孕みの秘密:人妻フロントマネージャーのNTR調教

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# 第一章:初めての誘い 午後三時のフロントは、一日の中で最も落ち着いた時間帯だった。李晓蕾はカウンターの向こう側に立ち、無意識のうちにスカートの裾を整えた。今日は新しいストッキングを履いている。肌にぴったりと密着する感触が、少し落ち着かない。 「李さん」 突然の声に、彼女ははっと顔を上げた。総経理の趙迎新が、にこやか
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初めての誘い

# 第一章:初めての誘い

午後三時のフロントは、一日の中で最も落ち着いた時間帯だった。李晓蕾はカウンターの向こう側に立ち、無意識のうちにスカートの裾を整えた。今日は新しいストッキングを履いている。肌にぴったりと密着する感触が、少し落ち着かない。

「李さん」

突然の声に、彼女ははっと顔を上げた。総経理の趙迎新が、にこやかな笑みを浮かべて立っていた。

「あ、趙総経理。何かご用でしょうか」

李晓蕾は職業的な笑顔を作り、軽くお辞儀をした。趙迎新は四十代半ばだが、きちんと整えられたスーツと清潔感のある身だしなみで、若々しい印象を与えている。

「いや、ただ通りかかっただけだ。最近、仕事の調子はどうだい?」

「おかげさまで、順調です」

「それは何よりだ。ところで…」趙迎新は声を潜め、一歩近づいた。「今夜、新しい取引先との会食があるんだが、李さんも参加しないか? 君の接客スキルは評判だからね」

李晓蕾は一瞬、躊躇した。夫の韓博は今夜、遅くなるとは言っていなかったが、まだ帰宅時刻までは余裕がある。

「わかりました。何時にどこへ伺えばよろしいでしょうか」

「六時に会社のエントランスで待ち合わせよう。迎えの車を出すから」

趙迎新は満足げにうなずき、その場を離れた。李晓蕾は彼の背中を見送りながら、胸の内に広がる漠然とした不安と、それとは別の何か—期待にも似た感情—に気づいた。

自宅に戻ると、韓博が台所で夕食の準備をしていた。彼は営業職だが、今日は早く帰れたらしい。

「おかえり、蕾」

優しい声に、李晓蕾の心が温かくなる。彼女はスーツを脱ぎながら、キッチンへ向かった。

「ただいま。今日は早いのね」

「うん。取引が一件成立してね、早めに切り上げられたんだ」

韓博は振り返り、優しく微笑んだ。彼は細身で穏やかな顔立ちをしており、どちらかといえば学者タイプだ。結婚して五年、彼の優しさに何度も救われてきた。

「いい香り。何を作っているの?」

「蕾の好きな麻婆豆腐だよ。あと、青菜の炒め物」

「ありがとう。私も手伝うわ」

李晓蕾はエプロンをかけ、隣に立った。韓博が鍋をかき混ぜる横顔を見つめながら、彼女は今日の出来事を思い返していた。趙総経理の誘い—それを伝えるべきかどうか、迷ったのだが、結局口を開かなかった。

食事の間、二人は他愛のない会話を交わした。韓博が職場の可笑しな出来事を話し、李晓蕾が笑う。いつもの光景だった。

「そういえば、明日、部長とゴルフに行くことになったんだ」

「日曜なのに?」

「急な話でね。でも、夜には帰れると思う」

「わかった。気をつけて行ってきてね」

李晓蕾は箸を置き、湯飲みに口をつけた。窓の外はすっかり暗くなっていた。カーテンの隙間から、向かいのマンションの明かりがぼんやりと見える。

「そうだ、蕾。今度の連休、どこか行かないか? 久しぶりに温泉でも」

「いいわね。どこがいいかしら」

「俺が調べておくよ。君の好きな露天風呂があるところを探す」

韓博の何気ない気遣いに、李晓蕾は微笑み返した。しかしその奥で、彼女の心は微かに揺れていた。

—私は、この幸せを壊したくない。絶対に。

そう自分に言い聞かせながらも、彼女の指は無意識に携帯電話を撫でていた。趙迎新から届いたメッセージには、明日の会食の詳細が記されていた。

「蕾? どうかした?」

「え? ううん、何でもない。ちょっと考え事」

李晓蕾は慌ててスマートフォンをしまい、韓博に向き直った。彼の瞳は変わらず優しかった。

「疲れてるんじゃないか? 今日は早く休んだほうがいい」

「そうね…そうするわ」

李晓蕾は立ち上がり、寝室へ向かった。背後で韓博が食器を片付ける音が聞こえる。その規則正しい音が、なぜか彼女の心を締め付けた。

部屋の明かりを消し、ベッドに横たわる。天井を見上げながら、李晓蕾は今日の趙迎新の目線を思い出していた。あの目—彼が女性を見るときの目だ。自分に対する欲望が、かすかに滲んでいた。

「バカなこと考えちゃダメ…」

呟いて、彼女は目を閉じた。しかし、まぶたの裏には、なぜかあのストッキングの感触がよみがえっていた。

—あの時、趙総経理は私の脚を見ていた。

そんな考えが頭をよぎり、李晓蕾は慌てて寝返りを打った。体温が上がるのを感じながら、彼女は深く息を吸った。

夫の寝息が聞こえ始めるまで、彼女は眠れなかった。

初めてのわいせつ写真

李晓蕾は自分のデスクで月末の売上報告書に目を通していた。オフィスには他の社員もいる。パソコンのキーボードを叩く音、電話のベル、雑談——すべてが日常の雑音だ。そんな中、仕事用のスマートフォンが振動した。画面には趙迎新の名前。

彼女は特に気にせず、微信のメッセージを開いた。そこには画像が添付されていた。サムネイルはわずかにぼやけていて、何の写真かはすぐにわからなかった。

彼女はタップした。

一瞬、目が離せなくなった。それは男性器のアップ画像だった。角度といい、照明の当て方といい、明らかに意図的に撮られたものだ。白い背景に、露骨に主張するその姿。

李晓蕾の心臓が大きく跳ねた。全身の血が逆流するような感覚。顔が一瞬で熱くなり、耳の先まで火照るのが自分でもわかった。慌ててスマホの画面を伏せた。周りを見渡す。誰も気づいていない。同僚たちはそれぞれの業務に忙しそうだ。

彼女は深呼吸をした。指先が微かに震えていた。

すぐに削除しようと思った。だが、なぜか指が動かなかった。もう一度だけ見てしまった。細部まで脳裏に焼き付く。嫌悪感と、もう一つ、自分でも認めたくない何かが胸の奥で蠢いた。

メッセージの下に、趙迎新から文字が続いていた。

「これが俺のものだ。覚えておけ。」

李晓蕾は唇を噛んだ。歯を食いしばり、何食わぬ顔でスマホをバッグにしまった。そして何事もなかったかのように、再びパソコンの画面に向き合った。手はキーボードの上に置かれていたが、一字も打てなかった。

彼女はこのまま何もなかったことにしようと思った。返信しない。無視する。それで終わるはずだ。

しかし、10分後、再びスマホが震えた。今度は別の画像。女性の口元が大写しになっていて、何かを咥えている構図だった。その口元の形が、自分に命令されているような気がした。

李晓蕾は席を立ち、トイレに駆け込んだ。個室に入り、鍵をかける。そこで初めて大きく息を吐いた。手が震えていた。

何をされているんだろう……。わかっている。これはセクハラだ。訴えればいい。でも、彼女はそれができなかった。趙迎新の目が、声が、頭から離れない。あの薬のせいか、それとも自分自身のせいか。

彼女は便座に座り込んだ。スカートの布地がストッキングに張り付く。この服装も、最近趙迎新に選ばせられたものだ。細身のペンシルスカート。会社の規定内だが、明らかに体のラインを強調するデザイン。それを自分で選んだわけではないのに、着ているうちに慣れてしまった。むしろ、こうして誰かの視線を集めていることを感じると、逆に落ち着くような気さえしていた。

スマホがもう一度震えた。彼女は嫌な予感がして見ないようにした。しかし、通知が気になって仕方ない。我慢できずに開いた。

三枚目の写真。今度は、女性の陰部をアップで撮ったものだった。そしてその隣に、男の指が写っている。

「今夜、お前のここに俺のものを入れる。」

李晓蕾はスマホを便座の上に落とした。耳元で心臓の音がうるさい。彼女は自分の下半身に違和感を覚えた。下着が少し湿っている。自分を恥じた。こんな写真で興奮しているなんて、自分のことなのに信じられなかった。

彼女はパンティストッキングの感触を確かめるように腿を擦り合わせた。趙迎新の指の映像が頭から離れない。あの指が、自分の体のどこを触るのか想像してしまう。

ダメだ。もう終わらせなければ。彼女は意を決して、赵迎新からのメッセージを全て削除しようとした。しかし、指が止まった。自分がなぜ止まるのか、その理由がわからなかった。

結局、削除しなかった。代わりに、彼女はスマホをバッグの奥深くにしまい、何事もなかったかのようにトイレを出た。洗面台の鏡に映る自分の顔は、少し赤くなっていたが、それを冷水で洗い流した。

残業はせず、定時で上がることにした。一刻も早くこのオフィスを離れたかった。

帰宅すると、玄関の明かりがついていた。夫の韓博はすでに帰宅していた。キッチンから包丁の音が聞こえる。いい匂いだ。李晓蕾は靴を脱ぎながら、声をかけた。

「ただいま。」

「おかえり、蕾。今日は早かったね。」

韓博が手を拭きながらキッチンから顔を出した。エプロン姿で、優しい笑顔を浮かべている。彼は李晓蕾の顔を見て、少し心配そうな表情になった。

「どうした?疲れた顔してるな。仕事、大変だった?」

李晓蕾は笑った。何でもないふりをして。

「ううん、ちょっと頭痛がしただけ。もう治った。」

「そうか。ならよかった。今、麻婆豆腐と玉子スープ作ってるから。あと少しでできるよ。」

「ありがとう。私も手伝うよ。」

「いいよいいよ、座ってて。今日は俺に任せてくれ。」

韓博はそう言って、またキッチンに戻っていった。李晓蕾はリビングのソファに座った。テーブルの上には、韓博が帰りに買ってきたのか、コンビニの袋があった。中には彼女の好きなお菓子が入っていた。何気ない気遣い。それが胸に刺さった。

彼女は深く息を吸い、吐いた。正常に戻らなければ。夫の前で、いつもの妻でいなければ。

夕食の準備ができて、二人は向かい合って座った。麻婆豆腐、玉子スープ、そして浅漬け。シンプルだけど、愛情のこもった夕食だ。

「ねえ、今日な、お昼休みに近くのパン屋さんで新しいメロンパン見つけたんだ。今度、一緒に行こう。」

「うん、いいね。」

张晓蕾は箸を動かしながら、相づちを打った。食べ物の味がよくわからなかった。頭の中はまだあの写真でいっぱいだった。夫の優しい声が遠くに聞こえる。

「それから、今週末、映画に行かないか?あの、ずっと見たがってたやつがまだ上映してるんだ。」

「あ……週末ね。仕事の予定が入るかもしれないから、確認してから返事する。」

「そうか。わかった。無理しなくていいよ。」

韓博は何も疑わず、にこにこと食事を続けている。彼は妻のスマホに届いた淫らな写真も、彼女の心の葛藤も知らない。ただ、妻が今日は少し疲れているだけだと思っている。

李晓蕾は自分の口元が強張っているのを感じた。それを隠すために、わざと大げさにスープを飲んだ。熱すぎて舌を火傷しそうになった。

「熱い!気をつけて。」

「うん、大丈夫。」

彼女はスプーンを置いた。そして、ふと夫の顔を見た。韓博は真剣に麻婆豆腐をご飯にかけて食べている。その無防備な横顔を見て、李晓蕾は急に自分がひどく汚い存在に思えた。夫は何も知らない。この純粋な愛情を裏切っている。でも、自分にはどうすることもできない。趙迎新の支配から逃れられない。

食事が終わり、韓博が皿を洗っている間、李晓蕾は風呂の準備をした。脱衣所で服を脱ぐとき、自分の体を見た。ストッキングの跡がくっきりと足に残っている。最近、彼女は家でもストッキングを履くことが増えた。夫は気づいていないが、それは趙迎新の命令だった。「家でも常にストッキングを履け。いつでも俺が触れるように。」その言葉が頭にこびりついている。

湯船に浸かった。温かいお湯が体を包み込む。リラックスできるはずなのに、頭の中は混乱していた。写真。メッセージ。夫の笑顔。すべてがぐちゃぐちゃに混ざり合って、吐き気がした。

自分はどうなってしまうんだろう。明日、出社すればまた趙迎新が待っている。あの写真を盾に、もっとえげつない要求をしてくるに違いない。でも、断れない。会社を辞めるわけにもいかない。家のローンがある。韓博の給料だけではやっていけない。

それに……彼女は認めたくなかったが、体の奥で何かが疼いている。趙迎新に操られる快感。薬のせいだけではない。自分という人間の弱さ、汚さが、少しずつ表面に出てきている。

風呂から上がると、韓博が寝室でタブレットを見ていた。彼は李晓蕾を見て、優しく笑った。

「上がったか。おやすみ。」

「うん。おやすみ。」

彼女は夫の隣に横たわった。韓博が電気を消す。暗闇の中で、彼の手が伸びてきて、自分の手を握った。温かい。優しい。何も知らない夫の手。

李晓蕾は夫の手を握り返した。そして、心の中で謝った。

ごめんね、博。私はもう、あなたの知っている蕾ではないのかもしれない。

目を閉じると、まぶたの裏に写真の映像が浮かんだ。趙迎新の言葉が頭の中で響く。今夜、お前のここに俺のものを入れる。

彼女は自分の腿の間に手をやった。夫の隣で、自分を慰める行為に及ぼうとして、慌てて手を離した。何をしているんだ。こんな場所で。夫が起きているのに。

だが、体の火照りは収まらなかった。李晓蕾は夫の寝息が規則的になるのを待った。そして、そっと自分のスマホを取り出し、トイレに行くふりをしてベッドを抜け出した。トイレの個室で、彼女は趙迎新からのメッセージを何度も見返した。三枚の写真。一つ一つをじっくりと見る。そして、返信した。

「わかりました。」

たった一言。それだけだったが、それは自分が降伏した証だった。スマホを置き、彼女はトイレットペーパーで濡れた指を拭いた。自分の体が、夫の愛ではなく、上司の淫らな写真に反応していることを痛感しながら。

再び寝室に戻ると、韓博はまだ寝ていた。彼女は夫の背中にそっと寄り添った。罪悪感と興奮が入り混じった感情が胸を渦巻く。この二重生活が、いつまで続くのか。それとも、もう戻れないところまできているのか。

李晓蕾は目を開けたまま、天井を見つめていた。明日も、またあのオフィスに行く。そして、趙迎新の前に立つ。その時、自分はどんな顔をしているのだろう。彼女は不安と、そしてそれ以上に——得体の知れない期待を感じていた。

密かな薬

# 第三章:密かな薬

午後のオフィスは静かだった。窓の外から差し込む陽射しが、床に長い影を落としている。李晓蕾はデスクに向かい、月末の報告書を整理していた。指先がキーボードを叩くたび、細かく震える。昨夜の出来事が頭から離れなかった。

「李さん、コーヒーを一杯持ってきてくれないか?」

趙迎新の声が内線電話から流れてきた。いつものように穏やかで、少し甘ったるい響き。李晓蕾は息を呑み、慌てて「はい、すぐに」と返事をした。

立ち上がるとき、スカートの裾が太ももに張り付く感覚に、彼女は軽く身震いした。今日は意識的に短めのタイトスカートを選んでいた。黒のストッキングの上から、ひんやりとした空気が肌を撫でる。

給湯室に足を運ぶ間、廊下で何人かの社員とすれ違った。彼らの視線が一瞬自分に留まるのを感じる。以前は気にも留めなかったのに、今はその視線の一つ一つが、体の奥深くをくすぐるように感じられた。

「いけない…」

李晓蕾は小さく首を振り、自分に言い聞かせた。粉のインスタントコーヒーをカップに入れ、お湯を注ぐ。湯気が立ち上る中、彼女は何気なく引き出しの中の砂糖入れに手を伸ばした。

その時だ。

「李さん、そのコーヒー、私が入れようか?」

背後から声がして、彼女は驚いて振り返った。趙迎新がいつの間にか給湯室の入り口に立っていた。彼の口元には、微かな笑みが浮かんでいる。

「い、いえ、もうできていますので」

李晓蕾がそう言うと、趙迎新はゆっくりと近づいてきた。彼の指が、さりげなく李晓蕾の手からカップを受け取る。その一瞬、指と指が触れ合った。

「ありがとう。でも、ちょっと砂糖が足りないね」

彼はそう言って、自分のスーツの内ポケットから小さな小瓶を取り出した。透明な液体が入っている。李晓蕾が呆気にとられて見つめる中、彼はその液体を数滴、コーヒーに垂らした。

「何を…?」

「特別な甘味料だよ。とても珍しいものなんだ。ほら、味見してみるといい」

趙迎新は李晓蕾にカップを差し出した。彼女は躊躇しながらも、それを受け取り、唇を近づける。コーヒーの苦味の中に、ほのかに甘ったるい香りが混じっていた。舌先に触れた瞬間、体の芯がじんわりと温かくなる感覚がした。

「美味しいですか?」

「はい…変わった味ですが、悪くないです」

李晓蕾はそう答えながら、自分の頬が赤らむのを感じていた。頭の片隅で警鐘が鳴っている。これは普通の甘味料ではない。でも、なぜかもっと飲みたいという欲求が湧き上がってくる。

趙迎新は満足そうに頷くと、カップを李晓蕾から取り戻し、一気に飲み干した。

「さあ、仕事に戻ろう。後で書類を持ってきてくれ」

彼は何事もなかったかのように給湯室を出て行った。李晓蕾はその場に立ち尽くし、心臓が激しく鼓動するのを感じていた。

午後三時を過ぎた頃、李晓蕾の体に異変が現れ始めた。最初は微かな眠気。次に、肌がぴりぴりと熱を持つ感覚。デスクに座っているのに、太ももや腰のあたりがむずむずして落ち着かない。

「どうしたんですか?顔が赤いですよ」

同僚の女性社員が声をかけてきた。李晓蕾は慌てて手で頬を覆った。

「ちょっと暑くて…大丈夫です」

そう言いながら、彼女は無意識にスカートの裾を引き上げていた。ストッキングの縁がむき出しになり、指が太ももの内側を撫でる。自分でも制御できない動きだった。

その時、内線電話が鳴った。

「李さん、私の部屋に来てくれますか?例の契約書を持って」

趙迎新の声だった。李晓蕾は立ち上がるとき、脚がふらつくのを感じた。書類を手に取り、ゆっくりと総経理室に向かう。廊下を歩くたび、腰の動きが普段よりも大きくなっていることに気づく。まるで自分以外の誰かが体を操っているかのようだった。

総経理室のドアをノックすると、中から「どうぞ」と落ち着いた声が聞こえた。

李晓蕾が部屋に入ると、趙迎新は窓辺に立っていた。振り返り、彼女を一瞥すると、その目が細められた。

「そこに座ってください」

彼は執務机の前の椅子を指した。李晓蕾が腰を下ろすと、趙迎新も向かい側に座った。しかし、彼の視線は書類ではなく、彼女の体をなぞるように動いている。

「今日は一段とお美しいですね。そのスカート、とてもお似合いだ」

「あ、ありがとうございます…」

李晓蕾はうつむき加減で答えた。下半身が熱くなり、腿をきつく閉じたくなる衝動を必死に抑えている。

趙迎新はゆっくりと立ち上がり、李晓蕾の背後に回った。彼の手が、さりげなく彼女の肩に触れる。その瞬間、李晓蕾の体が激しく震えた。

「體が熱いようですね。風邪かもしれませんね」

彼の指が、首筋を優撫でるように滑る。李晓蕾は息を呑み、身を固くした。抵抗しなければならない。でも、体が自由を利かない。

「趙総経理…契約書はここに…」

「契約書は後でいい。それより、あなたの具合の方が心配だ」

彼の手が肩から背中へ、そして腰へと移動する。李晓蕾の体は、その動きに合わせて自然と前に傾いた。机に両手をつき、お尻が無意識に突き出る形になる。

「いけません…ここでは…」

「大丈夫です。ドアは施錠してありますから」

趙迎新の声は、耳元でささやくように低く響く。彼の手がスカートの裾をゆっくりとまくり上げた。ストッキングに包まれた太ももが露わになる。

李晓蕾は唇を噛みしめた。夫の韓博の笑顔が頭をよぎる。でも、それと同時に、体の奥底から湧き上がる快感が、彼女の理性を徐々に侵食していく。

「ッ…やめて…ください…」

声に出しては拒絶するものの、その声はかすれて、かえって彼の欲望をあおった。

趙迎新の指が、ストッキングの上から太ももの内側を撫で上げる。李晓蕾の体がびくんと跳ねた。彼女は必死に声を殺しながら、机の端を強く握りしめた。

しかしその時、廊下から足音が近づいてきた。同僚の声がドアの向こうから聞こえる。

「趙総経理、お客様がお見えです」

趙迎新は素早く手を引っ込めた。李晓蕾も慌ててスカートを直し、椅子に座り直した。彼女の顔は真っ赤に染まり、心臓は今にも張り裂けそうだった。

「…後で来てください」

趙迎新が落ち着いた声で返事をする。足音が遠ざかるのを確認すると、彼は李晓蕾を見て、引き締まった笑みを浮かべた。

「今日はここまでにしましょう。でも、もうすぐまた会えますよ」

李晓蕾は無言で立ち上がり、よろめきながらドアに向かった。総経理室を出るとき、彼女は振り返らずに早足で廊下を進んだ。トイレに駆け込み、個室に閉じこもると、彼女は膝から崩れ落ちた。

「私は…何を…」

自分の行動を思い返し、恐怖と羞恥が入り混じった感情が胸を締め付ける。でも、体の奥ではまだあの熱がくすぶり続けている。もっと欲しいという、得体の知れない渇望が。

その夜、家に帰った李晓蕾を韓博が優しく出迎えた。

「おかえり、遅かったね。大丈夫か?」

「うん…ちょっと残業があって」

彼女はそう答えながら、夫の顔を見ることができなかった。罪悪感で胸が張り裂けそうだった。でも、夫の腕に抱かれると、昼間の熱が再び体に蘇るのを感じる。

「疲れてるみたいだね。早く休もう」

韓博は彼女の手を引いて寝室へ連れて行った。ベッドに腰掛けると、彼女の肩を優しく揉みほぐしてくれる。その温もりに、李晓蕾は涙が滲みそうになった。

「韓博…ごめんね…」

「何が?お前は何も悪くない。仕事が大変なんだろう?」

彼の無垢な優しさが、李晓蕾の心をさらに痛めつける。彼女は服の上から、夫の胸に顔を埋めた。その匂いに包まれると、昼間の出来事が嘘のように遠のいていく。

でも、夫がトイレに行った隙に、李晓蕾はスマートフォンを取り出した。趙迎新からメッセージが届いている。

「今日は楽しかった。また明日」

その文字を見た瞬間、彼女の体が期待に震えた。急いでメッセージを削除し、スマートフォンを机の引き出しにしまい込む。

そして、寝室に戻るとき、彼女は鏡に映った自分の姿を見た。ほんの少し潤んだ瞳と、紅潮した頬。そこには、誰も知らない秘密を抱えた女が立っていた。

李晓蕾はそっと自分の腹部に手を当てた。まだ何も変わっていないのに、そこに何かが宿っているような錯覚に襲われる。

「私は…このまま堕ちていくの?」

自分自身に問いかけても、答えは返ってこなかった。ただ、体の奥で蠢く熱が、静かに彼女を飲み込もうとしていた。

韓博がトイレから戻ってくる気配がする。李晓蕾は慌ててベッドに横たわり、目を閉じた。夫の温もりが横に来るのを感じながら、彼女は今夜もまた、二つの顔を持つ自分を隠し続けるのだった。

ストッキングの誘惑

# 第4章:ストッキングの誘惑

朝の光が寝室に差し込む中、李晓蕾はクローゼットの前に立ち、ためらっていた。手に持っているのは、昨日こっそり買った黒いストッキング。シースルーの微かに光沢がある素材で、腿の部分には繊細なレースの飾りが施されている。

「どうしたの、晓蕾?遅くなるよ」

ベッドから夫の韓博の声がかかる。彼はまだ半分眠そうな目で、でも優しい笑顔を向けている。

「うん、すぐ準備できるわ」

李晓蕾は決心して、ストッキングを履いた。ひんやりとした感触が脚に広がり、ぞくっとした。以前はこんな派手なストッキングなんて絶対に履かなかった。でもあの日から…趙迎新の言葉が頭に浮かぶ。

「君の脚は美しい。もっと魅力的に見せていいんだよ」

あの声が耳の奥で響くたびに、彼女の体は勝手に反応してしまう。今日も、スカートの丈を普段より少し短めにした。夫にバレないように、慎重に。

「行ってきます」

「気をつけてね」

韓博は何も気づかず、穏やかな笑顔で送り出してくれた。

オフィスビルに着くと、エレベーターの中で李晓蕾は自分の脚を見つめた。ストッキング越しの脚のラインが、いつもよりセクシーに見える。心臓が早鐘を打つ。周りの同僚に見られたらどうしよう。でも、その緊張がなぜか快感に変わっていた。

「おはようございます、李さん」

突然の声にびくっとして振り返ると、そこには趙迎新が立っていた。彼の視線はすぐに彼女の脚に落ちる。そして、微かに口元を歪ませた。

「おはようございます、趙総経理」

李晓蕾は顔が熱くなるのを感じながら、小さく会釈した。

「今日も素敵ですね。新しいストッキングですか?」

直接的に聞かれて、彼女はどもりながら答えた。

「え、ええ…ちょっと…」

「とても似合ってますよ。品があって、でも…」

彼は言葉を切って、耳元に近づき、声を潜めた。

「とてもセクシーだ」

李晓蕾の体が一瞬で硬直した。でもなぜか、嫌な気持ちはしなかった。むしろ、その言葉にぞくぞくするような喜びを覚えている自分がいた。

エレベーターが止まり、ドアが開くと趙迎新は何事もなかったかのように先に歩き出した。李晓蕾はその後ろ姿を見送りながら、深く息を吸った。脚の間が湿っているのに気づいて、さらに慌てた。

午前中の会議中、李晓蕾は自分でも驚くほど集中できなかった。脚を組み替えるたびにストッキングの素材が擦れる微かな音がして、その度に彼女の心臓は跳ねた。趙迎新は会議の議長席から、時折彼女に視線を送る。その目は獲物を見るような鋭さを持っていた。

昼休み、李晓蕾が一人で資料室で書類を整理していると、ドアが静かに開いた。

「やっぱりここにいた」

趙迎新が入ってきて、後ろ手にドアを閉めた。部屋には二人だけになる。

「趙総経理…何かご用ですか?」

李晓蕾は声が震えないように必死に努力した。

「いや、ただ…君の様子が気になってね。今日はなんだかそわそわしているみたいだから」

彼はゆっくりと近づいてくる。李晓蕾は後ずさりしようとしたが、足が動かなかった。

「そんなこと…ありません」

「本当に?じゃあ、なんでそんなに顔が赤いんだ?」

彼の手が伸びて、彼女の頬に触れた。優しく、でも確信犯的に。

「わ、私…」

言葉が出ない。彼の指が頬から顎へ、そして首筋をなでるように下りていく。李晓蕾の体がびくりと震えた。

「君は本当に可愛いね。夫に隠れて、こういうことをするのが好きなんだろう?」

「違…」

「違わないよ。君の体は正直だ。心では否定しても、体はもう俺を求めてる」

彼の手がスカートの裾に触れた。絹のようなストッキングの感触を確かめるように、指が腿の上を滑る。

「やめて…ください…」

李晓蕾はか細い声で抵抗したが、その声には力がなかった。彼の指がストッキングの上を這うたびに、彼女の脚は震え、期待しているかのように少しずつ開いていく。

「このストッキング、すごく似合ってる。君のためにあるようなものだ」

彼の手が腿の内側に触れた時、李晓蕾は小さく喘いだ。

「だめ…こんなところで…誰か来たら…」

「来ないよ。今は誰も来ない」

彼の指が奥の方へ進もうとした瞬間、資料室のドアの向こうから足音が聞こえた。

二人は一瞬で離れた。趙迎新は何事もなかったかのように書類を手に取り、李晓蕾は机の前に立ってペンを握りしめた。

ドアが開き、同僚の一人が顔を出す。

「あ、趙総経理、ここにいらっしゃったんですね。お探ししましたよ」

「ああ、ちょっと李さんに資料の確認をしてもらってたんだ」

自然な口調で答え、彼は部屋を出ていった。李晓蕾はその場に立ち尽くし、膝が震えているのを感じていた。

その夜、帰宅した李晓蕾を韓博が笑顔で迎えた。

「おかえり、晓蕾。今日は遅かったね」

「うん、ちょっと仕事が詰まってて」

彼女は靴を脱ぎ、リビングのソファに座った。韓博が隣に座り、彼女の脚に気づいた。

「あれ?新しいストッキング?」

「え?ああ…うん、今日買ってみたの」

李晓蕾は少し慌てたが、すぐに落ち着いて答えた。

「すごく綺麗だね。なんか…いつもより大人っぽい感じがする」

韓博は純粋に褒めてくれた。彼の目には、妻がただおしゃれを楽しんでいるようにしか見えていない。

「そう?ありがとう」

李晓蕾は微笑み返したが、心の中では罪悪感と背徳感が渦巻いていた。夫の前で、今日の出来事を思い出す。趙迎新の指が腿を這った感触が、まだ生々しく残っている。

「脚、疲れた?マッサージしようか?」

「うん…お願い」

韓博が彼女の脚を自分の膝に乗せて、優しくマッサージを始める。彼の手は温かく、純粋な愛情で満ちていた。李晓蕾は目を閉じ、その温かさに身を任せた。

「晓蕾…最近、なんかあった?なんかあったら話してほしい」

突然の夫の言葉に、彼女の心臓が大きく跳ねた。

「な、なんでもないよ。仕事がちょっと忙しいだけ」

「そうか…無理するなよ。俺はいつでも君の味方だから」

韓博は優しく彼女の頭を撫でた。その純粋な愛情が、李晓蕾の胸を刺すように痛ませた。

寝室で一人になった時、李晓蕾はストッキングを脱ぎながら鏡の中の自分を見つめた。少し疲れた顔、でも目の奥には何かが燃えている。夫には言えない欲望が、静かに、確実に育っている。

「私は…私はどうなってしまったの…」

呟いても、答えは出てこない。ただ、朝になったらまたあのストッキングを履いて、趙迎新に会いに行く自分が想像できてしまった。

その夜、彼女は夫に背を向けて横たわった。韓博は優しく彼女の背中に腕を回す。その腕の中は安全で、温かかった。でも李晓蕾は、資料室でのあの緊張と興奮を思い出し、体の奥が熱くなるのを感じていた。

二つの世界の狭間で、彼女の心は少しずつ、確実に変わっていく。夫の愛情と、趙迎新の誘惑。どちらを選ぶべきか、もうわからなくなっていた。

ミニスカートの開発

翌日、李晓蕾はいつもより早くオフィスに着いた。昨夜、趙迎新から「明日は普段より少しだけ短いスカートを履いてきてほしい」と言われたのだ。彼女のクローゼットには、夫の韓博が好む清楚な膝丈のスカートばかりが並んでいる。ミニスカートなど、彼女のワードローブには存在しなかった。

しかし、なぜか断れなかった。断る理由も思い浮かばなかった。ただ、趙迎新の低く響く声が耳の奥で反響し、彼女の理性を溶かしていくようだった。

朝の通勤電車の中で、李晓蕾は自分の太腿が晒される感覚に落ち着かなかった。スカートの裾は膝上十五センチ。彼女が選んだ中で最も短いものだった。風が吹くたび、ひやりとした空気が肌を撫で、彼女の体は無意識に震えた。

「李さん、おはようございます」

同僚の声が彼女を現実に引き戻した。李晓蕾は笑顔を作り、何気なくスカートの裾を引っ張った。しかしそれでも、彼女の脚線は誰の目にも鮮やかに映っていた。

午前十時、趙迎新が彼女のデスクまでやって来た。

「李晓蕾さん、少し時間いいかな?」

彼の声はいつも通り穏やかで、他の社員がいる前では決して特別な素振りを見せない。しかし、李晓蕾は彼の目の奥に潜む欲望の光を見逃さなかった。

彼女は立ち上がり、彼の後ろについて総経理室へ向かった。ドアが閉まる音が、彼女の胸をざわつかせる。

「今日のスカート、よく似合っているよ」

趙迎新はドアに鍵をかけながら、何気ない口調で言った。しかし、彼の視線は李晓蕾の脚に釘付けになっていた。

「あ、ありがとうございます…」

李晓蕾はうつむきながら答えた。彼女の頬が微かに赤らむ。

趙迎新は彼女の前に立ち、両手を彼女の肩に置いた。「前回の薬はどうだった? まだ効いているか?」

「はい…でも、何だか変な感じがします。体が…熱っぽくて」

「そうか。それならもっと慣れる必要があるな」

彼の手が彼女の肩から腕へと滑り、ゆっくりとスカートの裾に触れた。李晓蕾の体が強張る。

「総経理、ここでは…」

「大丈夫だ。誰も来ない」

彼の指が彼女の太腿の内側をなぞる。李晓蕾は唇を噛みしめ、声を押し殺した。彼女の頭の中では、夫の韓博の笑顔がちらついた。しかし、それと同時に、この隠れた刺激が彼女の心をどんどんと支配していく。

「もっと短いスカートを買ってこい。今度の出張では、それで来い」

趙迎新の声は命令調だった。李晓蕾は何も言えず、ただ頷くことしかできなかった。

彼の指がさらに奥へと進もうとした時、突然、机の上の内線電話が鳴り響いた。趙迎新は一瞬眉をひそめたが、すぐに手を離し、電話に出た。

「はい…わかった。すぐに向かう」

彼は電話を置き、李晓蕾に向かって軽く微笑んだ。「今日はここまでだ。また後で連絡する」

李晓蕾は総経理室を出ると、自分のデスクに戻った。彼女の心臓はまだ高鳴っていた。スカートの下、太腿の内側に彼の指の感触がまだ残っている。それを指でそっと押さえながら、彼女は深く息を吸った。

午後の仕事が終わり、帰宅の時間になった。李晓蕾はエレベーターに乗る前に、スカートの裾をもう一度チェックした。鏡に映る自分は、どこか別人のように見えた。もっと短いスカートを履く自分を想像すると、心の中に複雑な感情が渦巻いた。

家に着くと、玄関から韓博の料理の香りが漂ってきた。

「おかえり、晓蕾。今日は早かったね」

韓博がエプロン姿でキッチンから顔を出した。彼の笑顔は優しく、李晓蕾の心を温かく包んだ。

「うん、仕事が早く片付いたから」

彼女は靴を脱ぎ、リビングへ向かった。韓博が作った料理が食卓に並んでいる。彼女の好きな麻婆豆腐と青椒肉絲だった。

「すごい、今日はご馳走だね」

「そうだよ。最近遅かったから、たまには早く帰って一緒に食べたかったんだ」

韓博は彼女の向かいに座り、箸を取った。李晓蕾は何気なくスカートの裾を引いたが、彼の目は彼女の料理の方に向いていた。

「今日、仕事で何か楽しいことあった?」

彼が聞いた。

李晓蕾は一瞬、趙迎新のことを思い浮かべた。しかし、すぐに首を振り、笑顔を作った。

「うん、新しい企画がうまく進んでるんだ。やりがいがあるよ」

「そうか。それは良かった。でも、無理しすぎるなよ」

彼の優しい言葉が、彼女の胸に刺さる。李晓蕾はうつむき、料理を口に運んだ。麻婆豆腐の辛さが、彼女の舌を刺激した。

「そういえば、晓蕾。来月の連休、どこか旅行に行かないか? 二人で久しぶりのんびりできたらいいな」

韓博の誘いに、彼女の心は揺れた。しかし、その時、趙迎新の声が頭の中で聞こえた気がした。

「旅行か…考えとくよ」

彼女はそう答えながらも、心の中では趙迎新の仕事の指示を思い出していた。来月の出張の予定がすでに入っている。彼と一緒に行くことになっているのだ。

その夜、李晓蕾は韓博の腕の中でじっと横たわっていた。彼の安らかな寝息が耳元で聞こえる。しかし、彼女の目は覚めていた。太腿の内側に残るあの感触が、彼女の思考を支配していた。彼女はゆっくりと手を伸ばし、自分の太腿を撫でた。趙迎新に触れられた場所が、まだ熱を持っているようだった。

「私は…何をしているんだろう」

彼女の心の中で、罪悪感と快感が激しくせめぎ合っていた。しかし、その葛藤が、さらに彼女を深みへと導いていくのを、彼女は止められなかった。

初めての隠れ姦淫

# 第6章 初めての隠れ姦淫

午後三時を過ぎた頃、オフィスは静寂に包まれていた。李晓蕾はデスクに向かいながらも、先日趙迎新から渡された小さな錠剤のことを考えずにはいられなかった。あの日から、彼女の体内では何かが変わり始めていた。昼休みにこっそりと服用した白い錠剤が、今もじわじわと効いている。

下腹部の奥が、遠くから熱を帯びてくる感覚。震える指先をデスクの上に置き、必死に平静を装った。

「李さん、ちょっと来てくれないか」

内線電話から流れてきた趙迎新の声に、彼女の心臓が跳ねた。時刻は午後四時。他の社員たちは業務に忙しくしているが、総経理室のあるフロアは少し静かだった。

「はい、すぐに伺います」

李晓蕾は立ち上がり、スカートの裾を整えた。ストッキングに包まれた太腿が、布地に擦れるたびに敏感に反応する。なぜこんなにも身体が敏感になっているのか、自分でも理解できなかった。

総経理室の扉をノックすると、すぐに「入れ」という低い声が返ってきた。

「失礼します」

中に入ると、趙迎新はデスクに座ったまま、書類に目を通していた。一見すると、ごく普通の業務の呼び出しに見える。

「ドアを閉めてくれ」

その言葉に従い、鍵をかける音が部屋に響く。その瞬間、李晓蕾の喉が乾いた。

「書類をまとめておいてほしいんだが」

趙迎新はそう言って、一枚の紙を差し出した。だが、その目は微かに笑っていた。彼は立ち上がり、窓のカーテンを引いた。完全に閉め切るのではなく、少しだけ隙間を残して。

「こっちへ来い」

彼の手招きに、李晓蕾の足が震えながらも動いた。デスクの横まで行くと、趙迎新は突然、彼女の手首を掴んだ。

「トイレに行こう。すぐに戻ってくる」

そう囁いて、彼は内線で秘書に「ちょっと席を外す」と伝えた。そして、李晓蕾の耳元でささやいた。

「一緒に来い」

廊下に出ると、彼は自然な足取りでオフィスを横切り、非常階段へと向かった。李晓蕾はその後ろ姿を追いながら、心臓が口から飛び出しそうだった。何かを悟られてはいけない、そう思いながらも、彼女の脚は期待に震えていた。

非常階段を下り、さらに下の階にある従業員用トイレへ。ここはほとんど使われていない場所だった。最上階のトイレは来客用に清潔に保たれているが、この三階のトイレは隅に追いやられていた。

趙迎新は女性用トイレの扉を押し開け、李晓蕾を中に引き込んだ。個室は狭く、二人が入るともう身動きが取れないほどだった。

「君、震えてるね」

彼の声は低く、耳元に直接吹きかけられる吐息が熱かった。李晓蕾は背中をドアに預け、逃げ場を失っていた。

「趙総経理、これは…ダメです。ここで何を…」

「ダメなのか?」

彼の指が、彼女のスカートの裾をそっと持ち上げた。ストッキングに包まれた太腿が露わになる。その指が、優しく、しかし確かな手つきで内腿を撫でた。

「あっ…」

思わず漏れた声を、自分の手で塞ごうとしたとき、趙迎新の唇が彼女の耳たぶを捉えた。

「声を出すなよ。誰かに聞かれたら…どうなるか分かってるだろう」

彼の手はさらに上へと進み、ストッキングの端を探る。指先が布地の隙間から直接肌に触れた瞬間、李晓蕾の全身が電気のように痺れた。

「ふう…ん…」

歯を食いしばり、声を殺す必死の努力。だが、彼の指は容赦なく、濡れ始めた場所を探り当てていた。

「もう濡れてるじゃないか。薬が効いてるんだな」

羞恥と快感が混ざり合い、彼女の頭の中が真っ白になっていく。夫のことを考えてはいけないと思えば思うほど、その背徳感が彼女をさらに興奮させた。

趙迎新は彼女のスカートを腰まで捲り上げ、自身のベルトを外した。冷たい空気が彼女の露出した肌を撫でた。個室の中は狭く、二人は密着せざるを得なかった。

「足を開け」

命令の声に、李晓蕾は従った。彼の手が彼女の腰を掴み、一気に引き寄せる。

「い、く…」

体内に侵入してくる熱い塊に、彼女は声を殺して悶えた。薬の効果か、それとも背徳感のせいか、彼女の身体は拒絶するどころか、貪欲にそれを迎え入れていた。

「君の中、熱いな…」

彼は動きながら、彼女の口を掌で塞いだ。規則的に揺れる動きが、狭い個室の中で微かな衣擦れの音を立てる。

「どうしたんだ、李さん?夫のいないところで、こんなことになって…」

からかうような言葉が、彼女の耳を穿つ。李晓蕾は激しく首を振ったが、体は正直に彼の動きに合わせて揺れていた。

羞恥心が彼女の頬を染め上げる。もし誰かがこのトイレに入ってきたら?もし夫に知られたら?そんな想像が彼女をさらに興奮させた。

「ああ…も、う…」

彼の手が彼女の口を離し、代わりに唇を重ねた。強引な舌が口腔内に侵入し、彼女の舌を絡め取る。唾液が混ざり合う卑猥な音が、狭い空間に響いた。

「一緒に…行くぞ」

彼の言葉に、李晓蕾の身体が大きく震えた。体内で熱いものが弾ける感覚。彼女もまた、その波に飲み込まれるようにして絶頂を迎えた。

しばらくの間、二人は荒い息を整えながら、個室の中に立っていた。趙迎新はゆっくりと彼女の中から抜け出し、ベルトを締め直した。李晓蕾は壁に手をつき、かくかくと震える膝を支えた。

「きれいにしなさい。戻るぞ」

彼の冷めた声に、彼女は慌ててスカートを下ろし、乱れた服を整えた。ポケットから取り出したティッシュで濡れた場所を拭き、ストッキングの中に隠された証拠を消した。

鏡の前で髪を整える彼女を見て、趙迎新は満足げな笑みを浮かべた。

「今夜も…韓博さんと仲良くするんだろうな」

その言葉に、李晓蕾の顔が強張った。

帰宅後、彼女は玄関で一度深く息を吸い込んだ。家の中からは、夕飯の支度をする音が聞こえる。

「ただいま」

「おかえり、遅かったね」

キッチンから現れた韓博は、エプロン姿で優しく微笑んでいた。彼は妻の頬に手を伸ばし、そっと撫でた。

「疲れた顔してるよ。今日はちょっと早く仕事が終わったから、カレーを作ったんだ」

優しい夫の姿に、李晓蕾の胸が痛んだ。今日の午後の出来事が頭をよぎり、罪悪感が彼女を襲う。しかし、同時にどこかで、この日常を取り戻したいという思いも強くなっていた。

夕食の間、韓博は今日あった出来事を楽しそうに話した。彼は部下の昇進試験の話や、取引先との交渉の話を、生き生きとした表情で語った。李晓蕾はうなずきながら、自分のことは何も話せなかった。

「ねえ、今日は早く休もうか」

食後、韓博が遠慮がちに提案した。彼の目には、愛情と少しの期待が混ざっていた。

寝室で、彼が彼女を優しく抱きしめた。その体温に、李晓蕾は安堵と同時に、複雑な感情を覚えた。

「愛してるよ、晓蕾」

彼の唇が彼女の首筋に触れ、優しいキスを落とす。その動作の一つ一つが、午後の乱暴な肌触りとはあまりにも違った。

彼の手が彼女の服の下に滑り込み、優しく胸を包み込む。その温かさに、彼女は自然と涙がこぼれそうになった。

「私も…あなたのこと、愛してる」

彼女の言葉に、韓博は嬉しそうに微笑んだ。彼は彼女の唇に優しく口づけ、ゆっくりと体を重ねていく。

いつも通りの優しいセックス。だけど、今日ばかりは、彼女の頭の中に別の記憶がよぎった。午後、あのトイレでの行為。そして、今、夫の腕の中にいる自分。

「どうしたんだ? 痛いのか?」

「ううん…大丈夫」

無理やり作った笑顔で答える。彼の優しさが、逆に彼女の罪悪感を深くした。

行為の後、韓博はすぐに眠りに落ちた。彼の規則正しい寝息を聞きながら、李晓蕾は天井を見つめて考えていた。

私は妻として、夫を裏切っている。それでも夫は何も気づかずに、私を愛し続けている。そのことに、彼女は自分自身への嫌悪と、同時に抗えない快感を覚えていた。

明日もまた、会社に行く。そこでまた、彼に呼ばれるかもしれない。その恐怖と期待が、彼女の中で渦巻いていた。

窓の外から月明かりが差し込み、夫の寝顔を照らしていた。彼は幸せそうに、微かに笑みを浮かべて眠っている。その寝顔を見つめながら、李晓蕾は静かに涙を流した。

この涙の意味を、自分でももう分からなかった。

映画館での浮気

映画館の薄暗いロビーで、李晓蕾は黒のストッキングに包まれた脚をわずかに揺らしていた。ミニスカートの裾は太ももの付け根近くまで上がり、彼女自身もその露出に戸惑いながらも、どこか背徳的な興奮を感じている。

「李さん、今日は本当に綺麗だね」

趙迎新の声が耳元で囁く。彼の吐息が首筋にかかり、彼女の肩が微かに震えた。

「あの、趙総経理…映画、もう始まりますよ」

李晓蕾は夫・韓博の顔を一瞬思い浮かべた。彼は今日も遅くまで仕事だ。『今夜は楽しみにしてるよ』と朝、送られてきたLINEのメッセージが頭をよぎる。彼女は目を伏せ、胸の奥で罪悪感と期待がせめぎ合うのを感じた。

「うん、中に入ろう」

趙迎新は彼女の手を取ると、暗がりの中を客席へと誘った。映画館の座席はほとんど埋まっておらず、彼らは最前列の端、誰の目も気にならない場所を選んだ。

画面に予告編が流れ始めると、趙迎新の手が静かに彼女の太ももへと伸びた。ストッキングの上から感触を確かめるように撫でる指に、李晓蕾は息を呑んだ。

「趙総経理…ここ、人が来たら…」

「大丈夫だよ、誰も見やしない」

彼の言葉には有無を言わせない力があった。李晓蕾は唇を噛みしめ、抵抗する代わりに目を閉じた。心臓が激しく鼓動し、映画の音声も耳に入ってこない。

彼の手はスカートの下に滑り込み、彼女の秘部を直接撫で始めた。指がストッキングの上から押し当てられると、李晓蕾の口からかすかな吐息が漏れた。彼女は必死に声を殺そうとするが、体は正直だった。ずっと抑え込んできた欲望が、趙迎新の手によって少しずつ解き放たれていく。

「もう、こんなになってるよ」

彼は耳元で卑猥な言葉を囁き、濡れ始めた彼女の奥に指を差し入れた。李晓蕾は膝を震わせ、手すりにしがみついた。映画館の暗闇が、すべてを許しているかのようだった。

彼女は何度目かの絶頂を迎えたとき、自分の口が無意識に開き、声にならない悲鳴をあげていることに気づいた。その間も趙迎新の指は止まらず、彼女の腰を浮かせるように動き続けた。

映画が終わる頃、李晓蕾の脚はすっかり力を失っていた。ふわふわとした足取りでロビーに出ると、彼は満足げな笑みを浮かべて言った。

「今日はこれで終わり。でも次は…もっとすごいことをしよう」

李晓蕾は頷いた。自分がもう戻れない場所にいることを、彼女は理解していた。

家に帰ると、玄関の明かりがついていた。韓博がリビングのソファで本を読んでいた。

「おかえり、映画、楽しめた?」

「うん。すごくいい映画だった」

彼女は微笑みながら言った。声が少し掠れていないか、顔が赤くなっていないか、必死に平静を装う。

「そうか。よかったね」

韓博は立ち上がり、彼女のそばに寄ると、優しく髪を撫でた。その温かな手のひらに、李晓蕾の心臓がぎゅっと締め付けられた。

「今日は疲れたんじゃない? お風呂、もう沸いてるよ」

「ありがとう、韓博。あなたも一緒に入る?」

「いいのか?」

彼の目が柔らかく細められた。李晓蕾は無理に笑顔を作って頷いた。

浴室で湯に浸かりながら、彼女は夫の背中を洗った。石鹸の泡が彼の広い背中を滑る。その感触に、さっきまでの自分が嘘のように思えた。けれど、夫の体に触れるたび、映画館での趙迎新の指の動きが蘇ってくる。

「どうした? 黙って」

「ううん…なんでもない。ただ、あなたと一緒にいられて、幸せだなって」

韓博は振り返り、彼女を抱きしめた。その腕の中は温かく、安全だった。けれど李晓蕾の目には、涙が浮かんでいた。自分がどんな汚れにまみれているのか、夫は決して知らないだろう。

寝室で二人は寄り添い、眠りについた。韓博の規則正しい寝息が聞こえる中、李晓蕾は天井を見上げて呟く。

「ごめんね…ごめんなさい、韓博」

だがその言葉は、誰の耳にも届かなかった。彼女の体と心は、すでに二つのものに引き裂かれていた。夫への愛情と、趙迎新との背徳の快楽。その狭間で、彼女はもがき続けることになる。

満員電車

# 第8章 満員電車

午後六時半、ラッシュアワーの新宿駅は地獄絵図だった。

李晓蕾は改札をくぐり、ホームへと続く階段に向かった。一日中続いた会議で疲れ切っていたが、それ以上に身体の奥でくすぶる熱が気になっていた。朝、財布に忍ばせた趙迎新からの薬——あれを飲んでから八時間。そろそろ効き目が切れ始めているはずなのに、むしろ下半身がじっとりと湿っている感覚があった。

「李さん、お疲れさまです」

後ろから声がして振り返ると、趙迎新がスーツのネクタイをきちんと締め直しながら立っていた。

「あ、趙総経理…お疲れさまです」

李晓蕾は自然に微笑んだ。周りに同僚の姿はない。彼女は一瞬、胸が高鳴るのを感じた。

「一緒の電車ですね。混んでますから、気をつけて」

そう言うと、電車が滑り込んできた。二人は流れに押されるように車内へと乗り込んだ。

満員電車。肩が触れ合うどころか、押し合い圧し合いの状態だった。李晓蕾は吊革に手を伸ばしたが、すぐに趙迎新が後ろから覆いかぶさるように立った。

「すみません、押されますね」

彼の声が耳元で響く。李晓蕾の背中に彼の胸が当たり、腰のあたりに何かが触れた。一瞬、彼女の身体が反応した。

電車が揺れるたびに、趙迎新の身体が李晓蕾に押し付けられる。最初はただの偶然だった。しかし、二つ目の駅を過ぎたあたりから、彼の手が彼女の腰に回った。

「…っ」

李晓蕾は息を呑んだ。彼の指がスカートの布地の上を這い、腰骨を撫でる。周りの乗客は誰も気づいていない。

「今日もお疲れさまでしたね、李さん。会議、頑張ってましたね」

彼の声は仕事の話をしているように聞こえるが、手の動きは全く違う意味を持っていた。スカートの裾がゆっくりと捲り上げられていく。

「あ、趙総経理…ここ、人が…」

「大丈夫ですよ、誰も見てませんから」

彼の指がストッキングの上を滑り、太ももの内側に触れた。李晓蕾の身体が震えた。以前ならはっきりと拒絶したはずだが、今は自分の身体が彼の指を待ち望んでいることを認めざるを得なかった。

電車がカーブを曲がる。その揺れに乗じて、趙迎新の手が李晓蕾のストッキングに包まれた秘部に到達した。彼の指が布地の上で円を描くように動く。

「…んっ…」

李晓蕾は唇を噛みしめた。周りの乗客に気づかれないように、必死に声を抑える。彼女の手は吊革を握りしめ、指の関節が白くなっていた。

「以前より、ずっと感じやすくなってますね。薬、ちゃんと効いてるみたいです」

彼の囁きが耳の裏を舐めるように撫でる。李晓蕾の身体は正直に反応し、彼の指の動きに合わせて腰が微かに動いた。

次の駅でさらに人が押し寄せた。趙迎新の身体がさらに密着し、彼の指がストッキングの薄い部分を押し広げるように動く。彼女の下半身はすでに濡れていた。

「ここ、滑りがいいですね…ちゃんと準備できてる」

彼の指が直接彼女の柔肉に触れた。李晓蕾は声を上げそうになり、慌てて口を押さえた。

「絶対に声を出さないでくださいよ。バレたら困るのはあなたですからね」

趙迎新の声は笑っているようだった。彼の指は彼女の入り口を撫でながら、ゆっくりと侵入してきた。

「ああっ…」

李晓蕾の身体が小さく跳ねた。彼の指が内部を探るように動き、彼女の弱い部分を正確に突く。

「今日も気持ちいいですか、李さん?」

彼の言葉に彼女は首を振った。だが、彼女の身体は彼の指を締め付け、離すまいとしていた。

電車がまた揺れる。その拍子に彼の指が深く入り込んだ。李晓蕾は唇を噛みしめ、絶頂をこらえるのに必死だった。

「もっと我慢してくださいね。まだ駅は遠いですから」

趙迎新の指の動きが速くなる。李晓蕾の視界がぼやけ始める。あと少しで、ついていけなくなりそうだった。

「…やめて…ください…」

かすれた声で彼女は懇願した。だが、彼の指は止まらない。

「旦那さんは今頃、何をしてるんでしょうね。きっと、あなたが帰ってくるのを楽しみにしてるんでしょう?そんなあなたが、今、電車の中で誰に触られてるのか、彼は知る由もない」

その言葉が彼女の理性の最後の砦を崩した。身体が大きく震え、彼女は必死に声を殺しながら、彼の指の中で果てた。

絶頂の波が収まるまで、彼女は吊革にしがみつくことしかできなかった。趙迎新は満足そうに指を引き抜き、そっと彼女のスカートの裾を直した。

「次はあなたの駅ですね。旦那さんにバレないように、ちゃんと落ち着いて降りてください」

李晓蕾は頷くことしかできなかった。まだ息が整わない。頭の中が真っ白だった。

電車が停車し、ドアが開く。彼女はフラフラと足を踏み出した。涼しい夜風が頬をなでるが、身体の奥の熱は冷めやらなかった。

自宅の玄関を開けると、明るい灯りと夕飯の匂いがした。

「おかえり、蕾。今日は遅かったね」

韓博がエプロン姿でキッチンから顔を出した。優しい笑顔が彼女を迎える。

「うん…会議が長引いて」

彼女は靴を脱ぎながら、スカートの裾が乱れていないか確認した。鏡で見た自分の顔は、少し赤いように思えた。

「大変だったね。ご飯、もうすぐできるから。今日はカレーにしたんだ」

「ありがとう、韓博…いい匂いだね」

彼女はリビングに入り、ソファに座った。まだ身体の震えが収まらない。

「そういえば、今日、君の会社の趙総経理って人と少し話したんだよ。駅で偶然会ってね」

その言葉に彼女の心臓が止まるかと思った。

「えっ…」

「仕事の話をちょっとしただけだけど、いい人そうだね。君のことをすごく評価してるって言ってたよ」

韓博は無邪気に笑いながら言った。その目には少しの疑いも浮かんでいない。

「うん…そうだね。いい上司だよ」

李晓蕾は目をそらしながら答えた。胸の奥で罪悪感と背徳感が渦巻く。だが、それ以上に身体は先ほどの刺激を反芻していた。

「蕾、どうしたの?顔が赤いけど、熱でもある?」

韓博が手を伸ばして彼女の額に触れようとした。彼女は咄嗟に身を引いた。

「大丈夫…ちょっと電車が混んでて疲れただけ」

「そう?あとでお風呂、ゆっくり入ったらいいよ。今日は僕が皿洗いもやるから」

韓博は優しく笑い、またキッチンへ戻っていった。

彼女はソファに深く座り直し、自分の体の中にまだ残る違和感を噛みしめた。夫は何も知らない。このまま、普通の妻でいられるのだろうか。

窓の外はすっかり夜の闇に包まれていた。