもらいます。当社の社員は最近、残業続きで疲れが溜まっていてね」王建国の声。すると、ジッパーが下ろされる音がし、続いて複数の足音が近づいた。

張彩児は叫び出しそうになるのを必死でこらえた。これはビジネスだ。契約のためだと心の中で繰り返す。だが、次の瞬間、ぬるりとした感触が彼女の太腿の間に押し当てられ、彼女の身体は無意識に逃れようと踠いた。

「動くな」陳峰の冷徹な声が耳元で響く。「商談の最中だぞ、社長」

社長という言葉が、今はかえって彼女を嘲笑っているようだった。

最初の侵入者が彼女の中に押し入ってきたとき、張彩児は壁に爪を立てて耐えた。痛みと異物感に、視界が滲む。だが、それは始まりに過ぎなかった。一人が満足すると、すぐに次の男が入れ替わる。壁越しに聞こえる荒い息遣いと、時折交わされる彼女の身体への品評が、彼女の羞恥心をかき立てた。

「なかなか締まりがいい。高級奴隷だ」

「A国の女は感度もいいんじゃないか? ほら、震えてるぞ」

張彩児は唇を噛み締めすぎて、血の味がした。それでも、どうしても漏れてしまう嗚咽だけは抑えられなかった。彼女は自分がまるで物のように扱われている現実に、頭の中が真っ白になりかける。だが、それでも意識の片隅で、この商談を成功させなければと必死に自分を保っていた。

どれだけの時間が経ったのか。ようやく最後の男が離れると、彼女の両脚は自分の力では立てないほど震え、壁によりかからなければ崩れ落ちそうだった。固定具が外され、陳峰が抱き起こしてくれるものの、彼の手つきには優しさよりも事務的な手際の良さが感じられた。

彼は彼女の乱れた髪を整えるふりをして、耳元で囁いた。「よく耐えた。契約はほぼ取れた」その言葉に、張彩児がわずかに安堵の表情を見せた瞬間、陳峰はさらに低く続けた。「だが、相手はさらなる『忠誠の証』を欲しがっている。後で詳しく話す」

張彩児の心臓が冷たく縮み上がる。さらなる? これ以上の何を求められるというのか。

彼女は混乱する思考の中で、王建国と陳峰が交わす会話をぼんやりと聞いていた。

「……素晴らしい奴隷を見せていただき、信頼が持てました。つきましては、来週に本契約の仮調印を行いたいと考えています」王建国の声音は上機嫌だった。

「ありがとうございます。ですが、ご存知の通り、完全な信用を得るためには、弊社の奴隷による更なる証明が必要かと。たとえば、次回は我々の前でこの奴隷が自ら望んで服従する姿を見せられれば、それに越したことはありません」陳峰の返答に、王建国は楽しげに笑った。

「それは楽しみだ。期待しているよ、陳様。そちらの奴隷の“本心”をぜひ見せてほしい」

張彩児は耳を疑った。自ら望んで? 本心? 何を言っているのか。陳峰が自分を売り渡そうとしているのか、それとも――いや、彼はこれまでも私を助けてくれた。きっと交渉のための方便に違いない。そう思い込もうとするが、彼の横顔には見慣れない暗い笑みが浮かんでいるように見えた。

オフィスを後にする道すがら、張彩児はよろよろと歩きながら、沸き上がる怒りと屈辱に耐えかね、陳峰に詰め寄ろうとした。しかし、彼は人差し指を静かに彼女の唇に当てて制した。

「今はまだ話す時じゃない。すべては契約のためだ。君が我慢すればするほど、我々の立場は有利になる。わかるね?」

張彩児は言葉を失った。心の中では反抗の叫びが渦巻いているのに、口から出るのはただ従順な吐息だけ。彼女は震える脚で、再び彼の後に続いた。街のネオンが、彼女の透明な衣装を透かし、まだ残る生々しい感触を嘲笑うかのようにチカチカと輝いていた。

これ以上、私はどこまで堕ちていくのだろう――その疑問が、胸の中で鈍く痛んだ。

奴隷市場での見聞

b国の首都に足を踏み入れてからというもの、張彩児の感覚は常に研ぎ澄まされていた。空港の喧騒、街路を行き交う男たちの品定めするような視線、ホテルの部屋にまで漂うかすかな閉塞感。しかし、陳峰に連れられて訪れたその場所ほど、彼女の神経を逆撫でするものはなかった。

「ここは……?」

車を降りた瞬間、むっとするような熱気と、甘ったるい香、そしてかすかな血の匂いが混ざった空気が鼻をついた。目の前に広がるのは、高い塀に囲まれた広大な敷地。無機質なコンクリートの通路の両脇には、鉄格子の檻がずらりと並び、その中には半裸、あるいは全裸の女性たちが鎖に繋がれ、うつろな目で座り込んでいる。まるで家畜市場のようなその光景に、張彩児は思わず足を止めた。

「ビジネス上の付き合いだよ、彩児」

陳峰は平然とした口調で言い、彼女の背中にそっと手を触れた。その手のひらの温度が、今日はやけに冷たく感じられる。

「b国では、奴隷市場での社交が重要な意味を持つ。取引先の重役もここに来る。君も、現地の文化を理解しておく必要がある」

「奴隷、市場……」

張彩児は声が震えるのを抑えきれなかった。A国のテクノロジー企業の社長として、彼女はこれまで数々の国際交渉をこなしてきたが、このような場所を「文化」として受け入れることはできない。しかし今、彼女は「張社長」ではなく、陳峰の「性奴隷」としてb国に潜伏している身だ。その事実が、彼女の口を重く閉ざさせた。

「さあ、行こう。じきにオークションが始まる」

陳峰は彼女を促し、人混みの中へと足を踏み入れた。通路にはスーツ姿の男や、伝統衣装をまとった老人、富裕層らしき若者たちが群がり、檻の中の女性たちを値踏みするかのようにじろじろと眺めている。時折、買い手が檻の前にしゃがみ込み、女性の口を開けさせて歯並びを確認したり、乳房の張りを確かめるように無遠慮に触れたりする光景が目に入り、張彩児は吐き気を覚えた。

「新鮮な商品が入荷したぞ! A国からの上玉だ!」

突然、拡声器を通した男の声が響き渡り、人々が一斉に広場の中央へと集まり始めた。陳峰に手を引かれるまま、張彩児もその流れに飲み込まれる。広場には簡素な木製の舞台が設けられ、その上に一人の若い女性が鎖で繋がれ、跪かせられていた。彼女はかろうじて下着だけを身につけ、肩を震わせている。

「この女は元々、A国の企業で働いていたらしい。頭は良いが、従順さに欠ける。しかし、調教次第で良い奴隷になるだろう」

司会者らしき男がそう説明し、周囲から下卑た笑い声が上がる。張彩児はA国という言葉に胸が締め付けられた。舞台の上の女性は、おそらく自分と同じように、何らかの事情でb国に渡り、このような境遇に落ちたのかもしれない。

「スタート価格は三百万ウォン!」

競売が始まり、男性たちが次々と札を上げる。その間、舞台の上の女性はうつむいたまま微動だにしなかったが、突然、顔を上げて叫んだ。

「お願いです、助けて! 私は騙されたんです! こんなの間違ってる!」

その瞬間、会場の空気が凍りついた。司会者の男の顔から表情が消え、舞台の袖から黒服の男たちが現れる。彼らの一人は、無造作に革の鞭を手にしていた。

「おやおや、調教が足りないようだな」

司会者が冷ややかに言い放つと、黒服の男は無言で鞭を振り上げた。鋭い音とともに、女性の背中に赤い線が走る。彼女は悲鳴を上げ、舞台の上に倒れ込んだ。しかし容赦なく、二度、三度と鞭が振り下ろされる。血が飛び散り、やがて彼女の身体は痙攣し、ぐったりと動かなくなった。気絶したのだろう。

会場は静まり返ったが、すぐに司会者が「さあ、気を取り直して。誰かこの奴隷に三百五十万を出す者は?」と明るく声を張り上げると、再び札が上がり始める。まるで何事もなかったかのように。

張彩児はその場に立ちすくみ、全身が震えていた。目の前の光景が現実とは思えず、頭の中で警鐘が鳴り響く。これが、b国の「当たり前」なのか。もし自分が正体を暴かれたら、あの舞台の上に立つのは彼女自身かもしれない。

「彩児」

耳元で陳峰の声が囁かれた。振り向くと、彼は穏やかな笑みを浮かべているが、その目は獲物を見据える蛇のように冷たかった。

「心配しなくていい。君が良い振る舞いを続ければ、ああなることはない。私がちゃんと、君を守ってあげるから」

彼の手が、彼女の首筋にそっと触れ、奴隷の証であるチョーカーの上をなぞる。

「しかし、もし君が言うことを聞かず、私を怒らせるようなことがあれば……」

陳峰は言葉を切り、舞台の上で気絶したまま引きずられていく女性を顎で指した。

「ここが、君の末路になるかもしれないな」

張彩児は息を呑んだ。秘書として信頼していたはずの男が、今では彼女の命運を完全に握っていることを、嫌というほど思い知らされた。彼女の内側で、それまで必死に保ってきた自尊心と恐怖が激しくぶつかり合う。逃げたい。叫びたい。しかし、A国の重役たちと結ぶ契約のため、社員たちの未来のため、何よりこの狂った国で生き延びるためには、今は従うしかない。

彼女は震える声で、かろうじて答えた。

「……わかったわ。ちゃんと、良い子にしてる」

その言葉を聞いた陳峰は、満足げに目を細めた。彼はまるで新しいおもちゃを手に入れた子供のように、彼女の腰を抱き寄せ、次の檻の前へと歩き出す。

「よろしい。では、もう少し見学しよう。ここでの出来事をよく目に焼き付けるんだ。それが、君の未来の教訓になる」

張彩児はただうつむき、男たちの欲望が渦巻く奴隷市場の熱気の中を、おぼつかない足取りで進み続けた。彼女の耳には、遠くで響く競売の声と、どこかの檻から漏れるすすり泣きが、いつまでもこびりついて離れなかった。

オフィスでの調教

張彩児は陳峰に連れられ、彼がb国で借りている仮設オフィスへと足を踏み入れた。そこは無機質な白い壁と最低限のデスク、大型モニターだけが置かれた殺風景な空間だったが、彼女にとってはすでに刑場のように感じられた。入室するなり、陳峰は背後でドアを施錠し、まるでそれが当然の儀式であるかのように、淡々とした口調で命じた。

「服を脱げ。すべてだ」

彩児の肩がびくりと震えた。まだ昼下がりだというのに、オフィスのブラインド越しに外の光が差し込んでいる。彼女は一瞬ためらい、唇を噛んだが、陳峰の冷たい視線がそれを許さなかった。ここはb国であり、彼女は「性奴隷」として振る舞わねばならない。契約のため、会社の未来のため――そう自分に言い聞かせながら、彼女は震える指でブラウスのボタンを外し始めた。スカートが足元に落ち、ストッキングを脱ぎ捨て、下着までも取り去ると、空調の冷気が裸の肌に刺さった。

「よくできたな」陳峰は口元に微かな笑みを浮かべ、自分のデスクチェアに腰を下ろした。「これからビデオ会議がある。お前はその机の下に入り、俺のものを奉仕しろ。音を立てるなよ。相手は重要なビジネスパートナーだ」

彩児は言葉を失った。机の下に隠れて、彼が会議をしている間に口淫をしろというのか。羞恥で顔が燃えるように熱くなったが、拒否する選択肢はない。彼女は四つん這いになり、広めのデスクの下へと潜り込んだ。陳峰の脚の間に膝をつくと、すでに硬く膨らんだ男性器がズボンの布地を押し上げているのが目に入る。彼女は目を閉じ、震える手でファスナーを下ろし、それを取り出した。

その時、モニターから接続音が鳴り、陳峰がヘッドセットを装着する気配がした。すぐに流暢なb国語で挨拶を交わす声が響く。彩児は心臓が喉から飛び出しそうなほど緊張しながら、そっと先端に舌を這わせた。陳峰の体が微かに強張り、会話を続けながら片手が机の下に伸びて彼女の頭を軽く押さえつける。彼女は覚悟を決め、それを深く咥え込んだ。

口中に広がる苦いような雄の味。必死に呼吸を整えながら、彼女は音を立てまいと喉の奥でゆっくりと頭を動かした。モニター越しに聞こえるビジネスライクなやりとり――売上予測だの、契約条件だの――と、今自分が行っている行為との落差が、彼女の理性をぐちゃぐちゃにかき乱す。陳峰は時折、会話の合間にわざと腰を小刻みに動かし、彼女の口内をより深く突いた。そのたびに嘔吐感が込み上げ、目尻に涙が滲むが、彼女は必死に耐えた。もしここで咳き込んだり、唾液の水音を立てたりすれば、すべてが台無しになる。陳峰の冷淡な指が、まるで道具を扱うかのように彼女の髪を撫でる。それが妙に心地よくて、自分が本当に奴隷へと変わっていくような錯覚に陥った。

会議はおそらく三十分ほど続いた。彩児にとっては永遠にも等しい時間だった。顎は疲れ果て、唾液で顎から胸元まで濡れている。それでも彼女は与えられた役割を全うしようと、舌を懸命に動かし続けた。やがてモニターから「それではまた来週」という別れの言葉が聞こえ、通話終了の電子音が鳴った。

陳峰はヘッドセットを外し、深く息を吐くと、机の下の彩児を見下ろした。彼女の涙と唾液に濡れた顔に、一瞬だけ何かを堪えるような表情が浮かぶが、すぐに支配者の顔に戻る。

「上出来だ。ご褒美をやろう」

彼はそう言うと、彩児の腕を掴んで引きずり出し、デスクの上にうつ伏せに押さえつけた。モニターや書類が脇に押しやられ、冷たい天板に彼女の乳房が押し潰される。抵抗する間もなく、背後から濡れた秘部に彼自身をあてがわれ、一気に貫かれた。

「あっ……!」

悲鳴とも吐息ともつかない声が漏れた。しかしその声には、もはや純粋な苦痛だけではない何かが混じり始めていることに、彩児自身が気づいていた。陳峰は容赦なく腰を打ちつけ、デスクをきしませる。彼女はただ為すがままに揺さぶられながら、さっきまで口で奉仕していたものが今度は身体の一番奥深くを満たしていく感覚に、頭の中が白く染まっていくのを感じた。

「どうした、社長。奴隷のくせに感じているのか?」

耳元で囁かれる言葉が、針のように心を刺す。違う、こんなのは辱めだ、そう思おうとするのに、身体の奥で疼くような悦びが抑えきれず、内壁が勝手に彼を締め付けてしまう。陳峰はそれを敏感に察知し、笑みを深くしてさらに激しい抽送を繰り返した。彩児はもう声を抑えることができず、オフィス中に嬌声が響き渡った。羞恥と快楽がぐちゃぐちゃに混ざり合い、自分が誰なのかも分からなくなる。

やがて、陳峰が最奥で熱い奔流を放ち、彩児もそれに引きずられるように、強烈な絶頂へと突き落とされた。二人の荒い息遣いだけが静かなオフィスに満ちる中、彼女はぐったりとデスクに突っ伏しながら、自分のおぞましい変化をはっきりと自覚していた。辱めを受ければ受けるほど、身体は素直に悦び、もっと深い支配を求めてしまう。それはもはや「偽装」と呼べるものではなかった。

陳峰は身なりを整えると、倒れたままの彼女の尻を軽く叩き、まるで愛玩動物にでも話しかけるように言った。

「片付けておけ。次の会議まであと一時間だ」

彩児は力なく頷き、震える脚でようやく起き上がった。床に落ちた服を拾いながら、心のどこかで、こんな屈辱に慣れ始めている自分の感覚を、もはや否定できないことを思い知っていた。

公開晩餐会の懲罰

b国高官晩餐会の会場は、重厚な黒檀の扉の向こうで、まるで別世界のように煌びやかな光を放っていた。張彩児は陳峰の半歩後ろをついて歩きながら、首に巻かれた赤い革の首輪が、自分の鼓動に合わせてわずかに締めつけられるのを感じていた。この国に来てから、彼女はすでに幾度も辱めを受けてきたが、今夜の場の空気は、それらとは明らかに違う、濃密な悪意に満ちていた。

黒いタキシード姿の陳峰は振り返り、冷たい視線で彼女を一瞥すると、低く命じた。

「中に入ったら、お前はただの性奴隷だ。余計な口をきくな。俺の指示にだけ従え。」

張彩児は唇を噛み、小さくうなずいた。心の奥底では、こんな屈辱は一時的な偽装に過ぎないと自分に言い聞かせている。しかし、足元まで届く網タイツに包まれた脚は、かすかに震えていた。

大広間に入ると、長いテーブルには既に十数人の男たちが着席していた。全員がb国の政財界の重鎮らしく、豪華な装飾の施された軍服や高級スーツに身を包み、葉巻の煙と笑い声が入り混じる。壁際には、給仕をする使用人たちの姿もあるが、その中に女は一人もいない。ただ、いくつかの席の足元には、ペットのようにうずくまる裸身の女たちの影が見えた。

張彩児の存在に気づいた一人の白髪交じりの男――どうやらこの晩餐会の主賓らしい――が、品定めするような目つきで彼女をじろじろと見た。

「ほう、陳秘書。その新入りの奴隷か? A国の女社長だというじゃないか。なかなかいい玩具を手に入れたようだな。」

陳峰は恭しく一礼し、笑みを浮かべた。

「閣下、お目が高い。まだ調教の途中ですが、今夜は皆様のおもてなしにと思い、連れてまいりました。」

「調教途中なら、ちょうどいい。まずはテーブルの下だ。客をもてなす基本を教えてやれ。」

その言葉に、張彩児の背筋に冷たいものが走った。テーブルの下? まさか……陳峰が無言で顎でしゃくると、彼女の首輪につながれた鎖を軽く引っ張った。抵抗する隙も与えず、強引にテーブルの下へ追いやられる。

高級なカーペットの上に膝をつくと、目の前には数足の革靴が並んでいた。葉巻の煙と男たちの体臭が混ざったむっとする匂いが鼻をつく。彼女は吐き気をこらえながら、必死に現実から目を背けようとした。これは偽装だ、ただの演技だと。

しかし、頭の上からは陳峰の冷酷な声が降ってくる。

「彩児、閣下方の靴をお舐めしろ。奴隷らしく、心を込めてな。」

彼女は震える手を伸ばし、目の前の一足の靴に触れた。その瞬間、雷に打たれたような羞恥が全身を駆け抜ける。それでも、この場を乗り切らなければ、A国の会社も、何もかもが終わる。彼女は目を閉じ、そっと靴の先端に唇を押し当てた。

男たちの嘲笑が鼓膜を突き刺す。

「へえ、舌使いがぎこちないな。ほら、もっと丁寧に舐めろよ。」

別の男が、足を彼女の顔のすぐ近くに突き出す。張彩児は逃げ場を失い、言われるままに、冷たい革の感触を舌でなぞった。涙がこぼれそうになるのを、歯を食いしばって耐える。

どれくらい時間が経ったのか、突然、一人の若い高官が椅子を蹴って立ち上がると、乱暴にテーブルクロスをまくり上げた。

「面白い。こいつをちょっと借りるぞ。」

彼は張彩児の腕を掴み、有無を言わさず立たせると、会場の隅にある小さな物置部屋へと引きずっていく。張彩児は慌てて陳峰の方を見た。助けを求める視線を送ったが、彼は表情一つ変えず、まるで見えない壁の向こう側にいるかのように、グラスを傾けていた。

「い、いやっ、離して!」

張彩児は必死に抵抗し、彼の手を振りほどこうとした。しかし、長身の男は力が違う。彼女が蹴ろうとした脚は軽々と押さえ込まれ、あっという間に薄暗い物置に押し倒される。床にはぞうきんや掃除用具が散乱し、カビ臭い空気が充満していた。

男は嘲笑しながら、彼女の薄い布地のドレスを一気に引き裂いた。

「暴れるなよ、A国の女社長さん? ここではお前はただの牝犬だ。」

張彩児は爪を立てて反撃しようとしたが、男は彼女の両手首を片手でまとめて押さえつけ、もう片方の手でベルトを外しにかかる。恐怖と屈辱に、彼女の視界が涙で歪む。物置の錆びた蝶番の隙間から、かすかに宴会場の声が聞こえてくる。誰も、誰一人として、彼女を救おうとはしない。陳峰もだ。

男の体重がのしかかり、無理やりに脚を開かされる。彼女の心は悲鳴をあげた。なぜ、こんなことが。私は張彩児だ。会社を率いてきた女だ。なのに、いま。

激しい痛みと共に、彼女の中で何かが決定的に折れる音がした。

すべてが終わったあと、張彩児は破れた衣服をかき合わせ、まるで壊れた人形のように物置の床にうずくまっていた。男は何事もなかったかのようにズボンを直し、彼女の髪を一房掴んで言った。

「なかなか良かったぞ。次はもっと可愛がってやる。」

そう言い残して出ていく背中を、彼女は虚ろな目で見送った。

しばらくして、陳峰が物置の戸を開けた。彼の顔には、感情らしい感情は浮かんでいない。ただ、床に散った衣服の切れ端と、震える彼女の姿を確認すると、腕時計をちらりと見て言った。

「着替えろ。晩餐会はまだ終わっていない。皆の前で、今度はグラスを運ぶ役目だ。」

その言葉に、張彩児の胸の内で、怒りと絶望が沸騰した。這うように立ち上がり、彼女は乱れた息のままに、しわがれた声を振り絞る。

「なぜ……なぜ見て見ぬふりをしたの!? あなたは私を守るべき秘書じゃなかったの!? 偽装だって言ってたじゃない!」

涙が止めどなく溢れ、化粧も台無しにした形相で、彼女は陳峰の胸ぐらを掴んだ。しかし彼は目を細め、まるで汚物でも見るかのように、彼女の手をゆっくりと引き剥がした。

「偽装? 彩児、お前はまだそんな甘いことを言っているのか。ここはb国だ。ここでのルールは、男が絶対で、奴隷は奴隷だ。お前はもうとっくに、俺の性奴隷以外の何者でもない。」

「そんな……!」

「慣れろ。生き残りたければな。今のお前には、俺の庇護が不可欠だということを、痛感しろ。」

陳峰の声は氷のように冷たく、その瞳には、かつての忠実な秘書の影など微塵もなかった。彼が差し出した黒いミニドレスを、張彩児は震える手で受け取る。破れた布の代わりに、更に肌の露出の多いそれを身にまとう時、彼女は心の奥底で、最後の小さな炎が消え去るのを感じた。抵抗の意志は、この夜を境に、粉々に砕け散ったのだ。

多人の教室

張彩児は、黒く塗り潰された大きな鉄の門の前に立っていた。門の上には無機質な文字で「b国私立調教学院」と刻まれている。背後の陳峰が無言で彼女の腕を掴み、門に向かって歩き出した。張彩児は反射的に足を止めそうになったが、陳峰の指が容赦なく彼女の二の腕に食い込む。痛みに顔を歪めながら、彼女は唇を噛みしめて門をくぐった。

中は静まり返っていた。白い壁と白い床がどこまでも続き、消毒液のような匂いが鼻をつく。廊下の両側にはいくつものドアが並び、どのドアにも小さな窓がついている。窓からは室内の光景がちらりと見えたが、張彩児は直視することができなかった。陳峰は慣れた足取りで進み、やがて「多人教室」と書かれたプレートのかかった部屋の前で止まった。

ドアが開くと、中からむっとするような熱気と、かすかな汗の匂いが流れ出てきた。室内は思ったよりも広く、二十人ほどの若い女性が床に正座していた。全員が同じような薄いグレーのチュニックを着せられ、首には黒い革の首輪が巻かれている。張彩児は息を呑んだ。彼女たちの目は皆、虚ろで、表情は完全に消え去っていた。

「ここから先は、お前の新たな教育の場だ」

陳峰が低い声で囁き、彼女の背中を押した。張彩児はよろめきながら教室内に足を踏み入れる。とたんに、室内の女性たちの視線が一斉に彼女に注がれた。しかし、その視線には好奇心も敵意もなく、ただ単に新しい物体を見るような無関心さだけがあった。

「新入りか」

鋭い声が響き、白衣を着た中年の女性指導員が近づいてきた。手には細い指示棒を持っている。彼女は張彩児の全身を品定めするように眺め回し、それから陳峰に軽く頷いた。

「お預かりします。一週間後には、見違えるような奴隷に仕上げてお見せしましょう」

陳峰は口元に薄い笑みを浮かべると、何も言わずに教室を出て行った。ドアが閉まる音が、やけに大きく張彩児の耳に残った。

指導員は張彩児の顎を掴み、上向かせた。

「まずは着替えだ。そこの隅で服を脱げ」

彼女の指さす先には、グレーのチュニックが無造作に積まれていた。張彩児は一瞬ためらい、唇を開きかけたが、指導員の冷たい目を見て言葉を飲み込む。震える指でスーツのジャケットを脱ぎ、ブラウスのボタンを外し始めた。肌が外気に触れるたびに、鳥肌が立つ。下着だけになると、指導員が苛立たしげに指示棒で床を叩いた。

「全部だ。ここでは、そんなものは必要ない」

張彩児は顔を真っ赤にしながら、ブラとショーツを脱ぎ捨てた。自分の裸体が、こんなにも多くの他人の前に晒される屈辱。しかし、誰も彼女をまじまじと見る者はいなかった。ただ、指導員だけが冷たく彼女の体を観察し、チュニックを投げてよこした。

チュニックは薄く、肌にペタリと張りつく。それに加えて、指導員は黒い革の首輪を取り出し、彼女の首に巻きつけた。首輪には小さな金属プレートがついており、そこには「試作奴隷27号」と刻印されている。

「それがお前の名前だ。今日からは、自分のことをそう呼べ」

指導員の言葉に、張彩児は首を振ろうとしたが、首輪が邪魔をしてうまく動かせない。

「さあ、お前の席はあそこだ。他の者たちと同じように、這って行け」

指導員は教室の後方、床に敷かれたマットの一角を指した。張彩児は呆然と立ち尽くしていたが、指導員が指示棒で彼女の太腿を打った。鋭い痛みに、彼女は思わず床に手をつく。

「早く這え! ここでは二足歩行は許されていない」

張彩児は歯を食いしばり、四つん這いで床を這い始めた。膝と手のひらが冷たい床に擦れる。頭を上げると、他の女性奴隷たちが淡々と這い回っているのが見えた。彼女たちは皆、同じように首輪をつけ、無表情で指導員の指示を待っている。何かが決定的に壊れてしまった者たちの群れ。張彩児は自分もその中に溶け込んでいくのかと思うと、胃の底から湧き上がる嫌悪感に吐き気がした。

割り当てられたマットの位置にたどり着くと、指導員が教室の中央に立ち、指示棒を手に声を張り上げた。

「これより、集団タグ付け訓練を開始する! 全員、自分の番号を大声で叫びながら、所定の位置に這って集合!」

教室内に、女たちの声が一斉に響く。

「奴隷3号、着きます!」

「奴隷12号、着きます!」

虚ろで感情のない声。張彩児は口を開けることができなかった。すると指導員がすぐさま彼女のそばに歩み寄り、指示棒で背中を叩いた。

「27号! なぜ言わない!」

「……奴隷、27号……着きます」

かすれた声で張彩児が呟くと、指導員は満足げに頷き、続けて命じた。

「よし、次は公開自慰訓練だ。全員、仰向けに寝転がり、自分の性器を弄れ」

張彩児の全身から血の気が引いた。周りを見ると、他の女性たちは指示通りに仰向けになり、手を股間に伸ばしている。誰一人として抵抗する様子はない。指導員が一人ひとりの間を巡回し、手の動きが遅い者には容赦なく指示棒を振り下ろした。

「27号! 早くしろ!」

張彩児は躊躇した。これは仕事のため、契約のためだと自分に言い聞かせ、震える手を太腿の間に滑り込ませた。指が敏感な部分に触れると、体がびくりと跳ねる。涙が滲み、視界が歪む。それでも彼女は、必死に指を動かした。

だが、その動きはぎこちなく、指導員の目に留まった。

「やり直しだ! もっと腰を突き出せ」

指導員は張彩児の腰を掴むと、無理やり高い位置に持ち上げ、彼女の尻を衆目に晒させた。そして、手にした指示棒ではなく、素手でその臀部を勢いよく叩いた。

パァン! という乾いた音が教室に響き渡る。

「ひっ…!」

張彩児は悲鳴を上げ、体をよじらせたが、指導員は容赦なく続けて何度も叩いた。

「これが、命令に従わない奴隷への罰だ。皆、よく見ておけ」

他の奴隷たちは手を止め、虚ろな目でその光景を見つめている。張彩児の白い肌がみるみる赤く染まり、痛みと恥辱で頭が真っ白になった。必死で冷静を保とうとしたが、叩かれるたびに、彼女の口からは抑えきれない嗚咽が漏れた。

夕方になっても訓練は続き、張彩児は這い回る練習、お辞儀の仕方、主人への言葉遣いなどを延々と叩き込まれた。夕食は床に置かれた金属製のボウルに入った、味のしない流動食だけ。それを他の奴隷たちと一緒に、犬のように這いつくばって口をつけて啜った。

やがて消灯の時間が来た。指導員が教室の照明を落とすと、奴隷たちは各々、指定された共用マットの上に移動する。張彩児も割り当てられた場所へ這って行った。マットは薄く、固い床の感触が直接体に響く。隣には見知らぬ奴隷が横たわっており、その体温と呼吸がすぐ近くに感じられた。

「……あなた、まだ正気なの?」

突然、隣の奴隷が小さな声で囁いた。張彩児が驚いて顔を向けると、暗がりの中でその女の目が、他の者とは違うかすかな光を宿しているのに気づいた。

「私は奴隷19号。ここに来て三週間になる。あなた、まだ入ったばかりでしょう。目が、死んでない」

張彩児は何と答えていいかわからず、ただ黙って首を振った。女は続けて言った。

「でも、いつかは慣れるわ。自分が物だと思うようにするの。そうすれば、痛くなくなる。悲しくもなくなる…私みたいにね」

そう言うと、女はそれきり口を閉ざし、身を丸めて眠りについた。

張彩児は天井を見つめながら、陳峰の顔を思い浮かべた。彼は今、どこで何をしているのだろう。私をこんな場所に送り込んで、満足しているのだろうか。契約が終われば、元の社長に戻れる。そう自分に言い聞かせるが、首輪の感触とまだヒリヒリする尻の痛みが、現実の重みとしてのしかかる。彼女はマットの上で身を固くし、静かに涙を流した。他の奴隷たちの寝息だけが、暗い教室の中に満ちていた。