二重の枷

站点:NovelAI.one内容:前8章在线试读ID:0d1eae27更新:2026-07-13 02:21
豪奢な屋敷の奥にある書斎で、蘇晴は父親の机の引き出しから一通の封筒を取り出した。表面には「群芳閣・極秘」と印字されている。彼女の指先がわずかに震えた。この商会が表向きは高級娯楽施設でありながら、裏では人身売買の巨大なネットワークを牛耳っていることを、彼女は幼い頃から薄々感じていた。だが、実際にこの書類を手にするまでは、
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逃亡と迷い込み

豪奢な屋敷の奥にある書斎で、蘇晴は父親の机の引き出しから一通の封筒を取り出した。表面には「群芳閣・極秘」と印字されている。彼女の指先がわずかに震えた。この商会が表向きは高級娯楽施設でありながら、裏では人身売買の巨大なネットワークを牛耳っていることを、彼女は幼い頃から薄々感じていた。だが、実際にこの書類を手にするまでは、自分の家族がその中枢にいるとは信じたくなかった。

窓の外で物音がした。蘇晴が顔を上げた瞬間、ガラスが砕け散り、黒い弾丸が彼女の耳元をかすめて壁に突き刺さった。悲鳴を上げる間もなく、二発目の銃声が響き、階下からどっと騒ぎが沸き起こる。父の怒号、母の悲鳴、そして何かが倒れる鈍い音。

「お嬢様、こちらへ!」

老執事の陳が書斎の扉を蹴り開け、蘇晴の腕を掴んで裏階段へと引きずった。彼の顔には脂汗が浮かび、声は切迫していた。

「仇家の者どもです。ご両親は…もう。」

陳は言いかけて唇を噛み、二階の廊下を駆け抜けた。裏庭には大型トラックが停まっていた。荷台には無数の女性用衣類と、見覚えのある鉄製の檻が積まれている。それは群芳閣が新たに「確保」した奴隷を島へ運搬するための車両だった。

「隠れてください。ここしかない。」

陳は蘇晴を荷台へ押し上げ、大量の毛布の下に彼女の身体を押し込んだ。その瞬間、屋敷の玄関が破られる音がした。靴音が玄関ホールから階段へと殺到する。陳はトラックの運転席に飛び乗り、エンジンを始動させた。

車両が急発進する。蘇晴は毛布の中で息を殺し、耳を澄ませた。背後から銃声と怒号が追いかけてくる。体は震え、涙が止まらない。両親の死、一族の崩壊、そして今この車に隠れていることの皮肉。群芳閣の運搬車は、彼女の家族が築き上げた悪の一端だった。その同じ車に、今や自分が救いを求めて潜り込んでいる。

車は舗装路から未舗装の道へと入り、激しい揺れが始まった。蘇晴は頭を打ち、意識が薄れていく。視界が暗転する間際、彼女は運転席で陳が何かを叫んでいるのを聞いた。しかし言葉は届かない。ただ、全身を包む冷たい闇だけが広がった。

気がつくと、蘇晴はコンクリートの床に横たわっていた。頭が割れるように痛み、喉はカラカラに乾いている。薄目を開けると、見慣れない天井があり、周囲からは女性たちのすすり泣きが聞こえる。

「新しいのが来たよ。」

誰かの声がした。蘇晴が体を起こすと、自分は広い倉庫のような部屋にいることに気づいた。周りには十人ほどの女性たちが座り込んでおり、全員が粗末な灰色の服を着せられている。彼女たちの目は虚ろで、皮膚には痣や傷跡が刻まれていた。

「どこだ、ここは。」

蘇晴はかすれた声で尋ねた。答えの代わりに、鉄のドアが重々しく開かれ、鞭を手にした屈強な女が入ってきた。教官阿丽だった。彼女の目は鋭く、蘇晴の全身を一瞥すると、冷たい笑みを浮かべた。

「新入りか。群芳閣からの納品書には、お前は特注品と書いてある。島に着くまではまともな扱いを受けると思ったか?甘いぞ。」

阿丽は鞭を床に打ちつけ、鋭い音が倉庫に響いた。蘇晴は自分の置かれた状況を理解しようと必死だった。ここは奴隷島。家族が運営していた調教施設のひとつ。自分は仇家に追われ、逃げ込んだ先がまさにその島への輸送車だった。そして今、自分は新たに捕獲された奴隷として扱われている。

「お前はこれから、ここでのルールを叩き込まれる。反抗すれば罰が待っている。逃げ場はない。島の周囲は鮫の海だ。覚悟しろ。」

阿丽はそう言い放つと、蘇晴の腕を掴み、立たせた。蘇晴は歯を食いしばった。家族の因習、仇家の復讐、そしてこの島の鉄の掟。三つの枷が自分の首を締め付けている。だが、彼女はまだ生きていた。生きている限り、逃げ道を探し続けるつもりだった。

倉庫の外では、波が岸壁を打つ音が絶え間なく響いていた。

身分の剥奪

蘇晴は全身に汗をかきながら、金属のテーブルに手をついていた。彼女の前には三人の男が立っている。制服を着た奴隷管理局の職員たちだ。そのうちの一人が書類をめくりながら、無表情で言った。

「もう一度言う。お前は蘇晴か?」

「はい。私は蘇晴です。蘇家の一人娘です。父は蘇正明——」

「蘇正明は三日前に死んだ。お前のその身分証明書も、もう効力はない。」

男は冷たく言い放ち、手に持った書類を机の上に投げ出した。その紙はゆっくりと滑り、蘇晴の目の前で止まった。そこには「奴隷登録申請書」と大きく書かれている。

蘇晴の呼吸が一瞬止まった。

「ちょっと待ってください。なぜ私が奴隷に——」

「借金だ。蘇家は仇家に巨額の借金を負っている。その担保として、お前は差し出された。今のお前の身分は、番号0721。自由を持つ者ではない。」

職員の声は事務的で、そこに感情は一切なかった。まるで物の受け渡しをしているかのようだった。

蘇晴は頭が真っ白になるのを感じた。自分が奴隷になる? ありえない。何かの間違いだ。しかし周りを見渡せば、灰色の壁、閉ざされた鉄の扉、監視カメラの赤いランプ——すべてが現実だと告げていた。

「私は蘇晴よ! 父を知っている人なら誰でも私の正体を証明できる! 管家の老陈を呼んで!」

彼女は声を張り上げた。だが職員たちは顔を見合わせるだけで、一人が無線機で何かを伝えた。数分後、年老いた男が足早に部屋に入ってきた。老陈だ。蘇家で二十年近く仕えてきた管家だった。

「お嬢様!」

老陈は駆け寄ろうとしたが、職員に腕を掴まれ止められた。彼は必死に叫んだ。

「この子は本当に蘇家の娘です! あなたたち、間違っている!」

「老陈、証拠はあるのか? 現在蘇家は崩壊し、全ての財産は差し押さえられている。身分を証明する書類もない。この女が蘇晴だという証拠は?」

職員の問いに、老陈は唇を噛みしめた。彼は蘇晴を見つめた。その目には無力さと悲しみが混ざっていた。

「書類は……すべて焼かれた。仇家が襲撃した時、屋敷も一緒に……」

「ならば決定は変わらない。彼女は0721番奴隷として登録される。」

職員はそう言って、机のボタンを押した。部屋の隅にある小さなスピーカーから、ブザー音が響いた。すぐに二人の屈強な警備員が入ってきて、蘇晴の腕を掴んだ。

「やめて! 放して!」

蘇晴は必死に抵抗した。しかし華奢な体は警備員の力に敵わない。彼女は引きずられながら、部屋を出された。後ろから老陈の声が聞こえた。

「お嬢様! 耐えてください! 必ず何とかするから!」

その声は、鉄の扉が閉まる音でかき消された。

暗い廊下を進む。両側には同じような鉄の扉が並んでいた。ところどころに番号が刻まれている。0720、0719……蘇晴の心臓が激しく打ち鳴っていた。ここは奴隷島。一度入れば、二度と出られないという場所。伝説の調教師たちが支配する地獄だ。

彼女は必死に自分に言い聞かせた。慌てるな。まだわからない。何か手はある。必ずある。

警備員が一つの部屋の前で立ち止まった。番号は0721。鉄の扉が軋みながら開かれ、蘇晴は中に押し込まれた。部屋は狭く、ベッドと呼べるものもなく、床に一枚の薄いマットが敷かれているだけだった。壁はむき出しのコンクリートで、湿った空気が鼻を突いた。

「ここで待っていろ。明日、訓練が始まる。」

警備員は冷たく言い残し、扉を閉めた。鍵がかかる音が響く。

蘇晴は床に崩れ落ちた。涙が溢れそうになったが、ぐっとこらえた。今泣いても何も変わらない。むしろ、冷静にならなければ。

彼女は深く息を吸い込み、考えを整理した。

身分は剥奪された。蘇家はもうない。父も母も……いや、今は考えるな。生き抜くことだけ考えろ。

そして脱出の機会を伺う。それまでは、奴隷としての訓練を受け入れるしかない。

蘇晴は拳を握りしめた。爪が掌に食い込む痛みが、彼女を現実に引き戻した。

「私は……負けない。」

そう呟いた時、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。明日は、新たな訓練が始まる合図だ。彼女は立ち上がり、鉄格子に手をかけた。窓の外は真っ暗で、何も見えない。だがその闇の向こうに、必ず出口があると信じたかった。

そうでなければ、ここで生きる意味がない。

その夜、蘇晴は一睡もできなかった。耳を澄ませると、遠くで誰かの叫び声が聞こえる。おそらく、他の奴隷たちの悲鳴だ。彼女は震えながらも、自分に言い聞かせた。

明日から、私は0721番奴隷。でも、心の中では蘇晴であり続ける。

そのアイデンティティだけは、誰にも奪わせない。

夜明けと共に、鉄の扉が再び開かれた。そこに立っていたのは、筋骨隆々の女性教官——阿丽だった。彼女は鞭を手に、冷めた目で蘇晴を見下ろした。

「お前が新入りか。名前は?」

「……蘇——」

「名前なんていらない。番号で呼べ。0721番。ここでは全てが新たに始まる。過去の身分も、名前も、意味を持たない。」

阿丽は鞭を振り、鋭い音を立てた。その音は、蘇晴の心臓をえぐるように響いた。

「さあ、来い。訓練場へ行くぞ。お前の生まれ変わりの始まりだ。」

蘇晴は唇を噛みしめ、ゆっくりと立ち上がった。体は震えていたが、目には僅かな炎が灯っていた。

死ぬわけにはいかない。生きて、必ずここを出る。

その決意を胸に、彼女は一歩を踏み出した。

全裸の契約

その日、蘇晴は目を覚ますと、見知らぬ薄暗い部屋に横たわっていた。コンクリートの壁からは湿った匂いが漂い、天井の裸電球が明滅しながら彼女の肌を照らしていた。全身が鉛のように重く、手足は細い鎖でベッドフレームに縛り付けられている。彼女は必死に記憶を手繰り寄せた。最後に見たのは、父の書斎に押し入った覆面の男たちだった。

「起きろ。」

冷たい声が耳元で響いた。教官アリがベッドの脇に立ち、鞭を手にしている。彼女の目には一片の同情もなかった。蘇晴は唇を噛みしめ、ゆっくりと上体を起こした。

「ここはどこだ?私はなぜここにいる?」

アリは答えなかった。代わりに、彼女は手を伸ばして蘇晴のシャツの襟元をつかみ、一気に引き裂いた。布地が裂ける鋭い音が部屋に響く。蘇晴の裸の胸が冷たい空気に晒された。彼女は慌てて腕で隠そうとしたが、鎖が動きを妨げた。

「やめろ!何をする気だ!」

アリは無視した。彼女は素早く蘇晴のジーンズのボタンを外し、ズボンをずり下げた。抵抗しようともがく蘇晴の手足に鞭が一閃し、白い肌に赤い跡が浮かび上がる。痛みに蘇晴は息を呑み、体が硬直した。

「黙ってじっとしていろ。お前の意志は関係ない。」

アリの手は容赦なく動き、下着さえも奪い去った。蘇晴は全裸でベッドの上に横たわり、両腕と両脚を鎖に繋がれたまま、無力な姿勢を強いられた。彼女は涙をこらえ、必死に唇を噛んだ。だが、アリはさらに奥の壁に向かって合図を送った。壁に取り付けられた三台のカメラが、赤いランプを点滅させながら、すべての角度から彼女を捉えていた。

「しっかり映せ。記録は後で確認する。」

アリはカメラに向かって指示を出すと、蘇晴の腕の鎖を外した。しかし、その自由は一瞬だった。アリは蘇晴の髪をつかんで引っ張り上げ、ベッドから引きずり降ろした。裸足のまま冷たいコンクリートの床に立ち、蘇晴は全身の震えを抑えられなかった。

「立ってろ。カメラに向かって正面を向け。」

蘇晴は従うしかなかった。アリの手にはいつ鞭が振り下ろされてもおかしくなかった。彼女は裸のまま、裸電球の真下で立たされた。自分の裸体がカメラのレンズに映し出されていることを想像すると、胃の底から何かがこみ上げてきた。しかし、吐くことも許されなかった。

「次は契約書だ。」

アリは机の引き出しから一枚の書類を取り出した。用紙の上部には「自発的売身契約書」と太字で印刷されていた。蘇晴はその文字を目にした瞬間、全身の血の気が引くのを感じた。

「何を言っている?私は何も自発的に売身なんてしていない!」

「うるさい。お前がそう言ったという記録が必要なだけだ。」

アリは蘇晴の指をひと掴みし、インクパッドに押し付けた。そのまま、契約書の署名欄に無理やり拇印を押させる。指紋が赤黒く紙の上に残った。

「まだ終わらない。もう一つ、お前の体で押す印がある。」

蘇晴の心臓が大きく跳ねた。アリは机の上にあった一本のスティック状の印鑑を取り出し、その先端に濃い朱肉を塗りたくった。蘇晴の腰を押さえ、無理やり足を開かせると、冷酷な手つきでその印鑑を彼女の秘部に押し込んだ。冷たく硬い感触が粘膜を裂くように侵入し、蘇晴は悲鳴を上げた。アリはそのまま印鑑を強く押し付け、契約書の下部に丸い跡を残した。朱肉と体液が混ざり合い、紙の上でにじんだ。

「これでお前の自発的な意志が正式に記録された。あとはビデオだけだ。」

蘇晴は震える膝を支えきれず、床に崩れ落ちそうになったが、アリが腕を引っ張って立たせた。カメラの前で、裸のままの彼女に一枚の台本が手渡された。

「読め。はっきりと、間違えるな。」

蘇晴の手は震えていた。台本には、自ら進んで売身する旨の台詞がぎっしりと書かれていた。最初は、口を開くことすらできなかった。しかしアリが鞭を振り上げる素振りを見せると、蘇晴は涙を流しながら読み始めた。

「私は…蘇晴は、自らの意思で…この身を、奴隷として売り渡すことを、ここに誓います…」

声は震え、涙で台本の文字が歪んだ。それでもアリは容赦なく、何度も何度も撮り直させた。台詞を噛むたびに、鞭が肌を打った。二度、三度、五度。ついに蘇晴は、台詞を淀みなく、感情を込めずに読み上げることができるようになった。その瞬間、彼女の心の中で何かがぽっきりと折れた。

カメラのランプが消えた。アリは満足げにうなずき、書類と撮影済みのメモリーカードを金庫にしまった。蘇晴は床に膝をつき、自分の両腕で体を包み込んだ。すべてが終わったわけではない。これが始まりに過ぎないことを、彼女の本能が告げていた。

部屋の隅で、管家老陳が黙ってその一部始終を見守っていた。彼の目には苦渋の色が浮かんでいたが、彼にできることは何もなかった。システムのルールは絶対であり、蘇家に忠誠を誓う彼でさえ、その流れを変えることはできなかった。ただ、蘇晴が生き延びることを祈ることしか、彼には許されていなかった。

身体検査

検診室は冷たく、白い蛍光灯が無機質に照らしていた。蘇晴は二人の屈強な女看守に両腕を掴まれ、金属製の台の上に押し付けられた。

「服を脱げ。」

女教官アリの声には一切の感情がなかった。それは命令であり、拒否の余地などなかった。

蘇晴は唇を噛みしめた。蘇家の令嬢として、これまで誰かにこんな言葉をかけられたことなど一度もなかった。しかし今、彼女は奴隷だった。この島では、抵抗は無意味だとすでに痛感していた。

震える指で、彼女はゆっくりと粗末な布の上衣のボタンを外した。一枚、また一枚と肌が空気に晒されるたびに、羞恥が全身を駆け巡った。最後の一枚が外れ、上衣が床に落ちると、女看守は無造作に彼女のスカートの紐を解いた。布地がするりと足元に滑り落ち、蘇晴は全裸で立ち尽くした。

「台に仰向けになれ。両脚を開け。」

医師は老練な女性だった。白い医療用のガウンを着て、目にはどこか無機質な光を宿している。彼女は手に持った金属製の器具を消毒しながら、機械的に指示を出した。

蘇晴は台の冷たさを背中に感じた。天井の明るすぎる照明が目に染みる。彼女は歯を食いしばり、指示通りに両脚を開いた。膝が震え、全身が緊張で硬直していた。

医師がゴム手袋をはめた指を、何の前触れもなく彼女の体内に挿入した。

「あッ……!」

蘇晴の体が跳ねた。冷たい異物の感触に、内臓がすべて収縮するような衝撃が走る。

「動くな。測定に支障が出る。」

医師の声は相変わらず冷静だった。指が内部で動き、角度を変え、深さを測る。時折、メモを取りながら、彼女は無機質な声で数字を読み上げた。

「膣深度、約八センチ。収縮力、良好。弾力性、基準値以上。」

蘇晴は天井の一点を見つめ、自分に言い聞かせた。これはただの身体検査だ。私は生き延びるんだ。耐えろ、耐えるんだ。

だが、医師の指が特定の場所を掠めた瞬間、彼女の体は抗うことなく反応した。電流が走ったように腰が浮き、口からは抑えきれない声が漏れた。

「反応良好。感度、高い。」医師は淡々と記録を続けながら、意図的にその一点を指で圧した。

「やめ……て……!」

蘇晴は両手で台の端を掴み、必死に耐えようとした。しかし、医師の指は容赦なく動き続け、規則正しいリズムで彼女の敏感な場所を撫で上げる。理性とは無関係に、彼女の体は次第に熱を帯び、内部が潤み始めた。

「高品質の繁殖個体として登録する。この感度は貴重だ。」

医師の言葉が辱めをさらに深く刻む。蘇晴は涙が目尻を伝うのを感じた。なぜ、なぜこんなことを……。

指の動きが加速する。蘇晴の呼吸は荒くなり、全身の力が抜けていく。彼女は必死に絶頂を拒もうとしたが、あまりにも長く耐えていた体は、ついにその快楽に屈してしまった。

「あ……ああっ……!」

全身が痙攣し、視界が白く染まった。その瞬間、彼女の尊厳の最後の一片までもが、無慈悲に粉々に砕かれた。

医師は何事もなかったかのように指を抜き取り、記録用紙に何か書き込んだ。「検査終了。データは本部に送っておく。」

蘇晴は台の上で動けずにいた。涙が止まらず、体中が震えていた。女看守が再び彼女の腕を掴み、無理やり起こした。

「着替えろ。次の工程だ。」

蘇晴は震える手で、用意された新しい服を手に取った。それは前よりもさらに粗末で、胸と股間だけをかろうじて覆うだけの黒い布切れだった。それを身に着けた瞬間、彼女はある確信を得た。

もう、戻れない。

元の自分には決して戻れない。

それでも、生きる。生きて、いつか必ず、この枷を打ち砕く。

蘇晴は涙を拭い、顔を上げた。その瞳には、先ほどまでとは違う、冷たく研ぎ澄まされた光が宿っていた。

フェラチオ訓練の開始

第5章 フェラチオ訓練の開始

蘇晴が目を覚ましたとき、彼女はコンクリートの床の上に倒れていた。冷たい感触が頬を刺し、全身の痛みが徐々に意識に戻ってくる。記憶の断片が洪水のように押し寄せる——裏切られた晩餐、狙撃手の閃光、そして管家老陳の悲痛な叫び。

「蘇晴様、ご無事ですか?」

老陳の声が耳元で響く。彼の手が震えながら彼女の肩を支えた。蘇晴はゆっくりと体を起こし、周囲を見渡した。鉄格子の向こうには無数の檻が並び、それぞれに絶望に沈んだ顔があった。空気は湿気と汗と、何か甘ったるい腐敗臭で満ちている。

「ここは…」

「奴隷島の訓練キャンプです、様。私も監禁されましたが、どうにかあなたの近くに来ることができました。」老陳の声は嗄れていた。「システムのルールに従えば、すべての新入りは訓練を受けなければなりません。」

そのとき、鉄のドアが軋みながら開いた。一人の女が入ってくる。筋肉の盛り上がった腕に、顔には無数の傷跡が走っていた。彼女は鞭を手に、鋭い目つきで蘇晴を見下ろした。

「新入りはお前か。私は教官アリだ。これからの三ヶ月、お前のすべてを管理する。」

蘇晴は立ち上がろうとしたが、足首に鎖が絡まってよろめいた。それでも彼女は顎を上げ、アリの目を真っ直ぐに見つめた。

「私は蘇家の娘よ。こんな場所にいるべき人間じゃない。」

「蘇家?」アリは軽く笑った。「ここではすべての人間が平等だ。お前の家柄も地位も、ここではただの数字に過ぎない。番号は四七。覚えろ。」

彼女は鞭で地面を叩いた。鋭い音が檻の中に響く。蘇晴は全身が強張るのを感じたが、歯を食いしばって声を出さなかった。

「訓練を始める。ついてこい。」

アリは振り返らずに歩き出した。老陳が蘇晴の腕を支え、彼女は必死の思いで足を引きずりながら後を追った。通路の両側には監視カメラが無数に取り付けられ、赤いランプがまばたきのように点滅している。

訓練室は殺風景な白い部屋だった。中央には簡素な椅子が一つ置かれ、壁には様々な器具が掛けられている。その中でも蘇晴の目に飛び込んできたのは、人間の陰茎を模した人工物だった。シリコン製のそれは、あまりにも生々しい色と形をしていた。

「今日の訓練項目は口淫技術だ。」アリは冷たく言い放った。「奴隷にとって、客を満足させることは最も基本的な技能の一つだ。お前はそれから学ぶ。」

蘇晴の顔色が一瞬で青ざめた。彼女は老陳の方を振り返るが、老人はただうつむき、拳を握りしめているだけだった。

「拒否するわ。」蘇晴の声は震えていたが、それでもはっきりと言い切った。「私は誰の奴隷でもない。そんなことは絶対にしない。」

「ふん、決まりだ。」アリは人工陰茎を手に取った。「他の新入りは泣き叫びながらやる気を見せるが、お前はもう少し手間がかかるようだな。」

彼女は蘇晴の髪を掴み、無理やり椅子に座らせた。蘇晴はもがいたが、鎖が自由を奪い、ただ虚しく手足を動かすだけだった。

「口を開けろ。指示に従わなければ、結果はお前自身が知っているはずだ。」

蘇晴は唇を固く結び、アリを睨みつけた。その目には怒りと誇りが混ざっていた。アリはため息をつき、リモコンを取り出した。

「最初は警告だ。」

彼女がボタンを押すと、蘇晴の首の周りに巻かれた金属製の首輪がブーンと低い音を立てた。次の瞬間、激しい電気が全身を駆け抜けた。蘇晴は椅子の上で硬直し、歯を食いしばって叫び声を抑えようとしたが、あまりの痛みに口から悲鳴が漏れた。

「やめてくれ!」老陳が叫びながら前に出ようとしたが、二人の警備員に押さえられた。「彼女は…彼女はただの少女だ!」

「この島では誰も特別じゃない。」アリは冷たく答えた。

電気ショックは十秒間続いた。蘇晴の体は汗でびっしょりと濡れ、髪の毛が乱れ、唇からは血の味がした。彼女は息を切らしながら、それでもまだアリを睨み続けていた。

「まだ足りないようだな。」アリはスイッチの強度を上げた。「次はあなたの体にどれだけの痛みに耐えられるか、教えてやろう。」

「待って…」

蘇晴の声はか細かったが、アリの耳には確かに届いた。「どうした?」

「…わかった。やる。」

その言葉を聞いた老陳の顔が歪んだ。彼はただ無力そうに首を振り、目には涙が浮かんでいた。蘇晴はその姿を見て、自分の中の何かが砕け散る音を聞いた。しかし、生き残るためには、たとえこのような屈辱でも受け入れなければならない。

「賢明な選択だ。」アリは人工陰茎を苏晴の口元に押し付けた。「じゃあ、始めよう。まずはこれをお前の口の中に入れろ。舌の使い方が重要だ。歯で傷つけるな。ゆっくりと、深く飲み込む感覚を覚えろ。」

蘇晴は震える手でそれを受け取った。シリコンの感触が指先に伝わり、吐き気が込み上げてくる。しかし彼女は目を閉じ、ゆっくりとそれを口に含んだ。アリの声が頭の上から降ってくる。

「そうだ。今度は動かせ。上下に。もっと滑らかに。酸っぱい顔をするな。客はそれを嫌う。」

蘇晴は涙を必死にこらえながら、機械のように動きを繰り返した。口の中は異物の存在でいっぱいだった。彼女の心は真っ二つに引き裂かれていた。表面は奴隷としての奉仕を強いられている少女。内面は蘇家の誇りにしがみつく令嬢。その二重の自分が、今、一つの行動に収束しようとしていた。

「次は角度を変えろ。舌先で敏感な部分を刺激するんだ。」

アリの指示は容赦なく続いた。蘇晴はそれに従いながら、自分がどこまで堕ちていけるのか、ぼんやりと考えていた。老陳の声が遠くから聞こえる。

「蘇晴様…ごめんなさい…私はあなたを守れなかった…」

その言葉が蘇晴の胸をさらに締め付けた。彼女は口を離し、激しく咳き込んだ。涙と唾液が混ざり合い、床に滴り落ちる。

「休憩は三十分だ。その後も続ける。」アリは時計を確認した。「次の訓練は後背位の技術だ。しっかり準備しておけ。」

彼女が部屋を出ていくと、警備員も老陳を解放した。老人はすぐに蘇晴に駆け寄り、彼女の痩せた肩を抱きしめた。

「蘇晴様…なんということを…」

「老陳…」蘇晴の声は掠れていた。「私は…私はこの場所で生き抜く。たとえ手を汚しても、たとえ自分を捨てても。いつか必ず、あいつらに復讐する。」

「ですが…」

「もう言わないで。」蘇晴は老陳の手を握り、彼の目を真っ直ぐに見つめた。「私はあなたの知っている蘇晴じゃない。この島は私を変えた。でも、その変化こそが私の武器になる。」

老陳は何も言えなかった。ただ彼女の手を握り返し、震える指でそっと撫でた。その瞳には深い悲しみと、わずかな希望が浮かんでいた。

三十分の休憩が終わり、アリが再び現れた。彼女は今度は別の器具を持っていた。革製のベルトに取り付けられた人工陰茎だった。

「次の訓練は後背位からの挿入技術だ。このベルトを装着し、壁に手をついて四つん這いになれ。」

蘇晴は何も言わず、指示に従った。その動作は機械的で、感情のこもらないものだった。アリは満足げに頷いた。

「素直でいい。じゃあ、今からお前は客の前で奉仕することを想像しろ。目は虚ろに、唇は少し開けて、体は微かに震えているように。それこそが客を興奮させるんだ。」

蘇晴は言われた通りにした。しかし、その目はどこか遠くを見つめていた。彼女は自分の中に二つの蘇晴を作り出していた。一つは命令に従い、肉体を差し出す奴隷。もう一つはすべてを見届け、復讐の計画を練る令嬢。その二重の存在が、彼女を狂気と正気の狭間で引き裂いていた。

「次は声を出せ。もっと甘ったるく。悲鳴ではなく、喘ぎ声だ。」

蘇晴は口を開けた。最初は無理矢理絞り出した声だったが、次第にそれは官能的な響きを帯び始めた。アリは満足げに微笑んだ。

「いいだろう。今日はこれで終わりだ。明日は実技訓練。生きた相手で練習する。」

その言葉に蘇晴の体が硬直した。しかし彼女はそれに気づかれないように平静を装った。老陳が彼女を支えて檻に戻る。その足取りは重く、疲れ果てていた。

檻の中に戻ると、老陳は小声で言った。「仇家からの連絡がありました、様。彼らはあなたがどこにいるかを知っています。すぐには動けませんが、絶対にあなたを助け出すと。」

蘇晴は冷笑した。「助け出す?もう結構。私は自分で這い上がる。この島が私を壊そうとするのなら、私はこの島を利用してみせる。」

彼女は檻の鉄格子を握りしめ、遠くの空を見上げた。夜の闇が島全体を覆い始めていたが、その瞳の奥には、消えることのない炎が燃えていた。

奴隷としての顔と、令嬢としての誇り。その二重の枷が彼女を縛りながらも、同時に力を与えていた。蘇晴は暗闇の中で呟いた。

「待っていろ。いつか必ず…」

その声は確かな意思を帯びて、夜風に消えていった。

性交訓練

# 第六章:性交訓練

蘇晴は薄汚れたベッドの上で、膝を抱えて座っていた。部屋の中は消毒液の匂いと、どこか甘ったるい香料が混ざり合っている。壁には淫らな絵が何枚も貼られ、天井の隅には監視カメラのレンズが鈍く光っていた。

三日間――彼女はここで三日間、ただ待つことしかできなかった。食事は規則正しく運ばれてくるが、誰も彼女に話しかけない。時折、ドアの覗き窓から目が合う看守たちも、無表情で通り過ぎるだけだ。

「蘇晴さん」

聞き覚えのある声に、彼女ははっと顔を上げた。ドアが開き、そこには老陳が立っていた。いつもの執事服ではなく、高級そうなスーツに身を包み、顔には微かに化粧まで施している。

「老陳…!」

蘇晴は立ち上がりかけたが、老陳が手で制した。彼の目は窓辺に立つ監視員に向けられている。すぐにその男は部屋を出ていき、二人きりになった。

老陳はゆっくりと近づき、声を潜めた。

「お嬢様、お訊きください。時間がありません」

「父は?母は?一体何が…」

「ご両親は…お亡くなりになりました」

蘇晴の息が止まった。目の前が暗転するような感覚が襲う。老陳は彼女の肩を支え、低い声で続けた。

「蘇家の宿敵による襲撃です。ご両親はお嬢様を逃がすために、自ら囮となられた。お嬢様を後継者として育てるために、全てを犠牲にされたのです」

「そんな…そんな…」

「今、群芳閣の表向きの商売は私が代行しております。お嬢様がここを出られれば、すぐにでもお引き渡しできます。しかし、裏の商売はまだ混乱状態で、どの組織が掌握するかもわからない。仇家の手先がまだ蠢いております」

蘇晴は震える手で口を覆った。涙が止まらず、声にならない嗚咽が漏れる。

「なぜ私を助け出せないのです?あなたには力があるはずでしょう?」

老陳の顔が苦痛に歪む。

「申し訳ございません。私は訓練中の性的奴隷を解放する権限を持っておりません。この島のシステムは、私の一存では動かせない。お嬢様を救い出せるのは、競売で落札していただくしか道がありません」

「競売…」

「ええ。その日まで、どうか耐えてください。私が必ず落札いたします」

老陳は深く息を吸い、決意を固めたように顔を上げた。

「そして、もう一つ。本日、私は客としてこの部屋に参りました」

蘇晴の顔が青ざめる。

「あなた…まさか…」

「お嬢様の初夜を、私が買うことにしました。他の男に奪わせるわけには参りません。これは偽装です。私が普通の客を装うことで、お嬢様に少しでも負担をかけずに済むように」

蘇晴は唇を噛みしめた。父の死、母の死、そして自分を守るために老陳が取った選択。全てが頭の中で渦巻き、何もかも受け入れがたい。

「…分かりました」

彼女の声は掠れていたが、力強かった。

老陳はゆっくりと彼女の前に跪き、衣服を脱がせ始めた。蘇晴は目を閉じ、全ての感覚を遠ざけようとした。彼の指が肌に触れるたび、冷たい震えが走る。しかし、彼の手は優しく、決して乱暴ではなかった。

「お嬢様…申し訳ありません」

老陳は自分の衣服も脱ぎ、蘇晴の脚を開かせた。彼の陰茎が彼女の膣口に触れたとき、蘇晴は唇を噛みしめて痛みをこらえた。老陳がゆっくりと挿入する。鋭い痛みが走り、彼女の体が強張る。

「痛みは…どうですか?」

「…大丈夫です」

蘇晴は嘘をついた。実際は、切り裂かれるような痛みだったが、彼に心配をかけたくなかった。老陳はゆっくりと腰を動かし始める。数分の間、それは続けられた。機械的な動きでありながら、老陳は決して自分から快楽を求めようとはしなかった。

終わった後、老陳は丁寧に彼女の体を拭き、服を着させた。

「お嬢様、お待ちしております。必ず、必ず救い出しますから」

そう言い残し、彼は部屋を去っていった。

翌日から、本格的な性交訓練が始まった。

教官アリは四十代ほどの女性で、筋肉質な体格に短く刈り込んだ金髪が特徴的だった。彼女の目は冷酷で、一度も笑ったことがない。

「今日からお前は男と寝る練習をする。私が選んだ教官たちが、お前を一人前の娼婦に仕上げてやる」

蘇晴は裸にされ、体育館のような広い部屋に連れて行かれた。そこには数人の男性教官が待っていた。彼らは皆、がっしりとした体格で、無表情だった。

「まずは基本からだ。口を使え」

アリ教官が顎で指した方向には、一人の男性教官が立っていた。彼は自分のズボンを下ろし、既に勃起した陰茎を露わにした。

蘇晴はその場に立ちすくんだ。老陳以外の男と、それもこんな形で肌を合わせるなど、考えただけで吐き気がした。

「早くしろ」

アリ教官の声が鞭のように飛ぶ。蘇晴はゆっくりとその前に跪き、震える手で陰茎を握った。彼女は口を開け、それを含んだ。

「もっと深くだ。喉の奥まで入れろ」

男性教官が彼女の頭を掴み、無理やり押し込んだ。蘇晴は吐きそうになり、涙が溢れ出した。彼女は必死に酸素を求めようとするが、陰茎が喉を塞いでいる。

「ダメだ。そんなんじゃ客は満足しない」

三度目の挑戦も失敗に終わったとき、アリ教官の我慢の限界が来た。

「罰を与える。膝をつけ」

蘇晴は裸のまま床に跪かされた。アリ教官は鞭を取り出し、振りかぶった。

パシッ。

鋭い音とともに、背中に焼けるような痛みが走る。蘇晴は声を押し殺そうとしたが、二撃目が来たとき、思わず悲鳴を上げていた。

「私は何度も教えた。なぜできない?」

「できません…私には…」

パシッ。

「言い訳をするな。お前は奴隷だ。奴隷はただ命令に従えばいい」

十回の鞭打ちの後、蘇晴の背中は真っ赤に腫れ上がっていた。彼女は床にうつ伏せになり、息も絶え絶えに泣き続けた。

「もう一度だ。立て」

アリ教官の声は冷たかった。

蘇晴はふらふらと立ち上がり、また同じ教官の前に立った。恐怖で体が震えている。しかし、もう鞭を打たれたくないという一心で、彼女は口を開き、陰茎を迎え入れた。

今度は、なんとか吐き気をこらえ、喉の奥まで受け入れることができた。

「よし。その調子だ」

アリ教官の声には微かな満足感が滲んでいた。蘇晴はその言葉に安堵の息をつくが、同時に自分の中で何かが変わっていくのを感じていた。

それは屈辱であり、服従であり、そして――憎しみだった。

訓練は数日間続いた。最初は口だけだったが、次第に膣での性交、肛門での性交、さらには複数の男を同時に相手にする方法まで教え込まれた。

毎日のように鞭が飛び、時には絶食の罰も与えられた。蘇晴の体は青痣だらけになり、精神は疲弊していった。

しかし、彼女は徐々にコツを掴み始めた。男たちの動きを読み、どんな刺激を求めているのかを察知する。アリ教官の目を盗んで、少しだけ自分のペースに持ち込む方法も覚えた。

「これで一人前だ」

二週間後、アリ教官は珍しく笑みを浮かべた。それは酷薄な笑みだったが、蘇晴には評価されたという歪んだ喜びが湧き上がる。

しかし、夜になり一人きりになると、彼女は枕に顔を埋めて泣いた。自分が変わっていくのが怖かった。かつての蘇家の令嬢は、もうどこにもいない。

「父さん、母さん…私は生きてここを出る。そして、必ず復讐する」

蘇晴は暗闇の中で歯を食いしばり、その決意を固めた。彼女の瞳に浮かぶのは、もはや純粋な少女の輝きではなかった。

それは、憎しみと復讐に燃える、奴隷の目だった。

訓練不合格

訓練不合格——その宣告は、奴隷島の薄暗い訓練場に冷たく響き渡った。

蘇晴は両膝を地面につき、荒い息を整えることもできずにいた。全身の筋肉が悲鳴を上げ、背中の傷が焼けるように痛む。眼前に立つ教官アリは、まるでゴミでも見るかのような冷淡な目を向けていた。

「お前のような雑魚が、よくもここまで生き延びてきたものだな」

アリは鞭をしまい、記録板に何かを書き込む。その手つきは冷酷そのものだった。

蘇晴は歯を食いしばり、必死に立ち上がろうとした。だが、膝はガクガクと震え、体は言うことを聞かない。考核が始まってからわずか十五分。彼女はすでに限界を迎えていた。

「立ち上がれ。奴隷に休む権利はない」

アリの声に怒りが混じる。蘇晴は必死に体を起こした。視界がぼやけ、目の前の教官が二重に見える。

「走れ。次の障害を越えろ」

命令が下される。蘇晴は歯を食いしばって駆け出した。だが、足はもつれ、数歩進んだところで再び倒れ込む。顔が砂に埋まり、口の中に鉄の味が広がった。

「もう終わりか?」

アリは冷たく言い放ち、時計を確認する。

「時間切れだ。お前は不合格だ」

その言葉は、まるで死刑宣告のように蘇晴の鼓膜を打った。

蘇晴は必死に顔を上げ、アリを見つめる。

「も、もう一度……お願いします……」

声は掠れ、かすかだった。

「一度でいい。もう一度挑戦させてください」

アリは一瞬、目を細めた。そして、冷酷な笑みを浮かべる。

「チャンスだと? お前にはそれすら無駄だ。だが、ルールはルールだ。不合格になった奴隷は、群芳閣へ送られる。一か月間、肉便器として過ごせ。その刑期を耐え抜いた者だけが、最後の卒業考核のために戻る資格を得る」

蘇晴の顔が一瞬で青ざめた。

群芳閣——それはこの島で最も恐れられる場所の一つだった。奴隷たちの尊厳を完全に打ち砕くための場所。そこで一か月過ごせば、人間としての理性さえ失うと言われている。

「そんな……」

蘇晴は声を失った。恐怖が全身を駆け巡る。

アリは振り返り、護衛に合図を送った。

「連れて行け。今夜中に移送だ」

二人の屈強な男が近づき、蘇晴の腕を掴んだ。彼女は必死に抵抗しようとしたが、体力の限界ですぐに引きずられていく。

「待って……まだだ……まだ私は……」

声は途中で途切れた。護衛が彼女の口を布で塞いだのだ。

暗い通路を引きずられながら、蘇晴の脳裏には一つの思いだけが浮かんでいた。

——家族の敵はまだ生きている。私はまだ死ねない。

その思いが、彼女の心の奥で小さな炎のように燃え続けていた。

群芳閣へ向かう船が、闇の中で静かに波に揺れていた。蘇晴は鎖に繋がれ、船倉の冷たい床に座らされていた。周りには同じように鎖に繋がれた奴隷たちが数人いる。皆、うつむき、目には生気がなかった。

蘇晴は拳を握りしめた。

「一か月……たった一か月だ」

自分に言い聞かせるように呟く。

「耐え抜けば、また戻ってこれる。そして今度こそ、必ず卒業してみせる」

船がゆっくりと岸を離れる。蘇晴は小さく息を吸い込み、心を硬く閉ざした。

どんな屈辱が待っていようとも、それを乗り越えなければならない。自分にはまだ果たすべき使命があるのだから。

壁の娼婦

群芳閣は島の中央に位置し、外界からは完全に隔絶された石造りの館だった。内部は薄暗く、蠟燭の灯りだけが廊下を照らし、壁には無数の扉が並んでいた。蘇晴は目隠しをされ、二人の屈強な女に両腕を引かれて、そのうちの一つの部屋へと連れ込まれた。

「ここがお前の場所だ。」

女たちは彼女の衣服を全て剥ぎ取り、荒っぽく壁際へと押しやった。蘇晴の背中が冷たい石に触れた瞬間、何かが彼女の手首と足首を拘束した。金属製の枷ではない。石壁そのものが彼女の四肢を飲み込み、動きを封じたのだ。

「壁に埋め込まれた感じがするだろう。」女の一人が冷笑した。「お前の体はここの備品だ。下半身だけが客のためのものだ。」

蘇晴の視界が突然開かれた。目隠しが外されると、自分の体が胸の上まで壁に埋め込まれているのが見えた。両腕は壁の中に固定され、指一本動かせない。下半身は裸のまま、太腿の間まで壁から突き出ていた。彼女の足は別々に拘束され、膝がわずかに開いた姿勢で固定されていた。膣も肛門も、誰にでもアクセス可能な状態で晒されている。

「しっかりしろ、令嬢様。」老陳の声が遠くで聞こえたような気がした。しかし彼の姿はない。蘇晴は唇を噛み、涙をこらえた。

最初の客が来たのは、それから間もなくだった。中年の男で、脂ぎった顔にいやらしい笑みを浮かべている。彼は何も言わずにズボンを下ろし、蘇晴の膣に無造作に自身を押し込んだ。乾いた腔に擦れる痛みが蘇晴の全身を貫いた。彼女は声を殺して耐えたが、男は構わず激しく腰を動かし、数分で果てた。

「なかなか締まりがいい。」男はそう言い残して去った。

次の客は三十代の痩せた男だった。彼は蘇晴の肛門に指を入れ、胡乱に拡げた。「こっちも使っていいんだろ。」確認もせずに、彼は後孔に陰茎を突き立てた。蘇晴の肛門は裂けるような痛みに襲われ、思わず悲鳴を上げた。しかし男はその声を悦びと受け取ったのか、更に激しく突き上げた。

二回目、三回目…客は途切れることなく訪れた。時には二人同時に来ることもあった。一人が膣を、もう一人が肛門を、同時に使う。蘇晴の体内は異物で満たされ、痛みと屈辱が彼女の意識を曖昧にした。時折、休憩が与えられたが、それはほんの数分だった。女たちが水を流し込むか、乾いたパン切れを口に押し込むだけの時間だ。

「まだまだ続くぞ。」教官アリの声が聞こえた。「今日は二十四人の客を予約している。終わるまで休むな。」

蘇晴の精神は崩壊の淵に立たされていた。自分が誰なのか、何なのか、分からなくなる。ただ壁に埋め込まれた肉塊であり、客の欲望を受け入れるだけの器官だ。父の顔も、老陳の姿も、遠い昔の幻のように霞んでいく。

夜が更け、最終の客が去った後も、蘇晴は壁の中から解放されなかった。石壁が彼女の四肢を拘束したまま、次の日のために彼女をそこに固定する。彼女の膣と肛門は腫れ上がり、血が混じった体液が太腿を伝って床に滴り落ちる。

「これが…私の運命なのか。」蘇晴は暗闇の中で呟いた。答えはない。ただ壁の冷たさだけが彼女の体温を奪い続けた。