令嬢が大阪・飛田新地で売春を試みる

站点:NovelAI.one内容:前8章在线试读ID:25225913更新:2026-07-21 11:00
林雪桜は、父の遺体の冷たさをまだ指先に覚えていた。マンションの一室、書斎の椅子にぐったりと凭れた父の首には、ネクタイが巻きついていた。自殺だった。会社の経営破綻、借金の山、追い詰められた末の選択。通夜も告別式もない、ひっそりとした火葬。参列者は母と自分と、そして取り立てに来たヤクザの男たちだけだった。 「社長令嬢様、お
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令嬢が大阪・飛田新地で売春を試みる 提供 前8章在线试读,可直接在线阅读。你也可以前往“最新小说”“热门小说”“发现小说”继续浏览站内内容。
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落ちぶれた場所

林雪桜は、父の遺体の冷たさをまだ指先に覚えていた。マンションの一室、書斎の椅子にぐったりと凭れた父の首には、ネクタイが巻きついていた。自殺だった。会社の経営破綻、借金の山、追い詰められた末の選択。通夜も告別式もない、ひっそりとした火葬。参列者は母と自分と、そして取り立てに来たヤクザの男たちだけだった。

「社長令嬢様、お気の毒さま」

山田龍一は、焼き場の前で煙草をくゆらせながら、にたりと笑った。白いスーツに金のネックレス。ヤクザの親分というより、場末の興行主のような風体だった。彼は雪桜に、分厚い契約書の束を突きつけた。父が生前、事業資金として借り入れた金の借用書。利子が膨れ上がり、元本は優に十億を超えていた。

「あなたの親父さんが残した借金だ。きっちり返してもらうぜ」

雪桜は震える声で言い返した。「私にそんな大金、払えません。大学も中退しましたし、働ける場所なんて」

「働ける場所はあるさ。むしろ、お前にぴったりの仕事を紹介してやる」

山田の目が、雪桜の全身を舐め回すように這った。十八歳の少女は、名家の令嬢らしい育ちの良さをまだ残していた。長い黒髪、白い肌、憂いを帯びた大きな瞳。着ている喪服は安物だが、立ち居振る舞いに品があった。

「飛田新地って知ってるか?大阪でも有名なソープランド街だ。あそこに、知り合いの店がある。お前なら若くて綺麗だから、すぐに人気が出る。一発五万、一日五本こなせば、半年も経たずに借金の一部は返せるだろうよ」

雪桜は絶句した。自分が売春を強要される?そんなことが現実に起こるなんて、信じられなかった。

「嫌です…私、そんなことできません」

「できない?」山田の声が冷たく尖った。「じゃあ、代わりに妹さんを売るか?お前の妹はまだ中学生だってな。あの年頃の娘は、全然知らない男に抱かれると純粋でいい値がつくんだ。大阪の裏風俗では、そういうのが高く売れる」

「やめてください!妹は…妹は関係ない!」

「なら、お前がやれ。選択権はお前にあるんだぞ、林雪桜」

雪桜の涙が、頬を伝って落ちた。父の死、借金、妹の安全。全てを背負わされた自分が、哀れでならなかった。だが、家族を守るためには、どんな屈辱にも耐えなければならなかった。

「わかり…ました」

「よし、決まりだ。今すぐ店に連れて行く。着替えと荷物は後で持って行かせるから、今はついて来い」

山田は雪桜の腕を掴み、無理やり車に押し込んだ。車中、雪桜は窓の外をぼんやりと眺めていた。大阪の街並みが流れる。派手な看板、ネオン、行き交う人々。自分はこれから、あの世界に足を踏み入れるのだ。そう思うと、胸が締め付けられるようだった。

車は大阪・飛田新地の入り口で止まった。昼間でも薄暗い路地には、赤や紫の提灯が連なり、軒先には派手な着物を着た女たちが座っていた。甘ったるい香水の匂いが、雪桜の鼻を刺激した。

山田は迷わず、一軒の店の前に立った。「あそこだ。『椿』って店だ。女将の佐藤って言うんだが、厳しいけど腕は確かだ。お前を一人前に育ててくれる」

雪桜は足を踏み入れた。畳の上に、低いテーブル。壁には艶めかしい絵が飾ってある。奥から、四十代半ばの女将が現れた。着物姿で、腰に細い帯を締めている。顔には笑みを浮かべていたが、目つきは鋭かった。

「山田の旦那、今日はどないな御用で?」

「この娘を預ける。林雪桜、十八歳。お嬢様育ちだが、身体はしっかりしてる。しっかり仕込んでやってくれ」

佐藤は雪桜を一瞥し、軽く鼻で笑った。「はあ?こんなおぼこい娘、本当にやる気なんですか?客が逃げますよ」

「大丈夫だ。俺が責任を持つ。とにかく、一週間で一人前にしてくれ。借金の形だ」

佐藤はため息をつきながらも、引き受けた。「わかりました。旦那の言いつけやからな。こっちへ来い、娘さん」

雪桜は佐藤に連れられ、店の奥にある小さな部屋に通された。六畳ほどのスペースに、鏡台と簡素な布団。窓には、外から見えないように格子が嵌められていた。

「とりあえず、ここがお前の部屋や。今日からここで生活しながら、基本的なことから教える。まずは座り方、歩き方、客に対する言葉遣い。それから、身体の見せ方、触らせ方、舐めさせ方。全部覚えなあかんで」

佐藤の口調は淡々としていたが、どこか諦めにも似た響きがあった。彼女もかつては、同じように売られてきたのだろうか。雪桜はそんな想像をしたが、すぐに現実に引き戻された。

「あんたの借金の話は聞いとる。親が自殺して、妹がいるんやろ?可哀想やけど、この世界ではそんなこと言うてられへん。客は、あんたの悲しみなんて知らん。むしろ、悲しみを帯びた女ほど、男は興奮する。それを利用して、金を取るんや」

佐藤は、棚からいくつかの道具を取り出した。ローション、コンドーム、バイブレーター。それらをテーブルに並べながら、雪桜に説明を始めた。

「まず、最初の客は新人向けの安いコースや。口と手で処理してもらう。体を許すのは、向こうが金を積んできた時だけや。基本は、決して自分から動かん。客に主導権を握らせて、その上でこっちのペースに引き込む。それがプロや」

雪桜は震える手で、コンドームの箱を手に取った。見たこともないものばかり。これから、自分の身体で金を稼ぐ。妹を守るために。父の借金を返すために。そう思っても、涙が止まらなかった。

「泣くな。泣いたら、化粧が崩れる。客の前では、笑顔を見せなあかん。どんなに辛くても、どんなに嫌でも、金を払う客に泣き顔を見せるのはプロ失格や」

佐藤はそう言うと、雪桜の顔を鏡の前に向かせた。「お前は綺麗や。顔もスタイルも悪くない。すぐに常連がつくやろ。そしたら、稼ぎも増える。借金も少しずつ減る。生きるためには、出来ることをやるしかないんや」

雪桜は、鏡に映る自分の顔を見た。涙でぐしゃぐしゃになった、哀れな顔。昔、ピアノやバレエを習っていた頃の面影は、もうどこにもなかった。今の自分は、ただ生きるために体を売る女。それだけだった。

「覚悟は決まったか?」佐藤が、鋭い目で問い詰める。

「…決まりました」

雪桜は、震える声で答えた。その日から、彼女の新しい人生が始まった。飛田新地の薄暗い路地裏で、一人の令嬢が、ゆっくりと朽ちていく日々を。

土下座の入門

佐藤の厳しい声が、小さな和室に響く。

「まず、土下座の姿勢を覚えな」

林雪桜は畳の上に正座していた。膝の裏がじんわりと痛む。この部屋は飛田新地の店の奥にある一室で、客を待つ合間に使われる場所だ。壁には古びた掛軸がかかり、窓からは夕暮れの薄明かりが差し込んでいる。

「頭を深く下げるのよ。額が畳につくまで」

佐藤は彼女の背後に立ち、両手で肩を押さえた。その手には無駄な力はないが、有無を言わせぬ重みがある。

「こうするんだ」

佐藤自身が手本を見せる。彼女はゆっくりと上半身を折り曲げ、両手を畳に広げて額を床に付けた。その動作には無駄がなく、長年の経験が滲んでいる。

「客が入ってきたら、まず土下座。そうすれば客は自分が大切にされていると感じる。この商売ではそれが何より大事なんだ」

雪桜は唇を噛んだ。名家の令嬢として育った自分が、土下座を教えられている。かつては使用人に頭を下げさせる側だった。

「やってみな」

佐藤の声が冷たく命じる。

雪桜はゆっくりと上半身を前に倒した。膝が畳に擦れて鈍い痛みが走る。両手を前に出し、額を畳に付ける。ひんやりとした畳の感触が額に伝わる。

「もっと深く。お前の頭の高さじゃ、客の目線より上だ」

佐藤の手が彼女の後頭部を押さえ、強く押し付けた。畳に額がぶつかる衝撃。痛みが走る。

「そうそう。そのまま五秒数えろ。すぐに顔を上げるんじゃない。客に敬意を示すんだ」

雪桜は目を閉じた。暗闇の中で、自分がどんどん低い位置に落ちていく感覚があった。かつてパーティーで着ていたドレス、シャンデリアの光、父の笑顔。すべてが遠くの記憶になった。

「よし、もう一度」

佐藤の声が続く。

「次はもっとスムーズにだ。ぎこちない動きは客を不安にさせる」

雪桜は体を起こし、再び正座から土下座に移った。今度は先ほどより早く、しかし佐藤の目は厳しい。

「まだ遅い。客が入ってきてからじゃ間に合わないぞ。常に準備しておけ」

佐藤は部屋の隅に歩いていき、小さな桶から水を汲んだ。

「もう一度。最後だからな」

雪桜は三度目の土下座をした。今度は自分の意志で、できるだけ早く、深く。額が畳に触れたとき、涙がこぼれそうになった。

「よし。まあまあだ」

佐藤の声が少し和らいだ。

「ただ、覚えておけ。土下座はただの動作じゃない。お前のすべてを客に委ねるという意思表示だ。俺たちは客の金で飯を食っている。その事実を忘れるな」

雪桜は顔を上げ、佐藤を見た。彼女の目には冷たさの中に、かすかな哀れみの色があった。

「これから接客する前には必ず土下座をしろ。忘れたらどうなるか分かってるな?」

雪桜は黙ってうなずいた。佐藤の言う「罰」が何かは想像できた。龍一から聞いた話では、言うことを聞かない女は店の前で裸にされて晒されるという。

「よし。今日はここまでだ。明日からお前は客の前で土下座をする。覚悟しておけ」

佐藤はそう言い残して部屋を出ていった。雪桜は一人畳の上に座り、痛む膝をさすった。窓の外では夜の帳が下り始め、街の明かりがちらつき始めていた。

この街で生き抜くためには、すべてを捨てなければならない。雪桜はゆっくりと立ち上がり、自分の膝を見下ろした。正絹の着物の下で、小さな擦り傷ができていた。

即尺と素股

佐藤は部屋の中央に置かれたマネキンを指差し、冷徹な口調で説明を始めた。

「まずは即尺だ。客户の阴茎を口に含むときは、歯を絶対に当てるな。歯が当たれば痛がるし、何より嬢ちゃんの評価が下がる。舌の先で亀頭を舐め回すように動かせ。手で根元を握り、上下に動かしながら口で吸い付く。リズムが大事だ、一定の速度で動かせ。焦るな、ゆっくりでいいから確実に。」

林雪桜は唇を噛みしめ、視線をマネキンの股間に落とした。プラスチックの感触が既に嫌悪感を呼び起こす。佐藤は彼女の手を掴み、無理やりマネキンの股間に導いた。

「触れ。お前はこれから何度もこれを繰り返すんだぞ。今ここで躊躇ってどうする。」

雪桜の指が冷たいプラスチックに触れる。佐藤はその手を握り、マネキンの陰茎部分を上下に動かす動作を強いた。

「こうやって、手で刺激しながら口で包み込む。舌を動かすときは、常に敏感な場所を意識しろ。カリの裏側、そこが一番感じる場所だ。客はそれを求めて金を払うんだ。」

次に佐藤は素股の説明に移った。雪桜のスカートをたくし上げ、太ももを露出させる。

「素股では、太ももの内側で阴茎を挟む。客は嬢ちゃんの太ももに股間を擦り付けて射精する。嬢ちゃんは腰を動かして刺激を与えるんだ。まるで本当に挿入しているかのように腰を振れ。客はそれで満足する。穴は使わんが、それでも嬢ちゃんの体で客を処理するんだ。」

佐藤はマネキンの股間を雪桜の太ももに押し付け、腰を動かす動作を実演した。

「こうやって、前後に揺れるんだ。嬢ちゃんの太ももが客の欲望を受け止める。嬢ちゃんはただの肉塊だと思え。金を稼ぐための道具だと思えばいい。」

雪桜は吐き気を覚えた。胃の内容物が逆流しそうになるが、必死にこらえる。佐藤はその様子を見ても特に気にせず、練習を続けさせた。

「さあ、やってみろ。マネキンで練習だ。本番で失敗するわけにはいかん。」

雪桜は震える手でマネキンの股間を掴み、口に近づけた。プラスチックの味が舌に触れ、彼女の喉が嫌悪で痙攣する。それでも佐藤の目が彼女を監視している。彼女は歯を食いしばり、唇を開いてマネキンの陰茎部分を口に含んだ。佐藤の指示通り、舌を動かし、手で根元を握る。だが、動きはぎこちなく、すぐに佐藤の叱責が飛んだ。

「歯を当てるな! そうじゃない、舌の先だ、舌の先でなぞれ! もっと柔らかく、優しく!」

雪桜は涙をこらえながら、もう一度やり直した。何度も何度も練習を繰り返すうちに、彼女の口の中は痛みと痺れで感覚が麻痺し始めた。それでも佐藤は容赦しない。

「次は素股だ。マネキンの腰に太ももを挟め。腰を動かすんだ、ゆっくりでいいから一定のリズムで。」

雪桜はマネキンの股間を太ももで挟み、腰を動かした。プラスチックが太ももの内側に擦れ、痛みが走る。だが、佐藤はそれすらも指導の対象とした。

「もっと腰を突き出せ。客はお前の腰の動きを見て興奮するんだ。恥ずかしがるな、すべてを見せろ。」

その時、部屋の扉が乱暴に開け放たれた。山田龍一が煙草をくわえ、ニヤニヤと笑いながら入ってきた。

「おや、特訓中かい?」

佐藤はすぐに頭を下げた。「はい、親分。新人の教育をしております。」

山田は雪桜の姿をじっくりと眺めた。彼女のスカートはまくれ上がり、太ももが露出し、口元には唾液が光っている。山田は煙草の煙を吐き出しながら、ゆっくりと近づいた。

「どれどれ、どの程度できるようになったか見せてもらおうか。」

雪桜は恐怖で体が硬直した。山田はマネキンの股間を手に取り、雪桜の口元に押し付けた。

「口でやってみせろ。素人丸出しじゃ困るんだ。」

雪桜は震える手でマネキンを受け取り、口に含んだ。しかし、緊張で舌がうまく動かず、歯が当たってしまう。山田の表情が曇った。

「お前、これで客を満足させるつもりか? まるで死んだ魚みたいだな。」

彼は雪桜の顎を掴み、無理やり顔を上げさせた。

「佐藤、もっと厳しくしろ。こんなレベルで客に出すわけにはいかん。明日までに、少なくとも即尺と素股は自然にこなせるようにしろ。できなければ……」

山田はそこで言葉を切り、煙草の火を雪桜の腕の近くに近づけた。

「お前の肌に刻印を押すことになるぞ。」

雪桜は恐怖で息を呑んだ。山田は満足げに笑い、部屋を出て行った。佐藤は深く息を吐き、雪桜に向き直った。

「聞こえたな。お前の命はお前の技術にかかっている。もう一度最初からやり直すぞ。」

雪桜は無言でマネキンに向き直った。彼女の手は震え、目には涙が浮かんでいたが、それを拭うことすら許されなかった。ただひたすら、プラスチック製の陰茎に舌を這わせる練習を続けるしかなかった。

毒龍と69

佐藤は無言で林雪桜の手首を掴み、狭い和室の奥へと引きずった。畳の上には既に浴衣が二枚、敷かれている。

「まずは毒龍からや。お前、男の後ろの穴を舐めることができなあかん。」

林雪桜の顔が青ざめた。口を開きかけるが、言葉にならない。佐藤は構わず、枕元の木箱から一本の人造物を取り出した。肉色のそれは、男根ではなく、肛門を模した奇怪な形状をしている。

「これで練習や。まずはその感触に慣れろ。」

差し出されたそれを見つめながら、林雪桜の手が震えた。それでも借金のことを思えば、拒否は許されない。恐る恐る口を近づける。舌先が冷たいシリコンに触れた瞬間、胃の底から何かがこみ上げてきた。

「もっと深く、舌を突っ込め。」

佐藤の声が鞭のように飛ぶ。林雪桜は目を瞑り、舌を伸ばした。鼻腔を突き抜ける無機質なゴムの匂い。唾液が絡みつき、えずく音が部屋に響く。ついに嘔吐感に耐えかね、彼女は枕元に倒れ込んで胃液を吐き出した。

「この程度でくたばるな!」

佐藤が竹刀を畳に叩きつけた。鋭い音が耳を劈く。林雪桜は這うようにして再び姿勢を整え、涙と鼻水で濡れた顔を上げた。もう一度、あの異物に舌を這わせる。今度は、舌の動きを意識して、円を描くように舐め回す。佐藤の指導が続く。

「そうや。舌の先で周りをなぞるんや。その後で、中の皺を辿るように……そうや。」

何度も練習を繰り返すうち、林雪桜の動きは機械的になっていった。吐き気は薄れ、代わりに虚無感が胸を満たす。自分が何をしているのか、その感覚が麻痺していく。

「次は69や。」

佐藤は畳の上に仰向けに寝転び、林雪桜を自分の上に乗せた。互いの性器が顔の前に来る体位。林雪桜は佐藤の陰部に顔を埋めながら、自らも舐められる感覚に耐えなければならない。佐藤の舌が彼女の割れ目に入り込む。未知の刺激に体が跳ねる。

「動くな。お前も舐め続けろ。」

佐藤の声が股の間から響く。林雪桜は必死に舌を動かした。佐藤の秘肉は熱く、自分の唾液と彼女の分泌物が混ざり合う。嫌悪と屈辱が渦巻く中、それでも体は正直に反応してしまう。指で掴む畳の縁に力が入る。

「もう一度。今度は三分間、止まるな。」

三度目の練習に入った時、林雪桜の舌が疲労で痙攣し始めた。それでも佐藤は容赦しない。竹刀で彼女の尻を叩く。

「しっかりせんか、この役立たずが!」

鋭い痛みが走る。林雪桜は声を殺して泣きながら、それでも舌を動かし続けた。何度打たれたか分からない。尻は腫れ上がり、座ることもままならない。

やがて夕闇が部屋を包んだ。佐藤は「明日も続けるぞ」とだけ言い残し、部屋を出て行った。独り残された林雪桜は、畳の上にうつ伏せになって体を丸めた。腫れた尻が熱を持ち、じんじんと痛む。静かな部屋に、自分の嗚咽だけが響く。

涙が止まらない。けれども、心の中で妹の顔が浮かんだ。まだ中学生の妹。自分が借金を返さなければ、あの子も同じ目に遭う。そう思うと、どんな屈辱も耐え抜くしかないと、改めて歯を食いしばった。

窓の外では、飛田新地の夜が更けていく。ネオンの明かりが障子を通して差し込み、彼女の濡れた頬を照らした。明日もまた、同じ地獄が待っている。それでも、彼女は這い上がることを選んだ。生きるために。妹を守るために。

聖水の辱め

佐藤は無造作に布巾を絞ると、濡れた手をエプロンで拭いた。彼女の目は冷たく、林雪桜の顔をじっと見つめている。店の奥の小さな座敷には、安物の線香の匂いが立ち込め、ジジジという蚊取り線香の燃える音だけが時を刻んでいた。

「あんたももう分かってるやろ。ここは普通の店と違うてな」

佐藤は低い声で言った。彼女の指は畳の上を這うように動き、一枚の写真を押し出す。それは昨日の客──大柄な黒人男性の顔写真だった。ジャックという名前らしい。

「このお客さん、次に来た時はな、『聖水』を所望するらしいわ」

「聖水?」

林雪桜が首を傾げると、佐藤は一瞬間を置き、まるで毒を含んだ言葉を吐き出すように言った。

「小便や。あんたが飲むんや」

その瞬間、雪桜の頭の中が真っ白になった。言葉が出ない。ただ口を半ば開けたまま、佐藤の顔を見つめることしかできなかった。吐き気が込み上げてくる。腹部の奥から石のような塊が喉を塞ごうとしている。

「冗談……ですよね?」

「冗談やと思うてるんか?」

佐藤の声には一切の揺らぎがなかった。彼女は立ち上がると、雪桜の前に置かれた茶碗を指さした。

「最初は誰でもそう言う。でもな、ここはお嬢様学校と違うねん。借金は借金や。山田の旦那が決めたルールに従うしかあらへん」

雪桜の手が震えた。指先が冷たく、畳の感触すら麻痺しているように感じられた。

「いや……そんなの、絶対に……」

「絶対? はっ」

佐藤は鼻で笑い、立ち上がって店の奥へと歩いていく。彼女の下駄の音が遠ざかるのと同時に、障子がガラリと開く音がした。

そこに立っていたのは山田龍一だった。黒のスーツに金のネックレス。手には小さな封筒を持っている。彼の口元は笑っているが、目がまったく笑っていなかった。

「林さん、聞いたか? 新しいサービスや」

雪桜は反射的に頭を下げた。声が出ない。膝の上で握りしめた拳が白くなっている。

「断れるわけないやろ? お前の妹さん、もうじき薬が切れる時期やないか」

その言葉は雪桜の心臓を鷲掴みにした。妹──病院のベッドで酸素チューブを付けられたまま横たわる、あの小さな身体。彼女の命は、一本の点滴と薬の値段でつながっている。

「……っ」

「この封筒にはな、来月分の治療費が入っとる。これを佐藤に渡すか、それとも山田組の金庫にしまい込むか。選べるのはお前だけや」

雪桜の視界が歪んだ。涙が滲む。唇を噛みしめると、血の味が広がった。

「……わかり、ました」

その声は、自分でも信じられないほど細く、かすれていた。

山田は満足げに笑うと、封筒をポケットにしまい、畳の上に小さなビニールシートを広げた。

「よし。それなら今すぐやってもらおか。お前、ここに正座せえ」

命令は絶対だった。雪桜はゆっくりと立ち上がり、震える足でビニールシートの前に立つ。膝を折ると、冷たい感触が伝わってきた。正座した両脚が攣りそうになる。

「口を開けろ」

山田が股間のファスナーを下ろす音が耳に刺さる。雪桜は目の前の暗がりを見つめながら、ゆっくりと口を開けた。舌が乾いている。唾液さえも出てこない。

最初の一滴が、彼女の舌先に落ちた。生暖かい。そして次第に強い勢いで流れ込んでくる液体。アンモニアの刺激臭が鼻腔を突き抜ける。吐きそうになるのを必死にこらえながら、雪桜は目を閉じた。

涙が頬を伝い、その液体と混ざり合い、あごを伝ってビニールシートの上に滴り落ちる。飲み込むたびに喉が痙攣した。胃の中で熱い塊が広がる感覚。自分が何を飲まされているのか、頭では理解しているのに、身体が拒絶反応を示そうとしない。拒絶すれば妹が死ぬ。ただそれだけが、彼女を動かしていた。

「ほう、ちゃんと飲めるんやな」

山田の声が遠くから聞こえる。まるで水の中にいるようだ。彼の笑い声が、雪桜の耳の奥で反響した。

やがて勢いが収まり、山田がファスナーを上げる音がする。雪桜はそのままの姿勢で動けなかった。口の中に残る苦い味。舌にまとわりつく異物感。涙が止まらず、視界がぼやけている。

「よくできたな。次も頑張れよ」

山田はそう言い残し、店の外へと消えていった。障子が閉まる音。そのあとに残された静けさが、雪桜の心をさらに深く刺す。

彼女はゆっくりと顔を上げた。ビニールシートの上には、自分の涙と──。もう見たくもなかった。手の甲で口を拭いながら、林雪桜は小さく息を吸い込む。いつかこの借金が終わる日が来るのか。それとも、この汚れは一生消えないのか。

もう、分からなかった。

初めての接客

部屋の空気は重く、湿気を含んだ畳の匂いが鼻腔を刺す。林雪桜は襖の前で正座し、膝の上で組んだ指が微かに震えていた。着付けられた安物の訪問着は、肌に張り付くように纏わりつき、何度も着付けを直した佐藤の手つきがまだ感触として残っている。

「初めてや。緊張せんでもええ。向こうもこっちのペースに乗せられたら終いや。」

佐藤の声は低く、どこか諦めにも似た響きを帯びていた。雪桜は頷いたが、喉の奥が詰まったように声が出なかった。襖の向こうからは男の気配がする。中年の、痩せた体を畳の上に横たえているのだろう。酒の匂いが微かに漂ってくる。

「入り。」

短い指示に背中を押され、雪桜は襖を開けた。視線の先に、痩せぎすの男がだらしなく座っていた。白髪交じりの短髪、疲れた目。スーツは脱いでワイシャツだけになっており、ネクタイは緩んでいる。彼は雪桜を一瞥し、無造作に顎で畳を示した。

雪桜は息を飲んだ。脳裏に、かつての自分が浮かぶ。名家の娘として、迎賓館で客人に挨拶した日々。今、この汚れた畳の上で、土下座を強いられる自分。しかし、借金の重みが背骨を折るように、彼女の体を前に倒させた。

額を畳に擦り付ける。

「お、お客様。本日はお越しくださいまして、ありがとうございます。」

声が震えた。男は何も言わず、股間を指で叩いた。ベルトの金具がカチカチと鳴る。雪桜は這うように近づき、指でファスナーを下ろした。中途半端に勃った陰茎が覗く。酒と汗の混ざった臭気が直撃した。

即尺。それは佐藤から繰り返し叩き込まれた技だった。舌の使い方、歯を立てないタイミング、喉の奥に押し込む角度。全てを機械のように反復する。しかし、現実の感触は想像を絶していた。粘膜の熱さ、粘膜の皺、体毛の硬さ。自分の口の中に、他人の性器があるという事実が、全身の細胞を凍りつかせる。

男の手が雪桜の後頭部を掴み、強く押し付けた。「もっと深ぇ」。痙攣する喉。涙が滲む。息ができない。窒息する寸前に、手が離れた。雪桜は咳き込み、唾液が糸を引く。

「次、素股やで。」

佐藤の声が襖の外から飛んだ。雪桜は着物の裾を乱暴に捲り上げた。佐藤に教えられた通り、自身の太腿の付け根に男の性器を挟み込む。皮膚と皮膚の擦れ合う感触。男は荒い息を吐きながら、雪桜の腰を掴んで動きを誘導する。痛みはない。ただ、無機質な摩擦だけがある。

「もっと締めろ。」

男の手が雪桜の尻を叩いた。鋭い痛みが走る。雪桜は唇を噛みしめ、大腿を強く閉じた。男の動きが加速し、数秒後、熱い液体が太腿を伝う。白濁した精液が、着物の裾を汚した。

男は満足そうに一息つき、財布から諭吉札を一枚取り出して畳の上に放った。「まあまあやったわ。また呼ぶわ。」そう言い残して、部屋を出て行った。

雪桜は動けなかった。畳の上にへたり込み、太腿に垂れる精液を見つめていた。この身体は、もう自分自身のものではない。借金の利子を生み出す機械、客の欲望を受け止める処理装置。そう自分に言い聞かせなければ、発狂してしまいそうだった。

襖が開き、山田龍一が立っていた。痩せた体に高級なスーツを着込み、口元に薄い笑みを浮かべている。「初めての客やったか。どうや?」その問いかけに、雪桜は声を振り絞った。

「はい。」

山田は手にした札束から、一枚だけを抜き取り、雪桜の前に置いた。「これがお前の取り分や。後は全部、借金の元金と利子に当てる。文句あらへんな?」脅しではなく、当然の事実として告げる口調だった。雪桜は首を振る。山田は満足げに笑い、踵を返した。

残された一万円札が、電灯の光を反射して鈍く光る。雪桜はそれを拾い上げ、指で折り曲げた。手触りが、まるで自分自身の価値のように感じられた。安い。あまりにも安い。しかし、それでも生き延びなければならない。そのためには、この感覚を殺さなければならない。

夜の帳が、飛田新地の街をさらに深い闇に包み込んでいく。外からは、別の客の笑声と、女将の媚びるような声が聞こえてくる。雪桜は立ち上がり、乱れた着物を整えた。そして、次の客を迎えるために、静かに襖の前に正座した。

バニーガールとJK

佐藤が林雪桜を呼び出したのは、昼下がりのことだった。店の奥にある狭い控え室には、二着の衣装がハンガーにかけてある。

「これ、今日から使うもんや。」

佐藤は煙草をくわえながら、無造作に顎で示した。一つはバニーガールの衣装――黒い光沢のある布地は、面積が極端に少なく、胸をかろうじて隠すだけのカップと、腰骨に引っかかるだけのショーツで構成されている。もう一つは、紺のセーラー服とプリーツスカート。襟元には赤いリボンがついているが、スカートの丈が異常に短い。

「客のリクエストによって、着替えるんや。女将としての指示や。拒否権はあらへん。」

林雪桜は黙って衣装を手に取った。指先が生地に触れるたび、自分の皮膚が総毛立つのを感じた。名家で育った令嬢が、よりによってバニーガールや女子高生の格好をさせられる――かつての自分なら、想像すらしなかった屈辱だ。

「……わかりました。」

声が震えなかったのは、自分でも不思議だった。むしろ、あまりの非現実感に、感情が麻痺しているのかもしれない。

午後三時を回った頃、最初の客が来た。中年の男だ。頭頂部が薄くなり、腹が出ている。佐藤が入口で何やら耳打ちすると、男はにたりと笑って林雪桜を値踏みするように見た。

「バニーで行けるか?」

佐藤が振り返る。林雪桜は無言でうなずいた。

控え室でバニーガールの衣装に着替える。背中は大きく開き、タイツは腰まである黒のストッキング――分厚めの生地だが、腿のラインがはっきりと浮き出る。ヒールは十二センチはあろうかという細いピンヒールだ。鏡に映った自分の姿を見て、林雪桜は瞬きを繰り返した。別人のように見えた。いや、もう自分は自分ではないのかもしれない。

個室に通されると、男はベッドの端に腰かけていた。林雪桜が入ってくるなり、口元を歪めて言った。

「おお、ええやんけ。足、きれいやな。」

彼の視線が、黒タイツに包まれた脚を這う。林雪桜は無意識に太腿の内側をこすり合わせた。

「ちょっと、足コキやってみ。」

「……足、ですか?」

「そうや。お前の足で、俺のをしごいてくれ。嫌か?」

嫌か、という問いには答えられなかった。嫌でないわけがない。だが、選択肢はなかった。林雪桜は唇を噛みしめ、男の前でゆっくりと膝をついた。

男がズボンの前を開ける。異様な臭いが立ち込めた。林雪桜は顔を背けたい衝動を必死に抑え、両足を持ち上げた。ストッキング越しに伝わる熱と硬さ。足の裏で包み込むようにして、上下に動かす。

「おいおい、そんなんじゃ気持ちよくないわ。もっとしっかり挟めや。」

男の声に苛立ちが混じる。林雪桜は足の間に力を込めた。土踏まずでこするように動かすが、うまくいかない。角度が悪いのか、力の入れ方が間違っているのか、男の不満は募る一方だ。

「あかんわ、素人すぎるわ。佐藤さん、なんとか言うたってくれへんか。」

佐藤が障子の向こうから顔を出した。目だけで林雪桜を見る。その視線には、叱責と哀れみが半分ずつ混じっていた。

「雪桜、足はな、つま先からかかとまで、全体を使うんや。左右の足で挟んで、ねじるようにして擦るんや。わかったか。」

林雪桜は汗をかいた。額から伝う滴が目に入り、しみる。それでも足の動きを変えた。つま先で先端を捉え、足の裏全体で包み込み、左右の足を交差させるようにして動かす。カタツムリの触角が引っ込むような、奇妙な感覚があった。

男の呼吸が荒くなった。数分後、彼は低く呻き、全身を震わせた。林雪桜のストッキングに、温かくてぬめり気のある感触が広がる。

「……はあ、まあまあやな。次はもっと上手なっとけよ。」

男は胡乱な目で林雪桜を見下ろすと、金をテーブルに置き、部屋を出て行った。

残された林雪桜は、汚れたストッキングを見つめた。鏡の中のバニーガールは、化粧の崩れた顔で、虚ろな目をしていた。この衣装を身にまとうたび、自分が少しずつ消えていく気がした。

佐藤は黙って新しいストッキングを差し出した。

「次の客は、女子高生が好みやて。着替えとき。」

林雪桜は、指の震えが止まらないまま、紺のセーラー服を手に取った。

ヤクザの夜宴

山田龍一が林雪桜の腕を掴み、宴会場の引き戸を荒々しく開けた。畳敷きの広間には十数人のヤクザが円を描くように座り、酒と煙草の匂いが充満している。彼らの視線が一斉に林雪桜に注がれた。着物の襟元を乱した彼女は、脂汗が浮かぶ額を俯けた。

「おい、皆に見せてやれ。俺様の新しい玩具だ。」

山田が彼女の背中を押し、畳に四つん這いにさせた。林雪桜は震える手で畳の縁を掴み、ゆっくりと額を床に擦り付ける。頭の上でヤクザたちの下卑た笑い声が響く。

「どうだ、この嬢ちゃんは名家の出だぜ。昔はお嬢様だったんだとよ。」

山田が酒を啜りながら、彼女の髪を掴んで顔を上げさせた。林雪桜の目尻には涙が滲んでいるが、彼女は唇を噛みしめて声を殺す。

「さあ、お次の芸は即尺だ。皆の前でやれ。」

山田が彼女の頭を押さえ、目前に座る中年のヤクザの股間に顔を近づける。林雪桜の喉が痙攣し、吐き気を堪えながらファスナーを下ろす音が耳に刺さる。彼女は目を閉じ、冷たい金属の感触と男の臭いを受け入れた。周囲の拍手と怒号が遠くの波のように聞こえる。

次々と男たちが彼女の前に立ち、命令を吐き捨てる。林雪桜はもう泣くことさえ忘れ、ただ機械のように唇を動かし、舌を這わせた。彼女の手は膝の上で小さく握られ、爪が掌に食い込む。

宴も半ば、障子が開き、巨躯の黒人男性が現れた。ジャック・スミス。彼は派手な柄シャツを着て、金のネックレスを揺らしながら部屋を見渡す。山田が立ち上がり、笑顔で迎えた。

「おお、ジャックさん!よく来てくれた!今日は特別な一品を用意してるんでな。」

ジャックの目が林雪桜に留まる。彼はゆっくりと近づき、しゃがみ込んで彼女の顔を覗き込んだ。大きな手のひらが彼女の顎を持ち上げる。

「ほう……この女、目が死んでる。面白い。」

ジャックの日本語は訛っていたが、意図は明確だった。彼は山田に向かって顎をしゃくった。

「今夜、俺に付けろ。」

山田は快諾し、林雪桜の腕を引き寄せる。彼女は抵抗する力もなく、再び畳に額を擦り付けた。疲労と屈辱で霞む視界の中、ジャックの黒い革靴がゆっくりと彼女の前に立つのが見える。床に落ちた酒の染みが、まるで血のように広がっていた。