# 序章
B401の扉が閉まる音が、冷たく響いた。
小倉と小簡は、互いの手を握りしめたまま、この異質な空間に足を踏み入れた。見慣れたはずの家具、柔らかな照明、温かみのあるインテリア——それらすべてが、かつて「家」と呼べた場所の残像を宿している。しかし、この空間に施された時空魔法の枷は、彼女たちの自由を根こそぎ奪っていた。窓の外に見える星曦城の夜景さえも、偽りの幻影に過ぎない。
「小簡……」
小倉の声が微かに震えた。彼女はいつもの冷艶な表情を保とうとしていたが、その指先は小簡の手を離さなかった。
「大丈夫。私はここにいる。」
小簡がそう囁き返す。彼女の目には、強い光が宿っていた。外見こそ柔弱に見えるが、その内側には驚くべき強靭さが潜んでいる。しかし、その強さは、目の前の小倉を守るためにこそ発揮されるのだ。
二人は、B401の中核にあるリビングルームに足を踏み入れた。壁には「小曦智能系統」のインターフェースが浮かび上がり、穏やかな女性の声で現在の状況を伝える。
「艾比様、尹素婉様が入室されます。準備をお願いします。」
その声が響き終わる前に、二人は無言で部屋の中央に移動した。カーペットの上に並んで膝をつく。その姿勢は、すでに何度も繰り返されてきたものだ。互いの視線を交わし、わずかに頷く。
小倉は今日、ダークグレーのタイトスカートに白いブラウスという、ビジネスライクな装いをしていた。その服装が、かえって彼女の冷艶な美貌を際立たせている。一方の小簡は、淡いブルーのワンピースを纏い、その柔らかな曲線を包み込んでいた。二人の服装は、まるで日常の延長線上にあるかのようだが、その実、すべては調教のための準備だった。
時空間隙の扉が開く。冷たい風が部屋に流れ込む。
艾比——短い銀髪に、切れ長の目を持つ女性が先に入ってきた。その瞳には、支配者としての愉悦が滲んでいる。続いて、尹素婉——長い黒髪を後ろで束ね、口元に残酷な微笑みを浮かべている。二人とも、星曦閣の精鋭だ。
「お待ちしておりました。」
小倉と小簡の声が、綺麗に重なった。頭を深く下げ、両手を床につける。完璧な跪拝の姿勢。
「よくできましたね。今日も素直な部下たちで。」
艾比の声には、嘲弄の色が混じっていた。彼女はゆっくりと小簡の前に立つ。ヒールの先端が、カーペットにめり込む。
「小簡。服を脱ぎなさい。そして、両手を後ろで組め。」
小簡は一瞬、小倉を見た。小倉の目が、わずかに揺れる。しかし、小簡は静かに頷き、立ち上がった。ワンピースのファスナーを下ろし、肩から滑り落とす。肌に冷たい空気が触れる。続いて下着も丁寧に脱ぎ、すべてを床に置いた。
彼女は指示通り、両手を背後で組んだ。その白い手首に、艾比が素早く革製の拘束帯を巻きつける。きつく締め上げられ、手首が固定される。
「うっ……!」
小簡の口から、わずかな呻きが漏れた。しかし、彼女はそれ以上声を出さなかった。
一方、尹素婉は小倉の背後に回った。小倉の両手もまた、同じように背後で拘束される。その手際は、これまで何度も繰り返されてきたかのようだった。
「小倉さん……今日はあなたから始めましょうか。」
尹素婉の声は、甘くも冷たい。彼女は腰に装着した擬似ペニス——それは精巧に作られた人工器官で、先端にはコンドームが装着されていた——を取り出す。その表面は滑らかで、体温を帯びているかのように見えた。
「小簡、お前はこちらに来い。」
艾比の命令に、小簡は拘束されたまま膝をついて移動する。彼女の胸が、わずかに震えた。艾比は小簡の顎をつかみ、無理やり顔を上げさせる。
「口を開けろ。」
小簡は素直に唇を開いた。その口腔に、艾比の擬似ペニスが挿入される。先端が喉の奥を圧迫し、反射的に嘔吐感が走るが、小簡はそれを必死に堪えた。舌で先端を絡め取り、唾液で滑らかにする。
「うん……なかなか上手くなったじゃないか。」
艾比が満足げに呟く。彼女の腰がゆっくりと動き、小簡の口内を往復し始める。小簡の目には涙が浮かんでいたが、それを拭うこともできない。彼女はただ、口を開け、舌を動かし続けた。
一方、尹素婉は小倉の前に立っていた。小倉の顔を、擬似ペニスの先端でなぞる。その感触は冷たく、しかし小倉の肌には熱く感じられた。
「顔を上げなさい。」
小倉は従った。尹素婉はその美しい頬を、ペニスの先端で軽く打つ。パシッという乾いた音が響く。
「ひっ……!」
小倉の身体が跳ねる。しかし、彼女は目をそらさなかった。視線の先には、口を犯されている小簡の姿があった。その光景が、小倉の胸を激しく締め付ける。
「見ていて辛いですか?でも、これがあなたたちの選んだ道ですからね。」
尹素婉は冷酷に言い放ち、ペニスを小倉の胸元へと移動させた。ブラウスのボタンを指で弾き飛ばし、露出した乳房に先端を押し当てる。柔らかな感触が、硬いペニスに押し潰される。
「あ……っ!」
小倉の声が、部屋に響く。尹素婉はその胸を、ペニスで打ち続ける。赤い痕が、白い肌の上に浮かび上がる。さらに、腰を回すように動かし、胸の先端を抉るように刺激する。
「やめて……そこは……」
「やめて?あなたの身体は、もっと正直ですよ。」
尹素婉は嘲笑しながら、ペニスをさらに下へと移動させた。スカートの中に手を差し入れ、下着をずらす。そして、臀部の中央に先端を押し当てた。
「これから、入りますよ。ちゃんと受け止めてくださいね。」
「待って……お願い……!」
小倉の抵抗も虚しく、尹素婉は一気に挿入した。小倉の体内に、異物が侵入してくる感覚。それは、違和感と痛みに満ちていた。しかし、それ以上に、精神的な屈辱が彼女を苛んだ。
「あああっ!」
小倉の叫び声と共に、尹素婉の腰が激しく動き始める。部屋には、湿った水音と、肉がぶつかり合う音が響く。小簡はその音を聞きながら、さらに激しく口を動かし続けた。
数分後、尹素婉の身体が震えた。彼女が絶頂に達したのだ。精液がコンドームの中に放出される。その量は、たっぷりと溜まるほどだった。尹素婉はゆっくりとペニスを引き抜き、コンドームを外した。その中には、白濁した液体が満ちている。
「小簡、口を閉じろ。そして、これを飲みなさい。」
尹素婉はそう命じ、コンドームの先端を小簡の口元に持っていく。小簡は一瞬、小倉を見た。小倉の顔は涙と汗で濡れていた。しかし、その目は「飲め」と言っているかのように、強く見開かれていた。
小簡は、そのコンドームの先端を口に含んだ。尹素婉がコンドームの底を押し、精液が小簡の口腔に流し込まれる。生ぬるい感触、鉄のような味。小簡はそれを、一気に飲み干した。喉が上下する。やがて、すべてを飲み終えた時、尹素婉は満足げに笑った。
「いい飲みっぷりですね。あなたは、この道がお似合いだ。」
艾比もまた、絶頂に達していた。彼女はゆっくりとペニスを小簡の口から引き抜く。その先端には、唾液と精液が混じった液体が滴っていた。
「さて、刻印を残しましょう。」
艾比は魔法のペンを取り出した。そのペン先は、淡い光を放っている。彼女は小簡の胸——右胸の乳輪のすぐ上に、文字を書き始めた。
「『艾比の奴隷』——これがあなたに刻まれる言葉です。」
ペン先が肌に触れるたび、熱い痛みが走る。小簡は唇を噛みしめて耐えた。やがて、刻印が完成する。その文字は、しばらくの間、赤く浮かび上がっていたが、魔法の特性により、5分ほどで徐々に薄れ、やがて完全に姿を消した。
同様に、尹素婉も小倉の大腿内側に刻印を刻む。そこは、普段は見えない場所だが、衣服をめくれば誰でも確認できる場所だった。
「『尹素婉の所有物』——あなたは、私たちのものですよ。」
その言葉に、小倉の身体が震えた。しかし、彼女は何も言い返さなかった。ただ、地面に頬をつけ、頭を下げた。
「本日はこれで終わりです。お疲れ様でした。」
艾比と尹素婉は、軽く一礼すると、時空間隙の扉に向かった。扉が閉まる音が、再び部屋に響く。
すべてが静かになった。
小倉と小簡は、拘束を解かれ、ゆっくりと立ち上がった。互いに、抱き合う。小簡の口の中には、まだ精液の味が残っていた。小倉の身体には、無数の赤い痕が刻まれている。
「小簡……ごめん……私のせいで……」
「違う。私が選んだことだ。あなたがいるから、私は強くなれる。」
小簡はそっと小倉の頬に手を伸ばした。その指が、涙の痕をなぞる。
「一緒に入ろう。水の中なら、何もかも洗い流せるから。」
二人は手を繋ぎ、バスルームへと向かった。湯船には、温かいお湯が張られている。その水面に映る自分たちの姿は、少し疲れているように見えた。しかし、それでも、二人は微笑み合った。
休憩時間が始まる。この短い安らぎの中で、二人は再び、明日の調教に備えて心を整えるのだ。小曦智能系統が、静かに次の調教者のスケジュールを表示している。
「次の調教まで、あと30分です。」
その声は、無情にも響いた。しかし、二人はそれを受け入れる覚悟を、すでに決めていた。