# 第8章 帰宅
玄関の鍵が回る音がした。李明はソファから立ち上がり、心臓が激しく打ち鳴らされていた。今日、暁雯が帰ってくる。ジャックから「改造は完了した」と連絡があった。どんな姿で帰ってくるのか、想像するだけで息が詰まる。
ドアが開いた。
「ただいま、明」
その声は確かに暁雯のものだった。しかし、そこに立っていたのは、李明の知っている林暁雯ではなかった。
「暁...雯...?」
李明の声は震えていた。目の前の女性は、確かに暁雯の顔立ちをしていた。しかし、すべてが違っていた。
まず目に入ったのは、胸元に浮かび上がる蜘蛛のタトゥーだった。黒い糸で織られたような精緻な蜘蛛の巣模様の中心に、一匹の黒蜘蛛が鎮座していた。触角まで細かく彫られたその刺青は、彼女の左胸の膨らみを覆い、谷間へと這っていくかのようだった。タンクトップの襟ぐりから半分ほど覗くその刺青は、異様なほど美しく、同時に悍ましかった。
「どうしたの? そんなに驚いて」
暁雯は微笑んだ。その唇は、明るいグリーンに染まっていた。蛍光色に近い、鮮やかなグリーン。李明はごくりと唾を飲み込んだ。
彼女の目の周りには、同じく明るいグリーンのアイシャドウが塗られていた。まるでモルフォ蝶の羽根のような、毒々しくも美しい色合い。まつげは長くカールしていて、その先端さえもグリーンに染められていた。
「ねえ、私の新しい姿、どう?」
暁雯はくるりと回った。短いホットパンツから伸びる太ももには、蛇のタトゥーが巻き付いていた。鱗の一枚一枚が細かく描かれ、それはまるで本物の蛇が彼女の脚に絡みついているかのようだった。蛇の頭は内腿の付け根に向かって伸びている。
「あ、ああ...」
李明の視線は彼女の指先に吸い寄せられた。細長い指の先、爪は驚くほど長く伸び、その先端はお尻まで伸びていた。いや、本当に伸びていたのだ。まるでネイルアートの域を超えて、精巧な装飾品のような、いや、鋭い武器のような長さ。そしてその全てが、明るいグリーンに塗られていた。
「見て、私の体型も変わったんだよ」
暁雯は胸を張った。確かに、彼女のシルエットは以前と違っていた。ウエストが異常なほど細くくびれ、ヒップは異様に大きく張り出していた。まるでアニメのキャラクターのような、現実離れしたS字曲線。服の上からでもわかるほど、その曲線は誇張されていた。
「ジャックがね、私をもっと綺麗にしてくれたんだ」
暁雯は自分の身体を撫でながら言った。その仕草は、まるで自分の身体を見せびらかすように優雅だった。
李明の下半身に熱が集まった。彼は自分の意志とは無関係に、ズボンの中で勃起しているのを感じた。暁雯の姿を見ただけで、脳が直接性欲に支配されたかのようだった。
「明、どうしたの? そんなに汗をかいて」
暁雯が近づいてきた。グリーンの香り。薄荷のような、少し薬品っぽい香りがした。彼女の温かい吐息が李明の顔にかかる。
「俺...俺が...」
李明は言葉を詰まらせた。告白しなければ。すべてを話さなければ。暁雯に、このすべてを仕組んだのは自分だということを。
「暁雯、聞いてくれ」
李明は彼女の両肩をつかんだ。彼女の目は、以前のように輝いている。あの清らかな輝きは失われていない。ただ、その瞳の奥に、何か見知らぬ光が混ざっている。
「俺が...俺がジャックに頼んだんだ」
「え?」
暁雯の目が見開かれた。
「俺が、情報を提供した。お前を、洗脳するために。お前をこんな風に変えたのは、俺なんだ」
沈黙が流れた。暁雯は李明の顔をじっと見つめている。その表情は、驚きから、やがて穏やかなものへと変わっていった。
「そうだったんだ...」
暁雯は静かに言った。その声には、怒りも悲しみもなかった。
「私ね、ジャックから聞いたんだ。明が本当に私を愛しているから、こんな風に改造したんだって」
暁雯の手が李明の頬に触れた。その爪が、李明の皮膚に軽く触れる。
「私も明を愛しているよ。だから、明が望む姿になるのは、私の幸せなんだ」
「暁雯...」
李明の目から涙がこぼれそうになった。罪悪感と、安堵と、そして理解を超えた感情が渦巻く。
「私の新しい身体、見てみたい?」
暁雯はそう言うと、ゆっくりとタンクトップを脱ぎ始めた。売春婦のように挑発的な動きではなく、まるで大切な美術品を見せるように丁寧に。
彼女の上半身が露わになった。胸の膨らみは以前よりはっきりと大きくなり、形も整っていた。その頂点には、ピアスがついている。先端がグリーンに輝く、小さな宝玉のようなピアス。
「ここ、触ってみる?」
暁雯は李明の手を取ると、自分の胸に導いた。李明の手のひらに、彼女の胸の膨らみが収まった。その感触は、以前の柔らかさを残しつつ、より張りと弾力を感じさせた。
「私ね、毎日ジャックにマッサージされてたんだ。ここも」
彼女は自分の太ももを撫でた。蛇のタトゥーが、内腿に向かって伸びている。
「最初は痛かったけど、今はもう気持ちいいんだ。自分の身体が変わっていくのが、本当に気持ちいい」
李明の手が彼女の肌の上を滑る。蜘蛛のタトゥー、触手のタトゥー。ああ、触手のタトゥーは前腕にも彫られていた。複数の触手が絡み合い、彼女の細い腕を飾っている。
「あ、そうだ。見せたいものがあるんだ」
暁雯は李明の手を離すと、ホットパンツのボタンを外した。スルリとパンツが落ちる。そこには、Tバックの下着。お尻の割れ目に食い込んだ細い布。そして、そのお尻は、以前よりもはるかに大きく、ふっくらと盛り上がっていた。
「どうかな?」
暁雯は背中を向けて、腰を左右に振った。その動きに合わせて、お尻の肉が波打つ。李明はその光景に、自分の理性が溶けていくのを感じた。
ズボンの中が湿った。射精してしまったのだ。暁雯の姿を見ただけで、触れただけで、自分を抑えきれなかった。
「あら? 明、何か出しちゃった?」
暁雯は振り返り、李明の股間を見つめた。そして、優しく微笑んだ。
「いいよ、私がしてあげる」
彼女は跪くと、李明のベルトを外し始めた。その間も、彼女の視線は李明から離れない。グリーンに輝く唇が、ゆっくりと弧を描く。
ズボンが下ろされた。下着の中から、李明の精液が滲み出ている。暁雯はそれを指で掬うと、自分の口に運んだ。
「うん、明の味だ」
そう言うと、彼女は李明のペニスを取り出した。まだ硬さを保ったままのそれに、彼女の長い指が絡みつく。
「見ててね」
暁雯はゆっくりと手を動かし始めた。その手つきは、まるで楽器を演奏するかのように優雅だった。彼女の爪がペニスの先端を軽くなぞる。ゾクゾクするような刺激が、李明の全身を駆け巡る。
「私ね、ジャックにたくさん教わったんだ。男性を喜ばせる方法」
暁雯がそう言いながら、手の動きは加速する。彼女の掌がペニス全体を包み込み、上下に擦る。時折、親指で先端を押し潰すように刺激する。
「あっ...暁雯...」
李明の腰が思わず動く。暁雯はその動きに合わせて、手の速度を調整する。まるで李明の身体を完全に理解しているかのようだった。
「気持ちいい? 私の手、気持ちいい?」
暁雯は尋ねながら、もう一方の手で自分の乳房を揉んでいる。その光景が、李明の興奮をさらに高めた。
「もっと見せてあげるね」
暁雯は立ち上がると、身体を反らせた。彼女の腰が、異常なほどくびれている。くびれというより、まるで別の生き物のように曲がっている。その曲線は、男性の手を誘うようだった。
「このくびれ、ジャックが特別に作ってくれたんだ。私の骨格を調整して、こんな風にしてくれたんだよ」
彼女は自分の腰を撫でながら言った。その指が、腰の曲線をなぞる。李明はその光景に、またしても射精しそうになった。
「暁雯は、本当に綺麗だ...」
李明は思わず言葉を漏らした。
「うん、私は明のために、もっと綺麗になるよ」
暁雯はそう言うと、再び跪いた。今度は、彼女は李明のペニスを口に含んだ。グリーンの唇が、ペニスを包み込む。彼女の口の中は温かく、舌が先端を舐める。
「ああっ...」
李明の身体が震えた。暁雯の舌は、ペニスの裏筋を丁寧に舐め上げる。時折、彼女の喉の奥まで含まれ、李明のペニスは彼女の口の中で脈打った。
「一緒に、イこう」
暁雯が口を離して言った。その唇は精液と唾液で濡れ、光っていた。
彼女は李明の手を取ると、自分の太ももに導いた。李明の指が、蛇のタトゥーの上を滑る。その触感は、まるで本物の蛇の鱗のように、少しざらついていた。
「ここもね、敏感なんだ」
暁雯がそう言うと、李明の指の下で彼女の肌が粟立った。
李明の指が彼女の内腿に触れる。そこは既に濡れていた。彼女の愛液が、太ももを伝って滴り落ちる。
「暁雯...」
李明は彼女の身体を抱きしめた。その身体は温かく、同時に異様な熱を帯びていた。彼女の肌から漂うグリーンの香りが、李明の理性をさらに麻痺させる。
「明、好きだよ」
暁雯が李明の耳元で囁く。その声は、以前と変わらない優しさを含んでいた。
「俺も...俺も暁雯を愛してる」
李明は彼女の身体をより強く抱きしめた。蜘蛛のタトゥーが、李明の胸に押し付けられる。触手のタトゥーが、彼の腕に絡みつく。蛇のタトゥーが、彼の脚に絡む。
「ああ、暁雯...」
李明の手が彼女の髪を撫でる。グリーンに染まった髪は、絹のように滑らかだった。
「明、私ね、本当に幸せなんだ」
暁雯が顔を上げて言った。その目は、涙で潤んでいた。
「自分がこんなに綺麗になれて、明に愛されて、それが本当に嬉しい」
李明は彼女の頬を両手で包み込んだ。彼女の肌は滑らかで、少し冷たく感じられた。
「その気持ちを、これからもずっと忘れないでほしい」
暁雯は微笑んだ。その笑顔は、以前の彼女と同じように、純粋で美しかった。しかし、その背後に、何か違うものがある。グリーンの影が、彼女の笑顔に潜んでいる。
「私、明のために、もっともっと綺麗になるからね」
暁雯はそう言うと、李明の首に腕を回した。グリーンの爪が、彼の後頭部に触れる。
「もう一度、私の身体を見てほしい」
暁雯は李明から離れると、今度はゆっくりと彼の前で身体を回転させた。その動きは優雅で、まるで舞踏を踊っているかのようだった。
「私の身体、どう思う?」
彼女は自分の胸に手を当て、次に腰、そして太ももを撫でた。
「世界で一番美しい妻だ」
李明は心の底からそう思った。いや、彼女は美しいというより、異様な魅力を放っている。それが男性を惹きつけてやまないのだ。
「それなら、もっともっと私を見ていてね」
暁雯はそう言いながら、李明の手を取ると、自分の胸に導いた。彼女の胸は、李明の手の中で形を変える。
「私、明に触られるのが一番好き」
暁雯の声は、少し掠れていた。李明は彼女の胸の感触を楽しんだ。彼女の乳首はピンと立っていて、その先端のピアスが彼の手のひらに触れる。
「あっ...」
暁雯が甘い声を上げる。李明の手が彼女の乳首を弄ると、彼女の身体が小さく震えた。
「さっき言ったけど、私は明に改造されたんだ。でも、それは私の意思で受け入れたことなんだ」
暁雯の声は真剣だった。
「私は明の願いを叶えたい。明が私に望む姿になることが、私の幸せなんだ」
李明の胸に熱いものが込み上げてきた。彼は世界で最高の妻を得たのだ。彼女の身体がどう変わろうと、彼女の心は変わらずに彼を愛している。いや、むしろ以前よりも強い絆で結ばれている。
「暁雯...ありがとう」
李明は彼女を抱きしめた。その温もりが、彼の心を満たした。
「これからも、ずっと一緒にいよう」
「うん、ずっと一緒だよ」
暁雯の手が、李明の背中を優しく撫でる。その指先には、グリーンの爪が光っている。
李明の心に、確かな決意が芽生えた。彼はこの女性を、この媚黒グリーンスレイブとなった彼女を、生涯愛し続ける。彼女が望むなら、さらに改造を施すことも厭わない。
「明、もう一回、してほしい」
暁雯が恥ずかしそうに言った。
「何を?」
「私の身体に、もっと触れてほしい」
暁雯の目が潤んでいる。李明は彼女の要望を聞き入れ、再び彼女の身体に触れた。彼の指が、蜘蛛のタトゥー、触手のタトゥー、蛇のタトゥーをなぞる。その一つ一つが、彼女の新しい人生の象徴だった。
時間がゆっくりと流れる中、二人はただ抱き合っていた。外の世界の喧騒も忘れて、ただ二人だけの世界に浸っていた。
「明、私、明日からどうなるの?」
暁雯が李明の胸に顔をうずめて尋ねた。
「暁雯は、自分の好きなように生きればいいんだ。ただし、俺だけは忘れずにいてほしい」
「もちろん、明を忘れることなんてないよ」
暁雯が顔を上げた。その目は、確かな光を宿している。
「私は明の妻だ。これからも、ずっと明の妻だ」
李明は彼女の言葉に、深い感動を覚えた。彼女は外見こそ変わったが、その心の芯の部分は変わっていない。むしろ、改造によって彼への愛情がより強くなっているとさえ感じられた。
「そうだ、暁雯。明日、またジャックに会いに行くか?」
李明の問いに、暁雯は嬉しそうに頷いた。
「うん、もっともっと明好みの身体にしてもらいたいな」
彼女の言葉に、李明の期待は膨らんだ。この女性は、これからどこまで変わるのか。彼はその過程を見届けたいと思った。
夜は更けていった。二人は抱き合ったまま、その夜を過ごした。李明は彼女の身体から放たれるグリーンの香りを嗅ぎながら、深い眠りに落ちていった。
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翌朝、李明が目を覚ますと、暁雯は既に起きていた。彼女は化粧台の前に座り、念入りに化粧を施している。
「おはよう、明」
暁雯が振り返る。その顔は、既に完璧なグリーンメイクが施されていた。
「今日も一日、頑張ろうね」
彼女の笑顔に、李明は心からの幸せを感じた。
「ああ、今日も最高の一日にしよう」
二人は朝食をとり、昼前にはジャックの元へ向かった。
「ようこそ、二人とも」
ジャックが笑顔で出迎えた。
「暁雯は、昨日から比べて一段と輝いているね」
「ありがとうございます、ジャックさん」
暁雯が礼儀正しくお辞儀をする。その動作も、以前よりもうつくしい。
「今日は、どんな改造を施そうか?」
ジャックが二人に尋ねる。
「もう少し、暁雯の身体を女性的にしたいんだ。特に、腰と胸をもっと強調してほしい」
李明の注文に、ジャックは快諾した。
「了解した。暁雯さん、こちらへ来てください」
暁雯は李明を見た。その目は、信頼と愛情に満ちている。
「行ってくるね、明」
「ああ、行っておいで」
暁雯はジャックに連れられて、奥の部屋へと消えていった。李明は彼女の後ろ姿を見つめながら、これからの彼女の変化に思いを馳せた。
彼女は、自分の理想とする完璧な媚黒グリーンスレイブになっていく。しかし、その心は常に自分を愛し続ける。それが彼にとっての、最高の妻だった。
数時間後、暁雯が戻ってきた。彼女の身体はさらに魅力的な曲線を描いていた。
「どうかな?」
暁雯がくるりと回る。その腰のくびれはさらに深くなり、胸の膨らみも一段と大きくなっていた。
「完璧だ」
李明は彼女を抱きしめた。彼女の身体から放たれるグリーンの香りと、新たに加わった甘い香りが混ざり合う。
「これからも、ずっと一緒にいよう」
暁雯が李明の耳元で囁く。
「ああ、一緒にいるよ」
李明は彼女の耳元に返事をした。
二人の間には、どんな障害も乗り越えられる確かな絆があった。それが何よりの宝物だった。
李明は心の中で誓った。この女性を、生涯愛し続ける。彼女がどんな姿になろうと、その心は決して変わらない。
そして、彼女の身体に刻まれたグリーンの痕跡が、二人の永遠の愛の証として輝き続けるだろう。