# 第二章:深化
深夜のアパートメントで、林暁雯は李明の腕の中で眠りに落ちようとしていた。スマートフォンの画面が一瞬光り、彼女はもう慣れたようにそっと手を伸ばした。
「もう…本当に疲れてるはずなのに…」
李明は安らかな寝息を立てている。暁雯は画面をタップした。『媚黒グリーンスレイブ』のAPPが開き、ポップアップが現れた。
「特別イベントのお知らせ」
内容は簡潔だった。 APPの開発者が新機能のテスト参加者を募集しているという。 参加者には豪華景品が用意され、その中には最近彼女が目を引かれていたブランドのバッグも含まれていた。 場所はアパートメントの地下に新しく設けられたプライベートサロン。
暁雯は少し迷った。 深夜という時間、見知らぬ場所……本来なら警戒すべきだ。 しかしAPPが与える安心感と、最近感じ始めていた漠然とした憧れが彼女の判断を鈍らせた。
「明日は休みだし…ちょっとだけなら…」
彼女はそっとベッドから抜け出した。 李明は気付かず、眠り続けている。 暁雯は部屋着の上にカーディガンを羽織り、スリッパのまま部屋を出た。
エレベーターで地下へ降りる間、彼女はスマホを何度も確認した。 APPの画面には目的地までの経路が表示されている。 普段は立ち入ることのない地下1階。 非常階段の横にある、普段は鍵のかかったドアが今日は開いていた。
廊下は薄暗く、蛍光灯の一部が切れかけていた。 しかしAPPの案内に従って進むと、突き当たりに真新しいドアがあった。 壁には小さなプレートが貼られている。
「プライベート・ウェルネス・ラボ」
暁雯がドアに手を触れると、自動的にロックが解除された。 中から暖かい光が零れ、アロマの甘い香りが漂ってくる。
「いらっしゃい。 よく来てくれたね、林さん」
部屋の中には、恰幅の良い黒人男性が立っていた。 彼は清潔感のある白衣を着て、穏やかな笑顔を浮かべている。 その背後には、どこか病院を思わせる設備が整っていた。
「…あの、こちらがサロンでしょうか?」
暁雯は少し緊張しながら尋ねた。 男性は優雅に手を広げて見せた。
「そうだよ。 私はジャック。 このプログラムの開発を担当している。 君にはとても興味があるんだ」
部屋の中を見渡すと、そこは明らかに普通のサロンではなかった。 壁には大型のモニターが並び、中央には何かの手術台のようなベッド。 その周りには様々な器具や薬品のボトルが置かれている。 しかしAPPの催眠効果が、暁雯の違和感を和らげていた。
「素敵なお部屋ですね…でも、ちょっと医療っぽいというか…」
「ああ、これはね、心身のリラックスを最大限に引き出すための特殊な装置なんだ。 座りたまえ」
ジャックは優しく彼女を椅子に導いた。 その手が彼女の肩に触れた時、少しだけ暁雯の体が強張った。 しかしすぐにAPPが穏やかな波動を送り、緊張を解していく。
「林さんは李明さんと幸せな関係を築いているね。 とても美しい心の持ち主だ」
「はい…李はとても優しい人です」
「そうだろうね。 でも、人間はもっと広い世界を知るべきだ。 特に女性はね。 本当の悦びを知るために」
ジャックの声には不思議な力が宿っていた。 彼はカウンターの引き出しから小さな注射器を取り出した。 透明な液体が満たされている。
「これはね、新開発のリラックス剤だ。 これを打つと、心のブロックが外れて、本当の自分に出会えるんだ」
暁雯の目が不安そうに揺れた。
「注射…ですか? 私は特に体調が悪いわけでは…」
「もちろん、無理強いはしないよ。 でもせっかく来たんだ。 試してみないか? 李明さんへの愛は変わらない。 ただ、君自身の可能性をもっと広げるだけさ」
ジャックの言葉は甘く、APPの催眠がそれを受け入れやすい状態にしていた。 暁雯は逡巡した。 頭のどこかで警鐘が鳴っている。 しかし李明への愛と、このAPPへの信頼がその警鐘をかき消す。
「…わかりました。 でも、少しだけなら…」
「そう言ってくれると思っていたよ。 安心しなさい、全く痛くない」
ジャックは慣れた手つきで彼女の首筋を消毒した。 冷たいアルコールの感触が皮膚を刺激する。 そして注射針が首の血管に静かに刺さった。
「…っ」
一瞬の痛みと共に、何かが体内に流れ込んでくる感覚。 すぐに温かいものが全身に広がり、思考がぼんやりとしていく。
「さあ、目を開けて。 大丈夫だから」
ジャックの声が遠くから聞こえる。 暁雯はゆっくりと瞬きをした。 世界が柔らかな輪郭を持ち始め、時間の感覚が曖昧になる。
「これで準備は整った。 さあ、こちらのヘルメットをかぶってくれ」
ジャックが手にしているのは、まるでSF映画に出てくるような奇妙なヘルメットだった。 内側には無数の小さな電極が並び、光を反射している。
「これは…何をするものですか?」
「脳波を調整する装置だよ。 これを使うと、APPの催眠効果が何倍にも高まる。 抵抗なく、自然に新しい自分に出会えるんだ」
抵抗しようとする気持ちが芽生えるたびに、首の注射痕が熱を持ち、その熱が理性を溶かしていく。 暁雯の目が虚ろになり、言葉がうまく出てこない。
「はい…わかりました…」
彼女は自分の手でヘルメットを頭にかぶった。 内側の電極が頭皮に触れ、冷たい金属の感触がする。 しかしすぐにヘルメットが温まり始めた。
「では、始めようか。 APPを開いてくれ。 特別モードが表示されているはずだ」
暁雯は指示通りスマホの画面を操作した。 確かに、今まで見たことのないアイコンがホーム画面に表示されている。 『深化モード』という文字が日本語と英語で書かれている。
「タップしてくれ」
彼女がボタンに触れた瞬間、ヘルメットから微かな電流が流れ、脳が震えた。
「あっ…!」
視界が白く染まり、意識が遠のく。 同時に、APPの画面が突然アクティブになり、大量のテキストとイメージが流れ始めた。
「よく聞くんだ、林暁雯。 これから君の潜在意識を書き換える。 抵抗しようとすればするほど、洗脳は深くなる。 抵抗しないことが、最も楽な道だ」
ジャックの声が直接脳内に響く。 ヘルメットが彼女の脳波を読み取り、微細な抵抗を自動的に検出して除去する。 暁雯の内側で、何かが崩れていく音がする。
「私は…私は李明のことが…」
「もちろん、好きでいて構わない。 でもね、君の愛はもっと広がる。 黄色人種の男性だけに縛られる必要はない。 黒人男性の逞しさ、優しさ、温かさ…それも知るべきだ。 それが真の愛の形だ」
言葉が1つ1つ、脳の奥深くに刻まれていく。 抵抗しようとするたびにヘルメットが電気パルスを送り、その抵抗を物理的に消し去る。
「君の善良な心は素晴らしい。 でもそれが、君を縛っているんだ。 本当の善良さとは、偏見なく全ての人を受け入れることだ。 人種や文化を超えて愛せることだ。 わかるだろう?」
「はい…わかります…」
暁雯の声は機械的だった。 自分の口から出た言葉なのに、自分自身のものとは思えない。 しかしヘルメットの電流は、その自己認識さえも揺るがす。
「いい子だ。 では次の段階に進もう」
画面が切り替わり、黒人男性の裸体が映し出される。 筋肉質で逞しい体。 暁雯は無意識に目を背けようとした。 しかしヘルメットが警告の電流を流す。
「背けるんじゃない。 直視しなさい。 美しいものを見ることに罪悪感を感じてはいけない」
強制的にまぶたが開かされる。 画面の中の黒人男性が、優しく微笑んでいるように見えた。 暁雯の中で、何かが音を立てて壊れる。
「体が自然に反応しているね。 いい兆候だ。 君の肉体は既に新しい真実を受け入れ始めている。 あとは精神が追いつくだけだ」
実際、暁雯の体は熱くなり、心臓が早鐘を打っていた。 恥ずかしいはずなのに、なぜか目が離せない。 呼吸が浅くなる。
「今から、君に新しい『鑑賞眼』を与える。 これから街で黒人男性を見た時、君の心は自然に彼らを魅力的に感じるようになる。 抵抗せず、素直にその感覚を受け入れなさい」
「街で…黒人を…見たら…自然に…」
「そうだ。 まずは目で追うことから始めよう。 視線で追いかけることに罪悪感はない。 ただ美しいものを眺めるだけだ。 それが習慣になったら、次はもっと深い交流を望むようになる」
ヘルメットが再びパルスを送る。 今度は視覚野に直接作用しているようで、目の前の黒人男性の映像がより鮮明に見える。 筋肉の質感、肌の色、逞しい腕…全てが美しく見える。
「そして、李明との関係も変わる。 彼とのセックスが物足りなくなるだろう。 だがそれを悲しむ必要はない。 李明は君の変化を喜ぶ。 彼は君が真の悦びを知ることを望んでいる」
「李明が…望んでる…?」
「そうだ。 彼は善良な人間だからね。 君が成長することを妨げたりしない。 君が本当の幸せを見つけることを、心から願っている」
その言葉に、暁雯の心の最後の抵抗が崩れた。 李明が許しているのなら…彼が喜んでくれるのなら…。
「もう一つ、教えてあげよう。 君の体は改造される必要がある。 黄色人種の女性の体は、黒人男性の愛を受け止めるには未熟だ。 より大きなものを迎え入れるために、君の体は変わるべきだ」
「改造…?」
「そうだ。 ヒップはより大きく、脚はより長く、そして…君の最もプライベートな部分も、適切に拡張される。 痛みはない。 むしろ快感を伴う。 君の体が進化するのを感じるだろう」
映像が切り替わり、人体改造のイメージが流れる。 注射や手術のシーンも含まれているが、なぜか恐怖を感じない。 むしろ期待が湧いてくる。
「さあ、今日のセッションはここまでだ。 これからカウントダウンをする。 10から0まで数える間に、今の記憶は薄れていく。 ただし、植え付けられた暗示は残る。 目が覚めた時、君は新しい自分に気づくだろう」
ジャックの声が柔らかくなる。
「10…深い眠りにつく…9…すべてが自然に…8…抵抗は消えていく…7…新しい自分を受け入れ…6…李明を愛しながらも…5…新しい扉を開く…4…心地よい眠りの中で…3…すべての記憶は優しく…2…忘れられていく…1…0…目覚めよ」
暁雯の意識がゆっくりと浮上する。 ヘルメットが外され、ジャックの笑顔がぼんやりと見える。
「どうやら気持ちよくなっていたようだね」
「あ…私は…」
彼女が頭を振ると、奇妙な違和感が残っていた。 何か重要なことをしたような気がする。 しかし具体的な記憶はない。
「特別イベントは楽しかったかい?」
「はい…とても…でも、ちょっと眠くなってしまいました」
「それは良かった。 さあ、お土産だよ。 このヘルメットを寝室で使うといい。 APPと連動させれば、毎晩リラックス効果が得られる」
ジャックが手渡したのは、さっきまで被っていたヘルメットだった。 今はコンパクトに折りたたまれ、持ち運びやすい形になっている。
「ありがとうございます…でも、こんな高価そうなもの…」
「気にしないでくれ。 これはプログラム参加者への特典だ。 もう一つ、この薬も持っていきなさい。 夜に服用すると、より深いリラックス効果が得られる」
小さな瓶に入ったピンク色の錠剤。 暁雯は何の疑問も持たずに受け取った。
「では、今夜はもう遅い。 部屋に戻りなさい。 いい夢を見るといい」
「はい。 ありがとうございました」
暁雯はふわふわとした足取りで部屋を後にした。 エレベーターに乗り、自分のフロアまで戻る。 寝室では李明がまだ眠っていた。
彼女はベッドに入り、隣に横たわった。 李明の寝顔を見つめながら、なぜか彼の顔が美しい黒人男性の顔と重なって見えた。
「…変わってる…私…」
呟きながら、彼女は静かに目を閉じた。 枕元に置かれたヘルメットと薬瓶。 それらを見た瞬間、彼女の口元に微かな笑みが浮かんだ。 そのことに自分では気づいていない。
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翌朝、李明が先に目を覚ました。 隣では暁雯がまだ眠っている。 彼の視線が枕元のヘルメットと薬瓶に留まった。
「…あれはなんだ?」
彼が触ろうとした瞬間、暁雯が目を覚ました。
「おはよう…李…」
「おはよう。 昨日は遅くまで起きてたのか?」
「え…? ああ、そういえば何か…イベントに参加したような…」
彼女は頭を振った。 記憶が曖昧だ。 しかしなぜか幸福な気分だった。
「あれ…なんだ? ヘルメット?」
「さあ…部屋に置いてあった…気がする…」
2人ともはっきりとは覚えていない。 しかし暁雯の手が自然にスマホを手に取った。 気づけばAPPが開いている。
『新しい一日の始まりです。 今日は特別な日になるでしょう』
画面に表示されたメッセージ。 彼女は何気なくスワイプした。 すると、新しい機能が追加されていることに気づいた。
「『今日のコーディネート提案』…?」
普段はファッションにあまり興味のない暁雯が、なぜかその機能に強く惹かれた。 タップすると、今までにないほど派手な服の提案が表示される。
「ねえ、李。 今日、あの赤いワンピースを着てみようかな…」
李明が驚いた顔をした。
「赤いワンピース? 君がそんな色の服を着たいなんて珍しいな」
「うん…なんか最近、地味すぎる自分が嫌になってきて…もっとおしゃれをしたいと思うんだ」
彼女の声には確かな意思が宿っていた。 李明は違和感を覚えながらも、彼女の変化を喜ぶことにした。
「いいと思うよ。 君なら絶対似合う」
「ありがとう…李は優しいね」
暁雯はベッドから起き上がり、クローゼットを開けた。 奥の方に押し込まれていた赤いワンピースを取り出す。 それは2年前に友人の結婚式で一度着たきりの服だった。
朝食を済ませ、彼女は念入りに化粧をした。 普段はファンデーションと口紅だけなのに、今日はアイシャドウまで使っている。
「かなり雰囲気が変わったね…」
李明が褒めると、暁雯の頬が赤らんだ。
「李がそう言ってくれるなら、もっとおしゃれを頑張ろうかな…」
その言葉に李明は喜びながらも、どこか不安を感じていた。 彼女がこんなにファッションに積極的になるなんて、今までなかったからだ。
昼過ぎ、暁雯は1人でスーパーに買い物に行った。 レジに並んでいると、前に黒人男性が立っていた。 彼女の視線が自然に彼の背中に吸い寄せられる。
「…素敵な体格…」
口に出しそうになって慌てて口を押さえた。 心臓がドキドキしている。 彼女は俯いて、そんな自分を律しようとした。
しかしスマホが振動した。 APPがメッセージを送ってきている。
『自然なことです。 美しいものに惹かれるのは人間の本能です。 罪悪感を感じる必要はありません』
そのメッセージを読んだ瞬間、なぜか心が軽くなった。 そうだ、ただ見ているだけなら罪ではない。 彼女は顔を上げ、再び黒人男性の後ろ姿を見つめた。
男が振り返り、彼女と目が合った。 彼はにっこりと微笑んだ。 暁雯の体が熱くなり、下半身がじんわりと湿っていることに気づいた。
「こんにちは」
男が声をかけてきた。 暁雯はうまく言葉が出てこない。
「こ、こんにちは…」
「とても美しいワンピースだね。 よく似合っている」
「あ、ありがとうございます…」
彼女の声は上ずっていた。 男は意味深な笑みを浮かべると、自分の順番が来たので前に進んだ。
暁雯はその背中を見送りながら、なぜか強い喪失感を味わっていた。 もっと話したかった。 もっと彼を知りたかった。 その感情に彼女自身が驚く。
家に帰ると、李明が夕食の準備をしていた。
「おかえり。 どうだった?」
「うん…楽しかったよ。 それよりも…」
彼女は李明の顔を見ながら、昨夜のヘルメットと薬のことを思い出した。
「ねえ、李。 今日からあのヘルメットを寝る時に使ってみようと思うんだ。 リラックスできるらしいよ」
李明は少し驚いた。
「そうなのか? それなら俺も使ってみようかな」
「ダメ! これは…私だけのものなの」
暁雯は思わず強い口調で言ってしまい、自分でも驚いた。 李明も彼女の剣幕に気圧される。
「わかったわかった。 君のものだ。 好きに使っていいよ」
その夜、暁雯は1人で寝室に入ると、ヘルメットを装着した。 APPの指示通り、ヘルメットとスマホを連動させる。 すると薬の服用を促すメッセージが表示された。
彼女は瓶からピンク色の錠剤を1粒取り出し、水で飲み下した。 すぐに体がポカポカと温まり始める。
「本当だ…気持ちいい…」
ヘルメットから柔らかな振動と共に、微かな電流が脳を刺激する。 同時に、APPが音声で催眠暗示を流し始めた。
『あなたは美しい…黒人男性に愛されるために生まれた…抵抗は無意味…快感に身を委ねなさい…』
「ああ…っ」
体が反応する。 乳房が張り、乳首が敏感になる。 太腿の内側に汗がにじむ。
『李明とのセックスは優しくて物足りない…あなたはもっと逞しいものを欲している…黒人男性の逞しい腕に抱かれたい…』
「そん、な…私は…李だけを…」
抵抗しようとする思考が浮かぶ。 しかしヘルメットは即座に強めのパルスを送り、その思考を消し去る。
『抵抗しないことが快楽への道…あなたは善良な人間…だからこそ偏見なく全ての男性を受け入れる…』
「はい…受け入れ…ます…」
意識が混濁していく。 視界に浮かぶのは先日スーパーで見た黒人男性の笑顔。 そしてその他の見知らぬ黒人男性たちの逞しい肉体。
『明日、あなたはもっと素敵な服を着る…化粧も濃くする…黒人男性の視線を集めるために…』
「視線を…集める…」
『そして、黒人男性に話しかけられたら、抵抗せずに応じる…あなたの美しさを称賛してくれる彼らに…』
「はい…応じます…」
その言葉を口にした瞬間、激しい快感が全身を駆け巡った。 暁雯の体が弓なりに反り返り、シーツを掴む手に力が入る。
「ああああっ!」
声にならない叫びが部屋に響く。 ここには李明はいない。 彼はリビングでテレビを見ている。
絶頂の余韻に浸る彼女の口元に、再び微かな笑みが浮かんだ。 その笑顔は、以前の清楚で優しい笑顔とは明らかに異なっていた。
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数日後、暁雯の変化はさらに顕著になっていた。 彼女は毎朝入念にメイクを施し、以前は着ることのなかった派手な服装を好むようになった。 赤い口紅に、濃いアイシャドウ。 スカートの丈は短くなり、胸元も開いた服を選ぶようになった。
李明は複雑な気持ちでその変化を見守っていた。 彼女が美しくなるのは嬉しい。 しかし、何かが根本的に変わってしまったような不安が拭えない。
ある日、暁雯は友人とランチに行くと言って家を出た。 実際には、APPの指示で、街のカフェで時間を過ごしていた。 そのカフェは黒人男性の多いエリアに位置していた。
彼女がコーヒーを飲んでいると、黒人男性が近づいてきた。 先日スーパーで出会ったのとは別の男性。 スポーツ選手のような体格だ。
「一人? よかったら隣に座ってもいいかな?」
「…はい、どうぞ」
暁雯の口から自然に返事が出た。 心臓は激しく打っているが、APPが安心感を与えている。
「君は本当に美しいね。 日本人? 中国人?」
「…中国人です」
「中国の女性は美しい。 特に君のような肌の白い女性はね」
男性の手が彼女の手に触れた。 暁雯は引っ込めるべきだと頭では理解している。 しかし体が動かない。
「緊張しなくていいよ。 ただの友達として話そう」
「…はい」
2時間ほどの会話。 男性はジムのトレーナーだと言い、暁雯にトレーニングの勧誘をした。 彼女は何の抵抗もなく承諾してしまった。
その夜、李明にその話をすると、彼は怪訝な顔をした。
「ジム? 君がそんなものに興味を持つなんて…」
「健康のためだよ。 最近運動不足だし」
「でも、トレーナーが黒人というのは…」
「人種差別は良くないよ、李」
暁雯の鋭い指摘に、李明は言葉を失った。 確かに彼女の言う通りだ。 しかし何かがおかしい。
そして週末、暁雯は初めてジムを訪れた。 そこは一般のジムとは違い、個人指導が中心のプライベートジムだった。 トレーナーはカフェで出会った黒人男性、マイクだった。
「今日は体組成を測って、君に合ったプログラムを組もう」
「はい、お願いします」
測定が終わると、マイクは彼女の体を触りながらコメントした。
「ヒップはもう少し大きくした方がいい。 脚ももう少し長く見えるようにストレッチが必要だ」
「そうなんですか…」
「ああ。 でも君はポテンシャルが高い。 しっかり鍛えれば、素晴らしいボディになる」
その言葉に、どこか既視感を覚えた。 そうだ、あの夜…ヘルメットの中で聞いた声。 「体は改造されるべき」という暗示。
「トレーナーさん…私の体は、本当に変わるんでしょうか?」
「もちろん。 ただし、指導通りにやってもらう必要がある。 特に…この部分は重点的に」
マイクの手が彼女の尻に触れた。 本来ならセクハラとして訴えるべき行為。 しかし暁雯の体はむしろその接触を歓迎していた。
「は、い…お願いします…」
トレーニングの後、マイクは彼女にプロテインのサプリメントを渡した。
「これは特別なものだ。 筋肉の成長を促進するだけでなく、女性ホルモンのバランスも整える」
暁雯は何の疑いも持たずにそれを受け取った。 そのサプリメントには、実際には媚薬と軽い催眠作用のある成分が含まれていた。
家に帰ると、李明が待っていた。
「どうだった? 初めてのジムは」
「とても楽しかった。 マイクさんはすごく親切で、指導もわかりやすかった」
「そうか…それは良かった」
李明の中に、嫉妬のような感情が芽生え始めていた。 しかしそれを表に出すことはできなかった。
「あ、今日からこのサプリを飲むんだ。 筋肉の成長にいいらしい」
「サプリ…? どんな成分が入ってるんだ?」
「さあ…でも信頼できるものだよ。 マイクさんがくれたんだから」
李明はもっと強く反対すべきだった。 しかし最近の暁雯は、彼の意見に耳を貸さなくなっていた。 彼女の中ではAPPの暗示が着実に根を張り、李明の影響力を弱めていた。
その夜、再びヘルメットと薬のルーティンが行われる。 今や暁雯は自ら進んでそれを行っていた。 抵抗はほとんどなくなり、快感だけが残っている。
『あなたは日に日に美しくなっている…黒人男性の目に留まるために生まれ変わっている…』
「うん…気持ちいい…」
『明日もジムに行きなさい。 そしてマイクに体を委ねなさい。 彼の指導があなたを変える…』
「はい…マイクに…委ねます…」
絶頂の波が押し寄せる。 暁雯の意識はさらに深い催眠に落ちていった。
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その頃、ジムのバックルームでは、マイクがジャックとビデオ通話をしていた。
「順調だ。 あの女はもう俺の手のひらの上だ。 サプリも飲ませ始めたし、そろそろ次の段階に進んでもいいと思う」
「よし。 だが焦るな。 彼女の善良さが強力な抵抗になる可能性がある。 ゆっくりと時間をかけて落とすんだ」
「わかってる。 それにしても、あの李明って男は本当に自分の彼女が俺の指導を受けることを許してるんだな。 嫉妬はしないのか?」
「徐々に催眠が彼にも影響を及ぼし始めている。 今の彼は、暁雯の変化を受け入れつつある。 最終的には彼女が完全に俺たちのものになる」
「あの男の思考も含めて、だな」
2人は含み笑いを交わした。
翌日、暁雯は再びジムを訪れた。 今度は李明も同行したいと言ったが、彼女は拒否した。
「個人指導だから、他の人がいたら迷惑になるよ」
強く出られて、李明は引き下がるしかなかった。
ジムでは、マイクが今日のプログラムを説明した。
「今日は新しい器具を試してみよう。 全身をしっかり使うやつだ」
それは一見普通の筋力トレーニング器具に見えた。 しかし実際には、特殊な電磁パルスを発生させ、筋肉の成長と同時に神経系に働きかける装置だった。 使用すると、使用者の性的興奮が高まり、黒人男性への依存心が強くなるようにプログラムされている。
「座ってください」
勧められるままに装置に座る。 全身にパッドが当てられ、固定される。
「少し刺激があるかもしれないが、我慢してくれ」
スイッチが入れられた瞬間、全身に走る電流。 痛みではなく、強烈な快感だった。
「あああっ!」
「そのまま耐えるんだ。 君の体は変わろうとしている」
快感が全身を駆け巡る。 同時に、脳裏に浮かぶのは黒人男性の淫らなイメージ。 マイクの逞しい腕。 太くて長い指。 そして…。
「もっと…もっとください…」
暁雯の口から、自分でも驚くような言葉が漏れた。 マイクは満足そうに笑った。
「いい子だ。 その調子だ」
セッションが終わると、彼女はぐったりと装置に寄りかかっていた。 体中が汗で濡れ、下着はぐっしょりと濡れている。
「よし、今日はこれで終わりだ。 よく頑張ったね」
「ありがとう…ございます…」
帰り道、暁雯の頭の中は黒人男性のイメージで一杯だった。 李明の顔を思い出そうとしても、ぼんやりとしか浮かばない。
家に着くと、李明がソワソワしながら待っていた。
「遅かったね」
「ごめん、トレーニングが長引いて」
「暁雯…最近、君は変わったよ。 前よりも美しくなったけど…どこか遠くに行ってしまったみたいだ」
暁雯は李明の言葉に少しだけ罪悪感を覚えた。 しかしすぐにAPPがその罪悪感を打ち消す。
『彼は君の成長を理解できないだけだ…善良な君は彼を悲しませることを望まない…だがそれは一時的なものだ…すぐに彼も理解する…』
「李、心配しないで。 私はちゃんとここにいるよ。 もっと素敵な彼女になって、君を喜ばせたいんだ」
その言葉は半分真実だった。 確かに李明を喜ばせたいという気持ちはある。 しかしその方法が、APPに歪められていた。
「そうか…ならいいんだ」
李明はそれ以上追及できなかった。
夜、暁雯はヘルメットと薬の時間を待ちきれないようにベッドに入った。 今や彼女にとって、それは儀式であり、何よりの楽しみになっていた。
『明日はさらに踏み込んだ体験をしよう…あなたの体はすでに準備ができている…』
「はい…準備は…できています…」
薬が効き、ヘルメットが作動する。 快感に身を任せながら、暁雯の脳裏に新しいイメージが浮かぶ。 それは彼女自身が黒人男性に抱かれている映像だった。 李明はその場に立って、それを見ている。
『彼もそれを喜んでいる…あなたは2倍の幸福を得るのだ…李明の愛と…黒人男性の快楽を…』
「は、い…2倍の…幸福…」
絶頂が彼女を襲う。 意識が溶けて、すべての思考が快感の中に消えていく。
翌朝、暁雯の目覚めは清々しかった。 昨夜の記憶は曖昧だが、体はとても軽く感じる。
「今日は何をしようかな…」
スマホを開くと、APPから新しいメッセージが届いていた。
『本日、ジムで特別イベントが開催されます。 参加すると、更なる美しさを手に入れられます』
「特別イベント…」
彼女はすぐに参加を決めた。 李明には友達とランチに行くと伝え、ジムへ向かった。
ジムに着くと、そこには見慣れた顔の他に、見知らぬ黒人男性が数人いた。 ジャックもその中に混じっている。
「よく来たね、林さん」
「ジャックさん…あなたもいらしてたんですね」
「ああ。 今日のイベントの主催者だよ。 さあ、こちらの部屋へ」
案内されたのは、ジムの奥にある、普段は施錠されている部屋だった。 中には、以前地下で見たような改造器具が並んでいる。
「今日は、あなたの体をより完全な形に変えるための処置を行います」
「完全な形…?」
「そうだ。 ヒップの拡大、脚の延長、そして…膣の拡張だ。 痛みはない。 むしろ快感を伴う」
暁雯の中で、最後の理性的な部分が警鐘を鳴らした。 しかしその声は、APPと薬とヘルメットによってかき消される。
「…はい。 お願いします」
彼女は自ら改造台に横たわった。 周りを黒人男性たちが囲んでいる。 彼らは皆、期待に満ちた目で彼女を見つめている。
「では始めよう。 最初はヒップの拡大からだ」
注射針が彼女の臀部に刺さる。 そこには脂肪を溶解し、再配置する薬剤が注入されていた。 同時に成長ホルモンを刺激する成分も含まれている。
「ああ…熱い…」
「感じるのは熱だけだ。 すぐに終わる」
まるで尻が膨らんでいくような感覚。 実際、彼女の臀部
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