# 第六章 極楽楼の奴隷一
極楽楼に連れられてから、半月が過ぎていた。
曦月は薄い紗の寝衣を纏い、白姨の前に跪いていた。楠木の床は冷たく、膝から伝わる冷気が全身を震わせる。部屋の中には甘ったるい麝香の香りが立ち込め、窓の外からは楼の下から聞こえる琵琶の音と嬌声が微かに漏れ聞こえてくる。
「さあ、足を開きなさい。」
白姨の声は柔らかだが、抗いがたい威圧感を帯びている。彼女は手に銀の盆を持ち、その上に真鍮の柄のついた小さな剃刀が置かれていた。刃先が燈火に照らされ、冷たく光る。
曦月は唇を噛みしめた。もう何度も辱めを受けてきた。それでも、この行為がもたらす屈辱には慣れることができない。
「お前の宝の場所だ。これからは、俺たち極楽楼の看板になるんだ。毛なんか立派に生やしてちゃ、客を楽しませる花にはなれない。」
白姨はしゃがみ込み、曦月の寝衣の裾をたくし上げた。白く細い両腿が露わになる。半月前の拷問で刻まれた鞭の痕はすでに薄くなっていたが、代わりに内腿に小さな淫紋が彫られていた。それは歡喜禅の秘術で施されたもので、触れるだけで曦月の身体が疼くようにできている。
「ふふ、まだ恥ずかしがっているのか。この半月、何をされてきたか忘れたのか?」
白姨は冷たい手で曦月の恥丘に触れた。ぷっくりと膨らんだその場所には、柔らかな黒い陰毛が生えている。処女の頃から一度も剃ったことのない場所だ。
「いや…そこは…」
曦月が反射的に腿を閉じようとすると、白姨が手早く彼女の膝を押さえた。
「動くな。暴れると、傷つけるぞ。」
銀盆から剃刀を取り上げ、白姨は曦月の花園に刃を当てた。冷たい金属の感触が肌をなぞる。ざり、という微かな音とともに、黒い毛が刃に絡まり落ちていく。
「ああ…っ」
思わず漏れた声は、悲鳴というより嘆きに近かった。剃刀が往復するたび、自分の身体から女らしさの象徴が奪われていく感覚がする。
白姨は熟練した手つきで、丁寧に陰毛を剃り落としていく。まず恥丘の前面、次に両側の付け根、最後に大陰唇の周りを丁寧に撫でるように剃る。
「ほう、なかなか形がいい。生え際がきれいだ。」
そう言いながら、白姨は手早く残った毛を拭い去り、温かい布で曦月の剃られた部分を拭いた。柔らかな布が敏感な肌を滑る。剃られた後の肌は、生まれたてのように滑らかで、触れるだけで電気のような感覚が走る。
「見てみろ。どれほど美しいか。」
白姨は曦月の腕を掴み、強制的に立たせると、部屋の隅にある大きな銅鏡の前に連れて行った。
鏡の中には、自分とは思えない女が立っている。
半月前までは、天剣閣の小師妹として、清らかな白衣をまとい、剣を佩いていた自分。今は薄い羽織を一枚纏っただけの姿で、剃り落とされた陰部が露わになっている。
耻毛のなくなったそこは、少女のように無毛で、かえって陰裂の形がくっきりと浮き彫りになっていた。大陰唇はふっくらと膨らみ、その間に微かに見える陰核は、淫紋の影響でいつもより少し腫れている。
「どうだ?自分のものとは思えないだろう?」
白姨は後ろから曦月の腰に手を回し、指で剃り上げられた恥丘を撫でた。滑らかな感触に、自分でも背筋が震える。
「いい女になったものだ。まるで、最初から娼婦として生まれてきたようだ。」
からかうような白姨の声に、曦月は顔を真っ赤にして俯いた。鏡の中の自分の姿があまりにも淫らで、まともに見ていられない。
「ああ、これはこれは。白姨が一丁前に仕上げたようだな。」
部屋の入口から、傲然とした女性の声が聞こえてきた。顔を上げると、夏綾が壁に寄りかかりながら、嘲るような笑みを浮かべてこちらを見ている。
夏綾は一層艶やかな装いをしていた。薄紅色の羅紗の長袍の下からは、白い鎖骨と豊かな双丘が覗いている。目元には青い化粧が施され、瞳の中に妖しい光が宿っていた。もうあの天機閣の大師姐はどこにもいない。そこにいるのは、完全に極楽楼の花魁としての顔だけだ。
「剣閣の仙子様が、見事な剃りっぷりだな。天剣閣の連中がこれを見たら、どんな顔をするだろうな?」
夏綾はゆっくりと歩み寄り、曦月の周りを一周しながら、品定めするような目を向ける。
「その無垢な顔に、剃り上げられた女陰のギャップが見事だ。ますます娼婦らしくなったぞ。」
「お姉さん…やめてください…」
曦月は声を震わせて懇願した。目尻に涙が滲む。半月前までは夏綾を心から尊敬していた。同じ名門の出身で、同じ境遇にあるはずなのに、今の夏綾は完全に別の人間になってしまったように見える。
「やめて?何をだ?お前がどんどん淫らになるのを褒めてやっているんだぞ。」
夏綾は細長い指で曦月の顎を掬い上げ、無理やり彼女の目を合わせさせた。
「もう分かっているだろう?お前はもう天剣閣の仙子ではない。ただの、極楽楼に飼われる雌犬だ。それがお前の新しい身分だ。」
その言葉は刃のように曦月の心臓を刺した。
「私…私は…」
「お前は何だ?」
夏綾が耳元に顔を近づけ、息を吹きかけるように囁く。
「天剣閣の小師妹か?それとも、これからたくさんの男を喜ばせる娼婦か?」
「私は…違う…」
曦月は頭を横に振った。しかし自分でも、その否定に確信が持てない。半月の調教で、身体が既に快楽を覚えてしまっている。淫紋が疼くたびに、指で自ら慰めてしまう自分がいる。
「ふん、まだそんな強がりを言うか。」
夏綾は冷笑すると、白姨の方に向き直った。
「白姨、こいつの調教はどの程度進んでいる?」
「順調だ。ただ、花穴の方はまだ未調教だ。客を取る前に、しっかり慣らしておく必要があるだろう。」
白姨は物置から細長い木箱を取り出した。開けると、中には様々な大きさの翡翠製の男根が並んでいた。滑らかな表面に、淫紋のような模様が彫り込まれている。
「よし、ならば私がやってやろう。」
夏綾はその中から最も小ぶりなものを選び出すと、曦月の前に差し出した。
「お前のために、優しくしてやる。感謝しろよ。」
曦月は反射的に後退った。その翡翠の棒からは、不気味な冷気と甘い匂いが漂っている。催淫作用のある薬が塗られているのだ。
「いや…そんなもの…」
「嫌がるな。お前のためだ。客に裂かれるよりはずっと優しい。」
夏綾は曦月の手首を掴み、強制的にベッドに引き倒した。抗おうとすればするほど、淫紋が熱を帯びてくる。身体が既に調教に慣れてしまっているのだ。
「足を開け。大人しくしていれば、苦しませない。」
夏綾の声は蠱惑的で、甘く響く。曦月の理性が警鐘を鳴らす。しかし身体は、淫紋の影響で言うことを聞かない。
「いや…いやです…」
そう言いながらも、曦月の脚は自然に開かれていく。白姨が剃り上げた無毛の花唇が露わになり、そこはすでに少し濡れ始めていた。
「ほら、もう準備ができているじゃないか。淫らな雌犬め。」
夏綾は翡翠の棒を曦月の花唇に当てた。冷たい感触が熱を持った肌に染みる。その滑らかな先端が、ゆっくりと膣口に押し込まれていく。
「んんっ…!」
曦月は身体を硬くした。異物が体内に入り込む感覚。しかし半月の調教で、既に処女膜は失われている。痛みはほとんどなかった。
「そうだ、いい子だ。力を抜け。」
夏綾は徐々に翡翠の棒を押し込んでいく。小さめとはいえ、それは曦月の未調教の花穴には少し大きかった。内部の襞が異物を拒もうとして締め付けるが、潤滑油と催淫薬の効果で、やがて滑らかに受け入れていく。
「はあっ…あっ…」
思わず漏れる吐息。翡翠の石特有の冷たさと、催淫薬の温かさが混ざり合い、奇妙な感覚を生み出している。
夏綾は手首を返しながら、ゆっくりと棒を動かし始めた。最初は浅く、徐々に深く。曦月の体内の反応を確かめるように。
「どうだ?気持ちいいか?」
「ちが…違います…こんなの…」
「嘘をつけ。もうお前の花蜜が垂れているぞ。」
夏綾が引き抜いた翡翠の棒には、確かに透明な液体が光っていた。曦月はそれを目にして、さらに恥ずかしくなる。
「お前の身体は正直だ。もうすぐ、お前の心も身体に追いつく。」
夏綾は再び棒を押し込む。今度は少し速い動きで。室内に湿った水音が響き始める。
「あっ…ああっ…!」
曦月の体が弓なりに反る。何かが彼女の中で弾けた。快感と苦痛の境界線が曖昧な感覚。それは半月の調教で初めて味わうものだった。
「ほう、もう感じ始めたか。まだ三往復しかしていないのに。」
夏綾の目に、愉悦の光が宿る。彼女はさらに棒の動きを速めた。翡翠が曦月の花壁を擦るたびに、全身が痙攣する。
「いやっ!待って!なにか…何かが違う…!」
「違いはない。今お前が感じているのは、ただの快楽だ。お前の身体が認めた快楽だ。」
夏綾は棒を深く突き入れた。その先端が、子宮口に当たる。曦月の体が激しく震えた。
「あああっ!」
悲鳴のような嬌声が部屋に響く。同時に、曦月の体から力が抜けた。股間からは透明な液体が溢れ、シーツを濡らす。
夏綾はゆっくりと翡翠の棒を引き抜いた。先端から、糸を引くように曦月の愛液が垂れる。
「初めての花穴調教でイったか。なかなかの才能だ。」
白姨が感心したように言った。
曦月はベッドの上で、痙攣を繰り返しながら、天井を見上げていた。涙が頬を伝い、枕を濡らす。
何かが壊れた。あの瞬間、自分の中にあった何かが完全に砕け散った。
「どうした、泣いているのか?快楽に墜ちた自分が悲しいのか?」
夏綾が曦月の顔を覗き込み、涙を舐め取るように唇を近づける。
「泣け、泣くがいい。お前の涙が枯れる頃には、お前はもう完全に俺たちのものだ。」
夏綾の声は、甘く、しかし冷酷だった。
「天剣閣の曦月は死んだ。今のお前は、ただの快楽に生きる雌奴隷だ。それを認めるがいい。」
曦月は何も言えなかった。身体の奥で、まだ余韻が蠢いている。もう一押しされれば、すぐにまた感じてしまうだろう。そう思うと、自分が怖かった。
「明日からは、バイブでの調教を本格的に始める。毎日、三回。お前の花穴が、いつでも男を受け入れられるようになるまで。」
白姨が淡々と言った。
曦月はただ、涙を流し続けた。
その夜、曦月は自分の部屋で、一人夜を過ごした。窓の外からは、極楽楼の賑わいが聞こえてくる。酔客の笑い声、妓女たちの嬌声、琵琶の音。
彼女は自分の陰部に触れた。剃り上げられたそこは、まるで少女のように滑らかだ。しかし身体の奥底には、昼間に植え付けられた快楽の記憶が微かに残っている。
「なぜ…なぜこんなことに…」
呟きながら、彼女は無意識に自分の脚を擦り合わせていた。催淫薬と淫紋の影響が、少しずつ彼女の理性を蝕んでいる。それに抗うために、彼女は自分の陰核に指を這わせた。
「んっ…」
自分で慰めることほど屈辱的なことはない。しかし、この半月で身につけてしまった習慣だった。薬の効果を薄めるためだと、自分に言い訳をしながら。
だが、今夜は違った。指が敏感な陰核に触れた瞬間、昼間の快感の記憶が鮮明に甦る。翡翠の棒が花壁を擦る感触、子宮口を突かれた衝撃。
「あっ…」
指が勝手に動く。彼女は自分を止められなかった。
指が膣内に入り込み、昼間に翡翠の棒が擦った場所を探る。そこはまだ少し腫れていて、触れるだけで甘い痺れが走る。
「ああっ…!」
思わず声が出た。彼女は自分の口を押さえ、必死に声を殺す。しかし指は止まらない。むしろ速くなる。
指が子宮口に触れた瞬間、彼女の体が激しく震えた。
「あっ…あっ…!」
そこに触れてはいけない。そう思っても、指は言うことを聞かない。理性と本能が激しく葛藤する。
「私は…違う…違うの…」
否定の言葉を呟きながら、彼女は自分の快楽を追い求める。そして、再び絶頂に達した。
「あああっ…」
力が抜けて、手が止まる。全身が熱く、心臓が激しく鼓動している。
涙が止まらなかった。自分が自分でなくなる感覚。もう後戻りできないところまで来ていることを、曦月は感じていた。
一方、その頃。
夏綾は自分の部屋で、葡萄酒を片手に、曦月の部屋から漏れる喘ぎ声を聞いていた。
「もう半分は堕ちたな。」
彼女は冷ややかに微笑む。あの清らかだった小師妹が、今や自ら慰めてイくまでになった。それを思うと、何とも言えない愉悦が湧き上がる。
「半月後には、私の手で完全に堕としてやろう。さあ、どこまで堕ちるか、見せてもらおう。」
夏綾は酒杯を一気に飲み干し、唇を舐めた。
彼女の目には、歪んだ期待の光が宿っていた。