休日の午後、大型ショッピングモールは買い物客で賑わっていた。吹き抜けの天井から降り注ぐ陽光が、磨き上げられた白い床に反射して、空間全体が明るく輝いている。エスカレーターの動作音と遠くのフードコートから漂う食べ物の匂いが混ざり合い、都会の休日特有のざわめきを形作っていた。
そんな中を、三人の若者が並んで歩いていた。先頭を歩くのは姚兵。シンプルな黒のTシャツにジーンズという気負いのない格好だが、その眼光は鋭く、周囲を値踏みするような冷たさを帯びている。彼の半歩後ろを、二人の女性が従うように付き従っていた。
姉の姚雪は、淡いベージュのワンピースを身にまとっていた。細いベルトでくびれた腰を強調し、スカートの裾は膝上十センチほど。露出は控えめだが、体の線を綺麗に拾う布地が、かえって成熟した肢体の魅力を醸し出している。背筋をピンと伸ばし、ヒールを履いた足取りは優雅そのもので、すれ違う男たちが思わず振り返るほどの気品があった。彼女の表情はクールで、まるで周囲の視線など気にも留めていないかのようだ。
妹の姚小蝶は、白いレースの飾りがついた水色のワンピース姿。肩口で切りそろえられた黒髪が、歩くたびにふわりと揺れる。まだあどけなさの残る丸い顔立ちと、童顔に不釣り合いなほど膨らんだ胸元が、通り過ぎる者たちの好奇の目を引いた。彼女もまた無表情で、大きな瞳はどこか達観したような冷たさを湛えている。
「今日の二人は、なかなかいいな」
姚兵が振り返りもせずに呟くと、姚雪が微かに口元を緩めた。
「ありがとう、兵ちゃん。このワンピース、先週新しく買ったの」
「見ればわかる。よく似合ってるよ、姉さん」
その声には、姉に対する敬愛の念など微塵も感じられない。むしろ、所有物を褒めるかのような、無遠慮な響きがあった。姚雪はそれに気付いているはずなのに、むしろ悦びを滲ませた表情で弟の背中を見つめている。
「小蝶も、可愛いよ」
姚兵が振り返って妹を見た。小蝶はちらりと兄を見上げ、それからすぐに視線を前に戻す。
「わかってる」
ぶっきらぼうな返事。だが、小さな手がスカートの裾をぎゅっと握りしめているのを、姚兵は見逃さなかった。
三人が最初に向かったのは、三階にある婦人服売り場だった。フロアには有名ブランドのショップが軒を連ね、マネキンたちが最新のファッションに身を包んでポーズを決めている。休日とあって若い女性客が多く、試着室の前には順番待ちの列ができている店もあった。
姚兵は迷わず一軒の高級ブティックに入った。落ち着いた照明と、壁に整然とかけられた服たち。年配の女性店員が愛想よく近づいてきたが、姚兵は片手で制した。
「姉さん、これなんかどうだ」
指差したのは、深いVネックが印象的なダークグリーンのワンピースだった。背中の部分が大胆に開いたデザインで、着こなすには相当な自信と体型が求められる一着だ。
「素敵ね。試着してみるわ」
姚雪はワンピースを手に取ると、試着室へと歩いていった。彼女の後ろ姿を見送りながら、姚兵は妹の肩に手を置く。
「お前も、何か試してみるか?」
「……いらない」
「そうか」
数分後、試着室のカーテンが開き、姚雪が姿を現した。深いグリーンの布地が白い肌に映え、Vネックからは谷間がちらりとのぞく。背中の大きく開いた部分からは、滑らかな肌と背骨のラインが扇情的だった。
「兵ちゃん、どうかしら」
彼女はくるりと一回転してみせた。その動きで、スカートの裾がふわりと舞い上がる。
「いいね、すごくいい」
姚兵は口元に笑みを浮かべながら、姉の背後に回った。鏡に映る二人の姿。弟の手が、そっと姉の腰に触れる。
「でもさ、姉さん」
耳元に近づけて、ささやく。
「その服の下に、余計なものをつけてるんじゃないのか?」
鏡の中の姚雪の表情が、ほんの一瞬だけこわばった。それもすぐに消え、彼女は弟の目を鏡越しに見つめ返す。
「……余計なもの、かしら」
「試着室、もう一度入ろうか。俺がきちんと確認してやる」
姚雪は何も言わずに、再び試着室のカーテンを開けた。姚兵が後に続き、カーテンが閉まる。小蝶はその様子を、店のソファに座ってじっと見つめていた。小さな膝の上で、両手がぎゅっと組まれている。
試着室内は狭く、大きな鏡が壁一面を占めている。姚雪は鏡に向かって立ち、弟が後ろから彼女の体に手を這わせるのを待っていた。
「まずは、これだな」
姚兵の手がワンピースのファスナーを下ろす。衣擦れの音だけが、この狭い空間に響く。するりと布地が床に落ち、彼女の上半身が露わになった。純白のレースのブラジャーが、形の良い乳房を包み込んでいる。
「これを外せ」
弟の命令に、姚雪は両手を背中に回し、慣れた手つきでホックを外した。ブラジャーがはらりと落ちて、しなやかな肢体が鏡に映る。淡い色の乳首が、空気に触れて少し硬くなっていた。
「スカートもだ」
姚雪は黙って従い、ワンピースと共に、その下に履いていた小さな布も足元に落とした。今や彼女は、ハイヒールだけを履いた一糸まとわぬ姿で、弟の前に立っている。
「よくできました」
姚兵は姉のうなじに軽く口づけると、落ちているワンピースを拾い上げた。
「じゃあ、これを着ておけ。下着はここに置いていけ」
「……はい」
姚雪はうつむき加減に頷くと、裸の上に直接ワンピースを纏った。布地が敏感な肌に擦れる感触に、彼女の肩がかすかに震える。Vネックの胸元が、下着のない乳房の形をより忠実に浮かび上がらせ、背中の開いた部分からは腰のくびれまでがまるで見えてしまいそうだった。
姚兵は床に脱ぎ捨てられた下着を手に取ると、自分のポケットに押し込んだ。
「さあ、買い物を続けよう。小蝶が待ってる」
二人が試着室から出てくると、小蝶は無表情のまま立ち上がった。店員が話しかけようとしたが、姚兵は「これをいただきます」とだけ言って、姚雪が着ているのと同じワンピースがかかっていたハンガーを指差した。
「同じものを二着。色違いで。サイズはこれで」
支払いを済ませ、三人は店を出た。姚雪の歩き方が、先ほどよりも少しぎこちない。直接布地が擦れるせいで、歩くたびに胸の先端が刺激されるのだろう。それでも彼女は背筋を伸ばし、気高い表情を保ち続けていた。
姚兵はというと、姉のそんな様子を横目で観察しながら、まるで獲物を追い詰める狩人のような笑みを浮かべている。小蝶は兄と姉のやり取りに気付いているのかいないのか、相変わらずの無表情で、しかし目だけは爛々と輝かせて二人の後をついて歩いた。
二階に下りるエスカレーターで、姚兵が何気ない風を装って言った。
「姉さん、少しトイレに行ったらどうだ。長い買い物になるから、今のうちに済ませておけ」
一見、気遣いの言葉。だがその裏の意味を、姚雪はすぐに理解した。
「……そうね、そうするわ」
二階の婦人服売り場の隅にある公衆トイレ。人通りは比較的少ない場所だ。三人はその前で立ち止まった。
「小蝶、お前はここで待ってろ」
「うん」
小蝶が壁に寄りかかると、姚兵と姚雪は女性用トイレの中へと消えた。幸い、中には誰もいない。姚兵は迷わず一番奥の個室のドアを開け、姉を中に押し込むと自分も入って鍵をかけた。
「わかってるな?」
姚雪は弟に背を向けて立ち、ワンピースの裾をたくし上げた。下着のない裸の下半身が露わになる。形の良い尻と、その奥に隠された秘部が、白い蛍光灯の下で生々しく晒された。
姚兵はポケットから小さなビニール袋を取り出した。中にはピンク色のシリコン製のローターが入っている。小型だが強力な振動を生み出す、特別製のものだ。
「自分で入れろ」
姚雪は震える指でそれを受け取ると、ゆっくりとしゃがみ込み、太腿を開いた。片手で秘唇を広げ、もう一方の手でローターを自らの内部へと押し込んでいく。異物感に眉をひそめながらも、彼女の呼吸は次第に荒くなっていった。完全に内部に収まると、外からはごく小さなスイッチ部分だけが見えている。
「しっかり奥まで入れたか?」
「……はい」
姚兵は満足そうに頷くと、自分のスマートフォンを取り出した。画面には振動を制御するアプリが表示されている。
「じゃあ、テストだ」
彼が画面をタップすると、かすかなブーンという音が個室に響いた。同時に、姚雪の体がビクンと跳ねる。
「うっ……!」
「声は出すなよ。外に漏れたらどうなるか、わかってるな」
「は、はい……だいじょうぶ、です」
姚雪は壁に手をついて必死に声を押し殺した。内部でうごめく振動が、彼女の敏感な部分を休みなく刺激する。数秒で、その振動は止んだ。
「よし、いい子だ。これで買い物の続きといこう」
二人がトイレから出てくると、小蝶は壁にもたれたまま待っていた。その顔がわずかに動いて、姉の下半身をちらりと見る。スカートの裾は元通りに下ろされているが、その下に何が仕込まれているかを、彼女は察しているようだった。
「姉さん、顔が赤いよ」
小蝶の無邪気な口調に、姚雪ははっとして頬に手を当てた。
「そ、そうかしら。ちょっと暑いだけよ」
「ふうん」
小蝶はそれ以上何も言わず、また無表情に戻った。だが、ほんの一瞬だけ、その口元が歪んだように見えたのは、気のせいだろうか。
モール内をさらに歩き回り、三人は一階の雑貨店やアクセサリーショップを冷やかした。姚雪は相変わらず気高く優雅な立ち居振る舞いで、店員に商品について質問したりもしていたが、時折、その歩みが不自然に止まることがあった。内部に異物を抱えたまま歩く違和感に加え、摩擦でローターが動くたびに、小さな刺激が彼女を襲うのだ。
「姉さん、大丈夫?」
心配そうに声をかけたのは、他ならぬ小蝶だった。その声は純粋に姉を気遣う妹のものに聞こえる。
「ええ、平気よ。ありがとう、小蝶」
姉が微笑むと、小蝶も小さく笑みを返した。だが、その視線は確かに姉の下腹部に向けられていた。姉がどんな状態なのか、すべてを見透かしているかのような目だった。
時刻は午後四時を過ぎ、フードコートは多くの家族連れやカップルで混み合っていた。あちこちから漂うラーメンやカレー、クレープの香り。子供たちのはしゃぐ声。食器のぶつかる音。
「ちょっと休憩しよう。姉さん、何か飲み物を買ってきてくれ」
姚兵が空いているテーブルを見つけて座ると、小蝶もその向かいに腰掛けた。姚雪はうなずき、近くのカフェのカウンターへと歩いていく。
彼女が列に並んでいるのを確認すると、姚兵はゆっくりとスマートフォンを取り出した。画面には先ほどのアプリが表示されている。
「小蝶、よく見ておけ」
「うん」
小蝶はテーブルに肘をついて、両手で頬を支えた。その目が、キラキラと輝いている。
カフェの列で、姚雪は姿勢よく立っていた。周りには親子連れや若いカップルがいる。誰もが普通の休日の午後を過ごしている。そんな中で、自分の体の中に何が入っているか。その事実だけで、彼女の心臓は早鐘を打っていた。
不意に、下腹部で何かが震え始めた。
(────っ!!)
それは先ほどのテストとは比べ物にならない、強烈な振動だった。内部でローターが暴れ、敏感な肉壁を激しく擦り上げる。姚雪はとっさに口を引き結び、両手でトレーを持つふりをして、カウンターにもたれかかった。
「お客様、ご注文はお決まりでしょうか」
店員の声が、遠くに聞こえる。
「……アイス、カフェラテを……三つ……」
声が震えないようにするだけで精一杯だった。振動は強弱を繰り返しながら、容赦なく彼女の内部を攻め立てる。太腿の内側が粟立ち、腰のあたりに甘い痺れが走り始めていた。
(だめ……こんなところで……)
姚兵は離れたテーブルから、姉のその様子をじっくりと観察していた。彼女が必死に平静を装っている姿。周囲の人間は誰も気付かない。気品ある美人が、今まさに人前で秘かにもだえ苦しんでいることを。
「すごいね」
小蝶がぽつりと言った。その口調は感心しているようでもあり、どこか面白がっているようでもある。
「まだ序の口だ。もっと強くするぞ」
姚兵がスマホの画面をスワイプすると、振動のレベルが一段階上がった。カウンターの姚雪の背筋が、ビクッと伸びる。かろうじて倒れずに立っているが、その膝は細かく震え、カウンターの縁を握る指が白くなっていた。
「お待たせいたしました。アイスカフェラテ三つでございます」
店員がトレーを差し出すのを、姚雪はどうにか受け取った。振動はまだ続いている。一歩、また一歩と、テーブルへ向かって歩き出す彼女の足取りは、まるでガラスの上を歩くような慎重さだ。股の間からは、愛液が太腿を伝って流れ落ちないように、彼女は内腿に力を入れ続けていた。
「お待たせ、しました……」
三人が座るテーブルにトレーを置くとき、姚雪の手がかすかに震えていた。顔はほんのりと紅潮し、こめかみにはうっすらと汗が浮かんでいる。普段のクールな美貌が、必死に快感をこらえる色香に染まっていた。
「よくできました」
姚兵は満足げに微笑むと、ようやくアプリの振動をオフにした。姚雪の全身から、ふっと力が抜ける。彼女は椅子に腰を下ろすと、深く息を吐いた。
「……ありがとう、ございます」
かすれた声で、弟に礼を言う。その目は潤み、まだ完全に正気を取り戻してはいなかった。
小蝶はストローをカフェラテに差し込みながら、そんな姉の姿を横目でじっと見ていた。その瞳の奥に、どんな感情が渦巻いているのか、姚兵には手に取るようにわかっていた。
「小蝶も、あとでご褒美をやるからな」
「……いらない。私は、見てるだけで楽しいから」
そう言ってストローをくわえる小蝶の口元には、確かに薄い笑みが浮かんでいた。十一歳とは思えない、どこか妖しい笑みだった。
午後六時を過ぎると、モールの中はさらに混雑してきた。仕事帰りの会社員や、夕食を食べに来た家族連れが増え、エスカレーターもレストラン街も人であふれている。
三人はレストラン街の奥まった場所にある、ファミリーレストランへと向かった。チェーン店だが、この時間帯は待ちが出るほど混んでいる。幸い、一番奥まったボックス席が一つだけ空いていた。
「ここにしよう」
姚兵が指定した席は、店の入り口から死角になるL字型のボックス席だった。片側は壁、もう片側は背の高い仕切りで隠されている。他の客からはほとんど見えない位置だ。
「姉さんと小蝶は奥に座れ。俺はこっち側だ」
姚兵が通路側の席に座ると、姚雪と小蝶は並んで奥の壁側の席に座った。メニューを見ながら適当に料理を注文し終えると、姚兵はテーブルの下に手を伸ばし、姉の膝に触れた。
「姉さん、わかってるな?」
「……はい」
姚雪は静かに席を立つふりをして、そのまま床にしゃがみ込んだ。テーブルクロスが床まで垂れているため、彼女の姿は外から完全に隠れる。狭い空間で、彼女は弟の足の間に向かい合うように膝をついた。
「小蝶、見張りを頼む。誰か来たら教えろ」
「わかった」
小蝶はメニューを手に取り、顔を隠すように掲げた。だがその目はメニューの文字を追ってはおらず、ちらちらと通路の方を窺っている。
テーブルの下では、姚雪が弟のジーンズのファスナーに手をかけていた。震える指でゆっくりと下ろし、中からすでに硬くなり始めている肉棒を引き出す。その先端は熱く、かすかに脈打っていた。
彼女はためらいなく、それを口に含んだ。
「んっ……」
温かく湿った口腔の感触に、姚兵は小さく息を漏らした。姉の舌が、敏感な先端を丁寧に舐めまわす。まるで大切なものを扱うかのような、愛おしむような動きで、彼女は弟のものを奥へと導いていった。
「そうだ……もっと奥まで……」
姚兵はテーブルの上のメニューを見ながら、平然とした顔で言った。その一方で、右手はテーブルの下に伸びて、姉の髪を優しく撫でている。
姚雪は言われた通り、肉棒を喉の奥まで受け入れた。彼女の口内は狭く、熱く、そして熟練した動きで弟を包み込む。舌全体を使い、上下に頭を動かしながら、ジュポジュポというかすかな水音を立て始めた。
「お待たせしました。サラダバーとドリンクバーになります」
その時、ウェイトレスが料理を運んできた。小蝶はとっさにメニューを下ろし、無表情のまま「ありがとう」と言った。
テーブルの下では、姚雪が動きを止め、息を潜めている。口にはまだ弟のものを含んだままだ。彼女は目を閉じ、音を立てないようにじっと耐えていた。
「ごゆっくりどうぞ」
ウェイトレスが去るのを確認すると、小蝶は小さく「行ったよ」と告げた。
「よし、続けろ」
姚兵の命令で、姚雪は再び口を動かし始めた。今度はさっきよりも早く、激しく。彼女は弟の太腿に両手をつき、唾液を滴らせながら夢中でしゃぶった。その顔は快楽に蕩け、目はうっとりと閉じられている。
(ああ……兵ちゃん……もっと……もっと辱めて……)
心の中でそう叫びながら、彼女はより深く、より激しく奉仕を続ける。人前で、しかも妹がすぐそこにいる状況で、弟のものを口に含んでいるという背徳感が、彼女の興奮を極限まで高めていた。
「姉さんの口、最高だな。下の口よりも熱心にしゃぶってるぞ」
姚兵は平然とサラダを食べながら、テーブルの下で奉仕する姉に言葉の鞭を打つ。その言葉に応えるように、姚雪の口の動きがさらに激しくなった。彼女のスカートの下では、先ほどからずっと愛液が滴り落ち、床に小さな染みを作っている。
「そろそろ出すぞ。全部飲め」
弟の声が、わずかに掠れた。彼もまた、姉の熟練した口技に限界が近づいている。
姚雪はうなずくように頭を動かし、さらに奥までくわえ込んだ。喉の奥の窄まりが、肉棒の先端を締め付ける。
「んぐっ……!」
姚兵が腰を小さく突き上げると同時に、熱い奔流が姉の喉の奥に放たれた。姚雪はむせることなく、そのすべてを飲み込んでいく。喉を鳴らして嚥下するたびに、彼女の体は快感に打ち震えた。
すべてを飲み干すと、彼女は名残惜しそうに肉棒を口から離し、ティッシュで丁寧に拭き始めた。拭き終わったものを再びジーンズの中にしまい、ファスナーを上げる。それから彼女は静かに席に戻り、何事もなかったかのようにスープを口に運んだ。
ただ、その顔は火照り、目尻はわずかに濡れていたが。
「ごちそうさま、姉さん。おかげで美味しく食事ができた」
姚兵がにっこりと笑いながら言った。姚雪は視線を落とし、小さな声で答える。
「……光栄です」
小蝶はそんな二人のやり取りを、無表情のまま見つめていた。そして、ポテトを一本口に放り込むと、ぼそりと言った。
「姉さん、スカートの裾、ちょっと濡れてるよ」
姚雪がはっとして裾を直すと、小蝶は何でもないことのように、次のポテトに手を伸ばした。
夕食を終え、三人がレストランを出る頃には、外はすっかり暗くなっていた。モールの閉店時間が近づき、客足もまばらになり始めている。照明が落とされ始めた通路を、三人は並んで歩いていた。
姚兵は満足げな表情で、両脇を歩く姉と妹を見比べる。姉の姚雪は、まだ顔にうっすらと紅潮を残しながらも、背筋を伸ばして優雅に歩いている。妹の小蝶は相変わらずの無表情だが、どこか機嫌が良さそうに、スキップでもしそうな足取りだった。
「今日の買い物は楽しかったか」
「ええ、とても」
「……べつに」
二人の答えを聞いて、姚兵は小さく笑った。モールの出口へ向かう彼らの影が、フロアの照明に長く伸びている。三人の影はまるで一つの大きな生き物のように、床の上をゆっくりと這っていた。