# 水牢に沈む(柳月汝番外編)
## 第一章 空き家でむずむず
探偵事務所のドアが静かに閉まった。南婉婷の後ろ姿がエレベーターに消えていくのを、柳月汝は窓際からぼんやりと見つめていた。彼女の手には、先ほどまで譚馨児が使っていたロープが一本、無造作に絡まっている。
「行っちゃったな…」
柳月汝はため息をつき、自分の豊かな胸を両腕で抱きしめた。事務所の中は急に広く感じられた。三人でひしめき合っていた空間が、今では自分一人だけのものになっている。机の上には南婉婷が置いていった化粧品のサンプル、壁には譚馨児が掛けていった皮の鞭。それらが無言で、彼女の不在を訴えかけていた。
南婉婷は小杰からの招待で、アメリカの高校卒業式に参加するために飛び立った。あの少年がどんな農場を買ったのか、彼女は目を輝かせて話していた。きっとまた、あの優しい笑顔の裏で、とんでもないことを企んでいるに違いない。譚馨児も、新しい仕事の依頼が入ったと、昨夜遅くに荷物をまとめて出て行った。
三人で過ごした日々が、何か遠い昔のことのように感じられる。
柳月汝は自分の机に戻り、引き出しから小さなバイブレーターを取り出した。何気なくスイッチを入れ、太ももに当ててみる。低周波の振動が、薄いスカート越しに伝わってくるが、何か物足りない。強度を最大に上げて、直接クリトリスに押し当ててみる。ビリビリとした刺激が走るが、それはただの物理的な刺激でしかなかった。
「ああ…つまらない…」
彼女はバイブレーターを机の上に放り投げた。自分でやっても、もう満たされない身体になってしまっているのだ。譚馨児の鋭い鞭さばきも、南婉婷の優しくも確かな縛りも、今はもうない。自分ひとりでは、どんなに頑張っても深い快楽の淵に沈んでいけない。
柳月汝は立ち上がり、事務所の中をさまよい歩いた。壁に掛けられた鏡に映る自分の姿。34歳とは思えないほど張りのある肌、豊満な曲線を描く身体。160センチの身長に、巨乳で尻が大きく、男たちの視線を集めることに躊躇いを感じたことはない。しかし今は、その身体が欲求不満でむずむずと疼いている。
彼女はスマートフォンを手に取り、ソファに深く身を沈めた。何か面白いことはないかと、SNSをスクロールする。友達の投稿、ニュース、広告…どれもこれも、今の自分には退屈でしかない。
ふと、連絡先リストの中に、ある名前が目に止まった。
「陸天富…」
あの老人の顔が、鮮明に思い出される。50代半ばで、背が低く太った醜い男だった。しかし、彼の金回りの良さと、SM性虐玩法にかける執念は尋常ではなかった。かつて娼婦として働いていた頃の常連客で、彼の開発する虐待技術は、柳月汝の旺盛な性欲を何度も満たしてくれた。
彼との最後のセッションは、もう一年以上前のことだ。あの時は確か、地下のプライベートルームで三日三晩縛られ続けた。水責め、緊縛、電気ショック…思い出しただけで、身体の奥が熱くなる。
柳月汝は指を滑らせ、電話帳を開いた。陸天富の名前の横には、まだ古い番号が残っている。連絡を取るかどうか、一瞬迷った。しかし、その迷いはすぐに、身体の奥から湧き上がる渇望に打ち消された。
彼女は通話ボタンを押した。コール音が三回鳴り、相手が出た。
「はい、もしもし?」
低く、少し濁った声。間違いなく陸天富だ。
「陸さん、お久しぶりです。柳月汝です」
「おお!月汝ちゃんか!久しぶりだなあ、元気にしてたか?」
彼の声が、明らかに興奮しているのが分かった。
「ええ、何とか生きてますよ。ところで陸さん、最近どんな遊びをされてるんですか?」
「遊び?ああ、そうだな…最近は新しいプライベートウォーターパークを作ったんだ。まだ完成したばかりでな、誰も案内していないんだが…」
柳月汝の心臓がドキリと跳ねた。ウォーターパーク。水を使ったプレイが想像できる。あの老練な虐待者が作った場所なら、きっととんでもない設備が整っているに違いない。
「プライベートウォーターパークですか?それは面白そうですね」
「ああ、月汝ちゃんが来てくれるなら、最高だな。俺のウォーターパークに来る時は、せいぜい下着程度の服装で来い。水に濡れるからな、服は邪魔になる」
彼の言葉には、確かな期待と興奮が込められていた。柳月汝も、その言葉を聞いて身体の奥が熱くなるのを感じる。
「分かりました。いつ行きましょうか?」
「今すぐ来い。場所は前に使ってたプライベートルームの裏手にある。住所は変わってない。覚えてるか?」
「覚えてますよ。すぐに向かいます」
通話を切ると、柳月汝は立ち上がった。下着程度の服装。彼の指示通り、ブラとショーツだけになる。外に出る時は、その上に薄いコートを羽織ればいいだろう。
彼女はクローゼットから黒のレースのブラと、Tバックのショーツを取り出した。鏡の前でそれらを身に着け、自分の身体を見つめる。豊かな胸がブラからはみ出しそうになっている。太ももは健康的に引き締まり、尻は丸く張っている。
「よし、行くか」
柳月汝は薄いトレンチコートを羽織り、靴を履いた。バッグには、普段使っている簡単な道具だけを入れる。ロープと、小さなバイブレーター。あとは、陸天富が何を用意しているか、それが楽しみだった。
タクシーを拾い、彼女は指定された住所に向かった。車窓から流れる街並みを見ながら、柳月汝の頭の中には、これから始まるであろう拷問の光景が浮かんでいた。水に濡れた身体、縛られた手足、そして快楽と苦痛が交錯する感覚。それを想像するだけで、もう既に身体が反応し始めている。
「いやだ…本当に私は痴女の性奴隷だな…」
自分自身にそう呟きながらも、その言葉には自嘲の色はなかった。むしろ、それを誇りに思っている自分がいる。
タクシーが目的地に着いた。大きな門が構えられた場所で、その先には広大な敷地が広がっている。昔使っていたプライベートルームの裏手という説明通り、そこはかつて彼と何度も遊んだ場所の近くだった。
門のインターホンを押すと、すぐに陸天富の声が聞こえてきた。
「待ってたよ、月汝ちゃん。門を開けるから、中に入ってくれ」
門が自動で開き、柳月汝は中に足を踏み入れた。敷地の中には、大きなプールのようなものが見える。しかし、普通のプールとは明らかに違う。周りには鉄格子や鎖、そして奇妙な形をした装置がいくつも設置されていた。
「こっちだ、こっち」
陸天富がプールの端から手を振っている。彼は今日も、薄汚れたTシャツに短パンというラフな格好で、その醜い顔に笑みを浮かべていた。
柳月汝はコートを脱ぎ、ブラとショーツだけの姿になった。陸天富の目が、彼女の身体を舐めるように見つめる。
「相変わらずいい身体してるな、月汝ちゃん。一年ぶりだが、さらに磨きがかかったんじゃないか?」
「陸さんにそう言ってもらえると、嬉しいですよ」
柳月汝は優雅に歩きながら、プールの縁に立った。水は澄んでいて、底まで見える。深さは約二メートルほどだろうか。プールの周りには、いくつものパイプやノズルが設置されており、そこから水が噴き出す仕組みになっているようだ。
「これが俺の自慢のプライベートウォーターパークだ。本物の拷問器具を使った水牢を再現したんだ。月汝ちゃん、これからお前をここで二ヶ月間、縛ってやりたいと思っている」
「二ヶ月…」
柳月汝の喉が鳴った。それは冗談ではない、本気の言葉だ。この老人なら、本当に二ヶ月間も縛り続けるだろう。しかし、それを聞いて怖気づくよりも、むしろ期待が高まった。
「準備はできてるか?」
「はい、いつでも」
陸天富はニヤリと笑い、手に持っていたリモコンのボタンを押した。すると、プールの中央から、鉄製の柱がせり上がってきた。その柱には、手錠と足枷が取り付けられている。
「まずはそこに座れ。足を広げてな」
柳月汝は指示に従い、柱の前に座った。陸天富が近づき、彼女の手足を丁寧に手錠と足枷で固定していく。金属の冷たさが、肌に触れる。それは久しぶりに感じる、懐かしい感覚だった。
「締め付け加減はどうだ?」
「ちょうどいいです。もう少しきつくしても大丈夫ですよ」
「欲張りだな」
陸天富は笑いながら、手錠と足枷をさらに一段階締め付けた。柳月汝の手首と足首に、鎖が食い込む。痛みと同時に、快感が走る。
「よし、これで準備完了だ。さあ、始めようか」
彼がリモコンの別のボタンを押すと、プールの底にある排水口から水が勢いよく噴き出し始めた。水位が徐々に上がっていく。最初は足首まで、次に腰まで、そして胸まで…。
水は冷たかった。しかし、陸天富が調整しているのだろう、徐々に温かくなっていく。
「これからお前を、様々な水牢の拷問にかける。古代から現代まで、世界中の技法を集めてな。まずは、この「清めの水牢」から始めるぞ」
陸天富がそう言うと、プールの周りにあるパイプの一つから、細い水流が柳月汝の身体に向かって放たれた。その水流は想像以上に強く、彼女の体を打ち付ける。
「あっ…!」
思わず声が出た。水流は乳房を直撃し、敏感な乳首を刺すように刺激する。ブラが水に濡れて、身体に張り付く。その感触が、さらに官能を高めた。
「どうだ?気持ちいいか?」
「はい…とても…」
陸天富は満足そうに頷き、さらに強度を上げた。水流が全身を舐めるように動き回る。太ももの内側、脇の下、首筋…どの場所も、見事に性感帯を外さない。
「さすがはベテランですね…」
「お前に教えてもらったことも多いからな。感謝している」
彼はそう言いながら、別のパイプのバルブを開いた。今度は、上から水が滝のように降り注ぐ。それは頭から全身を濡らし、柳月汝の長い髪をシートのように張り付かせた。
「あああっ…!」
声が自然と漏れる。水の重みが、身体を押し潰すように感じられる。しかしその感覚が、逆に心地よかった。
陸天富はプールの縁を歩きながら、いくつかのバルブを次々と操作していく。水の温度、強さ、方向が刻々と変わる。それはまるで、一つの芸術作品を創り上げるような緻密さだった。
「月汝ちゃん、これからお前を縛り直すぞ。もっと深い快楽に沈めるために」
彼がそう言うと、プールの底からさらに柱がせり上がり、柳月汝の両腕を頭上に固定した。今度は、手首だけでなく、肘も固定される。完全に自由を奪われた状態で、彼女は水の中に沈んでいく。
「苦しくないか?」
「大丈夫です…自分から沈んでいきたい気分ですから」
「そうか。ならば、思い切り沈め」
陸天富がリモコンを操作すると、プールの水位がさらに上がり、柳月汝の首のあたりまで達した。彼女は背筋を伸ばし、なんとか顔を水面に出そうとするが、固定された腕がそれを妨げる。
「どうした?苦しいか?」
「少し…でも、これがいいんです…」
彼女の声には、確かな切実さが込められていた。陸天富はその声に応えるように、水位を少し下げた。呼吸が楽になる。
「月汝ちゃん、俺はお前のことをよく分かっているつもりだ。お前は苦痛を求めるだけの痴女ではない。もっと深い、精神的な束縛を求めている。そうだろう?」
「…その通りです」
「ならば、これからお前に与えるのは、ただの肉体的な快楽ではない。お前の魂そのものを、この水牢に沈めてやる」
彼の言葉に、柳月汝の身体が震えた。まさに、それが自分が求めていたものだ。譚馨児や南婉婷と遊ぶ時も、いつもどこか物足りなさを感じていた。彼女たちとのセッションは確かに楽しいが、どこかお互いを気遣う部分があった。しかし陸天富は違う。彼は躊躇なく、彼女の限界を超えようとする。
「さあ、第二段階だ」
陸天富がプールの端にある装置を操作すると、水の中に電極が現れた。それは柳月汝の身体の各所に取り付けられる。乳首、クリトリス、そして肛門の周り。全てが水に濡れた状態で、電気の伝導効率が高められている。
「これは…電気水牢というやつですか?」
「その通り。お前はまだ経験したことがなかったな。この感覚を味わうのは初めてだろう」
陸天富がスイッチを入れると、まず微かな電流が流れた。それは水の中を伝わり、柳月汝の全身を痺れさせる。
「あああっ…!」
声が裏返る。電流は徐々に強くなり、彼女の身体をビクビクと痙攣させる。乳首が硬くなり、クリトリスが疼く。
「どうだ?気持ちいいか?」
「はい…もっと…もっとください…」
「欲張りだな。だが、それでこそ月汝ちゃんだ」
彼は強度を一段階上げた。電流が急に強くなり、柳月汝の身体が弓なりに反る。
「あああああっ!」
声にならない叫びが漏れる。快楽と苦痛が、水の中を駆け巡る。彼女の意識が、一瞬ぼやけた。
「まだまだこれからだぞ」
陸天富がそう言うと、プールの底から新たな装置がせり上がってきた。それは、巨大なドリルのような形をしている。しかし、先端は尖っておらず、ゴムで覆われている。
「これは「渦潮」と呼んでいる装置だ。水の中で渦を作り出し、お前の身体を引き裂くように刺激する」
彼がスイッチを入れると、ドリルがゆっくりと回転し始めた。水が渦を巻き、柳月汝の身体を巻き込む。その力は想像以上に強く、彼女の身体が自然と渦の中心に引き寄せられる。
「うああっ…!」
渦の中で、彼女の身体が自由に回転する。手錠と足枷で固定されているため、逃げ場がない。水の力が、敏感な部分を次々と刺激する。
「た、助けて…!」
思わず出た言葉に、陸天富が笑った。
「助けてほしいのか?ならば、もっと強く懇願しろ」
「お願いします…もっと…もっと苦しめてください…!」
彼女の本心が、口をついて出る。陸天富は満足そうに頷き、さらに強度を上げた。渦が激しさを増し、柳月汝の身体が激しく揺さぶられる。
「あああああっ!」
絶叫がプールに響く。しかしその声には、苦しみだけでなく、確かな快楽が混ざっていた。
陸天富はしばらくその様子を見守った後、渦の強度を徐々に落としていった。柳月汝の身体が、ゆっくりと静止する。
「どうだ?もう限界か?」
「いいえ…まだまだいけます…」
彼女の目は、まだ快楽の熱を帯びていた。陸天富は笑い、次なる装置に手を伸ばす。
「よし、ならば次の段階だ。これは「圧縮水牢」という。古代中国の拷問を現代風にアレンジしたものだ」
彼がそう言うと、プールの壁がゆっくりと動き始めた。両側から壁が迫り、空間が狭まっていく。
「これは…!」
「お前の身体を、水と共に圧縮する。極限まで狭められた空間で、お前はどう感じるのか、見せてもらうぞ」
壁がさらに迫る。柳月汝の身体が、壁と壁に挟まれる。水の圧力が高まり、肺が圧迫される。
「ううっ…!」
呼吸が苦しい。しかし、その苦しさが、逆に官能的な感覚を引き起こす。
「どうだ?苦しいか?」
「はい…でも…気持ちいいです…」
「そうか。ならば、もっと狭めてやろう」
壁がさらに迫り、柳月汝の身体が完全に固定される。腕も脚も動かせない。ただ、水の中で息をすることだけができる。
「これでお前は、私の掌の中だ。逃げ場はない」
陸天富がそう言いながら、彼女の顔の前に立った。その醜い顔が、間近に迫る。
「月汝ちゃん、お前は本当に美しい奴隷だ。俺が今まで見てきた中で、最高の素材だ」
「ありがとうございます…」
「だが、まだまだ足りない。お前の魂を、完全に俺のものにするまでは」
彼はそう言うと、リモコンのボタンを押した。すると、プールの底から新しい装置がせり上がってきた。それは、先ほどの電極とは違い、より精密な動きをする機械の腕だ。
「これは「撫で回し」という。お前の身体の全ての性感帯を、機械の腕で同時に刺激する」
機械の腕が、柳月汝の身体に触れる。一本は乳首を、もう一本はクリトリスを、そして別の一本は肛門を狙う。
「あああっ…!」
複数の刺激が同時に襲いかかる。それは、人間の手では決して味わえない、正確で執拗な刺激だった。
「どうだ?人間にはできない技だぞ」
「は、はい…すごいです…」
機械の腕が速度を上げる。乳首がこすれ、クリトリスが震え、肛門が拡張される。全てが同時に進行し、柳月汝の意識が快楽に飲み込まれていく。
「イ、イく…!」
「まだ早い。我慢しろ」
陸天富の命令に、柳月汝は必死に耐える。しかし、機械の腕は容赦なく動き続ける。
「あああっ!もう…無理です…!」
「無理なら、イけ。ただし、その後は地獄を見ることになるぞ」
彼の言葉に、柳月汝は一瞬迷った。しかし、身体はもう限界だった。
「あああああっ!」
絶頂が訪れる。身体が激しく痙攣し、水の中に白い液体が拡がる。
「ふん…イってしまったか」
陸天富の声が、少し残念そうだった。しかし、その目は逆に楽しそうだ。
「約束通り、地獄を見せてやろう」
彼がリモコンを操作すると、プールの温度が急激に下がり始めた。水が冷たくなり、柳月汝の身体が震える。
「これは「氷水牢」だ。古代中国で使われた拷問を再現したものだ」
水温がさらに下がる。息をするたびに、冷たい空気が肺に入る。
「さ、さむい…!」
「当然だ。これから三十分、このまま過ごしてもらうぞ」
柳月汝は歯を食いしばり、冷たさに耐えた。身体が震え、皮膚が粟立つ。しかし、その苦しみが逆に心地よかった。
三十分後、水温が元に戻った。柳月汝の身体は、まだ震えている。
「よく耐えた。褒めてやろう」
陸天富がそう言い、彼女の髪を撫でた。
「ありがとうございます…」
「まだまだ序盤だ。これから二ヶ月間、毎日違う拷問を味わわせてやる。楽しみにしていろ」
彼の言葉に、柳月汝の目が輝いた。まさに、それが自分が求めていたものだ。
「はい…楽しみにしています…」
陸天富は笑い、新たな装置の準備を始めた。柳月汝は水の中で、次の拷問を待つ。その身体は、すでに快楽と苦痛に満たされていた。
プライベートウォーターパークの中は、様々な装置が設置されている。水中の鎖、頭上の鉄格子、そして壁に掛けられた鞭や蝋燭。どれもが、彼女を極限まで追い詰めるためのものだ。
柳月汝は深く息を吸い込み、水の中に沈んだ。自分の心が、徐々に奴隷としての本能に目覚めていくのを感じる。それが、何よりも快感だった。
「さあ、始めようか」
陸天富の声が、プールに響く。柳月汝はうなずき、全てを委ねることにした。この二ヶ月間、自分は完全に彼の奴隷となる。それが、自分が選んだ道だ。
水の中で、彼女は静かに微笑んだ。その顔には、苦しみの中にも確かな幸福が浮かんでいた。