港街の夜風が車窓を撫でる。後部座席に座る姚雨は、窓の外に広がるネオンサインの海を眺めながら、口元に微かな笑みを浮かべていた。
「姚雨くん、ウチはもうすぐだよ」
運転席から蕭宏偉の太い声が聞こえてくる。彼はハンドルを片手で操りながら、バックミラー越しに後ろの青年を一瞥した。その目には好意的な光が宿っている。
「お世話になります、蕭叔父さん」
姚雨の声は落ち着いており、礼儀正しい。彼の端正な顔立ちと均整の取れた体格は、最初に会った瞬間から蕭宏偉の心証を良くしていた。娘の蕭容魚が大学で知り合ったというこの若者を、彼は直感的に信頼できる人物だと判断したのだ。
隣に座る蕭容魚は、父の前だというのに落ち着かない様子で、時折姚雨の横顔を盗み見ては頬を染めている。彼女の高いポニーテールが、車の揺れに合わせて優しく揺れた。
「パパ、姚雨くんは建邺大学の新入生なんだよ。成績もすごくいいんだ」
「ほう、それは立派だな。ウチの容魚も君のような真面目な友達と付き合えて安心だ」
蕭宏偉が笑いながら言う。彼の大雑把な性格は、娘と姚雨の間に流れる微妙な空気にまったく気づいていない。
やがて車は閑静な住宅街に入った。街灯に照らされた並木道の先に、風格のある一戸建てが現れる。二階建ての家には温かな灯りがともり、玄関先には手入れの行き届いた植木が並んでいた。
「着いたぞ。さあ、入ってくれ」
車を停め、蕭宏偉が先に降りる。姚雨も続いて車外に出ると、ひんやりとした夜の空気が肌を撫でた。彼は軽く背伸びをしながら、この家の主となる人物たちとの顔合わせに、内心で期待を膨らませていた。
玄関のドアが開くと、中から上品な香りが漂ってきた。そして現れたのは——姚雨の目が一瞬、鋭く光る。
「おかえりなさい。まあ、あなたが姚雨くん?」
そこに立っていたのは、三十代半ばとは思えないほどの美しい女性だった。白いブラウスに紺のスカートという控えめな装いながら、体の線を隠しきれない豊かな曲線。顔立ちは娘の蕭容魚に似て整っているが、より成熟した色香が漂っている。彼女こそ、蕭容魚の母親である呂玉清だった。
「初めまして。姚雨と申します。本日はお招きいただき、ありがとうございます」
姚雨は深々と頭を下げた。その動作は完璧なまでに礼儀正しく、目には尊敬の色さえ浮かんでいる。だがその視線の端で、彼は呂玉清の全身を舐めるように観察していた。彼女の首筋の白さ、胸元の膨らみ、スカートの裾から覗くふくらはぎのライン——すべてを一瞬で記憶に焼き付ける。
「まあ、なんて礼儀正しい方なの。容魚から聞いてた通り、本当にイケメンね」
呂玉清の目が輝く。彼女は姚雨の顔をじっくりと見つめ、その整った面立ちと、若者らしい健康的な体つきに内心で感嘆の息を漏らした。
「お母さん、姚雨くん、中に入ろうよ」
蕭容魚が姚雨の袖をそっと引く。その仕草は自然で、二人の間に既に親密な関係があることを示していた。呂玉清はその様子を目敏く捉え、微かに眉を上げた。
居間に通されると、卓上には既に几帳面に並べられた料理が待っていた。湯気の立つスープに、色とりどりの中華料理。家庭料理ながら、手の込んだ品々が並んでいる。
「すべてお母さんが作ったの。姚雨くん、遠慮なく食べてね」
蕭容魚が嬉しそうに言いながら、姚雨の隣に座る。その距離の近さに、姚雨は内心で満足げな笑みを浮かべた。
「これはすごいご馳走だ。呂阿姨の料理の腕前は、プロ顔負けですね」
姚雨が褒めると、呂玉清の顔がぱっと明るくなる。
「まあ、そんなに褒められると照れるわね。でも、姚雨くんが美味しく食べてくれるなら、作り甲斐があるというものよ」
食事が始まると、蕭容魚は自ら箸を取って、姚雨の茶碗に次々と料理を盛り付けた。
「このエビチリ、すごく美味しいよ。食べてみて」
「それから、この青菜も。お母さんの特製なんだ」
彼女の行動は自然で、まるで恋人にするように姚雨の好みを覚えているようだった。蕭宏偉はそれを微笑ましく見守っているが、呂玉清は娘の熱心な様子に少し驚きつつも、同時に姚雨という青年への興味を深めていた。
「姚雨くんは、故郷はどこなの?」
呂玉清が何気ない口調で尋ねる。
「田舎の方です。両親はもういませんが、奨学金で大学に通えています」
姚雨の声に哀愁が混じる。その嘘は完璧だった。実際には、彼は異世界から転生してきた存在であり、この世界での過去など存在しない。
「まあ…ご両親が…それはお辛いわね」
呂玉清の目に同情の色が浮かぶ。彼女は自分の夫と娘に恵まれた家庭環境を思い、この青年の境遇に胸を痛めた。
「でも、今は容魚さんや蕭叔父さん、呂阿姨のような優しい人たちに出会えて、本当に幸せです」
姚雨の言葉に嘘はない。彼にとってこの家族は、まさに格好の獲物だった。一人ひとりの心を掌握し、やがてすべてを手中に収める——その計画は順調に進み始めている。
夜が更け、食後の団欒も終わりに近づいた頃、蕭宏偉が大きなあくびをしながら立ち上がった。
「明日も仕事だし、そろそろ休もう。姚雨くん、今夜は客間を使っていいからな」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます」
蕭宏偉が二階へ上がっていくのを見送ると、呂玉清が姚雨に言った。
「姚雨くん、風呂は沸いてるわよ。着替えはタオルと一緒に用意しておくから、先に入っていいわよ」
「すみません、お手数をおかけします」
姚雨は礼を言うと、案内された浴室へと向かった。広めの浴室には、白いタイルが清潔に輝いている。彼は服を脱ぎ、鏡に映る自分の体を見た。鍛え上げられた腹筋、広い肩幅、そして——彼の股間には、常人をはるかに超える巨大なものがぶら下がっていた。異世界から転生した際に得た、彼の切り札の一つだ。
彼は意図的に、浴室のドアを完全には閉めなかった。数センチの隙間から、廊下の灯りが差し込む。シャワーを勢いよく出し、体を流し始めた。
数分後、予想通りの足音が近づいてきた。
「姚雨くん、着替えを持ってきたわよ」
呂玉清の声だ。彼女はノックをし、ドアを押し開けた。そして——目に飛び込んできた光景に、彼女は息を呑んだ。
湯気の中に立つ姚雨の裸体。滴る水滴が、彼の若々しい筋肉のラインを伝って落ちていく。そして何より——彼女の視線は、その股間に釘付けになった。未だ半ばの状態でさえ、想像を絶する大きさのそれが、存在を主張するようにぶら下がっている。
「あっ…」
呂玉清の顔が一瞬で真っ赤に染まる。彼女は四十歳近くになり、夫以外の男など見たことがなかった。その彼女にとって、目の前の光景は衝撃的すぎた。
「す、すみません!気づかずに…」
姚雨が慌てたふりをして、タオルで腰を隠そうとする。しかしその動作は遅く、呂玉清の網膜には既にその姿が焼き付いていた。
「い、いいのよ…私こそ、ごめんなさい。ノックが足りなかったみたいね」
呂玉清は着替えの入った籠を床に置くと、早足で浴室を去ろうとした。だがその足は、まるで地面に貼りついたように動かない。彼女の心臓は激しく打ち鳴り、体の奥底から何かが込み上げてくるのを感じていた。
「呂阿姨…よかったら、背中を流しましょうか?」
姚雨の声が、浴室の湿った空気に溶ける。その提案は、あまりにも自然で、あまりにも魅力的だった。
「そんな…悪いわよ。お客さんなのに」
呂玉清の声が震える。彼女は自分が何を言っているのか、半分も理解していなかった。理性は全力で拒絶を叫んでいるのに、体は浴室に留まり続けている。
「いいえ、僕がお願いしているんです。呂阿姨の手で流してもらえたら、きっと疲れも吹き飛びます」
姚雨の言葉には、甘い毒が仕込まれていた。彼は相手の弱さを見抜く嗅覚に長けている。呂玉清という女の表面の上品さの下に、抑えきれない欲望が潜んでいることを、彼は一目で見抜いていた。
「…わかったわ。ほんの少しだけよ」
呂玉清は、自分でも信じられないような言葉を口にしていた。彼女はスリッパを脱ぎ、浴室の床に素足で立つ。ヒタヒタと水が足を濡らす感覚が、異様なまでの生々しさで彼女を支配した。
姚雨が背を向ける。広い背中には、年頃の若者らしい筋肉が程よくついている。呂玉清はタオルにボディソープをつけ、おずおずとその背中に手を触れた。
「呂阿姨の手、すごく気持ちいいです」
姚雨がうっとりとした声をあげる。その声を聞いた瞬間、呂玉清の指先が微かに震えた。彼女はゆっくりと、時間をかけて背中を洗っていく。その手つきは次第に慣れたものになり、時折、必要以上に腰の方へと滑り落ちそうになる。
「姚雨くん…体、とても頑丈そうね。運動でもしてるの?」
「昔から体を動かすのは好きでした。でも、最近は勉強ばかりで…」
呂玉清の指が、彼の肩甲骨の間をなぞる。その感触に、姚雨は微かに身を強張らせた。——だがそれは気持ちよさゆえではない。彼の計画が、予想以上に早く進んでいることへの愉悦の反応だった。
「背中だけじゃなくて…前の方も洗いましょうか?」
呂玉清の声は掠れていた。彼女の瞳は、タオルの下に隠れた姚雨の股間をじっと見つめている。彼女の理性はもう、ほとんど機能していなかった。
「呂阿姨がお望みなら…」
姚雨がゆっくりと振り返る。そして彼は、腰に巻いていたタオルを外した。
浴室内の蒸気が一瞬で晴れるかのように、呂玉清の視界にはっきりとその巨大な肉棒が映し出された。根本から先端まで、血管が浮き上がったそれは、彼女の掌よりもはるかに長く、そして太かった。
「あ…」
呂玉清は声もなく、ただそれを見つめることしかできなかった。彼女の股間が、急激な熱を帯びて濡れ始める。四十歳という年齢で、夫との営みも月に一度あるかないか。潤いを失いかけていた女の体が、ありえないほどの反応を示していた。
「触ってみますか?」
姚雨の声は、悪魔の囁きのように甘く、そして確信に満ちていた。呂玉清はゆっくりと、震える手を伸ばした。
彼女の指先が、その熱を持った質量に触れた瞬間——ゴウッという音が彼女の耳の中で響いた。体内の理性が完全に破壊される音だった。
「身体検査…よね。ちゃんと見てあげないと」
呂玉清は自分に言い訳しながら、その巨大な肉棒に両手を添えた。硬く、熱く、脈打つその感触。彼女の指では一周もできない太さ。彼女はゆっくりと手を動かし始めた。
「んっ…」
姚雨が気持ちよさそうに息を漏らす。その声に励まされるように、呂玉清の手の動きが加速する。彼女は夢中で手淫を続けた。目の前の大きな肉棒を、自分の手で満足させているという事実が、彼女を完全に陶酔させていた。
十分、二十分——時間の感覚が失われていく。呂玉清の手は痺れ、腕は痛み始めていたが、彼女は止めることができなかった。
「呂阿姨…もう出そうだ…」
姚雨の声に呂玉清ははっと我に返った。彼女はすべてを悟った。この行為が、どれほど背徳的で、取り返しのつかないことか。しかし、もう戻れなかった。
「出すなら…ここに」
呂玉清は口を開けた。自分の行動を、自分でも信じられないままに。
姚雨の体が痙攣し、同時に大量の精液が呂玉清の口の中に迸った。予想をはるかに超える量。彼女の口から溢れ出し、白い液体が顎を伝って滴り落ちる。
「んっ…んん…」
呂玉清は、口の中に広がる濃厚な味を、必死に飲み下した。そして最後の一滴まで、しっかりと舐め取りながら、ゆっくりと口を離した。
「…すごく美味しかったわ」
彼女はそう言って、妖艶な笑みを浮かべた。その顔には既に、良妻賢母の面影はなかった。ただ一人の、欲望に忠実な女の表情だけがあった。
「すみません、呂阿姨。つい夢中になってしまって」
姚雨はまるで何もなかったかのように、新しいタオルで体を拭き始める。その態度に呂玉清は、この青年がただものではないことを直感的に理解した。
「着替えは…ここに置いておくわね」
呂玉清は乱れた服を整え、浴室を後にした。廊下に出ると、自分の足が震えていることに気づく。そして体の奥が、まだ疼いていることにも。
姚雨は着替えを済ませると、蕭容魚の部屋の前で立ち止まった。ドアが開いており、中から明かりが漏れている。
「姚雨くん、入っていいよ」
蕭容魚の声に促され、彼は部屋に入った。ピンクを基調とした、少女らしい部屋だ。ベッドの上にはぬいぐるみが並び、勉強机の上には彼女の写真が飾ってある。
「私の部屋、父の次に男の人が入ったのは姚雨くんが初めてだよ」
蕭容魚が恥ずかしそうに言う。その言葉に、姚雨の心に優越感が広がる。彼は蕭容魚の隣に腰掛け、優しく彼女の肩を抱いた。
「そうなんだ。嬉しいよ」
「姚雨くん…これからもずっと、一緒にいてくれる?」
蕭容魚の大きな瞳が見上げる。その目には、疑いの欠片もない純真な信頼が宿っていた。姚雨はその瞳を見つめ返し、優しく微笑んだ。
「もちろん。ずっと一緒だよ」
その言葉に嘘はない。彼女を手中に収めるまでは、ずっと一緒にいるつもりだった。
夜も更け、姚雨は客間へと通された。部屋の中央には清潔なシーツの敷かれたベッドがあり、枕元には小さな花瓶に花が飾られている。
「ベッドの準備はできてるわよ。何か足りないものがあったら言ってね」
呂玉清が入ってきて、シーツの端を整えながら言う。その動作の一つ一つが、先ほどの出来事をなかったことにしようとするかのようだったが、彼女の目はまだ潤んでいた。
「ありがとうございます、呂阿姨。おかげでゆっくり休めます」
姚雨はベッドの端に座った。その姿勢が、彼の股間を強調することになる。パジャマのズボンの下で、再び大きく膨らみ始めているのが一目でわかった。
呂玉清の視線が、そこに吸い寄せられる。彼女は唇を噛みしめ、必死に理性を保とうとした。だが、体は正直だった。彼女の太腿の内側が、じっとりと濡れ始めているのを感じる。
「お、おやすみなさい、姚雨くん」
呂玉清は慌てて部屋を出ようとした。しかしその歩き方はどこかぎこちなく、腰をくねらせるような、艶めかしいものだった。それは彼女自身も気づいていない、無意識の誘惑だった。
「おやすみなさい、呂阿姨。いい夢を見てください」
姚雨の声は、ただの挨拶以上の意味を込めて響いた。呂玉清は振り返ることなく、ドアを閉めた。しかしその閉め方は暴力的で、彼女の動揺を雄弁に物語っていた。
廊下に立った呂玉清は、壁に手をついて深く息を吐いた。体の奥がまだ熱く、疼いている。彼女は自分の手を見つめた。さっきまであの巨大なものを握っていた手——その感触が忘れられない。
「私…いったい何をしてるの…」
彼女は小声で呟いた。しかしその口調には、後悔の色は微塵もなかった。むしろ、期待に震えるような響きがあった。
窓の外では、港街の夜景が静かに瞬いている。今夜という夜は、蕭家にとって、そして姚雨にとって、新たな支配の幕開けに過ぎなかった。