目覚めた時、沈清寒は違和感を覚えた。
前世の記憶が、まるで昨日のことのように鮮明に脳裏に浮かぶ。仙界の頂点に立ち、万物を睥睨した清冷なる仙尊としての記憶が、今のこの弱々しい肉体に流れ込んでいる。彼はゆっくりと目を開け、見慣れない天井を見つめた。
「転生……か」
囁くように呟いたその声は、前世の冷徹な響きとは程遠い、未成熟な少年のものだった。彼は起き上がり、自分の体を見下ろす。細く白い腕、華奢な体躯。これが今の自分の姿だと認識するのに、数秒の時間を要した。
その時、空間が歪み、無数の光の粒が集まって一つの意識が形作られた。世界意識――万物を統べる理そのもの。それは沈清寒の前に現れ、言葉を発した。
「仙尊よ、汝の転生は我が意図するところなり」
沈清寒は眉をひそめることなく、ただ静かにその声を聞いていた。世界意識は続ける。
「汝は前世で世界を救った。その功績により、新たな生を与えられた。しかし、転生に伴い、汝の修為は著しく減少している。それを回復するためには、条件がある」
「言え」
短い言葉の中に、前世の威厳が微かに滲む。世界意識は一切の感情を込めずに告げた。
「精液を受け入れよ。それによってのみ、汝の修為は徐々に回復する。過程は苦痛を伴うが、汝の外面イメージ――この世界で言う『イケメン』『男神』――を保つことで、その苦痛は軽減される。汝の美貌は、この世界では武器となるのだ」
沈清寒の瞳がわずかに揺れた。仙尊としての誇りは、この条件を即座に拒絶するよう叫んでいた。だが、彼は同時に理解していた。この弱体化した肉体では、世界の理に逆らうことは不可能に近い。それに、前世の記憶を保持していることが、既に最大のアドバンテージだった。
「……受け入れよう」
冷淡な声でそう応えると、世界意識は満足げな波動を放ち、消え去った。残された沈清寒は、ベッドの上で拳を握りしめる。尊厳か、生存か。その葛藤が心の奥底で渦巻いているのを感じながら、彼は立ち上がった。
時計は朝の七時を指している。高校三年生の一日が、始まろうとしていた。
リビングに下りると、継父の李胖子が既にソファに座っていた。肥満した体がスーツをはち切れんばかりに膨らませ、脂ぎった顔ににこやかな笑みを浮かべている。その目は、しかし、沈清寒の体を舐め回すように這っていた。
「清寒、起きたか。今日から新学期だな。しっかり朝食を食べていけよ」
「はい、父さん」
無表情で応じる沈清寒に、継父はさらに近づいてきた。その手が、自然な仕草を装って肩に触れる。ぞわり、とした嫌悪感が背筋を走るが、それを表に出さず、沈清寒は食卓へと向かった。背後から、継父のねっとりとした視線が突き刺さっている。
朝食は豪華なものだった。だが沈清寒が口をつけた牛乳に、微かな違和感を覚える。前世で培った鋭敏な感覚が、ほのかな苦味と化学的な後味を察知した。――薬だ。
彼は表情を変えずに牛乳を飲み干した。そして少し間を置いて、わざとらしく頭を押さえ、体を揺らし始める。
「どうした、清寒? 顔色が悪いぞ」
継父がすぐに駆け寄ってくる。その声には、心配を装った期待が混じっていた。沈清寒は目をうつろにさせ、言葉を濁す。
「少し……めまいが……」
「それはいけない。部屋で休ませてもらおう」
継父の腕ががっしりと肩を掴み、沈清寒を支えるようにして二階へと連れて行く。その指が、布地の上でなにかを確かめるように動くのを、沈清寒は清醒した意識で感じ取っていた。
自室のベッドに横たわされた沈清寒は、目を閉じて呼吸を整えるふりをした。継父が部屋のドアを閉める音、鍵がかかる金属音。そして、荒い息遣いが近づいてくる。
「清寒……お前は本当に綺麗だ。最初に家に来た時から、ずっとそう思っていた」
継父の手が、制服のボタンに触れる。沈清寒は瞼の裏で静かに状況を分析していた。抵抗はしない。それは無意味だ。むしろ、この状況を利用して、少しでも早く修為を回復させる方が賢明。それに――世界意識の言葉通り、この辱めを耐えれば、いずれ自分は再び力を取り戻す。
ボタンが外され、冷たい空気が肌に触れる。継父の肉厚な手が、シャツの下から直接這い入ってきた。柔らかく、若々しい肌の感触に、継父の呼吸がさらに荒くなる。
「はぁ……本当に良い肌だ……」
手のひらが胸の突起を撫で、軽く抓む。前世では誰も触れることすら許さなかったその場所を、今はこんな男の手が弄っている。屈辱感が脳髄を焼くが、同時に、体中に奇妙な熱が広がっていくのを感じた。この体が、薬のせいで敏感になっているのだ。快感が、意に反して神経を刺激する。
「うっ……」
思わず漏れた声に、継父が愉悦の表情を浮かべる。彼は乱暴にズボンを引き下ろし、沈清寒の脚を開かせた。
「最初は痛いかもしれないが、すぐに慣れるさ」
そう言って、継父は自身の衣服を脱ぎ、肥満した裸体を露わにした。その下腹部にぶら下がる、異様に大きな肉塊が、既に膨張している。沈清寒は目を閉じたまま、すべてを受け入れる準備をした。
継父がその熱く硬いものを、沈清寒の秘部に押し当てる。無理矢理に割り開かれる感覚、熱い異物が体内に侵入してくる衝撃。前世の記憶を手放せば、この苦痛はもっと楽になるのかもしれない。しかし、彼はそれを拒んだ。この経験こそが、いつか必ず復讐に変わる。その確信だけが、今の彼を支えていた。
「くっ……」
圧迫感と痛みの中、継父の肉棒が完全に奥まで挿入される。抽挿が始まると、部屋の中に湿った水音が響き始めた。継父は腰を激しく動かしながら、手で沈清寒の胸や腰を撫で回す。
「ああ……清寒……お前の中は最高だ……」
継父の汗が、沈清寒の腹に滴り落ちる。薬の効果か、あるいは修為回復の条件のせいか、痛みの中に奇妙な甘美さが混ざり始めている。脳裏で、なにかが溶けていくような感覚があった。
やがて継父の動きが加速し、体が激しく震えたかと思うと、どろりとした熱い液体が子宮の奥に放たれた。それが全身を駆け巡り、沈清寒の体が小さく痙攣する。同時に、枯渇していた仙界の力が、わずかながら蘇るのを感じた。
「はぁ……はぁ……」
継父が乱れた呼吸を整えていると、突然、部屋のドアがノックもなく開かれた。
「ご主人様、お客様が――」
入ってきたのは、老執事だった。年老いて肥満した体を揺らしながら入ってきた彼は、ベッドの上の光景を目にすると、一瞬固まった。そして、次の瞬間には、にたりと卑猥な笑みを浮かべていた。
「おやおや、これは……失礼いたしました」
そう言いながらも、彼は部屋を出ていくどころか、むしろゆっくりと近づいてくる。その目は、沈清寒の裸体に釘付けになっていた。
「老いぼれ、出て行け!」
継父が怒鳴る。しかし老執事は怯むことなく、むしろ平然と応じた。
「ご主人様、お一人で楽しまれるのはお寂しいのでは? よろしければ、私もご一緒に……」
「なにを言うか! この不届き者が!」
継父の怒声が響く。だがその言葉とは裏腹に、彼は老執事を本気で追い出そうとはしなかった。沈清寒は全てを見抜いていた。この二人は、最初から共謀しているのだ。継父の怒りは、演技に過ぎない。
やがて、継父がため息をついた。
「……仕方ない。今日だけだぞ」
その言葉を合図に、老執事は衣服を脱ぎ始めた。弛緩した年老いた肉体が露わになる。継父よりもさらに小さな、しかし勃起した肉棒が、唾液で濡れたように光っていた。
「若様、失礼いたします」
老執事の汚れた手が、沈清寒の脚を掴み、広げる。継父が放った精液が、太腿を伝ってシーツに染みを作っている。その跡を舐めるように、老執事の舌が這った。
「若様は本当に美味しそうだ……」
舌が秘部を這い、中の残液を吸い取る。その刺激に、沈清寒の体が再び反応し始める。続けて、老執事は自身の肉棒を挿入した。継父よりも細く短いが、それでも異物感は強い。老執事は経験豊かな手つきで腰を動かし、時折角度を変えながら突き上げる。
「ふん……ふん……」
老執事の荒い息遣いが耳元で響く。一方、継父はそれを横目に見ながら、ペニスを再び硬くさせ、老執事の後ろから覆いかぶさるように、沈清寒の口に自身の肉棒を押し込んだ。
「口でもよく味わえ」
無理矢理に開かされた口に、継父の肉棒が深々と挿入される。生臭い味と汗の塩気が舌の上に広がる。前後から同時に犯される感覚に、沈清寒の意識が混濁し始める。だが、それでも彼は必死で正気を保った。
「うっ……うう……」
口を塞がれた嗚咽と、下腹部を穿たれる水音が部屋に響く。老執事の動きが激しさを増し、継父もそれに合わせて腰を打ち付ける。三人の体が一つに絡み合い、汗と体液が混ざり合う。
「イク……! イクぞ!」
老執事が体を硬直させ、奥深くに熱い液体を放った。同時に、継父も喉の奥に精液を吐き出す。二つの熱が体内で混ざり合い、沈清寒の腹の奥底でじんわりと拡がっていく。修为が、確かに回復していく。しかしそれは同時に、自分が堕ちていく感覚でもあった。
「ふぅ……すっきりした」
老執事が体を引き抜き、精液を垂らしながら立ち上がる。継父も同様に口から抜き、乱れた衣服を整え始めた。二人は視線を交わし合い、暗黙の了解を確認し合う。この関係を続ける。それでいい。
「清寒。よく休めよ」
継父が、優しげな口調でそう言い残し、老執事を連れて部屋を出ていった。鍵がかけられる音。沈清寒は一人、汚れたベッドの上に横たわったまま、天井を見つめていた。
体内に残る精液が、ゆっくりと力に変わっていく。その感覚は確かに存在した。彼はゆっくりと起き上がり、乱れた衣服を直す。窓の外では、新学期を迎えたキャンパスの喧騒が聞こえ始めていた。
「これから……か」
彼の口元に、冷たい笑みが浮かぶ。この屈辱を糧に、いつか必ず力を取り戻す。その時こそ、全ての者に報いを与えるのだ。仙尊としての矜持を胸の奥にしまい込み、沈清寒は新しい一日を歩み始める準備をした。