午後のオフィスは静けさに包まれていた。窓の外から差し込む陽射しが、床に長い影を落としている。陳宇はデスクの前に立ち、目の前の林薇を見つめていた。彼女は社長椅子に深く腰掛け、ビジネススーツのジャケットを脱いで、紺色のブラウスとタイトスカート姿になっている。黒ストッキングに包まれた脚が、ハイヒールの上で優雅に組まれている。
「準備はいいか?」陳宇は低く、落ち着いた声で問いかけた。その手には、ペン型の小さな光る道具がある。
林薇は微かに笑みを浮かべた。その目にはどこか期待の色が宿っている。「ああ。私の夫、今日はどんなゲームをしたいの?」
「いつも通りだよ。俺の言う通りに動けばいい」陳宇は一歩前に進み、ペン先の光を彼女の目の前でゆっくりと左右に揺らした。「リラックスして、目を離さないで。だんだん眠くなる…」
林薇は素直にそれに従った。彼女の視線は光の軌跡を追い、まばたきの回数が徐々に減っていく。その様子はあまりにも自然で、まるで本当に催眠術にかかっているかのようだ。しかし、陳宇には分かっていた。これはすべて演技だ。彼女は夫の指令を完璧にこなす、忠実なパートナーだった。
「もう疲れた…」林薇の声がかすかに震え、まぶたが重そうに垂れた。
「いいぞ、その調子だ」陳宇はペンを机の上に置き、両手で彼女の肩を優しく支えた。「今から三つ数える。三つ目が終わったら、お前は完全に催眠状態に入る。俺の声だけが聞こえる。いいな?」
「うん…」
「いち…に…さん」
三つ目の数字が終わると同時に、林薇の首がだらりと前に落ちた。彼女の全身の力が抜け、椅子に寄りかかるようにして完全に動かなくなった。まるで深い眠りに落ちたかのようだ。
陳宇はしばらくその様子を観察していた。彼の心には満足感が満ちている。彼女の演技はますます巧みになっていた。初めて試した時は少しぎこちなかったが、今ではまったく違和感がない。彼は彼女の顎に手を触れ、ゆっくりと顔を上げさせた。
「目を開けろ」
林薇の目がゆっくりと開いた。その視線は虚ろで、焦点が定まっていない。まるで魂が抜け出てしまったかのようだ。
「私の名前は?」陳宇が問いかけた。
「あなたは…陳宇…私の夫…」林薇の声は機械的で、感情がまったくこもっていなかった。
「お前は誰だ?」
「私は…林薇…あなたの妻…」
「お前は今、どういう状態だ?」
「私は催眠状態にあります…すべてあなたの言うことを聞きます…」
陳宇は軽く笑いながら、彼女の頬を優しく撫でた。「よし。じゃあ、指示を始めよう。まずは立ち上がれ」
林薇は無言で立ち上がった。ハイヒールの踵が床を軽く叩き、規則的な音を立てた。
「机の前に立って。両手を机の端に置け」
彼女は言われた通りにした。体を少し前に預けるようにして、両手を机の端に置く。そのポーズは自然と腰を突き出し、スカートのラインが一層強調された。
陳宇は彼女の背後に回った。彼の手が彼女の肩に触れ、ゆっくりとブラウスの襟元を撫でていく。
「今からお前に命令を出す。絶対に従え。いいか?」
「はい…」林薇の応答はすぐだった。しかし、その声の奥底では、彼女の心臓が早鐘を打っている。羞恥心と期待が入り混じった快感が、全身を駆け巡っていた。
「ブラウスのボタンを外せ。第一ボタンから一つずつ、ゆっくりと」
林薇は右手を上げ、指先で慎重にボタンを外し始めた。一つ、二つ、三つ…ボタンが外れるたびに、彼女の肌が少しずつ露わになっていく。紺色のブラジャーのレースの縁が、ブラウスの開いた隙間からちらりと見えた。
「止まれ」陳宇の声は厳しかった。「そのままの状態で、ゆっくりと体を回せ。私の方を向け」
林薇は従い、ゆっくりと体を回して夫と向き合った。ブラウスはだらりと垂れ、その下の下着があらわになっている。彼女の顔は少し赤らんでいたが、虚ろな表情は崩さずに保たれている。
「いい顔だ」陳宇はそう言いながら、彼女の頬に手を当てた。「お前の反応はいつも完璧だな」
その言葉の裏にある意味を、林薇はもちろん理解していた。これは褒め言葉だった。彼女は夫の嗜好をよく知っている。この偽の催眠こそが、彼らの間の秘密の遊びだった。彼女は従順な操り人形を演じることで、夫を喜ばせると同時に、自分自身の欲望も満たしていた。
「今度はスカートをまくれ。太ももが見えるまで」陳宇の命令は続く。
林薇は躊躇せず、両手でスカートの裾をつまみ、ゆっくりと引き上げた。黒ストッキングの光沢が、オフィスの照明の下で妖しく輝く。彼女の動きはゆっくりだが、そこには一切の恥じらいが感じられなかった。
「もう少し上だ」
林薇の手はさらにスカートを持ち上げた。今や太ももの付け根近くまでが露わになり、ストッキングの端とガーターの線がわずかに見え隠れしている。
「そのまま動くな」陳宇はスマートフォンを取り出し、彼女のその姿を何枚か撮影した。シャッター音が部屋に響くたびに、林薇の内面は高揚感で震えた。彼女は夫の視線を感じ、すべてをさらけ出すことで得られる、あの乱れた快楽を味わっていた。
「よし、スカートを下ろせ。次は…」
その時、突然オフィスのドアが勢いよく開かれた。
「社長、会議の資料…」
趙磊が口を開いたまま、その場に立ち尽くした。彼の手の中には数枚の書類があり、目は大きく見開かれている。
目の前の光景は、信じられないものだった。普段は高慢ちきで近寄りがたい女社長が、ブラウスをはだけ、顔には意識のない表情を浮かべ、夫である一般社員の陳宇の前に従順に立っている。その姿はまるで催眠術にかけられた操り人形のようだった。
「何を…何をしているんだ?」趙磊の声は震えていた。彼の脳裏には一瞬でさまざまな疑念がよぎる。これは事故なのか?それとも何かの陰謀なのか?
林薇の体が強く震えた。演技を続けるべきか、それとも止めるべきか。彼女の心に迷いが走った。しかし、彼女はすぐに選択を迫られた。このまま催眠のポーズを維持するのだ。夫が指示を出さない限り。陳宇が夫であることを趙磊に知られるわけにはいかない。この偽装は絶対に守らなければならない。
「おい、趙磊。ドアを閉めてくれないか?」陳宇の声は意外なほど冷静だった。まるで何事もなかったかのように振る舞っている。「ちょっとした…プライベートなゲームをしていただけだ」
「ゲーム?」趙磊の視線は林薇から離れない。彼女の虚ろな目は彼の心臓を激しく打ち鳴らした。「彼女…社長は…催眠術にでもかかっているのか?」
陳宇はゆっくりと趙磊の前に歩み寄り、彼の肩に手を置いた。「ああ、そうだ。催眠術だ。俺はたまたま少しかじっていてな…彼女に協力してもらっていたんだ」
「そんな…ありえない…」趙磊は首を振った。「彼女は社長だぞ。お前みたいな一般社員に、そんなことをされるわけがない」
「だが、現にこうなっている」陳宇は振り返り、林薇に向かって声をかけた。「おい、社長。今から『私は陳宇にすべてを委ねます』と復唱しろ」
林薇はすぐに従い、感情のない声で繰り返した。「私は陳宇にすべてを委ねます」
趙磊の顔色が一瞬で青ざめた。彼の目には信じられないほどの衝撃と、そしてどこか複雑な欲望の色が混ざり始めていた。