# 第三章 縛り:ロープとゼリー棒の中の没落
老陳が車のドアを閉めた時、私は深く息を吸い込んだ。後部座席の革張りのシートがひんやりと太腿に触れる。窓の外は夜の闇が広がり、街灯の明かりが高速道路に沿って流れていく。
「鐘社長、本当に行かれるのですか」
老陳の声が前方から聞こえる。彼の目はバックミラー越しに私を捉えていた。その瞳には忠誠心と、ほんのわずかな困惑が混ざっている。
私は微笑んだ。「もちろんよ。これは私の選択だから」
指先がスマートフォンの画面を滑る。取締役会の議事録、株式譲渡契約書、印鑑証明書——すべてはクラウドに保管され、私だけがアクセスできる。もし何かあれば、たった一つの操作で全てを凍結できる。私は決して無防備ではない。
車は郊外の一軒家の前に停まった。周囲には何もなく、静寂だけが支配している。外壁は蔦に覆われ、窓からはかすかな灯りが漏れている。この場所は原作の中で、鐘萍が最も深い闇に落ちる場所として描かれていた。
私は原作を知っている。だからこそ、わざわざこの場所を選んだ。
ドアを開けると、甘ったるい香水の匂いが混じった空気が漂ってくる。中に入ると、柔らかな照明の下で、孫オーナーが紅茶を飲んでいた。彼は40代半ば、痩せ型の体に白いシャツを着ている。目は細く、口元には落ち着いた笑みを浮かべている。
「よく来たな、鐘萍」
彼の声は低く、落ち着いている。私はかかとを鳴らして歩きながら、胸を張って彼の前に立った。
「お久しぶりです、孫オーナー」
「荷物は?」
「何も持ってきていません。必要なものは全てあなたが用意してくれると聞いていますから」
孫オーナーは満足そうにうなずいた。彼の目が私の体を舐め回すように見つめる。私はその視線を受け止めながら、心の中で微笑んだ。知っている、この後の展開を。私が自ら選んだ道だ。
「服を脱げ」
その一言は短く、断定的だった。私はゆっくりとスーツのジャケットを脱ぎ、ボタンを一つひとつ外していく。ブラウスが床に落ち、スカートが足元に滑り落ちる。下着だけになった体は、部屋の薄暗い光の下で白く浮かび上がる。
「下着もだ」
私は手を背中に回し、ブラのホックを外した。ショーツを膝まで下ろし、素足で床に立つ。全身がむき出しになり、空気が肌に触れる感覚が全身を震わせる。
孫オーナーは立ち上がり、私の周りをゆっくりと歩き始めた。彼の指が背中を、腰を、太腿をなぞる。その感触は冷たくもあり、同時に熱くもあった。
「美しい体だ。だが、まだ完成していない」
彼は壁面の戸棚を開け、中から麻のロープを取り出した。太さは1センチほどで、蝋引きされた表面が照明に照らされて光る。ロープを手に取り、両端を引っ張ると、きしむような音が部屋に響いた。
「手を後ろに」
私は従った。手首を背中で重ね、ロープが巻き付けられるのを待つ。最初の一巻きはきつく、皮膚に食い込む。二巻き目、三巻き目——ロープは手首をしっかりと固定し、指先が徐々に冷たくなっていく。
「動かすなよ」
孫オーナーの声が耳元で響く。ロープは手首から肘へ、肘から肩へと這い上がり、私の腕を背中に縫い付けるように固定していく。痛みは最初は鋭かったが、すぐに鈍い快感に変わっていく。腕を動かそうとすると、ロープがさらに食い込み、その痛みが逆に心地よくなる。
次に足首だ。私は彼に従い、足を肩幅に開いて立つ。ロープが左足首に巻き付けられ、次に右足首。両足は固定され、歩くことさえままならなくなる。
「まだまだ終わらないぞ」
孫オーナーは私の背後に立ち、ロープを胸の下に回した。彼の手が私の体をしっかりと抱きしめるようにロープを締め付けていく。胸の谷間を縦にロープが通り、その両側を横のロープが締め上げる。乳首がロープの交差する部分に当たり、布の摩擦が敏感な先端を刺激する。
「あっ……」
思わず声が漏れる。乳房がロープによって強調され、完全に露出した形になる。孫オーナーはその様子を楽しむように、ロープをさらにきつく締め付けた。
「苦しいか?」
「はい……でも、それ以上に……気持ちいいです」
私の答えに孫オーナーは笑った。彼の笑い声には傲慢さと支配欲が混ざっている。私はそれを受け入れながら、心の中で別の感覚を味わっていた。この瞬間、私は原作の鐘萍を完璧に演じている。しかし、私は彼女ではない。私は現代から来た丁玲だ。全てを知り、全てを計算している。
ロープはさらに体を這い、太腿の付け根に巻き付けられる。内腿の柔らかい部分にロープが食い込み、歩くたびに擦れる。その刺激が陰部にまで伝わり、私は無意識に腰を動かしていた。
「もう我慢できないか?」
「いいえ……まだいけます」
孫オーナーは私を部屋の中央に設置された架台の前に連れて行った。架台は金属製で、私の体を固定するための鎖とベルトが取り付けられている。彼は私の背中にベルトを回し、架台に固定した。両腕は背後で鎖に繋がれ、両足は架台の両側に開かれた状態で固定される。
私の体は完全に拘束され、全身が架台に固定された。両足は大きく開かれ、陰部が完全に露出している。乳房はロープによって強調され、乳首は空気にさらされて硬く立っている。
「よく似合っている」
孫オーナーはスマートフォンを取り出し、何枚か写真を撮った。フラッシュの光が私の裸体を照らし出す。屈辱と興奮が同時に押し寄せる。心の奥底では、この写真が拡散されるかもしれないという恐怖がよぎる。しかし、同時に、それが誰にもできないことを確信している。なぜなら、私は事前に全てを調査しているからだ。孫オーナーの弱みも、彼が私をどう扱うかも、全て把握している。
「ここで待っていろ。次はもっと面白いものを見せてやる」
孫オーナーは別の戸棚に向かい、中からトレイを取り出した。トレイの上には、様々なサイズのゼリー棒が並んでいる。最も太いものは直径5センチはあろうか、表面には無数の突起がついている。その隣には潤滑剤のボトルと、吸血鬼の牙のような形をした口枷が置かれている。
彼は一番太いゼリー棒を手に取り、透明な潤滑剤をたっぷりと塗りつけた。ゼリー棒は照明の光を反射し、歪んだ光を放つ。彼が私の背後に回り、その冷たい先端が肛門に触れた。
「力を抜け」
彼の声は命令的だ。私は深く息を吸い、全身の力を抜こうとした。しかし、緊張が体を支配し、肛門の筋肉は硬く閉じている。孫オーナーは無理やりゼリー棒を押し込もうとした。最初の抵抗は強く、痛みが腰の奥まで走る。
「ああっ!」
悲鳴が部屋に響く。ゼリー棒が少しずつ、確実に私の体内に侵入してくる。引き裂かれるような感覚、圧迫感、異物が体内に入ってくる不快感——それら全てが混ざり合い、涙が目に浮かぶ。
「まだ半分も入っていないぞ」
彼はさらに力を込める。ゼリー棒が少しずつ進み、ついに根元まで飲み込まれた。満腹感が腹の中を満たし、吐き気と快感が入り混じる。肛門の括約筋が痙攣し、ゼリー棒を締め付ける。
「よし。次だ」
彼は別の細めのゼリー棒を手に取り、今度は膣に挿入しようとする。すでに緊張していた膣口は、抵抗する間もなくゼリー棒を受け入れた。体内で二本のゼリー棒が交差し、互いの存在を意識させる。
「動かすぞ」
孫オーナーがリモコンのスイッチを入れると、体内のゼリー棒が突然振動し始めた。低周波の振動が肛門と膣の奥深くを刺激し、全身が電気に触れたように痙攣する。
「あああっ!だめ……それ、だめ……!」
私は叫んだ。振動が高まり、快感が脊髄を駆け上がる。乳首は硬くなり、頭の中が真っ白になる。絶頂が近づいていることが分かる。
「イくのか?」
「はい……もう……イきます……!」
振動がさらに強まり、私は完全に絶頂に達した。全身が弓のように反り返り、意識が飛びかける。だが、振動は止まらない。絶頂が続く中、第二波、第三波の快感が襲いかかる。
「まだイっているのか。感度が高いな」
孫オーナーは笑いながら、別のリモコンを操作する。今度は振動のパターンが変わり、断続的な刺激が私の敏感な神経を嬲る。絶頂後の敏感な体には、その刺激が拷問のように感じられる。
「やめて……お願い……もう……無理……」
涙が止まらずに流れる。唾液も口の端から垂れ始める。私は完全に彼の支配下に置かれていた。
「まだ終わらない」
彼は口枷を手に取り、私の口に押し込んだ。口枷は私の口を大きく開かせ、歯をむき出しにさせる。唾液が止められずに垂れ流し、顎を伝って胸に落ちる。私は鏡に映る自分の姿を見た。口を大きく開け、唾液を垂らし、体はロープで縛られ、二本のゼリー棒が体内で振動している。
情けなく、屈辱的で、しかし——確かに興奮している。
「立って歩けるか?」
孫オーナーが私の拘束を一部解き、架台から解放する。しかし、足首のロープはそのままで、歩幅はせいぜい30センチほどしか取れない。さらに彼はハイヒールを私の足に履かせた。ヒールの高さは15センチはあり、バランスを取るだけで精一杯だ。
「さあ、歩け」
彼の命令に従い、私は腰をくねらせながら歩き始める。ハイヒールのせいで足取りは不安定で、体内のゼリー棒が歩くたびに動き、新たな刺激を与える。肛門が締まり、膣が痙攣する。私はそれを我慢しながら、鏡の前に立った。
鏡の中の私は、完全に物と化していた。口枷をつけ、唾液を垂らし、ロープで縛られた裸体。ハイヒールを履き、足を縛られ、腰をくねらせて立っている。体内では二本のゼリー棒が振動し続け、絶頂の余韻が体を震わせる。
「美しい」
孫オーナーが背後から私の腰を抱き、耳元で囁く。彼の手が私の乳房を揉み、ロープの上から乳首を捏ねる。その刺激でまた体が震える。
「あなたのものになりました」
私は囁いた。その言葉は口枷のせいで不明瞭だったが、彼には伝わったようだ。
「よし。それでは待機室に行こう。君には奴隷の掟を暗唱してもらう」
彼は私の手を引き、部屋の奥にある扉を開けた。中は薄暗く、壁沿いにいくつかの檻が並んでいる。檻の中には他の奴隷たちがおり、それぞれが異なる拘束を受けている。一人は天井から吊るされ、一人は鎖で壁に固定され、一人は床にうつ伏せになって震えている。
私は部屋の中央に連れて行かれ、床に跪くように命じられた。ハイヒールを履いたままの膝が冷たい床に触れる。頭を下げ、両手を背中に組む。
「暗唱しろ」
孫オーナーが私の前に立ち、鞭を手に持っている。私は深く息を吸い、奴隷の掟を暗唱し始めた。
「第一の掟……主人の命令は絶対です……逆らってはなりません……」
言葉を発するたびに、口枷が邪魔をして不明瞭になる。唾液が垂れ、床に水たまりを作る。それでも私は続けた。
「第二の掟……奴隷の快楽は……主人の望みのままに……」
しかし、体内のゼリー棒が振動し、思考が途切れる。絶頂が何度も訪れ、言葉が途切れ途切れになる。私の体は震え、声は悲鳴に変わろうとしていた。
「第三の掟……奴隷は……」
「どうした?忘れたのか?」
孫オーナーの鞭が床を叩く。その音が耳に突き刺さる。私は必死に記憶を手繰り寄せる。頭の中では、会社の株式文書がロックされている安心感が瞬時に蘇る。私はいつでも逃げられる。しかし、逃げたくない。
「第三の掟……奴隷は……主人の所有物であり……」
言葉を続けようとした瞬間、振動が最高潮に達し、私はまた絶頂に達した。全身が痙攣し、床に崩れ落ちそうになる。しかし、ロープが私を支え、跪く姿勢を強制する。
「続けろ」
「はい……奴隷は……主人の所有物であり……その身も心も……主人に捧げます……」
やっとの思いで暗唱を終えると、孫オーナーは私の頭を撫でた。彼の手は冷たく、しかし優しい。
「よくできた」
彼の声には満足感が溢れている。私はそれに応えるように、体を彼に預けた。体内のゼリー棒がまだ振動している。快感と疲労が入り混じり、私は半分意識を失いかけていた。
その時、隣の檻から鞭の音と喘ぎ声が聞こえてきた。私は無意識に体を強張らせる。目を閉じると、体内のゼリー棒の振動がより明確に感じられる。私は自分が公衆の面前で使われる姿を想像した。何人もの男たちに囲まれ、無数の手が私の体を触り、無数の目が私を見ている。
恐怖と期待が入り混じり、呼吸が荒くなる。心臓が激しく打ち、体温が上がる。私は完全にこの世界に飲み込まれていた。
「どうした?怖いのか?」
「いいえ……怖くないです……ただ、興奮しています」
私の答えに孫オーナーは笑った。彼の笑い声は部屋中に響き渡る。
「君は特別だ。他の奴隷たちとは違う。君は自ら進んでここに来た。そして、君はその選択の意味を理解している」
彼の指が私の頬を撫でる。私はその指に顔を寄せ、キスをした。唾液が彼の指に移る。
「私はあなたのものです」
「そうだ。お前は私のものだ」
彼の言葉が耳に心地よい。しかし、心の奥底では、私は自分が本当は誰のものでもないことを知っている。私は現代社会の法律に守られた企業の社長だ。もし何かあれば、弁護士を呼び、警察に通報することもできる。全ての記録はクラウドに保存され、私だけがアクセスできる。
私は決して全てを失うことはない。だからこそ、この没落を楽しめるのだ。
「休憩しよう。まだ長い夜が始まったばかりだ」
孫オーナーは私の体を抱き上げ、柔らかいマットの上に寝かせた。体内のゼリー棒はまだ振動し続けているが、強さは弱まっている。彼は私の口枷を外し、ロープを一部緩めた。体が解放された感覚が全身を包む。
水を飲ませてもらい、少し休むように言われる。私は彼の胸に寄りかかり、目を閉じた。心拍が落ち着き始める。
「まだ続けられるか?」
「はい……もっと、してください」
私は囁いた。これで終わりではない。原作のストーリーはまだ続く。私はその全てを経験し、そして——それを支配する。
目を開けると、孫オーナーが私を見ていた。その瞳には欲望と、わずかな優しさが混ざっている。私は微笑み返した。このゲームは始まったばかりだ。