星間帝国の奴隷姫

站点:NovelAI.one内容:前8章在线试读ID:2a7d5a92更新:2026-07-24 01:38
星曆三二一年、帝都アクエリアスの夜空に浮かぶ三つの月が、貴族街の邸宅群を青白く照らし出していた。史家の屋敷は正面玄関から既に豪奢な装飾が施され、今夜の宴席が格別の催しであることを物語っている。 劉星児は銀糸で刺繍された薄紫のドレスを纏い、一歩一歩を優雅に玄関へと進めた。後ろには侍従が二人続き、彼女の裾を丁寧に持ち上げて
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宴席での発見

星曆三二一年、帝都アクエリアスの夜空に浮かぶ三つの月が、貴族街の邸宅群を青白く照らし出していた。史家の屋敷は正面玄関から既に豪奢な装飾が施され、今夜の宴席が格別の催しであることを物語っている。

劉星児は銀糸で刺繍された薄紫のドレスを纏い、一歩一歩を優雅に玄関へと進めた。後ろには侍従が二人続き、彼女の裾を丁寧に持ち上げている。十七歳の王女は、幼い頃から宮廷の作法を叩き込まれて育った。その立ち居振る舞いは、まさに帝国の誇るべき姫君そのものだった。

「第三皇女殿下、劉星児様の御到着でございます!」

取り次ぎの声が大広間に響き渡ると、室内の貴族たちが一斉に視線を向けた。星児は少しだけ顎を上げ、微笑みを浮かべながら歩を進める。その瞳の奥には、しかし、表向きの優雅さとは別の何かが潜んでいた。

史家の当主、史明徳がすぐに近づいてきた。年の頃は五十前後、肥満気味の体を格式ばった礼服で包み込み、手には酒杯を持っている。

「これはこれは、星児様、お越しくださいまして誠に光栄に存じます。どうぞ、お好きなものをお召し上がりください」

「史卿、お招きに預かりありがとうございます。今夜は特に賑やかですね」

「はい、ご覧の通り、連邦から捕らえた捕虜奴隷も何名か展示しております。よろしければ後ほどご覧ください」

星児の心臓が一瞬だけ跳ねた。奴隷展示。そういう趣向の宴席か、と内心で呟く。表面上は穏やかな笑みを保ったまま、彼女は広間の奥へと進んだ。

シャンデリアから降り注ぐ光は金色に輝き、大理石の床に幾重もの影を落としている。貴族たちは思い思いに酒杯を傾け、連邦の敗北や奴隷貿易の益々の隆盛を語り合っていた。その笑い声は、星児の耳にはどこか空虚に響いた。

彼女は手にしたグラスの中身を一口含みながら、何気なく広間の隅へと目を向けた。そこには一際華やかな装飾が施された台座が並び、数体の奴隷が鎖で繋がれている。どれも若い女たちで、その多くは連邦から拉致されてきた者たちだった。

星児は足を止めた。瞳が一瞬、大きく見開かれる。

台座の一番奥にいた二人の女奴隷。一人はショートヘアで体格がしっかりとしており、もう一人は長い髪を後ろで束ね、顔を俯けている。その長い髪の女奴隷が、ふと顔を上げた。

星児の全身が硬直した。

似ている。いや、そうではない。あの顔立ち、あの輪郭——まるで姉の劉悦だ。

星児は自分が酒杯を落としそうになったのを必死に堪えた。姉は三年前、人質として連邦に派遣された。そして二ヶ月後、連邦の急襲により行方不明となった。帝国の情報部は「死亡の可能性が高い」と報告した。両親も、星児自身も、やがて姉の死を受け入れた。

しかし今、あの女奴隷の腕にあるもの——それは間違いなく、姉が幼い頃に落馬してできた三日月形の傷跡だった。

星児の呼吸が浅くなる。彼女はゆっくりとその場を離れ、広間の端にあるバルコニーへと足を向けた。夜風が頬を打つ。彼女は手すりに両手をつき、荒くなる息を整えた。

「ありえない……あの人が、姉上なわけがない……」

声が震えた。しかし、もう一度確認せねばならない。星児は決意を固め、再び広間へと戻った。

奴隷展示エリアには、数人の貴族が集まっていた。一人の若い貴族——張偉が、鎖に繋がれた女奴隣たちを品定めしている。彼の瞳には獣欲が宿り、口元に嫌らしい笑みが浮かんでいた。

「これはこれは、よい品ばかりだな。史卿の目利きは確かだ」

「張偉様、お褒めいただき光栄に存じます。こちらの二人は特に珍しく、連邦の軍将校だった者と、その副官でございます」

史明徳が指し示した先には、先ほど星児が見た二人の女奴隷が立っている。長い髪の女は再び俯き、ショートヘアの女は鋭い目つきで周囲を睨みつけていた。

星児はゆっくりと近づいた。心臓は激しく鳴っているが、表には一切出さない。彼女は優雅な態度を崩さず、微笑みを浮かべた。

「史卿、こちらが例の連邦出身の奴隷でございますか?」

「はい、星児様。ご興味がおありでしたら、どうぞごゆっくりご覧ください」

星児は長い髪の女奴隷の前に立った。彼女は相変わらず顔を上げない。星児はそっと手を伸ばし、彼女の顎に指をかけた。

「顔を上げなさい」

その声は柔らかだが、命令の色を帯びていた。女奴隷がゆっくりと顔を上げる。

星児の息が止まった。

間違いない。この目、この鼻筋、この薄い唇——姉の劉悦そのものだ。ただし、その瞳にはかつてあった自信と誇りの光が完全に消え失せ、代わりに虚ろな従順の色が浮かんでいる。

「あなたの名前は?」

「……ルーシーと申します、ご主人様」

声もまた、姉のものだった。しかし、その口調は全くの別人だった。かつて宮廷で笑い合った姉の声は、もうどこにもない。

星児の指が微かに震えた。彼女は長く息を吐き出し、平静を装って手を離した。

「史卿、私、この二人の女奴隷に興味が湧きました。お譲りいただくことは可能でしょうか?」

その言葉に、史明徳の顔が一瞬曇ったが、すぐに笑顔を作った。

「もったいなきお言葉。しかし星児様、こちらは今夜の宴席の目玉として準備したものでございまして……」

「値段はいくらでも出します。それとも、私の頼みをお聞き入れいただけないと?」

星児の瞳が一瞬で冷たくなった。王女としての威厳が全身からあふれ出る。史明徳はたじろぎ、すぐに頭を下げた。

「い、いいえ、滅相もございません。星児様のお望みとあらば、喜んでお譲りいたします。すぐに書類を整えさせますので、しばしお待ちください」

「ありがとうございます、史卿」

星児は優雅に一礼し、再び長い髪の女奴隷——いや、姉の劉悦——を見つめた。姉は何も言わず、ただ俯いている。

「連れて行きなさい」

星児が言うと、侍従たちが前に出た。鎖が外され、二人の女奴隷は星児の後ろに控えるように連れられた。

星児は広間の中央へと戻りながら、内心で思いを巡らせていた。姉がなぜこんな姿にされているのか。奴隷として三年間、何が起こったのか。そして——自分は姉を解放すべきなのか、それともこのまま「所有」するのか。

ふと、星児の口元に、小さな笑みが浮かんだ。

解放——それは簡単な選択だ。しかし、姉の瞳にあったあの従順な光は、何かを思い出させた。自分が幼い頃、父王に従順に仕える母后の姿を。

星児は自分が何を考えているのか、はっきりとは理解していなかった。ただ、胸の奥で何かがざわつき、そのざわつきが快感にも似た感覚を伴っていることだけは確かだった。

宴席が終わり、星児は用意された車両に乗り込んだ。後ろの車両に二人の女奴隷が乗せられる。彼女は窓の外を見つめ、流れていく夜景をぼんやりと眺めた。

明日、この二人の女奴隸をどうするか。それはまだ決まっていない。しかし、少なくとも今夜は——姉の帰還を静かに祝おう。

星児の瞳が、月明かりの中で一瞬、妖しく輝いた。

身分の確認

宮殿の奥深く、星々の輝きも届かぬ私室に、劉星児は二人の女奴隷を連れ込んだ。大理石の床に映る影は三つ、そのうち二つは鎖に繋がれ、鈍い音を立てて引きずられる。

「お前たち、名前を言え」

劉星児は優雅にソファに腰掛け、足を組んだ。その声には王族特有の甘やかさと、どこか冷めた響きが混じっていた。

しかし、二人の女奴隷は応えない。彼女たちの瞳は虚ろで、焦点が合っていない。まるで魂の抜けた人形のように、ただそこに立っているだけだ。

「言えと言っている」

劉星児が声を大きくすると、一人の女が微かに震えた。その動きは機械的で、反射的だった。口を開きかけたが、言葉にならない音が漏れただけだった。

「……薬のせいか」

劉星児は眉をひそめた。姉である劉悦も、連邦に囚われた後、このような状態にされたのだろう。想像するだけで胸が痛むが、同時に、その痛みの奥で何かが疼くのを感じていた。

彼女はそっと立ち上がり、二人の女に近づいた。顔を覗き込むと、一人は自分とよく似た顔立ちをしていた。周可児、そう呼ばれていた女だ。もう一人は、見覚えのある面影を持つ。

劉星児は静かにポケットから小さな装置を取り出した。先端に針のようなものが付いており、微かに青い光を放っている。DNA採取器だ。

「動くな」

彼女はまず、自分とよく似た女、周可児からサンプルを採取した。針が皮膚を刺すが、女は反応しない。ただ虚空を見つめたまま、涙さえ流さない。

次に、もう一人の女に近づく。年上に見えるその顔には、かつての誇り高さの名残があった。劉星児は手を震わせながら、そっと装置を当てた。

「姉様……」

小さな声で呟いたが、女は応えない。その無反応が、かえって劉星児の心を締め付けた。

彼女は装置を解析機に差し込み、自分のDNAデータと照合させた。機械が低い音を立て、しばらくして結果が表示される。

一致率:99.97%

劉星児は息を呑んだ。間違いない。この虚ろな女奴隷こそ、かつて連邦に人質として送られた姉、劉悦だった。

「……姉様、何があったの」

彼女は思わず劉悦の頬に手を伸ばしたが、その手は途中で止まった。触れるのが怖かった。この変わり果てた姿を確かめるのが、あまりにも辛かった。

それでも、劉星児は震える手で劉悦の頬に触れた。皮膚は冷たく、反応はない。ただ、ほんの一瞬、劉悦の口元が微かに歪んだように見えた。それが何を意味するのか、劉星児には分からなかった。

「待っていて、必ず元に戻すから」

劉星児はそう約束すると、後ろ髪を引かれながらも、皇帝の間へと向かった。

玉座の間には、年老いた皇帝が一人で座っていた。彼の目は疲れ切っており、劉星児が入ってきても、顔を上げるのに少し時間がかかった。

「父上、報告があります」

劉星児は深く頭を下げた。その姿は王女としての礼儀に則っていたが、声には抑えきれない動揺が滲んでいた。

「……あの女奴隷たちのことか」

「はい。DNA鑑定の結果、一人は間違いなく姉様でした」

皇帝の顔が一瞬で蒼白になった。彼はゆっくりと立ち上がり、窓の外を見つめた。その背中は、かつてのような威厳を失っていた。

「……劉悦か」

「はい。連邦に囚われた後、奴隷として売られ、あのような姿に……私たちの目の届かないところで、どれほどの苦しみを味わったのか」

劉星児の声は震えていた。しかし、その震えは悲しみだけではない。どこか、自分自身にも説明のつかない興奮が混じっていた。

皇帝は長い沈黙の後、振り返った。その目には涙が浮かんでいたが、口調は冷たかった。

「……これは皇室の恥だ。外部に知られれば、帝国の威信は地に落ちる」

「では、どのように?」

「秘密裏に治療を行え。元の姿を取り戻せたとしても、決して公にはするな。劉悦は連邦での任務中に死んだことにしておく」

劉星児は胸の奥で何かが冷えていくのを感じた。父は姉を救う気はあっても、皇室の名誉を守ることを優先している。それも当然だと、頭では理解できたが。

「承知しました。すべて、父上の仰せのままに」

彼女はそう答え、一礼して部屋を出た。廊下を歩きながら、劉星児の心は複雑に絡み合っていた。姉の悲劇に同情する一方で、その姿にどこか魅了されている自分がいた。

「……支配される快楽、か」

思わず口に出た言葉に、自分自身で驚く。しかし、それは確かに彼女の心の奥底で芽生え始めていた感情だった。

私室に戻ると、二人の女奴隷はまだ同じ場所に立っていた。少しも動いていない。劉星児は劉悦の前に立ち、その虚ろな目を覗き込んだ。

「姉様、今は辛いでしょうけど……必ず助けるから。そして、いつかあなたの全てを知りたい」

彼女の声には、優しさと、そして歪んだ憧れが混じっていた。その夜、劉星児は長い間眠れず、ただ二人の女奴隷を見つめ続けた。

洗脳の解除

医務室の白い照明が、劉悦の蒼白い顔を照らしていた。彼女はベッドに横たわり、点滴が静かに滴り落ちる音を聞いていた。三日間の治療を経て、朦朧とした意識の中から、次第に真実の断片が浮かび上がってきた。

傍らのベッドには、女騎士が横たわっていた。彼女もまた、同じ治療を受けていた。二人は時折、視線を交わすだけで、何も言わなかった。

「覚えていますか」と、劉悦がかすれた声で言った。「奴らが私たちに何をしたか」

女騎士はゆっくりと頷いた。「拷問。薬物。そして精神操作……」

記憶が氾濫のように押し寄せた。尋問室の冷たい鉄の椅子。頭に取り付けられた電極。強制注入された薬剤の味。そして、自分の意志が少しずつ崩れていく感覚。

医師が病室に入ってきた。白衣を着た中年男性で、無表情だった。

「劉悦様、あなたの状態は安定しています。しかし……」医師は躊躇しながら言った。「あなたの体内には、強力な催淫薬が残留しています。治療で完全に除去することはできません」

劉悦は唇を噛んだ。「何を言いたいの」

「定期的に性的欲求を発散させる必要があります。そうしなければ、身体に深刻な損傷を与えるでしょう」医師は淡々と事実を述べた。「現在、私たちが提供できるのは、かつてあなたが奴隷として扱われていた戦争捕虜奴隷用の薬剤だけです。それらは催淫効果を一時的に緩和できますが、代償として……」

「代償は何だ」と劉悦が遮った。

「あなたを戦争捕虜奴隷の状態に戻すことです」

医務室は沈黙に包まれた。劉悦は目を閉じ、深く息を吸った。

「分かった」と彼女は言った。「準備して」

その日の午後、劉悦と女騎士は、かつて自分たちが捕虜として過ごした部屋に連れて行かれた。部屋の装飾は変わっていなかった。卑猥な絵画、柔らかいベッド、そして壁にかかった鎖や鞭。

護衛たちは既に待機していた。五人の屈強な男たちで、劉悦を見る目には欲望と緊張が入り混じっていた。

劉悦は震える手で衣服を脱ぎ始めた。女騎士も同じようにした。二人は裸になると、恥辱に耐えながら、かつての奴隷のポーズを取った。

「始めて」と劉悦が命じた。

護衛たちは一斉に動き出した。劉悦は自分がベッドに押し倒されるのを感じた。男の荒い息遣いと、自分の身体の反応が混ざり合う。催淫薬の効果で、理性が徐々に快楽に飲み込まれていった。

二時間後、劉悦は疲れ果ててベッドに横たわっていた。身体中に汗と精液の跡がついていた。女騎士は彼女の隣で、お腹を抱えていた。

「私たちは、もう戻れないのね」と女騎士が囁いた。

「戻れるわ」と劉悦は言ったが、その声には自信がなかった。

その時、ドアが開かれた。劉星児が立っていた。彼女の目は驚愕と、そして何か別の感情で見開かれていた。

「お姉様……」

劉悦は慌ててシーツで身体を隠そうとしたが、無力だった。劉星児は全裸の姉と五人の男たちの姿を、しっかりと目に焼き付けていた。

「出て行って」と劉悦が叫んだ。

しかし劉星児は動かなかった。彼女の目は、姉の身体に残された紅い痕、痙攣する太もも、そして男たちの間で乱れた髪の毛を見つめていた。心臓が激しく打ち鳴らされた。苦しかった。しかし同時に、胸の奥で何かが熱くなっていた。

「すみません」と劉星児はようやく口を開き、振り返って部屋を飛び出した。

廊下を走りながら、劉星児は泣いていた。涙が頬を伝った。しかし、涙の向こうで、姉の姿が頭から離れなかった。あの屈辱的な姿。あれほど堕落しきった姉に、なぜ自分は、どこか憧れのような感情を抱いたのだろう。

その夜、劉星児は眠れなかった。ベッドの中で何度も体勢を変えたが、姉の喘ぎ声と男たちの息遣いが耳の奥にこびりついて離れなかった。自分の身体が熱を持っているのに気づき、彼女はシーツを強く握りしめた。

翌日、劉星児は再び医務室を訪れた。今度は劉悦だけがベッドに横たわっていた。

「お姉様、どうしてあんなことを」

「仕方なかったのよ」と劉悦は静かに言った。「薬のせいよ。私はもう自分の身体をコントロールできない」

「でも、あなたは王女よ」と劉星児は声を詰まらせた。

「奴隷になった王女よ」と劉悦は苦笑した。「私たちを助けた医者たちは、私の体を救うためにそうしたの。彼らはベストを尽くしている。私の欲望を抑えるには、あれしか方法がなかった」

劉星児は姉の手を握った。その手は氷のように冷たかった。

「私にもそれが待っているの?」

「いいえ」と劉悦は首を振った。「あなたはまだ自由よ。この星間帝国の王女として、あなたには未来がある」

しかし劉星児は姉の目を見つめながら、心の中で別の答えを準備していた。もしかすると、姉の体験こそが、本当の自由なのかもしれない。そう考え始めていた自分に、彼女は気づいていた。

隠された欲望

夜の帳が下りると、貴族街の灯りは徐々に落ち、代わりに奴隷エリアからかすかな物音が漏れ始める。劉悦は白昼の優雅な貴族の仮面を外し、女騎士と共に薄暗い廊下を足早に進んでいた。二人の足取りは確かで、目的地はもう目の前だ。

「姫様、もう少しで到着します。」

女騎士が低く囁く。その声にはかつての忠誠心とは別の、何か熱に浮かされたような切迫感が混じっている。

劉悦は何も答えず、ただ唇を舐めた。薬物が体に沁み込む感覚が、夜になるたびに強まる。昼間は理性で抑えられるが、太陽が沈むとともにその抑えが効かなくなるのだ。彼女の肌はほのかに火照り、脳裏にはすでにこれから行う行為の光景がちらついている。

扉をくぐると、広い部屋の中には十数人の男女が集まっていた。皆、同じように貴族の服を脱ぎ捨て、あるいは裸になり、あるいは薄い布一枚を纏っている。空気には甘ったるい媚薬の香りと、汗と体液が混ざった熱気が充満している。

「よく来たな、劉悦。」

一人の男が笑いながら手を振る。彼の腕には先ほどまで抱いていた女がぐったりとしている。

劉悦は微笑み返した。その表情はもはや姫のものではなく、ただの欲望に支配された雌の顔だ。彼女は迷わず中央の柔らかい絨毯の上に進み、ゆっくりと上着を脱ぎ捨てた。女騎士もそれに従い、鎧を外しながら劉悦の隣に跪く。

すぐに何人かの男女が二人を取り囲んだ。手が伸び、唇が触れ、体温が重なる。劉悦の体は薬物に慣らされていて、触れられるたびに快楽が脊髄を駆け上がる。彼女は目を閉じ、女騎士と体を絡めながら、周りの手の動きに身を任せた。

部屋の隅、一方通行ガラスの向こう側に、もう一人の影があった。劉星児は息を殺して立ち、ガラス越しに部屋の中の光景を見つめていた。彼女の手は無意識に自分の胸の前で組まれ、指先がわずかに震えている。

姉がよがりながら男たちと交わり、女騎士と舌を絡め合う姿が、はっきりと映っていた。劉悦の口元は妖しく歪み、時折聞こえる甘い喘ぎ声が、ガラス越しにも微かに届く。その声は劉星児の耳に焼き付き、頭の中で反響した。

「あっ…ああっ…もっと…」

姉の声がかすかに聞こえる。劉星児はその声を聞くたびに、背筋がぞくりとする。嫌悪感とは別の、何か甘くて切ない感情が胸の中で渦巻いていた。

彼女は何度もここに足を運んでいた。最初はただの好奇心だった。姉がなぜ夜になるとこっそり出て行くのか、確かめたかっただけだ。しかし、初めてこの光景を目にした時から、彼女の心は少しずつ変わり始めた。

姉の身体は薬物で侵され、意志とは関係なく快楽を追い求める。しかし、その姿にはある種の解放感があった。貴族としての束縛から逃れ、ただの生き物として欲望に身を任せる姉の表情は、昼間の偽りの笑顔よりはるかに輝いている。

「私も…ああなりたい…」

劉星児は思わず口にしていた。その言葉に自分自身で驚き、慌てて口を押さえる。だが、心の中ではその思いがどんどん膨らんでいく。

彼女の脳裏には、自分が鎖につながれ、見知らぬ誰かに支配される光景が浮かんだ。服を奪われ、地面に跪き、頭を下げて命令を待つ自分。周りの人が彼女を見下ろし、自由に触り、好きなように扱う。その幻想は、最初は一瞬の悪夢のように思えたが、何度も繰り返すうちに、次第に甘美なものに変わっていった。

「姉様は奴隷になって、こんなに幸せそう…ならば、私も…」

劉星児は唇を噛みしめた。彼女の目はガラスの向こうの乱交の渦に釘付けになり、瞳孔が微かに開いている。手のひらに汗が滲み、心臓の鼓動が速くなる。

姉が再び大きな声で喘ぎ、体をのけぞらせて絶頂を迎える。その瞬間、劉星児の内側で何かが切れた。抑えていた感情が、あふれ出した欲望が、彼女の理性を押し流した。

「私も、私もああなりたい…鎖につながれて、支配されて、誰かの所有物になりたい…」

彼女は声に出さずに呟き、自分の腕をぎゅっと抱きしめた。触れる体温が自分だけのものだという感覚が、むしろ虚しさを増す。誰かに触れられたい、守られたいのではなく、奪われたい、支配されたい。

部屋の中では、劉悦が男たちの腕の中で何度も果て、女騎士がその体を支えながらも、自分もまた別の者たちに抱かれている。二人の間には、もはや主従の関係はなく、ただ同じ快楽を共有する仲間がいるだけだ。

劉星児はしばらくその光景を見つめ続けた後、ゆっくりと踵を返した。彼女の口元には、姉と同じような、妖しい笑みが浮かんでいた。もう後戻りはできない。自分もあの世界に足を踏み入れる時が来たのだ。

廊下を戻る足音はかすかで、彼女の決意は固まっていた。明日、彼女は行動を起こす。自分を奴隷として売り出すための計画が、頭の中でゆっくりと形を成し始めていた。

大胆な計画

# 第五章 大胆な計画

戦争が終結した。長きにわたる星間戦役は、帝国の勝利という形で幕を閉じた。帝都全域に平和の歓声が響き渡る中、市内の巨大な奴隷市場では、捕虜となった連邦兵士たちの競売が連日行われていた。

劉星児は目立たないように黒いヴェールで顔を隠し、護衛も連れずに市場へと足を運んだ。姉の劉悦が経験したという「奴隷としての生活」が、彼女の心に奇妙な好奇心を芽生えさせていた。高貴な王女でありながら、支配される快楽に溺れた姉の姿を思うと、自分も同じ経験をしてみたいという衝動が抑えられなかった。

市場は喧騒に満ちていた。奴隷商人たちの掛け声、買い手たちの値切る声、そして鎖に繋がれた捕虜たちの虚ろな瞳。星児はその光景を一歩引いたところから眺めていた。

ふと、彼女の視線がある一人の女奴隷に留まった。年は二十歳前後。ぼさぼさの髪に汚れた頬をしているが、その面影は驚くほど星児自身と似ていた。同じような輪郭、同じような目鼻立ち。まるで鏡を見ているかのような錯覚に陥る。

「その女奴隷はいくらだ?」

星児は近くにいた商人に声をかけた。

「おや、お客様。お目が高い。あれは連邦軍の捕虜でしてね、名前は周可児といいます。元々は一般兵士だったそうですが、なかなかの器量を持つ。いかがですか?特別に五千帝国クローネでお譲りしますよ」

星児は迷わず財布を取り出した。五千クローネなど、彼女にとってはほんの小遣い程度の金額だった。

競売の手続きを終え、星児は新しく買い取った奴隷と向き合った。周可児は拘束具を外され、困惑した表情で目の前の女性を見つめていた。

「あなたは…?」

「劉星児。帝国の王女よ」

可児の顔色が一瞬で青ざめた。

「王女様…!私、何かお役に立てることが…?」

「緊張しなくていいわ。ただ、あなたと話がしたいの」

星児は優しく微笑んだ。その笑顔には高慢さはなく、むしろ親しみが込められていた。

二人は市場を離れ、星児が用意した控えめな馬車の中で向かい合って座った。可児はまだ緊張を解けずに俯いていたが、星児は穏やかな口調で語りかけた。

「あなた、どこで生まれたの?」

「…連邦の辺境惑星、リイドリームです。家族は皆、戦争で亡くなりました」

「私も似たようなものよ。母は早くに亡くなって、父は戦争で多忙。姉は…色々あって、今はもう以前のままじゃない」

星児の声は寂しげだった。可児は少しずつ心を開き始め、二人は次第に打ち解けていった。年齢も近く、容姿も似ている。まるで姉妹のように自然に会話が弾んだ。

数日後、星児は可児を自室に招き入れた。室内には二人だけ。星児は慎重に口を開いた。

「可児、一つお願いがあるの」

「何なりとお申し付けください。私はあなたの奴隷ですから」

「違うわ。これはお願いよ。聞いてくれる?」

星児は息を吸い込み、すぐに言葉を続けた。

「私の代わりに宮中に残ってほしいの。あなたは私にそっくりだから、きっと誰も気づかない」

可児は目を見開いた。

「王女様の身代わりを…私が?」

「そう。私は自由になりたい。一日でいい、奴隷として街の中を歩いてみたいの。姉が言っていた、服従することの快楽を自分で確かめたい」

星児の目には危険な輝きが宿っていた。可児は躊躇したが、星児の眼差しに抗えなかった。

「…分かりました。王女様の命とあらば」

「ありがとう、可児。本当の姉妹みたいね」

星児は可児を抱きしめた。そして、早速計画を実行に移すことにした。

翌朝、星児と可児は衣装を交換した。星児は粗末な奴隷服に身を包み、可児は星児の高貴なドレスを纏った。二人は互いの髪型や化粧を真似し合い、姿見の前で確認した。

「…本当に瓜二つだわ」

星児は感嘆の声を漏らした。鏡の中には、二人とも全く同じ姿が映っていた。

「王女様、本当に大丈夫ですか?」

可児が不安そうに尋ねる。

「大丈夫。あなたはただ私のふりをして、部屋にこもっていればいい。用事があるときは侍女に適当に言っておくから」

星児はそう言って、宮殿の裏口からこっそり抜け出した。彼女の胸は高鳴っていた。初めて味わう自由。そして、これから体験するであろう未知の世界への期待に震えていた。

街に出た星児は、まず奴隷市場を再び訪れた。今度は買い手ではなく、売られる側として。自分から進んで奴隷の列に並ぼうとする、その異常な行動に、彼女自身も興奮を抑えきれなかった。

一方、宮殿では可児が部屋に閉じこもり、ひたすら星児の帰りを待っていた。彼女の心は、自分に与えられたこの奇跡のような機会に感謝すると同時に、不安でいっぱいだった。王女としての生活がいつ終わるか、星児が無事に戻ってくるか、その保証はどこにもなかった。

しかし、計画は始まってしまった。二つの人生が、静かに、しかし確実に交錯していくのを、誰も止めることはできなかった。

宮廷を出て遊ぶ

刘星児は城内の市場で買ったぼろぼろの奴隷服に袖を通した。粗い布地が肌に刺さるように痛むが、それすらもどこか新鮮だった。首にはわざと銀色の首輪をつけ、擦り切れた革紐が垂れている。鏡の前でくるりと回ると、本来の王女の面影はほとんど消えていた。

「これでいい。」

彼女は小さく呟き、侍女たちに無断で宮廷を抜け出した。裏門を通り、皇城の外へと一歩踏み出す。久しく感じていなかった自由な空気が肺に満ちる。皇城の外の世界は、彼女の知る華やかな宮殿とはまるで別物だった。道端には露天商が雑多な品を並べ、貧しい子供たちが裸足で駆け回っている。

劉星児はわざと歩調をゆっくりとし、首輪を目立つようにした。通行人の視線が彼女に注がれる。ある者は軽蔑の目を向け、ある者は哀れみの目を向ける。中には足を止めてじろじろと眺める者までいた。劉星児はその視線の一つ一つを味わうように受け止めた。高貴な王女として生きてきた彼女にとって、こんなにも無防備に晒されることは初めてだった。

「可哀想に、若いのに奴隷か。」

「どこかの家から逃げてきたのかもしれないな。」

ひそひそ声が聞こえる。劉星児は内心でほくそ笑みながら、うつむき加減に歩き続けた。この境遇の低さが、逆に彼女の心を奇妙に昂ぶらせた。

日が暮れ始めると、街の様子が一変した。酒場から漏れる明かりと喧騒が道を満たし、酔っ払いの男たちがふらつきながら歩いている。劉星児は酒場の前を通りかかったとき、数人の男たちの目に留まった。

「おい、そこの奴隷。」

声をかけられた。振り返ると、兵士の制服を着た男たちがにやにやしながら近づいてくる。酒の匂いが強かった。

「お前、どこかの屋敷から逃げてきたんだろう。首輪がついてるじゃないか。」

一人が彼女の腕を掴んだ。劉星児は一瞬戸惑ったが、すぐに意を決して抵抗する素振りを見せた。

「違います、私はただの…」

「いいから来い。逃げ出した奴隷は兵士が取り締まるんだよ。」

別の男が後ろから彼女の腰を抱き、暗い路地へと引きずり込んだ。劉星児は声を上げて助けを求めるふりをした。だが、その胸の内では奇妙な期待が膨らんでいた。

路地の奥に連れて行かれると、男たちは彼女を壁に押し付けた。粗いレンガの感触が背中に当たる。一人が彼女のぼろぼろの服の襟元を引き裂いた。冷たい夜風が素肌を撫でる。

「よくも逃げたな。罰を与えねばならん。」

男がそう言いながら彼女の首輪を掴み、壁に押し付けた。劉星児はもがいた。それは半分演技で、半分本気だった。抵抗すればするほど、男たちの手が激しくなる。彼女の細い腕を押さえつけられ、腿の間に荒い指が入り込んだ。

「やめてください、お願い…」

声は震えたが、その震えは恐怖から来るものではなかった。彼女の中で何かが目覚めかけているのを感じた。男たちの乱暴な手つきが、彼女の高貴な身分を無残に打ち壊していく。それが逆に快感となって彼女の身体を貫いた。

男たちは順番に彼女を犯した。最初の一人が乱暴に腰を打ち付けるたびに、劉星児の身体が壁に押し付けられる。痛みと混乱の中で、彼女は奇妙な快楽の波が押し寄せるのを感じた。苦痛が快楽に変わる瞬間、彼女は思わず声を漏らした。

「いい声だな、奴隷。」

次の男が彼女の後ろから抱きしめ、無理やり体位を変えさせた。劉星児は四つん這いにされ、尻を突き出した格好になった。男たちの笑い声が路地に響く。彼女はもう抵抗しないことに決めた。この屈辱の最中に、自分がどこかでこの状況を望んでいたのだと自覚した。

数時間後、男たちは彼女を兵営に連れて行った。兵営の中には十数人の兵士がいて、彼女の到着を見て歓声を上げた。新しい「娯楽」の到来を喜んだのだ。劉星児は裸にされ、粗末な毛布の上に寝かされた。兵士たちが群がり、交代で彼女の身体を弄った。

最初は痛みばかりだった。しかし、時間が経つにつれて、彼女の身体は次第に快楽を受け入れるようになった。男たちの手が触れるたびに、電流のようなものが走る。彼女は自分の意識が遠のくのを感じながらも、その中に甘美な恍惚感が広がっていくのを止められなかった。

朝日が昇る頃、兵士たちは満足して彼女を兵営の外に放り出した。劉星児は地面に倒れ、傷だらけの身体を引きずるようにして立ち上がった。服はぼろぼろに裂け、肌には無数の赤い跡と青あざが浮いていた。だが、彼女の瞳には不思議な輝きがあった。

宮殿に戻る道すがら、彼女は自分の身体の痛みを噛みしめるように味わった。この痛みが、自分が生きた証であるかのように感じられた。皇城の門をくぐるとき、彼女の唇には自然と笑みが浮かんでいた。

「また行こう。あの外の世界へ。」

彼女は小さく呟き、その言葉に自分自身が震えるほどの期待を感じた。

縁組の知らせ

玉座の間は静まり返っていた。老いた皇帝は高みから劉星児を見下ろし、その目には権力者の冷酷さと、わが子に向けるわずかな複雑な光が揺れていた。

「星児よ、決めたぞ。そなたを張偉殿と縁組させる。」

その言葉は、大理石の床に落ちる真珠のように、はっきりと転がった。劉星児は玉座の前で静かにひざまずき、その美しい顔に一瞬の動揺も浮かべなかった。ただうつむいて、控えめな姿勢を保った。

「父上様がお決めになったことなら…娘は従います。」

皇帝は満足げにうなずいた。だが彼は知らなかった。娘の静かな面持ちの奥で、何かが蠢いていることを。

劉星児は自室に戻ると、侍女たちを下がらせ、一人で窓辺に立った。夕日が天の果てを赤く染め、奴隷たちの血を思わせた。口元にほのかな笑みが浮かぶ。

張偉…大貴族の一人息子。噂では、屋敷には何人もの女奴隷を集め、自ら調教するのを何よりの楽しみとしているという。女たちを薬で狂わせ、昼夜を問わず欲望のままに弄ぶ。貴族の間では評判は最悪だった。誰も娘をやろうとは思わない。

だが、劉星児は違った。

「調教するのが好き…」彼女はそっと言葉を転がした。「それなら、どれほどのものか、一度見てみたいものだ。」

彼女は机に向かい、そっと筆を執った。書いたのは一通の手紙。宛先は奴隷として屋敷で飼われている周可児へ。あの女は自分と顔が似ている。姉から聞いた話では、代わりの身を買い取った、おとなしい奴隷だという。

数日後、劉星児はひそかに周可児を呼び寄せた。

「可児、お前に頼みがある。」

周可児は床に伏したまま、かすれた声で答えた。「何なりとお申し付けくださいませ、姫様。」

「私の代わりに、張偉殿の館へ行け。私が侍女を送って、令嬢の性格を試すと言ってな。」劉星児の目が冷たく光る。「お前は私のふりをしろ。彼がどういう人間か、じっくり見極めるのだ。」

周可児の肩が震えた。「で…ですが、もし露見したら…」

「露見させるな。」劉星児は優しく、しかし断固として言った。「お前はただ、じっとしていればいい。それだけでいい。」

その夜、変装の準備が整えられた。劉星児は高価な衣装を脱ぎ、代わりに侍女の簡素な服を身に纏った。髪は低く結い、顔には薄くほこりを塗った。鏡に映る自分は、見違えるほど地味な女中に変わっていた。

「これでよし。」彼女は満足げにうなずいた。「では、行こう。」

馬車は夜明け前に出発した。星々がまだ空に瞬く中、劉星児は侍女として、周可児(星児姫のふり)が乗る豪華な馬車の後ろに控えていた。揺れる車内で、彼女はそっと胸元の短剣を撫でた。

張偉の屋敷は都の西にあり、広大な敷地の門は大理石で飾られていた。到着すると、さっそく数人の屈強な護衛が馬車を取り囲んだ。使用人は慌ただしく走り回っている。劉星児は地面に降り立ち、一歩一歩踏みしめながら門をくぐった。

屋敷の中は想像以上に陰鬱だった。廊下の隅々には、鎖や首輪の跡が壁に刻まれている。かすかに甘い香りが漂い、薬品の匂いと混ざっていた。劉星児の鼻孔をくすぐるその香りに、なぜか心臓が高鳴った。

「これは…」

ふと、一室のわずかに開いた扉の隙間から、数人の女たちがうつ伏せになって床に動かない姿が見えた。彼女たちの肌は汗に濡れ、首輪には鈴がついていた。中には、かすかに身じろぎする者もいる。

「おや、見慣れない顔だな。」

声が背後から聞こえた。劉星児は振り返らずに、ゆっくりと頭を下げた。現れたのは張偉だった。若く、目には野性的な光が宿っている。彼は劉星児(侍女のふり)をじろりと見て、にやりと笑った。

「姫様の侍女か。なかなかしっかりした体つきだ。よかったら、後で俺の部屋で…『教育』をしてやろうか?」

劉星児の唇がわずかに動いた。恐怖ではなく、むしろ好奇の笑みだった。

「ありがたきお言葉ですが…私はただ、姫様のお世話をさせていただく者にございます。」

張偉は気にした様子もなく、豪華な本館へと歩き去った。その後ろ姿を見送りながら、劉星児はそっと息を吐いた。

姉の劉悦も、きっとこんな目にあったのだろう。奴隷としての悦びを知り、身体を薬で歪められ、かつての誇りも理性も失い、ただ快楽に溺れるだけの存在に変えられていった。

「…これは、本当に面白い。」

彼女の目が、危険な光を宿していた。

テストと罠

劉星児は周可児として、張偉の屋敷の門をくぐった。彼女の心臓は激しく鼓動し、姉である劉悦の苦しみと快楽の記憶が頭の中で交錯していた。自分はあのような道を選ぶのか――それとも、これはすべて計画の一部に過ぎないのか。周可児の名を借りたこの偽りの身分は、彼女に自由と束縛の境界を曖昧にさせた。

「おお、これはまた美しい娘だな。」

張偉の声は低く、そして確信に満ちていた。彼は広間の上座にどっしりと座り、劉星児を一目見た瞬間、目を細めて笑みを浮かべた。彼女の顔立ちは確かに周可児のものだが、その目には何か王族の血筋の気高さが残っていた。だが、張偉はそんなものには頓着しない。すべては玩具に過ぎないのだ。

「名前は?」

「周…周可児と申します。」

劉星児は緊張しながら頭を下げた。彼女の声は少し震えていたが、それは恐怖ではなく、期待の裏返しだった。

「可児か。良い名だ。さあ、私の寝室へ来い。」

張偉は立ち上がり、彼女の手を取った。その手は汗ばみ、そして熱かった。劉星児は一瞬ためらったが、すぐに従った。自分は普通の女奴隷として扱われるのだ。姉が経験したように、自分もその道を歩むのだ。

寝室は豪華だったが、どこか陰湿な匂いが漂っていた。ベッドの上には革製の鞭と、いくつかの奇妙な道具が並べられている。張偉は彼女をベッドの前に立たせると、ゆっくりとその周りを回りながら言った。

「可児、お前は俺のものだ。分かっているな?」

「はい…ご主人様。」

劉星児は声を絞り出した。「ご主人様」という言葉が口から出た瞬間、体全体に電流のような震えが走った。

「では、まず跪け。」

張偉の命令は短く、ほとんど威圧的だった。劉星児はゆっくりと膝をついた。絨毯の感触が膝に伝わる。彼女は頭を下げ、目を床に向けた。この姿勢は屈辱的だが、同時に不思議な安堵感をもたらした。

「よくできた。では、四つん這いになれ。」

次なる命令に、劉星児の指先が震えた。彼女はゆっくりと手をつき、体を前に倒した。女奴隷として這う姿勢――それは自分がかつて高みから見下していたものだ。しかし今、自分がその立場に立つと、心臓が早鐘を打ち続ける。

「そのまま前へ進め。」

張偉は鞭を手に取り、軽く床を叩いた。乾いた音が響く。劉星児は膝と手でゆっくりと前に進み始めた。絨毯の模様が目の前を過ぎていく。自分の腕が細く、弱々しく見えた。

「お前はただの奴隷だ。覚えておけ。」

張偉の声が背後から聞こえる。彼女の背中に鞭の先が触れた。冷たい感触が一瞬走り、すぐに熱に変わった。劉星児は息を呑んだ。その痛みは意外にも心地よく、背筋がぞくぞくした。

「もっと速く。」

命令に従い、劉星児は動きを速めた。這うたびに自分の乳房が揺れ、服の下で擦れるのが分かる。その感覚は恥ずかしいが、同時に興奮を誘った。自分は今、完全に支配されている。姉が言っていた通りだ――この感覚は病みつきになる。

張偉は彼女の前に立ち、足を止めた。劉星児は顔を上げると、彼の股間が膨れ上がっているのが見えた。彼は笑いながら言った。

「お前の口は何のためにある?」

劉星児は唇を噛んだ。そしてゆっくりと手を伸ばし、彼のズボンの紐を解いた。指が震えながらも、確実に動く。彼女は自分を責めるべきなのに、その行為が逆に心を落ち着かせていた。

張偉の性器が露出した。それは太く、脈打っていた。劉星児は一瞬ためらったが、姉の言葉を思い出した。「すべてを受け入れれば、快楽が訪れる」。彼女は目を閉じ、口を開けた。

熱く硬い肉が口の中に入り込む。彼女の頬を内側から押し広げ、喉の奥まで突き上げられた。劉星児は反射的にえずきそうになったが、それを抑えた。涙が目の端に浮かぶ。しかし、その苦しさの中に、なぜか甘い痺れが混ざっていた。

「うん、中々うまい。しかし、まだ練習が必要だ。」

張偉は彼女の頭を掴み、自分のペースで動かし始めた。劉星児の頭は前後に揺れ、息が詰まる。唾液が口の端から垂れ、服の襟を濡らした。彼女はそれすらも快感の一部として受け入れ始めていた。

やがて張偉は彼女をベッドに押し倒し、衣服を引き裂いた。裸にされた劉星児の肌は、冷たい空気に触れて粟立った。彼は彼女の脚を開き、無造作に自身を押し込んだ。

「ああっ!」

初めの痛みが腰を貫いた。劉星児は背中を反らせ、爪をシーツに立てた。しかし、その痛みはすぐに張偉の激しい律動によって、痺れるような快楽へと変わった。彼女の内臓の奥まで何かがかき混ぜられ、思考がぼやけていく。

「感じているだろう。奴隷として生まれ変わっているのだ。」

張偉の声が遠くから聞こえる。劉星児の意識は浮遊し、目の前の光が歪んで見えた。彼女はもう抵抗しなかった。むしろ、この支配の熱を受け入れた。屈辱と興奮が溶け合い、頭の芯から快感が溢れ出した。

激しい喘ぎとともに、張偉が彼女の中に放った。その熱が体の奥で広がる感覚に、劉星児は全身を震わせた。彼女は息を荒げ、汗だくの体をベッドに沈めた。

「今日はここまでだ。明日から本格的な調教を始める。」

張偉は満足そうに服を整え、部屋を出て行った。残された劉星児は一人、天井を見つめていた。そして、指で自分の濡れた下腹部に触れ、小さく笑った。

「姉様…あなたの言う通りだった…。」

彼女の心はもう戻れなかった。この支配される快楽の罠に、完全に囚われてしまったのだ。