# 第1章: 始まりの起源
小天は自分の部屋のドアを閉めると、誰もいないことを確認してからクローゼットの奥に手を伸ばした。そこには母親が洗濯かごに捨てたストッキングが何足か隠してあった。どれも履き古されたもので、ところどころ伝線しているものもある。彼はそれを取り出すと、震える手で顔に近づけた。
繊維に染み込んだ母親の匂い。汗と柔軟剤と、どこか甘やかな女性の香りが混ざり合っている。小天は深く息を吸い込み、陶酔したような表情を浮かべた。心臓が早鐘を打つ。彼はスマートフォンを取り出すと、以前こっそり撮った母親のストッキング姿の写真を開いた。優雅に組まれた脚、ハイヒールに包まれた足首、そして肌に張り付くようなナイロンの質感。
「ああ…」
思わず声が漏れる。彼は自分が何をしているのか分かっていた。これは母親だ。普通の高校生がすることじゃない。しかし、その背徳感がかえって彼の興奮を高めていた。
学校から帰宅したのは午後三時過ぎ。本来なら母親は仕事で帰りは夜遅い。叔母も自分の仕事で忙しいはずだった。しかし、その日は運命が小天に試練を与えようとしていた。
家のドアを開けると、妙な静けさの中に何かが違うことに気づいた。玄関には見覚えのない女性用のパンプスと、母親の仕事用の靴が揃えてある。まさか、母が早く帰ってきたのか?
リビングを通り過ぎようとした時、二階からくぐもった音が聞こえてきた。何かを押し殺したような声と、規則的に何かを打つようなリズム。小天は足を止めた。心臓が嫌な予感で騒ぎ始める。
音の発生源は母親の寝室だった。ドアはわずかに開いており、明かりが漏れている。小天は息を殺して近づいた。見てはいけない。そう思えば思うほど、彼の足はドアの方へ進んでいた。
ドアの隙間から覗いた光景に、小天の世界は一瞬で変わった。
母親がベッドの上にうつ伏せで倒れていた。両手両足はベッドの柱に革ひもで縛られ、自由を奪われている。彼女は上半身に透明なビニールのような胸当てをつけており、その下の乳首がはっきりと透けて見えた。下半身は黒のパンストだけを履き、両手には肘まであるレースの長手袋がはめられていた。口には丸められたストッキングが詰められ、彼女は「んー、んー」とくぐもった声をあげている。
そして、その傍らに立っていたのは叔母だった。信じられないことに、叔母も母親と全く同じ格好をしていた。透明な胸当て、パンスト、長手袋。彼女は手に革の鞭を持ち、母親の腰や尻を容赦なく打ちつけている。
「クソ姉ちゃん、今日は特に締まりがないな」
叔母の声はいつもと違っていた。低く、支配的で、愉悦に満ちている。
「んんっ!」
母親が体を震わせる。苦しそうなのに、その目はどこか恍惚としていた。
「言うことを聞かない姉ちゃんには、もっと痛いお仕置きが必要だな」
叔母は鞭を置くと、代わりに蝋燭のようなものを持ち上げた。ろうそくの火を灯し、溶けた蝋を母親の背中に垂らす。
「あああっ!」
母親の声が絞り出される。苦痛と快楽が混ざり合ったその悲鳴は、小天の耳に異様に響いた。
小天はその場に立ちすくんだ。頭の中が真っ白になる。これは何だ?なぜ母と叔母がこんなことを?二人とも普段はあんなに上品で淑やかなのに。
しかし、同時に彼の体は別の反応を示していた。下半身が熱くなり、興奮が全身を駆け巡る。ストッキングを履いた母の脚、縛られた手足、苦しみながらもどこか官能的な表情。それらのイメージが彼の理性を蝕んでいく。
「次は姉ちゃんの番だぞ。私がお仕置きされる番だ」
叔母が母親の口からストッキングを抜き取ると、母親は荒い息をついた。
「もっと…もっと罰してください…ご主人様」
その言葉に、小天は背筋が凍る思いがした。母親が「ご主人様」と呼んでいる?これは叔母が主導権を握っているのか?それとも…
小天はこれ以上見てはいけないと本能で感じた。足音を立てないように静かに後退し、自分の部屋へと逃げ帰った。ドアを閉めると、彼はその場に崩れ落ちた。心臓は今にも破裂しそうなほど激しく鼓動している。
手が震えている。吐き気がする。しかし同時に、彼の股間は熱く膨らんでいた。さっき見た光景が焼き付いて離れない。母の縛られた姿、パンストに包まれた脚、叔母の鞭を振るう手つき。
「何だよ、これ…」
小天は自分の手を見つめた。この手で、いつも母のストッキングを触っていた。でも、今は違う。あの光景を見た後では、もう元の自分には戻れない気がした。
夜、ベッドに横たわっても、小天の頭の中はあの映像でいっぱいだった。母と叔母の秘密。表向きの姿とは全く違う、もう一つの顔。そして、それを見てしまった自分。
「どうすればいいんだ…」
彼は枕に顔を埋めた。頭の中では、母が縛られた姿が繰り返し再生される。苦痛に歪む表情、それでもどこか満足げな目。叔母の言葉が耳にこだまする。
「クソ姉ちゃん」
「言うことを聞かない姉ちゃん」
「お仕置き」
「ご主人様」
小天は布団の中で拳を握りしめた。欲望と罪悪感が渦巻く。これを知ってしまった以上、もう以前のように母と接することはできない。それでも、彼の心の奥底では、もう一度あの光景を見たいという衝動が芽生え始めていた。
夜は深まり、月明かりだけが部屋を照らしている。小天は目を閉じた。明日からどんな顔をして母に会えばいいのか。そして、もしかしたら叔母も巻き込んで、もう一歩深みに足を踏み入れてしまうかもしれない自分が怖かった。
彼の指が無意識にスマートフォンを探った。そこにはまだ、盗撮した母のストッキング姿の写真が残っている。それを見て、彼は今夜もまた妄想の世界に溺れていく。ただ、その妄想の内容は、今までとは決定的に変わっていた。