# 昔日の余韻
譚馨児は自室の窓辺に立ち、夕暮れに染まる街並みを眺めていた。手にしたスマートフォンには、劉昂星からの最後のメッセージが表示されたままになっている。
「もう連絡しないでください。俺たちは元の生活に戻ります」
あれから三ヶ月。彼女はそのメッセージを消せずにいた。指で画面をそっと撫でると、あの矯正学校での日々が鮮明に蘇る。皮膚の下に刻まれた縄の痕跡はすでに消え去ったが、心の奥底に残る快楽の記憶は決して消えることはなかった。
「馨児、何を考え込んでるの?」
後ろから声をかけられ、譚馨児は振り返った。南婉婷がバスローブ姿で立っている。まだ湿った髪から滴る水滴が、豊満な胸の谷間を伝って落ちていく。
「何でもないわ。ただ、あの日々を思い出してただけ」
「私もよ」南婉婷は柔らかく微笑んだ。「でも、あの子たちには私たちのことは忘れたほうがいい。私たちも、元の生活に戻らなきゃね」
「戻れると思う?」
譚馨児の問いに、南婉婷は答えなかった。代わりに、彼女の背後に歩み寄り、優しく肩に手を置いた。
「少なくとも、私たち三人はいるじゃない」
その言葉に、譚馨児の口元にほのかな笑みが浮かぶ。彼女はスマートフォンを机の上に置き、南婉婷の方を向いた。
「そうね。月汝は?」
「リビングでワインを開けてるわ。今夜は久しぶりに三人でゆっくりしようって」
譚馨児は軽くうなずき、南婉婷の手を取ってリビングへ向かった。
リビングには、柳月汝がソファにだらりと寄りかかりながら、グラスを傾けている姿があった。彼女は二人の姿を見ると、にやりと笑った。
「お待ちしてました、私たちの高慢ちきな犯罪心理学の先生」
「相変わらずね、月汝」譚馨児は苦笑しながら、柳月汝の隣に腰を下ろした。
「だって本当のことじゃない?あの子たちに調教されるまでは、私たちの中で一番偉そうだったのは馨児だったもの」
「あなたは最初から最後まで一番感じやすい痴女だったわよ」
「あら、認めるわ。でも、馨児だって最後にはすっかりメス豚になってたじゃない」
「もう、二人とも」南婉婷が間に入り、グラスを差し出した。「せっかくの再会なんだから、仲良くやりましょう」
譚馨児はグラスを受け取り、一口含んだ。赤ワインの渋みが舌の上に広がる。彼女は目を閉じ、ゆっくりと飲み込んだ。
「確かにね。でも、月汝の言う通りよ。私はあの学校でたくさんのことを学んだ。自分の中に隠していた欲望とか、快楽の形とか」
「私たち全員がそうよ」南婉婷は優しい声で言った。「あの経験があったから、今の私たちがある」
「それなら」柳月汝が身を乗り出した。「久しぶりに、あの頃みたいにやってみない?」
譚馨児と南婉婷は顔を見合わせた。柳月汝の目には、すでに淫らな炎が揺らめいている。
「月汝、まだやり足りないの?」南婉婷がたしなめるように言った。
「だって、もう三ヶ月もお預けだったんだもの。馨児も婉婷も、きっと同じ気持ちでしょ?私たちの身体は、もう普通のセックスじゃ満足できないのよ」
それは確かに真実だった。三人とも、あの矯正学校での過激な調教を経験した後、普通の性行為では物足りなさを感じていた。もっと強く、もっと深く、もっと痛みを伴う快楽を求めてしまう自分たちがいた。
「そうね…」譚馨児が静かに口を開いた。「確かに、この三ヶ月間、ずっと物足りなかった。でも、私たちだけでやるのはちょっと危険じゃないかしら?」
「何言ってるのよ」柳月汝が笑った。「私たちはプロの探偵よ。それに、馨児は犯罪心理学の専門家で、格闘技も使える。婉婷は経済案件の専門官。それぞれの分野で優秀な私たちが、自己管理できないわけないでしょ」
「そういう問題じゃなくて…」
「安全な場所で、安全な道具を使えば問題ないわ」柳月汝は立ち上がり、寝室へ向かった。「ちょっと待ってて」
彼女が戻ってきた時、手にはいくつかの縄と、革製の鞭、そして口枷が握られていた。
「よくもまあ、そんなに簡単に出てくるもんね」譚馨児は呆れたように笑った。
「だって、もう使う準備はできてたんだもの」柳月汝は悪びれもせずに言った。「どう?馨児。今日はあなたが私を調教してよ」
譚馨児は一瞬ためらったが、やがてゆっくりと立ち上がった。彼女の目つきが変わる。あの矯正学校で見せた、支配者の目だ。
「いいわ。でも、今回は私のルールでやるわよ」
「もちろん」
南婉婷は複雑な表情で二人を見つめていたが、やがて観念したようにため息をついた。
「あまり無茶はしないでよ」
「わかってるわ」譚馨児は南婉婷に優しく微笑んだ。「婉婷は今日は見学してて。月汝、こっちに来なさい」
柳月汝は期待に目を輝かせながら、譚馨児の前に跪いた。譚馨児は手際よく縄を取り出すと、柳月汝の両手を背中で縛り始めた。
「久しぶりだから、まずは優しめにいくわよ」
「優しくなくていいわよ」柳月汝が抗議する。「あの子たちにやられたみたいに、きつく縛って」
「我慢できないのはわかってるけど、安全第一よ。それに、じっくり焦らすのも一つの調教でしょ」
譚馨児は巧みな手つきで縄を操り、柳月汝の身体を縛り上げていく。彼女の手は確かで、一つ一つの動作に無駄がない。犯罪心理学を学んだ彼女は、人間の心理を読むことに長けており、それがSMの手法にも活かされていた。
「馨児、あなた久しぶりなのに、全然衰えてないわね」
「あの学校でたくさん練習したからね。それに、犯罪心理学の授業で、人間の反応を予測する訓練はしてるし」
「だから、私の反応も読めてるってわけ?」
「ええ」譚馨児は柳月汝の耳元に近づき、ささやくように言った。「あなたが今、どれだけ興奮してるかも、自分の身体がどれだけ縄を求めていたかも、全部わかってるわ」
柳月汝の身体が小さく震えた。譚馨児の言葉が図星だったからだ。
「この痴女め」南婉婷が笑いながらグラスを傾ける。「もう下着が濡れてるんじゃない?」
「うるさいわね」柳月汝は顔を赤らめながらも、反論しなかった。
譚馨児は柳月汝の全身を縛り終えると、軽く鞭で彼女の尻を叩いた。パシンという鋭い音が部屋に響く。
「あっ!」
「どう?久しぶりの痛みは」
「…最高よ」
譚馨児は満足そうに笑い、さらに数回鞭を振るった。柳月汝の身体は打たれるたびに跳ね、口からは甘い喘ぎ声が漏れる。
「馨児、もっと強く」
「焦らないで。これからが本番よ」
譚馨児は鞭を置くと、代わりに蝋燭を取り出した。ろうそくの火を灯し、溶け始めた蝋を柳月汝の背中に垂らす。
「あっ…熱い!」
「痛い?」
「痛いけど…気持ちいい!」
譚馨児はゆっくりと蝋を垂らし続けた。柳月汝の白い肌の上に、赤い跡がいくつも刻まれていく。彼女は痛みと快楽の狭間で、身体をくねらせながらも、その刺激を全身で受け止めていた。
「ねえ、馨児」南婉婷が突然口を開いた。「私たち、あの日々を忘れるべきなのかしら?」
「どういう意味?」
「だって…私たちはあの子たちに支配された。文字通りの奴隷だった。でも、今は自由なのよ。自分で自分の人生をコントロールできる。それなのに、私たちはこうしてまた縄を求めてる」
譚馨児は手を止め、南婉婷を見つめた。彼女の目には、少しの迷いと不安が浮かんでいる。
「婉婷、私たちはあの経験で変わった。それは間違いないわ。でも、だからこそ、自分たちの欲望と向き合う必要があるのよ。抑圧するんじゃなくて、受け入れること」
「それって、都合のいい解釈じゃない?」
「そうかもね」譚馨児は自嘲気味に笑った。「でも、私たちはもう普通の人間に戻れない。だったら、この新しい自分を認めて、どう生きていくかを考えるべきよ」
「馨児の言う通りよ」柳月汝が背中を向けたまま言った。「私たちが選んだ道よ。後悔なんてしない」
南婉婷はしばらく沈黙した後、ゆっくりと立ち上がった。
「それなら、私も混ぜてくれない?」
譚馨児と柳月汝は驚いたように南婉婷を見た。普段は控えめな彼女が、自ら進んで調教を求めるのは珍しかったからだ。
「婉婷、あなた本当に大丈夫なの?」譚馨児が心配そうに尋ねる。
「ええ。今日は思いっきり感じたいの。馨児、私も調教して」
譚馨児は少し考えた後、うなずいた。彼女は柳月汝の縄を解き、代わりに南婉婷を縛り始めた。
「婉婷、あなたの限界は知ってるつもりよ。でも、何か違ったらすぐに言ってね」
「わかってる」
譚馨児は南婉婷の手を背中で縛ると、彼女をベッドの上にうつ伏せに寝かせた。そして、彼女の背中に鞭を振るう。
パシン、パシン、パシン。
規則正しいリズムで鞭が振るわれるたびに、南婉婷の身体が震える。彼女は歯を食いしばり、声を押し殺していた。
「もっと強く、馨児。我慢できるから」
「本当に?」
「ええ」
譚馨児は力を込めて鞭を振るった。南婉婷の背中に、くっきりと赤い跡が浮かび上がる。
「あっ…!」
「痛い?」
「…痛いけど、気持ちいい。馨児、続けて」
譚馨児は南婉婷の希望通り、さらに強く鞭を打ち続けた。南婉婷の身体は汗で光り、その肌は次第に赤く染まっていく。彼女は痛みを感じながらも、その中に確かな快楽を見出していた。
「婉婷、あなたえらく感じてるじゃない」柳月汝がからかうように言った。
「だって…久しぶりだから…」
「言い訳はいいわよ。もっと感じたいんでしょ?」
柳月汝は立ち上がると、南婉婷の背後に回り込んだ。そして、彼女の尻を両手で掴み、揉みしだく。
「やっ…月汝まで…」
「私もやりたいのよ。馨児ばかり楽しんでるのはずるいでしょ?」
譚馨児は笑いながら、縄を彼女たちに渡した。
「なら、今度は私が調教される番ね」
「あら、珍しいわね」柳月汝が目を輝かせる。「馨児が自ら進んで調教されるなんて」
「たまにはいいでしょ。それに、あなたたちに調教されるのも悪くないと思ってね」
譚馨児は自らベッドの上に仰向けになり、両手を差し出した。柳月汝と南婉婷は顔を見合わせ、にやりと笑った。
「それじゃあ、存分に楽しませてもらうわよ」柳月汝が縄を手に取り、譚馨児の手首に巻き始めた。
「馨児、後悔しないでよ」南婉婷も加わり、譚馨児の足首を縛る。
「後悔なんてしないわ。さあ、かかってきなさい」
その夜、三人の女性は互いに縛り、鞭打ち、愛撫し合い、久しぶりの調教の夜を楽しんだ。記憶の中のあの日々が鮮明に蘇り、身体はその感覚を忘れていなかった。彼女たちは何度も絶頂に達し、快楽の波に飲み込まれていった。
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翌朝、三人はベッドの上で絡み合いながら目覚めた。身体のあちこちには縄の跡や鞭の痕が残っているが、不思議と疲れは感じなかった。
「ねえ、今夜もやらない?」柳月汝が期待に満ちた声で言った。
「あなたは本当に飽きないわね」譚馨児が苦笑する。
「だって、久しぶりだったんだもん。もっとやりたい」
「でも、今日は私、仕事があるのよ」南婉婷が割って入る。「午後から会議があって」
「あら、つまらないわね。じゃあ、馨児と二人でやる?」
「悪いけど、私も午後から大学で講義があるの」譚馨児が断る。
「ちぇっ、みんな冷たいんだから」
「でも、週末にまた集まれるわよ」南婉婷が提案する。「その時は、もっと本格的にやらない?」
「本格的にって?」
「SMクラブに行かない?プロの調教師に調教してもらうの」
その提案に、譚馨児と柳月汝は驚いた顔をした。
「婉婷、あなたまさか…」譚馨児が言いかける。
「自分からそんなこと言うなんて、珍しいわね」柳月汝が続ける。
南婉婷は少し恥ずかしそうに笑った。
「だって、私たちでやるのも楽しいけど、プロの技術ってやっぱりすごいじゃない?あの学校で教わったこと、もっと深く味わいたいの」
「それもそうね」譚馨児がうなずく。「私も興味あるわ。犯罪心理学の観点から、プロの調教師がどんな手法を使うのか見てみたいし」
「じゃあ決まりね」柳月汝が嬉しそうに手を叩く。「週末にSMクラブに行きましょう。私はもう楽しみで仕方ないわ」
「でも、ちゃんと安全なところを選ばないと」譚馨児が注意を促す。「ネットで調べて、評判のいい店を探しましょう」
「わかってるわ」
三人はその日、それぞれの仕事に向かった。譚馨児は大学で講義をし、犯罪心理学の理論を学生たちに教えた。南婉婷は経済案件の会議に出席し、複雑なデータを分析した。柳月汝は探偵事務所で、新しい依頼人の調査を始めた。
表面上は普通の日常。しかし、三人の心の奥底には、あの矯正学校での経験が深く刻まれていた。それは彼女たちの人格を変え、欲望の形を変えてしまった。もう元の自分には戻れない。その事実を受け入れ、新しい自分として生きていくしかなかった。
週末が訪れ、三人は約束通り都心の高級SMクラブに足を運んだ。店内は落ち着いた照明で照らされ、高い天井にはシャンデリアが輝いている。カウンターには厳つい顔の男性が立ち、奥の個室からは時折、鞭の音や嬌声が聞こえてくる。
「いらっしゃいませ。ご予約のお客様ですか?」店員が丁寧に尋ねる。
「はい、譚の名前で予約してあります」譚馨児が答える。
「かしこまりました。こちらへどうぞ」
三人は案内されて、広々とした個室に入った。部屋の中央には大きなベッドがあり、壁には様々なSM道具が整然と並べられている。鞭、縄、蝋燭、クリップ、バイブレーター…その種類は豊富だ。
「お飲み物をお持ちします。お好きな調教師をお呼びしますが、何かご希望はありますか?」
「できれば、経験豊富な女性の調教師をお願いします」譚馨児が注文する。
「かしこまりました。少々お待ちください」
店員が去った後、三人はソファに腰を下ろした。柳月汝は目をキラキラさせながら、壁の道具を眺めている。
「すごい…こんなにたくさん道具があるんだ」
「さすがプロの店ね」南婉婷も感心したように言う。
「でも、私たちが今まで使ったことのない道具もあるわね」譚馨児が壁の前に立ち、一つ一つの道具を手に取って確かめる。「これは電気ショック用の道具かしら…」
しばらくして、ノックの音が聞こえた。
「失礼します」
入ってきたのは、30代半ばと思われる女性だった。黒いレザーの衣装に身を包み、手には革鞭を持っている。彼女の目は鋭く、すべてを見透かすような力強さがあった。
「お待たせしました。私が本日担当する調教師の紅葉と申します。よろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」三人が一斉に頭を下げる。
紅葉は三人を一人ずつじっくりと観察した。特に譚馨児の目を長く見つめ、何かを確かめるように間を置いた。
「あなたは…犯罪心理学を学んでいますね?」
譚馨児は驚いた。なぜ見抜かれたのか。
「どうしてわかったんですか?」
「その目です。人を分析するような目。それに、立ち居振る舞いからもわかります。専門的な訓練を受けた人の動きは、そうでない人とは違いますから」
「さすがですね」
「お褒めいただき光栄です。それでは、お三方の希望をお聞かせください。今日はどのようなプレイをお望みですか?」
柳月汝が真っ先に手を挙げた。
「私はとにかく痛めつけてほしいの!縄で縛って、鞭で打って、ロウソクも使って、とにかく激しくしてほしい!」
紅葉は微笑みながらうなずいた。
「わかりました。あなたは痛みを求めるタイプですね。では、あなたは?」南婉婷に向き直る。
「私は…その…」南婉婷は少し照れながら言った。「優しく調教してほしいの。でも、たまには強くしても大丈夫よ」
「優しく、でもたまには強く。バランスの良い調教を希望されるタイプですね。では、最後にあなたは?」紅葉は譚馨児に向き直る。
「私は…全てを委ねたい。あなたに完全に支配されたいの」
その言葉に、紅葉は目を細めた。
「なるほど。完全な服従を求めるタイプ。わかりました。それでは、一人ずつ調教を始めましょう」
紅葉はまず柳月汝をベッドの上に立たせた。彼女は手際よく柳月汝の全身を縛り上げていった。その手つきはプロの技で、まるで芸術作品を創るかのようだった。
「あっ…せんせい、きついです…」
「まだ始まったばかりよ。これからどんどんきつくなるわ」
紅葉は柳月汝をベッドの上にうつ伏せに寝かせると、革鞭を手に取った。そして、一発、また一発と、彼女の尻に向けて鞭を振るう。
パシン!パシン!パシン!
「ああっ!いたい!いたいけど…気持ちいい!」
柳月汝は悲鳴を上げながらも、その痛みを快楽に変えていった。紅葉の鞭は正確で、一発ごとに彼女の感覚を極限まで引き上げていく。
「どう?まだまだいくわよ」
「もっとください!お願いします!」
紅葉はさらに力を込めて鞭を振るった。柳月汝の尻は真っ赤に腫れ上がり、彼女はその痛みと快楽の狭間で意識が飛びそうになっていた。
「もういいわね」紅葉が鞭を置き、代わりに蝋燭を取り出した。「次はロウソクよ」
彼女はろうそくの火を灯し、溶けた蝋を柳月汝の背中に垂らしていく。ジュッという音とともに、蝋が肌の上で固まる。
「あっ…あつい!」
「熱いけど、気持ちいいんでしょ?」
「はい…」
紅葉は蝋を垂らし続け、柳月汝の背中全体を蝋で覆っていった。柳月汝はその熱さに悶えながらも、決して止めてとは言わなかった。
「あなたは本当にいい被虐者ね」紅葉が満足そうに言った。「では、次はあなたよ」南婉婷に向き直る。
南婉婷は緊張した面持ちでベッドに横たわった。紅葉は優しく彼女の身体を撫でながら、ゆっくりと縄を巻いていった。
「無理しないでね。苦しかったらすぐに言って」
「はい…」
紅葉の調教は柳月汝とは対照的だった。優しく、丁寧に、南婉婷の反応を確かめながら進めていく。鞭も強くは振るわず、適度な刺激を与えるだけだった。
「どう?気持ちいい?」
「はい…すごく…」
南婉婷はその優しい刺激に、次第に身体を委ねていった。紅葉は彼女の敏感な部分を巧みに刺激し、少しずつ快楽の階段を上らせていく。
「あっ…もう…いきそう…」
「まだよ。もっと我慢して」
紅葉は南婉婷を絶頂の手前で止め、また刺激を与え、また止める。その焦らしの技術は見事で、南婉婷は何度も絶頂を目前にしながらも、その一歩手前で止められた。
「お願い…もう…いかせてください…」
「じゃあ、最後に一緒にいこうね」
紅葉は南婉婷のクリトリスを強く刺激し、同時に彼女の乳首を抓った。南婉婷の身体が大きく震え、そして絶頂に達した。
「ああああっ!」
南婉婷は身体を大きく反らせ、その快楽に身を委ねた。紅葉は彼女が落ち着くまで優しく身体を撫で続けた。
「よく我慢したわね。偉かったわ」
「ありがとうございます…」
「次はあなたの番よ」紅葉は譚馨児に向き直る。
譚馨児は静かにベッドの上に立った。紅葉は彼女の目をじっと見つめながら、ゆっくりと縄を取り出した。
「あなたは他の二人と違うわね。あなたは本当の意味での服従を求めてる。他人に全てを委ねたいという強い欲求がある」
「…はい」
「でも、あなたは同時に強い支配欲も持ってる。それは矛盾しているように見えて、実は表裏一体なのよ」
譚馨児は何も言わなかった。紅葉の言う通りだった。彼女は支配することも、されることも愛していた。その両方の欲求が、彼女の中で複雑に絡み合っている。
「今日は、あなたのその矛盾を解きほぐしてあげるわ」
紅葉は巧みな手つきで譚馨児を縛り上げていった。特に胸の部分は複雑に縄を絡め、彼女の大きな乳房を強調するように縛り上げた。
「あっ…せんせい…」
「黙って。今は私があなたの主人よ」
紅葉は譚馨児の口に枷をはめ、彼女の視界を隠すために目隠しをした。完全に感覚を奪われた譚馨児は、紅葉の動きに敏感になった。
「どう?何も見えないし、何も言えないのは」
譚馨児は首を振って答えた。紅葉は彼女の反応を確かめながら、鞭で軽く彼女の身体を打った。
「これはどんな感じ?」
「んっ!」
「痛い?それとも気持ちいい?」
紅葉は譚馨児の反応を読み取りながら、少しずつ刺激を強めていった。譚馨児は声を出せない代わりに、身体全体で快楽を表現した。
「あなたは本当に感じやすいのね。少し触っただけでこの反応」
紅葉はさらに刺激を強め、譚馨児の全身を鞭で打ち、縄で締め上げ、蝋を垂らした。譚馨児はそのすべてを受け入れ、快楽に変えていった。
「そろそろ限界かしら?」
譚馨児は激しく首を振った。まだ終わらせてほしくなかった。紅葉はその意思を尊重し、さらに調教を続けた。
「じゃあ、最後はこれよ」
紅葉は電気ショック用の器具を取り出し、譚馨児のクリトリスに取り付けた。そして、スイッチを入れる。
「んんんんっ!」
譚馨児の身体が激しく震えた。電気の刺激が彼女の全身を駆け巡り、脳天まで突き抜けるような快楽が押し寄せる。
「どう?気持ちいいでしょう?」
譚馨児は必死にうなずいた。紅葉はさらに電流を強め、譚馨児を何度も絶頂に導いた。彼女の意識は快楽の波に飲み込まれ、自分の身体すらもわからなくなっていった。
「もういいわね」
紅葉がスイッチを切り、縄を解いた。譚馨児はベッドの上にぐったりと横たわり、荒い息を整えていた。
「お疲れさま。本当によく頑張ったわね」
「ありがとうございました…」
「こちらこそ。三人とも、とても感じのいい被虐待者だったわ。また来たいと思ったら、いつでも予約してね」
紅葉は優しく微笑み、部屋を去っていった。三人はベッドの上でしばらく休んだ後、ゆっくりと身体を起こした。
「すごかったね…」柳月汝がぽつりと言った。「プロの調教って、やっぱり違うね」
「うん…私たちでやるよりも、ずっと深いところまで行けた気がする」南婉婷も同意する。
「でも、私たちもあの学校でたくさん学んだわ」譚馨児が言った。「それを活かせば、もっと深い快楽を得られるかもしれない」
「そうね。これからも、たまにこうしてプロの調教を受けながら、自分たちの技術も磨いていけたらいいね」
三人は顔を見合わせ、微笑み合った。自分たちの欲望を受け入れ、それを楽しむこと。それが彼女たちの選んだ道だった。
SMクラブを出た後、三人は近くの居酒屋に立ち寄った。まだ身体の奥に残る快楽の余韻を楽しみながら、グラスを傾ける。
「ねえ、覚えてる?」柳月汝が突然言った。「あの学校で、劉昂星に初めて縛られた時のこと」
「ええ、覚えてるわ」譚馨児が答える。「あの時は本当に怖かった。でも、同時に初めての感覚でもあった」
「私もよ」南婉婷が遠い目をして言う。「あの子は本当に技術があった。私たちを完全に支配する方法を知っていた」
「王強もね」柳月汝が笑う。「あのブサイクなやつ、まさかあんなに上手いとは思わなかったわ」
「でも、彼らはもう私たちの前から消えた」譚馨児が静かに言う。「それが一番いいんだ。私たちは私たちの人生を生きるべきだ」
「そうね」南婉婷がうなずく。「でも、あの経験があったから、今の私たちがある。それは忘れちゃいけないと思う」
「それじゃあ、今日はあの日々に乾杯しましょう」柳月汝がグラスを掲げる。
「乾杯!」
三人はグラスを合わせ、一気に飲み干した。窓の外には、都会の夜景が広がっている。彼女たちの新しい人生は、まだ始まったばかりだった。
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数日後、譚馨児のスマートフォンに一通のメッセージが届いた。
「南婉婷さんへ。小杰からの連絡があります。重要な話があるそうです。こちらまでご連絡ください」
南婉婷はそのメッセージを見て、少し迷った。小杰…あの少年は今、アメリカで留学しているはずだ。なぜ突然連絡が来たのだろうか。
彼女はためらいながらも、指定された番号に電話をかけた。コールが数回鳴り、相手が出た。
「もしもし、南婉婷です。小杰さんからの連絡と聞いて電話しました」
「ああ、待ってました」相手の声は若い男性だった。「南婉婷さん、お久しぶりです。小杰です」
「小杰…本当にあなたなの?」
「はい。アメリカでの生活にも慣れてきました。卒業も間近です」
「卒業⁉あなた、高校を卒業するの?」
「はい。もうすぐ卒業式があります。それで、お願いがあって連絡しました」
「お願い?」
「卒業式に来てほしいんです。あなたに、どうしても見てもらいたいんです」
南婉婷は言葉を失った。小杰の声は、あの矯正学校で聞いた時よりも、ずっと大人びていた。
「私が行っていいの?」
「はい。ぜひ来てください。それと…もう一つ、お願いがあります」
「何?」
「卒業式が終わったら、僕の農場に来てほしいんです。そこで、あなたにしかできない仕事を頼みたい」
「農場?仕事?」
「詳しいことは、また後で話します。とりあえず、卒業式に来てください。航空券はこっちで手配します」
小杰はそれだけ言うと、一方的に電話を切った。南婉婷は呆然としながらも、その申し出に心が躍っている自分に気づいた。
彼女はすぐに譚馨児と柳月汝に連絡を取り、三人で集まった。
「小杰が卒業式に来てほしいんだって」南婉婷が説明する。
「あの子が?」譚馨児が驚いた顔をする。「何か企んでるんじゃない?」
「わからない。でも、行きたい気持ちがあるの」
「危険かもしれないわよ」柳月汝が警告する。「あの子は私たちを支配していたんだから」
「でも、今はもう違う。彼は留学生で、私たちは自由な大人よ。それに、ただの卒業式だし」
「それなら、私たちも一緒に行こうか?」譚馨児が提案する。
「ううん、一人で行くわ。これは私の選択よ」
「婉婷…」
「心配してくれてありがとう。でも、大丈夫。私、ちゃんと自分を守れるから」
南婉婷の目には、強い決意が宿っていた。譚馨児と柳月汝は、それ以上何も言えなかった。
それから一週間後、南婉婷はアメリカ行きの飛行機に乗った。窓の外には雲海が広がり、彼女の心は期待と不安で溢れていた。
小杰はどんな大人になっているのだろう。農場で彼女に頼みたいこととは何だろう。そして、自分はその申し出を受けるべきなのだろうか。
考えは巡るが、答えは出ない。ただ一つ確かなことは、彼女の身体がその未知の体験に興奮していることだった。
飛行機は順調に飛行を続け、やがてアメリカの大地が見えてきた。南婉婷は深く息を吸い込み、新しい冒険への第一歩を踏み出そうとしていた。
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成田空港で譚馨児と柳月汝は、南婉婷を見送った後、しばらくの間、その場に立ち尽くしていた。
「婉婷、大丈夫かな」柳月汝が心配そうに言う。
「大丈夫よ。あの子は強いから」譚馨児が答える。「それに、私たちも負けてられないわね」
「そうね。私たちも、私たちの人生を楽しみましょう」
二人は空港を後にし、日常へと戻っていった。譚馨児は大学で講義を続け、柳月汝は探偵事務所で新たな依頼をこなした。時には二人で集まり、互いに縛り合い、鞭打ち合い、あの学校での思い出を語り合った。
彼女たちの生活は、表面的には普通のものだった。しかし、心の奥底に宿った欲望の炎は、決して消えることはなかった。それは彼女たちの一部となり、これからもずっと共に生きていくのだろう。
南婉婷がアメリカでどのような体験をするのか、そして彼女が戻ってきた時、三人の関係はどのように変化するのか。それはまた別の物語である。
譚馨児は自室の窓辺に立ち、遠くの空を見上げた。彼女の手には、あの矯正学校で劉昂星に書かせた調教記録が握られている。
「私たちは、もう戻れないのかもしれないね」
彼女は静かに呟き、その記録を机の引き出しの奥深くにしまい込んだ。
だが、彼女の指はもう次の快楽を求めていた。柳月汝に連絡を取り、今週末もまたSMクラブに行くことを約束する。
欲望の渦は、決して止まることがない。それは彼女たちの人生そのものとなり、永遠に続いていくのだ。
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空港の離陸ラウンジで、南婉婷は窓の外に見える日本の景色を眺めていた。もうすぐ、この国を離れ、新たな地へと旅立つ。
小杰からの最後のメッセージをもう一度読む。
「卒業式で待っています。あなたに会いたいです。そして、僕の農場で、あなたにしかできないことをお願いします。」
その言葉の裏に隠された意図を、南婉婷は正確に読み取っていた。小杰は彼女を再び奴隷にするつもりだ。そして、彼女はそれを受け入れるつもりだった。
自分を否定するのではなく、欲望を受け入れる。それが彼女の選んだ道だった。
飛行機の搭乗アナウンスが流れる。南婉婷は立ち上がり、ゲートへと向かった。彼女の足取りは軽く、表情には穏やかな微笑みが浮かんでいる。
新しい
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