# 第1章 始まり
地下4階、B401。時空魔法の歪んだ空気が肌を撫でる。
林若簡——林小簡は、真紅のシルクのドレスに身を包み、足元には厚底の細かいダイヤが散りばめられた超ハイヒールを履いていた。黒髪は腰まで流れ、普段の戦闘部総裁としての凛々しさは影を潜め、代わりに薄紅色の頬が上気している。
「倉児……」
彼女の声は微かに震えていた。
隣に立つ蘇語倉——蘇小倉は、黒いレースのランジェリーを身に纏い、細ヒールの赤い底のハイヒールが床を叩く音を響かせている。ショートヘアの彼女は、一見冷静を装っていたが、指先の震えを隠せなかった。
「簡児、大丈夫だ」
蘇語倉はそう言いながら、林若簡の手を強く握った。
B401は見た目こそ豪華なプライベートルームだった。柔らかな絨毯、大きなベッド、アンティーク調の家具——まるで二人の家の一部を切り取ったかのようだ。しかし、壁に刻まれた時空魔法の符文が微かに光り、この空間が外部と隔絶されていることを示していた。
「小曦、ただいまの時刻を」
林若簡が呼びかけると、部屋の隅から優しい女性の声が響いた。
「ただいま午後二時十三分です。次の調教まで、あと四十七分ございます」
智能システム「小曦」がそう告げると、壁面のモニターにカウントダウンが表示された。
蘇語倉は深く息を吸った。「準備をしよう」
二人はB401の奥に設けられた小部屋へと向かった。そこは化粧室と衣装部屋が一体化した空間で、壁一面には鞭やロープ、様々な調教道具が整然と並べられていた。
林若簡は鏡の前に座り、口紅を塗り直した。その手は微かに震えている。
「怖いか?」
蘇語倉が後ろから彼女の肩に手を置いた。
「……怖いよ。でも、必要なことだ」
林若簡は鏡の中の自分を見つめながら答えた。その瞳には怯えと共に、ある種の覚悟が宿っている。
星曦閣の全従業員——彼女たちが率いる戦士たちは、戦場で深い傷を負っている。魔物との戦いで心を壊され、PTSDに苦しむ者も少なくない。そんな彼女たちが、自らの支配欲や加虐欲を安全な形で発散できる場——それがこのB401だった。
しかも、部下たちは知らない。二人の総裁が「弱みを握られて脅されている」と思い込んでいるが、実際には全て計算の上だと。林若簡と蘇語倉は、敢えて弱みを見せ、敢えて脅されるふりをして、この調教を受け入れているのだ。
「簡児、無理はしなくていい」
蘇語倉が優しく囁いた。
「倉児こそ……精液を飲むのは苦手だろう。私に任せてくれ」
林若簡は振り返り、彼女の手を取った。
蘇語倉の頬が微かに赤らむ。「……簡単に任せられるものか。お前が辱められるのを見ている方が辛い」
二人の視線が交錯し、互いの決意を確かめ合う。
化粧を終え、装いを整えた二人は、再びメインルームに戻った。カウントダウンは残り五分を示している。
「小曦、扉を開錠せよ」
林若簡の言葉に従い、部屋の入口にかけられた魔法の鍵が外れる音がした。
やがて、重厚な扉が内側に開かれた。
入ってきたのは二人の女——エビーと尹素婉だ。
エビーは星曦閣戦闘部のエリートで、筋肉質な体に戦闘服を纏い、腰には仿生陰茎の装着ベルトが目立つ。尹素婉は魔物研究部の副主管で、細身だが眼光は鋭い。
「総裁、副総裁……お待たせしました」
エビーの口元に笑みが浮かぶ。彼女は、自らのリーダーたちを調教できるという優越感に酔っていた。
林若簡と蘇語倉は顔を見合わせ、静かに床に跪いた。
両手を腿の上に置き、手のひらを下に向ける。次に、ゆっくりと両手を地面につけ、額を床に擦り付けるように頭を下げた。
「ご主人様、どうか簡奴を思う存分調教してください」
「ご主人様、どうか倉奴を思う存分調教してください」
声は揃って震えていた——演技ではなく、本当の恐怖が混じっていた。
エビーと尹素婉は満足げに頷いた。
「顔を上げろ」
尹素婉の命令に、二人はゆっくりと顔を上げた。
「小簡、服を脱げ」
エビーが簡潔に命じる。
林若簡は一瞬躊躇したが、蘇語倉の視線を感じて、ゆっくりと立ち上がった。真紅のシルクドレスのファスナーに手をかけ、肩から滑り落とす。厚底のヒールだけを残して、彼女の裸体が露わになった。
「両手を前に出せ」
エビーはベルトからロープを取り出し、林若簡の両手首をしっかりと縛った。白い肌に食い込む麻縄が痛々しい。
「座れ」
エビーはベッドの端に腰掛け、股間の仿生陰茎を露わにした。それは立派に勃起し、先端からは透明な潤滑液が滴っている。
「口を使え」
林若簡は縛られた両手を前にして、ゆっくりとエビーの前に膝をついた。顔を近づけ、震える唇でその陰茎の先端を舐めた。
塩っぱい味が広がる。
彼女の舌はゆっくりと軸を伝い、根本までを丹念に舐め上げる。目には涙が浮かんでいたが、それは屈辱と、そしてどこかにある安堵が混ざったものだった。
一方、尹素婉は蘇語倉に近づいた。
「副総裁、お前もだ」
蘇語倉は唇を噛みしめ、両手を差し出した。尹素婉は同じようにロープで彼女の手首を縛る。
「跪け」
蘇語倉が膝をつくと、尹素婉は自身の仿生陰茎を取り出した。それは艶やかな黒色で、先端の形状が強調されている。
「顔を上げろ」
尹素婉の一撃が、蘇語倉の頬を打った。仿生陰茎の硬い感触が、皮膚を叩く。
「あっ……」
蘇語倉の声が漏れる。
次の一撃は胸元を襲った。乳房の柔らかな肉が弾かれ、赤い痕が浮かぶ。
「総裁の調教を見ていると、どんな気分だ?」
尹素婉の声には嘲笑が込められていた。
蘇語倉は答えなかった。代わりに、横でエビーの陰茎にしゃぶりつく林若簡を見つめた。その必死な姿に、胸が締め付けられる。
「答えろ」
尹素婉の鞭が今度は尻を打った。スカートの上からでも衝撃が伝わる。
「……辛いです」
蘇語倉の声は掠れていた。
「そうだろうな。だが、これからもっと辛くなるぞ」
尹素婉は蘇語倉を床に押し倒した。うつ伏せになった彼女の腰を高く上げさせ、後ろから侵入する体勢を取る。
「やめ……!」
蘇語倉の抵抗虚しく、尹素婉の陰茎が彼女の膣口に押し当てられた。
「お前は倉奴だ。黙って受け入れろ」
ゴムの感触が蘇語倉の内部を押し広げる。尹素婉はコンドームを装着した陰茎を、ゆっくりと押し込んでいった。
「ああっ……!」
蘇語倉の体が弓なりに反る。異物感と痛みが、彼女の意識を支配する。
尹素婉は律動を始めた。腰を前後に動かすたびに、蘇語倉の口から嗚咽が漏れる。
「どうだ? 副総裁の身で、こんなことになるとは思わなかっただろう」
蘇語倉は必死に声を殺した。だが、その瞳の奥には、ある種の諦めと——受け入れの感情が浮かんでいた。
「もっと……締め付けろ」
尹素婉の命令に、蘇語倉は膣を収縮させる。その動きに、尹素婉が満足げな息を漏らした。
「そうだ……その調子だ」
一方、エビーの前で奉仕を続ける林若簡は、既に口の中を陰茎で満たされていた。彼女は舌と唇を駆使して、エビーを絶頂へ導こうと必死だった。
「小簡、そのまま……飲め」
エビーが腰を震わせると、陰茎の先端が膨らみ、黄金色の精液が林若簡の口内に放たれた。
生暖かい液体が喉を伝う。塩辛く、わずかに苦い味が広がる。
「ごくり……」
林若簡はそれらを全て飲み干した。口元から一滴も漏らさない。
「よくやった」
エビーは満足げに頷き、陰茎に装着したコンドームを取り外した。中には残りの精液が溜まっている。
その頃、尹素婉も蘇語倉の体内で絶頂を迎えていた。コンドームの中に精液を放出し、ゆっくりと引き抜く。
「さあ、簡奴、これを飲め」
尹素婉はコンドームの口を開け、中に溜まった精液を林若簡の口に流し込んだ。
林若簡は抵抗せず、それらを素直に飲み干した。舌の上で蕩ける味——嫌悪感と、同時にどこか甘美な感覚が混ざり合う。
蘇語倉はその光景を見つめ、唇を噛みしめた。自分の分まで、簡児が飲んでくれている。その事実が、胸を熱くする。
「よし、終わりだ」
エビーと尹素婉は道具を片付け、立ち上がった。
「小曦、メッセージを残せ」
エビーが呼びかけると、智能システムが応答する。
「次の方へ——小簡の喉の締め付けは上出来だ。ただし、強く攻めすぎると嘔吐する恐れがある。注意されたし」
「小簡の後ろの穴はまだ使っていない。挑戦するなら、たっぷりと潤滑することを勧める」
尹素婉が付け加えた。
二人は満足げな笑みを浮かべ、部屋を退出した。
扉が閉まると同時に、時空魔法が再び作動し、部屋は外界から遮断された。
林若簡はその場に崩れ落ちた。縛られた両手を解こうとするが、指が震えてうまくいかない。
「簡児!」
蘇語倉は自分のロープを解き、すぐに林若簡の元へ駆け寄った。
「大丈夫か?」
「……倉児こそ、痛かっただろう」
林若簡は涙目で彼女を見上げた。
蘇語倉は彼女のロープを解き、優しく抱きしめた。
「大丈夫だ。私より、お前の方が——」
「いいんだ。私は精液を飲むのは嫌いじゃない。倉児の分まで、私が飲める」
林若簡はそう言って、無理やり微笑んだ。
蘇語倉は彼女の額にキスを落とした。
「シャワーを浴びよう。そして、少し休むんだ」
二人は連れ立ってバスルームへ向かった。暖かい湯が彼女たちの体を包み込み、先ほどの痕跡を洗い流していく。
「次は……六時間後か」
林若簡が呟く。
「そうだな。それまで少しでも体力を回復させよう」
蘇語倉は彼女の髪を優しく洗いながら言った。
バスルームの蒸気の中で、二人は寄り添い合った。
「……倉児、愛してる」
「私もだ、簡児」
彼女たちの声は、湯の流れる音に紛れて消えた。
六時間後、再び扉が開かれる——その時まで、彼女たちは束の間の安らぎの中に身を置くのだった。