# 第四章:ストッキングの誘惑
ロープが肌に食い込む感触が、林雅の全身を包んでいた。両手を頭の上で括られ、ベッドの上に仰向けに固定される。まだ衣服は身につけたままだったが、胸元のボタンがいくつか外され、白い肌が覗いている。
「動かないで」
小杰の声は低く、どこか緊張を含んでいた。彼はロープの端をベッドのフレームに結びつけながら、時折視線を母親の脚部へと向けていた。ベージュのストッキングが、部屋の灯りに照らされて微かに光っている。
林雅は自分の身に起こっていることの意味を考えまいとしていた。これはただの訓練。息子のため。そう自分に言い聞かせるたびに、心の奥底で何かが疼いた。
「ここに、もう一本ロープを巻くよ」
そう言って小杰が手を伸ばした先は、彼女の太ももだった。指がストッキング越しに触れた瞬間、林雅の体が小さく震えた。
「……冷たい?」
「い、いや……大丈夫」
実際には冷たさなど感じていなかった。むしろ、その接触が熱を持っているかのようだった。特にストッキングに包まれた部分に触れられると、布地を通して伝わる指の温度が、妙に敏感に感じられる。
小杰はロープを彼女の太ももに巻き始めたが、その手つきは徐々に迷いを見せ始めていた。何度も同じ箇所を撫でるように触れてしまうのだ。
「どうしたの?」
「……なんでもない」
小杰は慌てて手を引っ込めようとしたが、代わりに彼の指は彼女のふくらはぎに触れていた。ストッキングの滑らかな質感が、指先にまとわりつく。
息が止まったような感覚が、部屋に流れた。
「お、お母さんのストッキング……きれいだね」
絞り出すような声で小杰が言った。彼の頬は赤く染まっている。
林雅は返事ができなかった。代わりに彼女の体が、もっと触れてほしいとでも言うかのように、かすかに身を捩った。
その仕草に刺激されたのか、小杰の手が彼女の足首を掴んだ。そしてゆっくりと、ストッキングの上から指を滑らせていく。かかとから足首へ、くるぶしの間をたどり、足の甲へ。
「お母さんの足……すごくきれい」
小杰の声には、もはや普段の息子としての響きはなかった。代わりに、何か貪欲なものが混ざっている。
林雅は目を閉じた。抵抗しなければ。そう思えば思うほど、体は逆に反応してしまう。ストッキング越しに伝わる息子の手の感触が、まるで直接肌を撫でられているかのように感じられた。
「……いけない……こんなの」
口にした言葉とは裏腹に、彼女の脚は小杰の手を拒まなかった。むしろ、より撫でやすいように位置を変えてしまう。
小杰は彼女の足を両手で包み込むようにして、ゆっくりと撫で続けた。時折指をストッキングの繊維に絡ませながら、その感触を楽しんでいるかのようだった。
突然、彼は顔を近づけた。
「ちょっと……何を……」
林雅が制止する間もなく、小杰は彼女の足の甲に顔を埋めた。鼻をストッキングに押し当てて、匂いを嗅いでいるのが分かる。
「お母さんの匂い……ストッキングに染みついてる」
「やめ……そんなこと……」
しかし林雅の声は弱々しかった。むしろその行為に、自分でも予想しなかった興奮を覚えていることに気づいてしまった。
小杰はさらに大胆になった。ストッキングに覆われた彼女の足の指の間に自分の指を差し込み、ゆっくりと動かし始めた。布地が擦れる感触が、彼女の脚全体に広がっていく。
「あっ……」
思わず漏れた声に、小杰が顔を上げた。目が合う。その視線には、もはや迷いはなかった。
「お母さん、気持ちいいんだ」
「ち、違う……」
否定の言葉は途中で途切れた。小杰が彼女の足の指を一本一本、ストッキング越しに舐め始めたからだ。
舌の温かさがナイロンを通して伝わる。唾液で湿ったストッキングが肌に張り付き、その感触が脳を痺れさせる。
「あ……そこ……」
林雅の体が震えた。腿の間が熱くなる。自分でも信じられないことに、彼女はこの状況を楽しんでいた。
小杰は夢中で母親の足を舐め続けた。ストッキングの味は、汗と洗剤と、何か甘いような匂いが混ざっていた。それが彼のフェティシズムを強烈に刺激した。
「もっと……もっと舐めさせて」
「だめ……私たち……親子なのに……」
しかしその言葉は、むしろ小杰の興奮を煽るだけだった。彼はさらに勢いよく、足の裏を舐め始めた。ストッキングが唾液でぐっしょりと濡れていく。
「はあっ……はあっ……」
林雅の呼吸が荒くなる。彼女の理性はもう崩壊寸前だった。体の奥底から湧き上がる快感が、善悪の判断を奪い去っていく。
「お母さん、手を動かさないでね」
小杰が優しく囁いたかと思うと、彼女の手首を固定しているロープをさらにきつく締め直した。
「痛……」
「もっと縛りたいんだ。お母さんを、僕だけのものにしたい」
小杰の声には、もはや子供の面影はなかった。そこにあるのは、支配欲に取り憑かれた一人の男の声だった。
林雅は抗えなかった。いや、抗おうとしなかった。この瞬間、彼女の心のどこかで、息子に縛られることに悦びを感じている自分がいたのだ。
ロープが彼女の体の随所に巻かれていく。胸の上、腰の周り、腿の付け根。どこもかしこも、ストッキング越しにロープが食い込むたびに、彼女の体は小さく震えた。
「もう……いいかい?」
小杰が尋ねる。林雅は答えられず、ただうなずくことしかできなかった。
「トレーニング、続けよう」
小杰はそう言って、再び彼女の足を撫で始めた。その手つきは、先ほどよりも確信に満ちていた。
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数時間後、解放された林雅は疲労と複雑な感情に支配されながら、自室で横になっていた。体は重く、皮膚のあちこちにロープの跡が赤く残っている。
小杰は自分の部屋に戻っていた。彼が何をしているのか、林雅は無性に気になった。
足音を忍ばせて、彼の部屋のドアの前に立つ。中から微かに音が聞こえる。何かの動画だろうか。しかし、それは普通の音楽とは違う、どこか淫らな響きを含んでいた。
慎重にドアを少し開ける。隙間から見えた光景に、林雅の心臓が凍りついた。
小杰はパソコンの画面に釘付けになっていた。そこに映っているのは、ストッキングを履いた女性の脚を、さまざまな角度から映した映像だ。足を組み替えたり、ストッキングを脱ぐ仕草をスローモーションで再生している。
「はあ……」
小杰の息遣いが荒い。彼はマウスを握りしめ、画面に映る女性の足に指で触れるような仕草をしている。
林雅はその場に立ち尽くした。自分の息子が、こんなものを見ている。現実を受け入れられなかった。
しかし同時に、昼間の自分の反応を思い出していた。息子に足を撫でられ、舐められ、感じてしまった。あのときの快感が、今でも体に残っている。
「お母さんの方が……きれい……」
画面の中の女性を見ながら、小杰が呟いた。
その言葉に、林雅の胸が締め付けられた。何か熱いものが込み上げてくる。それは嫌悪だろうか。それとも……誇り?
「……そっか」
林雅は静かにドアを閉めた。部屋に戻ってベッドに横たわる。天井を見上げながら、自分の中に芽生えた感情の正体を探ろうとした。
昼間、息子に興奮した自分。それを恥じる気持ち。そして、またあの感覚を味わいたいという欲望。
「私は……いったい……」
呟きは部屋の闇に溶けていった。
一方、小杰もまた複雑な感情に支配されていた。昼間の母親の反応が頭から離れない。ストッキングに包まれた彼女の足を舐めたとき、彼女は確かに感じていた。
「お母さんも……好きなんだ」
それが真実だと気づいたとき、小杰の中で何かが支配欲へと変わっていった。最初は不本意だったはずなのに、今では母親を自分好みに調教したいという衝動が湧き上がっている。
「次は……もっと強く縛ろう」
彼は新たなロープを机の引き出しから取り出した。もう引き返せないことを、二人とも薄々感じながら。