# 第七章 鼻フックの辱め
部屋の空気が変わった。小天が立ち上がり、何かを手に取る音がした。私はまだ床に両手をついたまま、その気配を全身で感じていた。金属が擦れる微かな音。それが何かは直感でわかった。
「顔を上げて」
彼の声は静かだったが、そこには抗えない力が込められていた。私はゆっくりと顔を上げた。彼の手にあるのは、銀色に光る鼻フック——先端が二又に分かれた、鼻孔に引っ掛けるための道具だった。その先から細い鎖が垂れている。
「これは…」と私の唇が震えた。
「黙って」
小天が私の前にひざまずいた。その目は冷たく、まるで初めて見る他人のようだった。彼の指が私の顎をつかみ、無理やり上を向かせる。私は抵抗しなかった。いや、できなかったのだ。
金属の冷たい感触が鼻孔に触れた。私は思わず息を止めた。彼は慎重に、しかし確実に鼻フックを私の鼻にはめ込んだ。二又の先端が鼻腔に食い込む違和感。そして、カチッという小さな音とともに固定された。
「これで外れない」
彼は鎖をつかみ、軽く引っ張った。私は反射的に後ろにのけぞった。首が無理やり反らされ、喉が晒される。恥ずかしい姿勢だった。まるで家畜のように、ただ鎖に引かれるままになっている自分がいる。
「よく似合ってるよ、母さん」
その言葉に、私は全身が熱くなるのを感じた。恥辱と、それ以上に——そう、期待が混ざった奇妙な感覚だった。
その時、ドアが開いた。
「あら、もう始めてたの?」
劉倩だった。彼女は優雅に部屋に入ってくると、私たちの様子を見て満足げに笑った。その目は私の姿を舐め回すように見ている。
「ちょうど良かった。お前も来い」
小天が鎖を引っ張りながら立ち上がった。私は彼の動きに合わせて、四つん這いのまま体を動かすしかなかった。鼻フックが引っ張られるたびに、鼻腔の内側が擦れて痛い。しかし、その痛みが逆に私を覚醒させていた。
「姉さん、その顔、最高だよ」
劉倩が私の前に立った。彼女の目には、明らかな嘲笑と——そして、かすかな羨望が浮かんでいた。私は彼女を見上げた。鼻フックをつけられ、間抜けな顔を晒している自分を、妹に見られている。その屈辱が全身を駆け巡った。
「ひざまずけ」
小天の命令に、劉倩は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに従った。彼女はスカートの裾を整えながら、静かに床にひざまずいた。二人の姉妹が、若い男の前に跪いている。その光景は倒錯的で、しかしなぜか自然に感じられた。
小天は私たちの間に立ち、鎖を持ったままゆっくりと後ろに下がった。鼻フックが引かれ、私の顔はさらに上を向かされる。首の筋肉が悲鳴を上げる。
「いい眺めだ」
彼はそう言って、しばらく私たちを見下ろしていた。その視線には、子供が玩具を見るような無邪気さと、支配者の冷酷さが同居していた。
「さあ、お互いのストッキングを舐め合え」
その命令に、私は一瞬息を呑んだ。劉倩を見ると、彼女も一瞬固まっていたが、すぐに口元に笑みを浮かべた。
「いいわよ、姉さん。久しぶりだね」
彼女がそう言って、私の方に体を向けた。彼女の黒いストッキングに包まれた足が、私の目の前に差し出される。私は自分も彼女の方に向き直り、足を差し出した。二人のストッキングの足が、互いの顔の前にある。
「始めろ」
小天の声が鞭のように響いた。私はゆっくりと顔を近づけた。ストッキングの繊維の匂いが鼻をくすぐる。合成繊維の、あの独特の味。私は舌を出し、彼女のつま先に触れた。
一瞬、劉倩が体を震わせた。彼女も同時に、私の足に顔を寄せていた。彼女の舌が、私のふくらはぎを舐め上げる。その感触に、私は背筋が震えた。
鼻フックが引っ張られ、顔を上げざるを得なくなる。そのたびに舐めている場所がずれてしまう。しかし、小天はそれを意図的にやっているようだった。彼が鎖を操るたびに、私は彼の思うままに動かされる。
「もっと奥まで」
彼の命令に、私は劉倩の足の指を口に含んだ。ストッキング越しに、彼女の指の形がわかる。彼女も私の足を舐め続けている。その温かい舌の感触が、ストッキングを通して伝わってくる。
「うん…いい感じ」
劉倩がかすれた声で言った。彼女は明らかに楽しんでいた。一方の私は、恥辱と快感の狭間で揺れていた。鼻フックの痛みは続いている。しかし、その痛みは私の感覚を研ぎ澄まし、ストッキングを通して伝わる舌の感触をより鮮明にしていた。
小天が鎖を強く引っ張った。私は「うっ」と声を漏らし、顔がさらに反らされた。その瞬間、劉倩の舌が私の足の裏に触れた。彼女は私の土踏まずを explor するように舐めている。
「もっと恥ずかしい格好を見せろ」
小天の声には、明らかな愉悦が込められていた。彼は私たちの苦しみと恥辱を、まるで芸術作品を鑑賞するように楽しんでいる。
私の顔は上を向いたまま、ほとんど彼女の足を見ることができない。しかし、彼女の舌の動きは確かに感じられる。彼女は私の足指の間を、丹念に舐めていた。
自分がしていることの倒錯性が、突然頭をよぎった。私は今、妹のストッキングを舐め、妹は私のストッキングを舐めている。しかも、その様子を私の息子が見ている。そして、私はその恥辱に——興奮している。
その自覚が、さらなる羞恥を呼び起こした。しかし、体は正直だった。太腿の内側が熱くなり、水気を帯び始めている。小天に見られたいという欲望が、私の下半身を濡らしていた。
劉倩の舌が、私の足首からふくらはぎへと移動する。彼女はゆっくりと、丁寧に舐め上げていく。同じように、私も彼女の足を舐め続けた。ストッキングの味が、口の中に広がる。汗と、わずかな柔軟剤の香り。そして、何よりも——羞恥の味。
「そろそろ交代だ」
小天の声が、再び響いた。
私たちは顔を上げた。彼は私たちの間に立ち、鎖を手に持ったまま、満足げに微笑んでいた。その笑顔には、一切の躊躇がなかった。
「今度は、母さんが妹の太腿を舐めろ。妹は母さんのふくらはぎを」
そう言うと、彼は鎖を引いて、私の顔を劉倩の太腿に押し付けた。私は命令に従い、舌を伸ばした。彼女の太腿は柔らかく、ストッキングの下の肉付きがわかる。その感触が、私の舌に伝わってくる。
同時に、劉倩の舌が私のふくらはぎを舐め始めた。彼女は舌の先で円を描くように舐め、時折軽く噛む。その刺激が、私の全身を駆け巡った。
鼻フックが痛む。鎖が引かれるたびに、鼻腔の内側が擦れて、涙が出そうになる。しかし、その痛みが奇妙な快感に変わっていた。小天に支配されているという実感が、私を陶酔させていた。
「姉さんの足、汗の味がするよ」
劉倩がからかうように言った。その声には、嫉妬と興奮が混ざっていた。
「黙って舎め続けろ」
小天が冷たく言った。劉倩は一瞬口を閉ざしたが、すぐに再び舐め始めた。私は彼女の太腿を、もっと激しく舐め始めた。自分でも制御できない衝動に駆られて。
小天は私たちの周りをゆっくりと歩きながら、その様子を観察していた。彼の足音が床に響くたびに、私は緊張と期待で体が震えた。
「いいぞ。そのまま続けろ」
その言葉が、私の背中を押した。私は完全に恥辱に身を委ねていた。鼻フックの痛みも、妹に舐められている屈辱も、全てが快感に変わっていた。
部屋の中には、舐める音と、かすかな喘ぎ声だけが響いていた。私たち姉妹は、若い男の命令のままに、互いのストッキングを舐め合い続けた。その光景は、まさに堕落地獄の祭壇だった。
しかし、その地獄の中で、私は確かに——生きている実感を味わっていた。