# 第一章:太古の覚醒
皇朝の深奥、誰も立ち入ることを許されない密室に、洛清漪は独り立っていた。壁には九つの彫像が刻まれ、その中の八つは女性の姿をしていた。長い歳月の風雪に耐え、すでにかすかに色褪せていたが、その輪郭には未だに天を衝く気品が宿っていた。
洛清漪の指先が、そっと中央の封印に触れた。瞬間、古い呪文が壁面に浮かび上がり、金色の光が部屋中に溢れた。彫像が砕け散り、無数の光の破片が空中に舞い踊る。その中から八つの人影が現れた。
先頭に立つ女性は、白い衣をまとい、顔には一片の氷のような冷たさがあった。氷の結晶が彼女の周りを漂い、温度さえも急激に下がったように感じられた。彼女が一歩前に進み、ひざまずいた。
「臣・雲裳、主君を拝見する。」
その声は冷たく、まるで千年の氷が割れるようだった。続いて七人の女性が次々とひざまずき、それぞれが異なる風格を帯びていた。一人は影のように捉えどころがなく、一人は星を身にまとい、一人は花のように美しく、一人は煙のようにたなびいていた。
洛清漪は動かず、自分の手のひらを見つめた。そこには金色の烙印が燃えていた。太古の契約の印だ。彼女の声はわずかに震えていた。
「あなたたちは…」
「我々は太古の八大女皇。」雲裳が頭を上げた。その瞳には深遠なる光が宿っている。「万年前、天劫により封印された。今、主君が我々を目覚めさせた。これこそ天命の定め。」
「なぜ私が主なのか?」洛清漪の目は鋭かった。
「太古の予言に曰く、封印を解く者こそ、我々の永遠の主となると。」雲裳の声には疑いの余地がなかった。「我々は主君に忠誠を誓い、主君のために九界を征服する。」
洛清漪はゆっくりと八人の女皇を見渡した。その一人ひとりが絶世の美女であり、一人として他に劣らぬ美しさを持っていた。彼女の胸中に、燃えるような野心が湧き上がってきた。この国は小さすぎる。九界こそ、彼女の舞台であるべきだ。
「九大勢力を征服する。」洛清漪の声は低く、しかし疑いの余地はなかった。「まず九人の絶世の美女を手に入れろ。彼女たちは九大勢力の舵取り役だ。」
雲裳は立ち上がり、両腕を広げた。氷の気が吹き荒れ、周囲の空気が凝結した。床には厚い氷の層が広がり、壁には霜の花が咲き乱れた。彼女の唇からは白い息が漏れた。
「氷霜領域。」
室内の温度が急激に下がり、洛清漪でさえ寒さを感じた。しかし雲裳はすぐにその力を収め、再び跪いた。
「ご覧の通り、我々の力は依然として健在です。」
雲裳に続き、月影が一歩前に進んだ。彼女の身体は徐々に透明になり、影となって壁に溶け込んだ。次の瞬間、彼女は洛清漪の背後に現れた。その手には、一振りの短剣が握られていた。
「暗影遁形。」月影の声は耳元でささやくように聞こえた。「影のあるところ、どこへでも行けます。」
霜華は冷淡に笑い、両手をかざした。空気中の水分が瞬時に凝結し、無数の氷の針が形成された。彼女が手を振ると、氷の針は壁に突き刺さり、厚い氷の層を残した。
「氷封千里。」霜華の声は氷のように冷たかった。「一瞬で千里を凍らせることができます。」
他の女皇たちもそれぞれ力を示した。星璇は手のひらで星の光を集め、霓裳の舞う姿は花びらが舞い散るかのようで、碧落の周りには生命力が溢れ、紫煙の指先からは紫の煙が漂い、紅蓮の拳からは炎が噴き出した。
洛清漪は満足げにうなずいた。彼女は地図の前に歩み寄り、指を九つの地点になぞった。
「九路に分かれて進軍する。各路は一つの勢力を担当。私が自ら一路を率いる。」彼女の声には揺るぎない意志が込められていた。「目標は九大勢力の舵取り役。生け捕りにせよ。」
雲裳は再び跪き、両手を差し出した。そこには一振りの剣と一着の鎧があった。剣身は青白く輝き、周囲の温度さえも下げていた。鎧は水晶のように透き通り、内側には氷の花の模様が浮かび上がっていた。
「これは『九天玄女剣』と『冰魄寒甲』。太古の神器。主君の力を増幅させる。」
洛清漪は剣を受け取り、軽くなでた。剣身は清らかな音を立て、その音には森厳な気が満ちていた。彼女は鎧を身に着けると、一陣の冷気が全身を包み込んだ。
「よし。」彼女は剣を鞘に収めた。「各部隊に出発の準備を命じよ。」
八大女皇はそれぞれ兵を率いて皇宮を後にした。洛清漪は城楼に立ち、遥か遠くを見つめた。彼女の足元には無限に広がる領土が広がり、胸中には征服への野望が渦巻いていた。
この九界は、変わるだろう。彼女の手によって。