# 第一章: 暗黒の降臨
夕暮れの橙色が部屋の中に差し込んでいた。林雪はキッチンで夕食の準備をしながら、窓の外の道を見つめていた。間もなく双子の娘たちが学校から帰ってくる時間だ。彼女の顔には自然と笑みが浮かんでいた。
「ただいま!」
元気な声が玄関から聞こえてきた。小雅と小晴がランドセルを背負ったままリビングに飛び込んでくる。
「おかえり、二人とも。手を洗っておいで」
林雪が優しく声をかけると、小雅が真っ先にキッチンに走ってきた。
「ママ、今日ね、学校でね…」
言いかけた小雅の言葉は、玄関のドアが激しく破壊される轟音で遮られた。
「なに?」
陳浩がソファから立ち上がろうとした瞬間、黒い影が玄関から雪崩のように流れ込んできた。覆面を被った男たちが次々と室内に侵入してくる。その数は十人。全員が黒い服装で、目だけを露出させていた。
「お前たち、何だ!」
陳浩が叫ぶが、すぐに最も体格の良い男——阿牛が彼に飛びかかった。鈍い音と共に陳浩は床に倒され、阿狼と阿鼠が素早く彼の腕を背後で縛り上げる。
「キャッ!」
林雪の悲鳴が部屋中に響き渡る。彼女は反射的に双子を自分の背後に隠そうとしたが、阿虎が大きな手を振りかぶって彼女の頬を打った。鋭い痛みと共に林雪の視界が歪む。
「静かにしろ、女だ」
阿虎の低い声が彼女の耳元で響く。林雪はよろめきながらも立っていようとしたが、その場に崩れ落ちた。
「ママ!ママ!」
小雅と小晴が泣き叫ぶ。阿蛇が双子の腕を掴み、無理やり寝室の方へ引きずっていく。
「離して!ママを離して!」
小雅が必死に抵抗するが、子供の力ではどうにもならない。阿猪がもう一人の双子——小晴を抱え上げ、寝室に放り込んだ。扉が閉められ、鍵がかかる音がした。
「小雅!小晴!」
林雪は這ってでも寝室に向かおうとしたが、阿馬が彼女の髪を掴んで引き戻した。
陳浩は居間の中央にある頑丈な木製の椅子に縛り付けられていた。阿龍がゆっくりと彼の前に歩み寄る。覆面の奥から覗く瞳は冷たく、獲物を見定める蛇のようだった。
「陳浩、という名前だな。お前の妻は林雪。双子の娘たちは小雅と小晴。間違いないな」
阿龍の声は平坦で、感情が一切感じられなかった。彼はゆっくりと部屋の中を見渡し、まるで自分の領土を確認するかのように振る舞う。
「何が目的だ!金なら出す!だから娘たちだけは!」
陳浩が椅子の上で必死に体をよじりながら叫ぶ。だが阿龍は微かに首を振った。
「金?我々は金など必要としていない。今夜はお前たち家族と、たっぷりと遊んでやろうと思ってな」
その言葉に、部屋にいる男たちの一部が低く笑った。阿龍はゆっくりと林雪の方へ歩いていく。彼女はまだ床に倒れたままで、頬は赤く腫れ上がっていた。
「この女、なかなか上玉だな。お前たち、好きにしていいぞ」
阿龍がそう言うと、男たちの間に一瞬の沈黙が走り、そして歓声が上がった。
「やめろ!やめろ!妻に手を出すな!」
陳浩の怒声が部屋中に響く。彼はもがき、椅子ごと倒れようとしたが、阿牛が背後から彼の首を掴んで固定した。
「見ていろ、陳浩。お前の妻がどうなるか、この目でしっかりと見ていろ」
阿龍が冷たく言い放つ。その瞬間、阿虎と阿猪が林雪の両腕を掴んで立ち上がらせた。彼女は必死に抵抗しようとするが、すでに恐怖で体が震えていた。
「やめて…お願い…子供たちが…」
林雪の声は震えていた。彼女の目には涙が溢れていた。阿蛇が彼女の前に立ち、ゆっくりと覆面の下から細い目を覗かせる。
「子供たち?ああ、あの可愛い双子か。心配するな、後でたっぷりと構ってやるからな」
「この野郎!子供に手を出すな!」
陳浩の絶叫が部屋に響く。だが、誰も彼の声に耳を貸さなかった。
阿虎が林雪のブラウスの襟を掴み、一気に引き裂いた。布が裂ける音が耳障りに響く。林雪の悲鳴が上がる。
「助けて!誰か!警察!」
彼女の叫びは無駄だった。この家は郊外の一角にあり、隣家との距離も遠い。誰も彼女の声を聞くことはない。
「抵抗するな。余計に苦しくなるだけだ」
阿虎がそう言って、彼女を床に押し倒した。他の男たちが周りを取り囲む。
陳浩の目から涙が溢れ出た。彼は無力にも、自分の妻が辱められる様を目の当たりにしなければならなかった。彼の拳は固く握り締められ、縄が食い込んで血が滲んでいた。
「神様…どうか…」
彼の呟きは誰にも届かなかった。
最初の集団強姦は数時間に及んだ。林雪は最初こそ必死に抵抗したが、次第に力尽き、男たちの為すがままになった。阿虎、阿猪、阿狼、阿馬——男たちは順番に彼女を暴行し、それぞれの欲望を満たしていった。
阿蛇はその間ずっと、陳浩の耳元で言葉を投げかけ続けた。
「見えるか?お前の妻が、あんなに優しかった妻が、今や我々の玩具になっている。お前には何もできない。ただ見ていることしかできないんだ」
陳浩は歯を食いしばり、目を閉じようとした。しかし阿蛇が彼のまぶたを無理やり開かせた。
「目をそらすな。これこそが現実だ。お前の無力さを、しっかりと刻み込め」
林雪の体は傷だらけになっていた。彼女の意識は朦朧とし、時折小さく嗚咽を漏らすだけだった。彼女の脳裏には娘たちの顔が浮かんでいた。あの子たちは今、隣の部屋で何をしているのだろうか。恐怖に震えているのだろうか。
「ママ…ママ…」
遠くから、双子の泣き声が聞こえてくるような気がした。林雪の目から涙が止めどなく流れ落ちる。
深夜、暴漢たちは一時休憩に入った。彼らは居間のソファに座り、酒を飲みながら談笑している。まるで今夜の出来事が日常的な遊びであるかのように。
林雪は居間の隅に引きずられ、手足を縛られて放置された。彼女の体は震え、目は虚ろだった。
陳浩はその姿を見て、声を絞り出した。
「雪…雪…大丈夫か…」
彼の声は掠れていた。だが、阿猪がすぐに近づき、彼の顔を平手打ちした。
「喋るな」
その一撃で陳浩の口から血が滴り落ちた。
隣の寝室からは、双子の泣き声が絶え間なく聞こえていた。小雅が必死に妹を慰めようとしている声も、時折混じっていた。
「小晴、大丈夫だよ。ママとパパが助けに来てくれるから…」
しかしその言葉にも確信はなかった。彼女自身も恐怖で体を震わせていた。
寝室のドアの前には、阿牛と阿狼が立っていた。彼らは交代で中を覗き込み、双子が逃げ出さないように監視していた。
「かわいいガキどもだ」
阿狼が薄気味悪い笑みを浮かべて言った。阿牛は無言でうなずくだけだった。
夜は更けていく。林雪は意識と無意識の狭間を漂いながら、いつ終わるとも知れぬ悪夢の中にいた。彼女の心の中では、かつての幸せな日々が断片的に蘇っては消えていった。
子供たちの笑い声。夫の優しい眼差し。暖かい食卓。それら全てが、もう二度と戻らないことを、彼女は痛いほど理解していた。
陳浩は椅子に縛られたまま、天井を見上げていた。彼の目には憎しみと絶望が混ざり合っていた。何とかしてこの状況を打破したい。しかし、自分には何もできない。その無力感が彼を押し潰していた。
阿龍はソファに深く腰掛け、タバコを燻らせながら、自分の「作品」を眺めていた。彼の口元には微かな笑みが浮かんでいた。今夜の獲物は上々だ。これからさらに、ゆっくりと壊していく楽しみが残っている。
「休憩は終わりだ」
阿龍が立ち上がり、部屋の中に静かに宣言した。
男たちが再び動き始める。林雪の体が恐怖で強張った。
夜はまだ、終わりを告げてはいなかった。