# 第6章 溺れと放縦
その日から、小天の日常は完全に変わった。
朝、目を覚ますと、枕元には母親の丁寧な文字で書かれたメモが置いてあった。
「主人様、今日の朝食は和食にしました。お味噌汁は好みの濃さになっています。昨夜は本当に気持ちよかったです。また今夜もよろしくお願いします。」
メモの端には、小さなハートマークと、母親の口紅の跡が押されていた。小天はそのメモを何度も読み返し、胸の高鳴りを感じながらも、どこか現実感のない気持ちでいた。
リビングに降りると、母親はいつもより華やかなメイクをし、スカートはいつもより短い。ストッキングは黒の透け感のあるもので、足を組むたびにひざ上まで見えそうになる。
「おはようございます、主人様」
母親はそう言いながら、深々とお辞儀をした。その仕草には、もはや母親としてのものではなく、完全に服従の姿勢が現れていた。
「あ…うん、おはよう」
小天はまだ慣れない挨拶に戸惑いながら、席に着いた。味噌汁の香りが立ち込める中、母が淹れてくれた日本茶を啜る。その一瞬の日常的な風景に、昨夜の出来事が夢だったのではないかと思えてくる。
「ねえ、小天」
母親が突然、真剣な表情で言った。
「今夜だけど…叔母さんも呼んでいい?」
「え?」
「三人で…したいの。私はもう、あなたに全てを捧げたいと思ってる。でも、私だけじゃ足りないの。妹も巻き込んで、もっと深い関係になりたい」
母親の目は、どこか遠くを見つめているようだった。その瞳には、もはや母親としての遠慮や恥じらいはなく、ただ純粋な欲望だけが宿っていた。
「母さん…」
「私のことは、もう『母さん』って呼ばないでほしいの」
母親は立ち上がり、小天の背後に回ると、その肩に手を置いた。
「私は、あなたの奴隷。名前で呼んでほしい。『美咲』って」
それは、小天が初めて知った母親の名前だった。戸籍上の名前は知っていたが、家族の中で名前で呼ばれることは一度もなかった。
「美咲…」
「はい、主人様」
その呼び名に、母親は悦びで顔を紅潮させた。
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夜、叔母が訪れた。彼女は鮮やかな赤いワンピースに、黒の網タイツ。普段のラフな服装からは想像もつかない、挑発的な出で立ちだった。
「やあ、主人様。今夜はよろしくお願いしますね」
叔母はそう言って、軽くウインクをした。その仕草に、小天の心臓がドキッと跳ねる。
「あ、あの…今日は何をすれば…」
「何をすればって、主人様が決めることよ」
叔母は妖艶な笑みを浮かべながら、小天の前でゆっくりとくるりと回った。
「私たちは、あなたの思い通りになるためにここにいるの。私たちがどう扱われたいか、教えてあげるから、まずは見ていて」
母親と叔母はリビングの中央に並んで立った。二人はお互いに視線を交わし、深く頷き合う。
「まずは、姉さんから見せてあげるわ」
叔母の合図で、母親がゆっくりとスカートをまくり上げた。そこには、肌色のストッキングではなく、黒のガーターストッキング。太ももには、昨日の跡が生々しく残っている。
「主人様、見てください…これは、あなたがくれた痕跡」
母親は小天に向かって太ももを差し出した。そこには赤く腫れた手のひらの跡が、くっきりと浮かび上がっていた。
「私、昨日からずっとこの跡を撫でてたの。あなたに触れられているような気がして、何度も何度も…」
母親の声は震えていた。その言葉に、小天はまたしても興奮と罪悪感が入り混じった感情に襲われる。
「次は私の番ね」
叔母が前に進み出て、ワンピースのファスナーを下ろした。すると、中から現れたのは紫色のレースのランジェリー。そして脚には、鮮やかな赤色のタイツ。
「私はね、痛いのが好きなの。でも姉さんは、恥ずかしいのが好き」
叔母はそう言いながら、小天の手を取って自分の腰に導いた。
「私はね、あなたに叩かれるのが好き。でも姉さんは、拘束されるのが好き」
「姉さんは縛られて、見られるのが好き。私は叩かれて、蹴られるのが好き」
二人の告白は、小天の常識を大きく超えていた。これまで母親や叔母のそんな一面を想像したことなどなかった。
「教えてあげるわ。どうすれば私たちが一番気持ちよくなるか」
叔母はそう言って、母親の腕を掴み、背後に両手を回して固定した。
「こうやってね、姉さんの手を縛って、床に跪かせるの。そうすると姉さんは、もう自分を抑えられなくなっちゃう」
母親はされるがままに床に膝をつき、俯いた。
「私の場合は…」
叔母は小天の手を掴み、自分の尻に強く押し当てた。
「ここを強く叩いてほしいの。音が響くほど強く」
「でも、最初は優しくね。強くなっていくのが、たまらないの」
小天は混乱しながらも、叔母の指示に従い、そっとその尻を叩いた。ぱんっという乾いた音が部屋に響く。
「もっと…強く」
叔母がねだるように言った。
小天はもう一度、今度は少し強く叩いた。
「ああっ…そこよ…」
叔母の息遣いが荒くなる。
「もっと…もっと強く叩いて…」
小天はその言葉に従い、何度も何度も叩いた。手のひらが熱くなり、音が部屋中に響き渡る。
「そう…そうよ…わかってきたじゃない…」
叔母は悦びの声を上げ、母親もそれを見て興奮したように体をくねらせている。
「じゃあ次は、姉さんを縛るわね」
叔母は用意してきたロープを取り出し、母親の手を丁寧に縛り始めた。その手際の良さには、経験の深さが感じられる。
「私はね、虐待される楽しさを教えてくれたのは姉さんなんだ」
叔母は縛りながら、語り始めた。
「昔、私たちがまだ若かった頃、姉さんは男友達にこんな風に遊ばれてたの。私はそれを隠れて見てた。怖かったけれど、なんだかすごく興奮したのを覚えてる」
「その後、姉さんが私にもその楽しさを教えてくれた。最初は怖かったけど、だんだんと気持ちよくなっていくのがわかった」
母親は縛られながらも、どこか恍惚とした表情を浮かべている。
「私たちはね、あなたにその快感を味わってほしいの。虐待する側の快感を」
叔母の言葉は、小天の心に深く響いた。
「私たちはね、あなたに支配されることに、今までにない悦びを感じてる。母親としての立場を捨て、姉としての立場を捨てて、あなたの前でただの女になること。それがどれほど解放的なことか、わかる?」
小天はその言葉に、どこか心を打たれた。自分が母親や叔母を支配することで、彼女たちがこんなに悦んでいる。それは、これまでの自分の価値観を大きく覆すものだった。
「教えてあげるわ。もっと深く、もっと激しく」
叔母が小天の耳元で囁いた。
「私たちはね、あなたに傷つけられたいの。でも、それは憎しみからじゃない。愛から。あなたの手で、私たちを壊してほしい」
その言葉に、小天は何かが腑に落ちた。それは、これまで感じていた罪悪感を、別の形で受け入れられる瞬間だった。
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その夜、小天は三人で過ごす時間の中で、少しずつ「主人」としての自分を受け入れ始めていた。
最初は戸惑いながらも、母親や叔母の指導に従い、どのように触れれば彼女たちが喜ぶのかを学んでいく。叩く場所、強さ、タイミング、全てが彼女たちの反応で決まった。
「そう…そこ…」
「もっと強く…」
「痛い…けど、気持ちいい…」
二人の声に導かれるように、小天は少しずつ自信をつけていった。
夜が更ける頃、三人はリビングの床に横たわっていた。母親は縛られたまま、叔母は小天の胸に寄りかかっていた。
「ねえ、主人様」
母親がか細い声で言った。
「明日から、学校の後は…私たちと一緒にいてくれますか?」
小天はその言葉に、一瞬躊躇した。学校とこの世界の間で、自分を保てるのかという不安があった。
「もちろん、あなたの自由だけど…」
叔母が小天の顔を覗き込む。
「私たちはいつでも待ってるわ。あなたが望むなら、いつでも…」
その言葉に、小天はなぜか安心感を覚えた。この歪んだ関係が、自分の居場所になりつつあることを感じていた。
「うん…わかった」
小天はそう答えると、二人の頭を優しく撫でた。その手の感触に、二人は悦びの吐息をもらした。
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翌朝、目を覚ますと、小天の体には昨夜の疲れが残っていた。しかし、同時に今までにない充足感もあった。
「主人様、おはようございます」
母親はすでに起きていて、朝食の準備をしていた。その顔には、昨日までの憂いはなく、穏やかな笑顔が浮かんでいる。
「おはよう…美咲」
名前を呼ぶたびに、心の中で何かが変わっていくのを感じる。それは、母親を一人の女として認識する瞬間だった。
「今日は学校があるから、少し休んでてね」
「はい、主人様。でも…帰ってきたら、また…」
母親はそう言いながら、期待に満ちた目を向けた。
「ああ、わかってるよ」
小天はそう答えて、朝食を食べ始めた。
学校に向かう道すがら、小天は自分の変化を感じていた。昨日までは、周りの誰もが普通の人に見えていた。しかし今は、街を歩く女性たちの顔や姿を、別の目で見てしまう。
彼女たちの何割が、母親や叔母のような秘密を抱えているのだろう。そんな考えが頭をよぎる。
「おはよう、小天」
クラスメートの声に、小天は現実に引き戻された。
ああ、そうだ。自分はまだ高校生だ。クラスメートたちのように、普通の恋愛をすることもできるはずだ。
しかし、今の自分には、もう普通の関係は戻らないかもしれない。母親や叔母が教えてくれた、あの歪んだけど確かな愛の形に、もう魅了されてしまっている。
放課後、小天は家に帰る足取りが早くなっていた。今日はどんな新しいことを教えてくれるのだろう。どんな風に、自分たちを苦しめてほしいのだろう。
家のドアを開けると、リビングから甘い香りが漂ってきた。
「お帰りなさい、主人様」
母親と叔母が並んで、床に正座して迎える。二人は今日も、様々なストッキングを履いていた。母親は黒のオパールストッキング、叔母は赤の魚網タイツ。
「今日はね、新しい遊びを教えてあげるわ」
叔母がそう言って、手にした箱を開けた。中には、様々な形の道具が入っていた。鞭、蝋燭、枷…小天の知らない物ばかりだ。
「怖い?」
叔母が意地悪そうに笑う。
「でも、慣れるとこれが一番気持ちいいのよ」
小天は一瞬躊躇したが、二人の期待に満ちた目を見て、頷いた。
「いいよ…教えてくれ」
その言葉に、二人は艶やかな笑みを浮かべた。
今夜も、歪んだ快楽の時間が始まろうとしていた。三人はその世界に、ゆっくりと、しかし確実に溺れていく。もう、戻ることはできないのかもしれない。それでも、彼らはその溺れる快感を、全身で味わっていた。