レンズの向こうの陥落

站点:NovelAI.one内容:前8章在线试读ID:a6e67c0c更新:2026-06-18 00:00
林雪は朝の九時ちょうどに、その白いビルに足を踏み入れた。エントランスの冷房が肌を刺し、彼女は無意識にカメラバッグのストラップを握りしめた。写真撮影への情熱だけでこの業界に飛び込んだ新卒の彼女には、社内のひんやりとした空気が異様に感じられた。 「林さんですね。社長がお待ちです」 受付の女性は無表情でそう言うと、廊下の奥を
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初出勤

林雪は朝の九時ちょうどに、その白いビルに足を踏み入れた。エントランスの冷房が肌を刺し、彼女は無意識にカメラバッグのストラップを握りしめた。写真撮影への情熱だけでこの業界に飛び込んだ新卒の彼女には、社内のひんやりとした空気が異様に感じられた。

「林さんですね。社長がお待ちです」

受付の女性は無表情でそう言うと、廊下の奥を指さした。林雪は軽く会釈をして、示された方向へ歩き出した。壁には派手なポスターが貼られ、商品のパッケージと思しき画像が整然と並んでいる。彼女はそれを直視できず、目をそらした。

社長室のドアをノックすると、中から低い声が返ってきた。

「入れ」

張社長はデスクの向こうで煙草をふかしていた。机の上には書類が乱雑に積まれ、灰皿には吸い殻が山盛りになっている。彼は林雪を一瞥すると、口元に笑みを浮かべた。

「新人か。今日からここで働くんだな。まあ、うちの会社にはちょっとした慣習があってな。新入社員は全員、自己紹介をしてもらうんだ」

「自己紹介……ですか?」

林雪が不安そうに尋ねると、張社長は煙草を灰皿に押しつけ、立ち上がった。

「ああ、社員の前でな。お前のことをよく知ってもらうための儀式だと思え。さあ、向こうのスタジオに来い」

彼は先に立って歩き出した。林雪は従うしかなかった。心臓が早鐘を打ち、手のひらに汗が滲む。何かがおかしい。そう直感したが、初日から反抗する勇気はなかった。

スタジオにはすでに十数人の男たちが集まっていた。李強はカメラの三脚を調整しながら、林雪を見て微笑んだ。その笑顔は一見穏やかだが、目の奥に何か底光るものを感じさせる。王浩は壁にもたれて腕を組み、林雪を値踏みするように見下ろしていた。他の男たちも、それぞれに淫らな笑みを浮かべている。

「さあ、林さん。まずは服を脱ぎなさい」

張社長が平然と言った。林雪は耳を疑った。

「え……何を言って……」

「言った通りだ。自己紹介の第一歩だ。お前の体を皆に見せるんだ。それがうちのルールだ」

林雪の顔から血の気が引いた。彼女は首を振り、後ずさりした。

「そんな……できません。私、帰ります」

「帰る? 契約書にサインしただろう。試用期間中は会社の指示に従うと。お前がここを辞めるなら、違約金を払ってもらうことになるぞ。それでいいのか?」

張社長の声は冷たく、断固としていた。林雪は言葉を失った。確かに契約書には細かい条項が並んでいたが、まさかこんな内容とは思わなかった。違約金の額は、彼女の貯金では払えないほど高額だった。

李強がそっと近づいてきた。

「林さん、慣れれば大したことじゃない。うちは家族みたいなものだからね。さあ、楽にしよう」

彼の手が林雪のブラウスのボタンに触れた。林雪は反射的に手を払いのけようとしたが、背後から王浩ががっしりと両腕を掴んできた。

「おとなしくしろよ、新人」

王浩の息が耳元にかかる。林雪は恐怖で体を硬くした。逃げ場はない。彼女は唇を噛みしめ、目を閉じた。李強が手際よくボタンを外し、ブラウスがはだけられる。次にスカートのファスナーが下ろされ、衣類が一枚また一枚と剥ぎ取られていった。男たちの視線が肌に突き刺さる。林雪はまるで自分の体が別物になったような感覚に襲われた。

「さあ、こっちに立って」

張社長がスタジオ中央のスポットライトの下を指さした。王浩に押され、林雪はふらふらとその場所に立った。明るい光が彼女の裸を容赦なく照らし出す。男たちの視線が全身を舐め回す。彼女は腕で胸を隠そうとしたが、張社長が厳しい声で言った。

「腕を下ろせ。隠すんじゃない」

林雪は震えながらも、従うしかなかった。腕をだらりと垂らし、うつむく。涙がこぼれ落ちそうになるのを必死にこらえた。

「よし、じゃあ始めるぞ」

張社長がそう言うと、男たちはそれぞれポケットやバッグから林雪の服を取り出した。先ほど脱がせたばかりのブラウスやスカート、下着類だ。林雪は何が起こるのか理解できなかった。

李強がブラウスを手に取り、それを顔に近づけて匂いを嗅いだ。そして自分の股間をまさぐりながら、ブラウスで自身を包み込むようにこすり始めた。他の男たちも同様に、林雪の衣類を使って自慰行為を始めた。スカートに鼻をうずめる者、下着を握りしめて腰を動かす者。スタジオには淫らな息遣いと衣擦れの音が満ちた。

林雪はその光景に眩暈がした。自分の身に着けていたものが、見知らぬ男たちの手で汚されている。吐き気が込み上げてきたが、その場で嘔吐することさえ許されない気がした。彼女はただ立ち尽くし、無機質な天井の照明を見上げた。目を閉じれば、その映像がまぶたの裏に焼きつく。開けていれば、現実が迫ってくる。

数分後、李強が最初に達した。彼はブラウスを握りしめ、荒い息をついた。そして濡れたブラウスを林雪に差し出した。

「さあ、着ろ」

林雪は目の前のブラウスを受け取るのが怖かった。生地は湿っていて、生暖かく、嫌な匂いが染みついている。彼女は首を振ったが、張社長が冷たく命令した。

「着ろ。これもルールだ」

林雪の手は震えていた。彼女は濡れたブラウスを広げ、自分の体に纏わせた。冷えた布地が肌に張り付き、ぬるぬるとした感触が全身に広がる。次にスカートが差し出された。同じように湿っていて温かい。彼女は歯を食いしばり、それを履いた。下着も同様に濡れており、彼女はそれを身につけるたびに自分の尊厳が少しずつ削り取られていくのを感じた。

男たちは次々と達し、そのたびに林雪は新たな衣類を着せられた。ブラウスは複数の精液でべとつき、スカートは重く垂れ下がっている。彼女は全身が汚物にまみれたような感覚に襲われた。それでも彼女は黙って耐えた。拒否すれば、さらに酷いことが待っている。そう直感した。

最後に王浩が下着を手に取り、彼女の目前で腰を動かした。彼は林雪の目をじっと見つめながら、卑猥な笑みを浮かべている。林雪はその視線から逃れるように顔を背けた。数秒後、王浩は低く唸り、下着を彼女の顔に押し付けてきた。

「お前の匂いだ。よく覚えておけよ」

林雪は顔をそむけようとしたが、王浩の手が強く押さえつける。鼻の先に生温かい液体の匂いが広がり、彼女は思わず息を止めた。やがて王浩が手を離し、下着を彼女の手に握らせた。

「着ろ」

林雪は手の中の下着を見下ろした。白い布地が濁った色に染まっている。彼女はそれを身につけることがどうしてもできず、その場に立ちすくんだ。しかし張社長がまたしても冷たい声を投げかけた。

「時間を無駄にするな。着ろと言ったら着るんだ」

林雪はゆっくりと下着を広げ、足を通した。濡れた感触が太ももに広がり、彼女の内側まで犯されているような気がした。涙がついにこぼれ落ちた。それでも彼女は声を上げなかった。上げれば、さらに大きな屈辱が待っていることを本能的に理解していた。

すべての衣類を着終えた林雪は、精液と汗の混じった異臭を全身にまとっていた。男たちは満足げに笑い合い、李強はカメラを構えていた。

「記念に一枚撮っておくか」

フラッシュが光り、林雪はその閃光の中で自分の姿が永遠に記録されることを悟った。彼女はもう二度と、純粋な気持ちでシャッターを切ることはできないだろう。その瞬間、彼女の心のどこかがぽっきりと折れた。

張社長が煙草に火をつけ、煙を吐き出しながら言った。

「これで自己紹介は終わりだ。今日はもう帰っていい。あしたから、本格的に仕事を覚えてもらう。ちゃんと期待に応えろよ」

林雪は無言でうなずいた。彼女の目は虚ろで、焦点が合っていない。足元がふらつき、壁に手をついて何とか体を支えた。男たちはそれぞれの場所に散っていき、スタジオには林雪だけが残された。

彼女はゆっくりとスタジオを出て、更衣室に向かった。鏡に映る自分は、髪は乱れ、着ている服はよれよれで、異様な臭いを放っている。彼女はシャワーを浴びたかったが、そんな気力も湧かなかった。ただ壁にもたれ、床に座り込んだ。

初出勤の日が、これで終わった。そして、これから何度もこの日が繰り返されることを、彼女は薄々感じていた。抵抗する力はもうない。ただ、流されるままに生きるしかないのだ。林雪は冷たい床の感触を頬に感じながら、ゆっくりと目を閉じた。

撮影室の罠

# 第二章:撮影室の罠

林雪は緊張で手のひらに汗をかいていた。李強のアシスタントカメラマンとして、初めて撮影現場に足を踏み入れたのだ。狭いスタジオには複数の照明器具が天井から吊るされ、中央には白いベッドが一台。周囲にはカメラや機材が無造作に置かれている。

「林さん、ここが君の戦場だよ」

李強がそう言って笑った。彼の目は優しそうに見えて、どこか冷たさを秘めている。林雪は緊張しながらも、このチャンスを無駄にできないと思った。新卒でこのAV制作会社に入社し、ようやく与えられた現場経験だ。

「はい、精一杯頑張ります」

林雪はカメラバッグを肩から下ろし、周囲の機材を確認し始めた。李強はその様子を眺めながら、ゆっくりと近づいてきた。

「まずは基本からだ。照明の角度は重要だぞ。被写体の顔に陰影ができると、観客の視線を誘導できる」

李強は林雪の背後に立ち、彼女の手を取って照明器具を操作させた。突然の接近に林雪の背筋が凍りつくが、彼女は必死に平静を装った。

「ここを…こう動かすんですね」

「そうだ。だが、もっと低い位置から照らす必要がある」

李強は林雪の肩を押し、無理やり床に座らせた。彼女の目の前にはちょうど、李強のベルトの位置があった。

「李先輩、これは…」

「光の調整だ。この角度から見てみろ、被写体の顔がより魅力的に見えるだろう?」

李強の声は変わらず穏やかだったが、その目は獲物を狙う獣のように光っていた。林雪は心臓が激しく鼓動するのを感じた。何かがおかしい。これが通常の指導なはずがない。

「先輩、私まだ立ち上がって…」

「立つ必要はない。そのままそこにいろ」

李強の声には有無を言わせぬ力があった。林雪の心臓は止まりそうになった。彼はゆっくりとズボンのチャックを下ろし始めた。

「新人教育の一環だ。この業界では、誰もが通る道だと思え」

「そんな…やめてください!」

林雪は立ち上がろうとしたが、李強の手が彼女の肩を強く押さえつけた。恐怖で全身が震える。

「きちんと従え。さもなければ、今日限りで首だぞ。君の仕事への情熱は、そんなものだったのか?」

冷たい脅迫の言葉が林雪の耳に突き刺さる。彼女は必死に涙をこらえた。仕事を失うわけにはいかない。この会社に入るために、どれだけの努力をしたか。

「だが…これがアシスタントの仕事なんですか?」

「もちろん。これは会社のルールだ。張社長も当然ご存知だ」

李強の口元に歪んだ笑みが浮かんだ。彼は林雪の頭を自分の股間に押し付けた。林雪の脳裏に様々な思いが駆け巡る。拒否したい。逃げ出したい。だが、もう一歩も動けなかった。

「口を開けろ。噛むなよ」

その命令は、まるで遠くから聞こえるようだった。林雪の手は固く握りしめられ、爪が深く手のひらに食い込む。心の中で何かが音を立てて砕け散る音がした。

「早くしろ。次の撮影が始まる前に終わらせたいんだ」

李強の声には苛立ちが混じり始めていた。林雪はゆっくりと目を閉じた。その瞬間、彼女の中で何かが壊れた。抵抗することの無意味さを悟ったのだ。

震える唇を開き、彼女は要求された行為を始めた。胃の中がひっくり返るような感覚を必死に抑えながら。カメラのファインダーが無機質に彼女を見下ろしていた。

「いいぞ。その調子だ」

李強の手が林雪の髪を撫でる。その感触が、彼女の尊厳をさらに削り取っていく。林雪の瞳から涙がこぼれ落ち、床に小さな染みを作った。

数分後、ようやく解放された林雪は、口元を拭いながら立ち上がった。唇は腫れ、化粧は乱れていた。それでも彼女はカメラの前に立たなければならない。

「さあ、撮影を始めよう。いい勉強になっただろう?」

李強は何事もなかったかのようにカメラの準備を始めた。林雪は機械的に機材を操作する。心の中は真っ白で、何も考えられなかった。

撮影室の照明がまぶしく光る。その光は、彼女が失った純粋な情熱を嘲笑うかのようだった。林雪はただ、与えられた仕事を淡々とこなすことしかできなかった。もう二度と、以前のような気持ちでカメラを覗くことはできないだろう。

休憩時間の凌辱

休憩時間のチャイムが鳴り、林雪はほっと息をついた。朝から続いた撮影の緊張がようやく解ける。彼女は重い足取りで休憩室へ向かい、小さなソファに腰を下ろした。部屋には誰もいない。彼女はスマートフォンを取り出し、何気なくSNSを眺める。写真撮影のアカウントには、まだ投稿していない下書きがいくつもあった。以前はああやって自由にシャッターを切っていたのに、今はもうその気力もない。

入口のドアが開く音がした。顔を上げると、李強がコーヒーカップを手にして入ってきた。彼は優しげな微笑みを浮かべているが、その目は林雪を値踏みするように眺めている。

「お疲れさん、林さん。初日から大変だったろう」

「ええ、まあ…」

林雪は曖昧に答えた。李強は近づいて、彼女の隣に座ろうとする。林雪は無意識のうちに体を少しずらした。すると、またドアが開き、体格のいい王浩がずかずかと入ってきた。彼は林雪を見るなり、にやりと笑った。

「お、新人ちゃんがいるじゃん。休憩時間ってことで、ちょっとした歓迎会でもやろうぜ」

その声には何か含みがあった。林雪は不安を覚え、立ち上がろうとした。しかし、李強がさりげなく手を伸ばして、彼女の肩を押さえた。

「そうだな、会社の団結活動ってやつだよ。林さんもこれから仲間になるんだから、しっかり馴染んでもらわないとな」

林雪の心臓が激しく打ち始めた。彼女は首を振り、声を震わせた。

「ちょっと、どういうことですか?私は戻ります。撮影の準備を…」

「まだ時間はあるさ。リラックスしろよ」

王浩がずんずんと歩み寄り、林雪の手首を掴んだ。その力は強く、彼女は振りほどけなかった。李強も立ち上がり、もう片方の腕を取った。林雪は必死に体をよじったが、二人の男の前では無力だった。

「やめてください!誰か助けて!」

叫ぼうとした瞬間、王浩の大きな手が彼女の口を覆った。息が詰まりそうになる。彼女はもがいたが、王浩は笑いながら言った。

「そう叫ぶなよ。この部屋は防音だし、誰も来ないんだぜ。せっかくの歓迎の時間だ。素直に受け入れろよ」

林雪の目に涙が溢れた。恐怖が全身を駆け巡る。李強が彼女のスカートの裾に手をかける。彼女は必死に足を閉じようとしたが、王浩がその膝を押し開いた。

「ちゃんと会社のルールに従えよ。これも仕事のうちだ」

李強の声は相変わらず穏やかだが、その手の動きは確信に満ちていた。林雪は頭の中が真っ白になりながらも、最後の力を振り絞って体をくねらせた。だが、無駄だった。王浩の体重が彼女の上にのしかかり、彼女は身動きが取れなくなった。

「ちっ、おとなしくしろよ。俺たちを怒らせると、もっとひどいことになるぞ」

王浩が低い声で脅す。林雪は抵抗を止めた。体が震え、涙が止まらない。李強がシャツのボタンを外し始める。彼女はただ、天井の蛍光灯を見つめていた。

やがて、時間が過ぎ去った。休憩終了を告げるチャイムが鳴る。二人の男は何事もなかったかのように服を整え、立ち上がった。林雪は床に横たわったまま、体を動かせなかった。

「じゃあな、新人ちゃん。また後でな」

王浩が笑いながら手を振って出ていく。李強は振り返りもせず、ドアを閉めた。休憩室には林雪だけが残された。彼女はゆっくりと体を起こし、乱れた服を整えた。鏡を見ると、目の周りが赤く腫れている。彼女はその自分を、他人事のように眺めた。

その後、林雪は撮影現場に戻った。張社長が彼女を見て、満足げにうなずいた。

「やあ、林さん。どうだ、もうチームに馴染めたか?」

林雪は声が出なかった。ただ、こくんと頷くだけだった。張社長は笑いながら続けた。

「いいねえ。君はすぐにこの会社の一員になれたようだ。これからも頑張ってくれよ。ちゃんと仕事を覚えて、みんなと仲良くやるんだぞ」

その言葉には何の疑いもなく、ましてや詮索する気配もなかった。林雪はカメラの向こうに映る自分の姿を想像した。もう、そこには以前の自分はいなかった。ただの道具が、黙ってシャッターを待っているだけだった。

正社員前の試練

インターン最終日の朝、林雪はいつもより早く会社に着いた。今日でこの忌々しい期間が終わる——そう思うだけで、胸の奥が軽くなるようだった。更衣室で私服から作業着に着替えながら、鏡に映る自分の顔を見る。目の下の隈が濃くなっていた。ここ数週間、まともに眠れた夜は数えるほどしかない。

「林雪、張社長が呼んでるよ。すぐに社長室に行けって」

同僚の声に、彼女ははっとした。心臓が嫌な音を立てる。張社長に個別に呼ばれること自体、もう何度もあった。しかし今日は違う。インターン最終日——何かを言われるとすれば、正社員の話だろう。もしかしたら、撮影チームへの配属が決まったのかもしれない。あるいは、もっと悪い……。

彼女は自分の考えを打ち消すように首を振った。考えすぎだ。ただの最終面談に違いない。そう自分に言い聞かせながら、社長室の扉をノックした。

「入れ」

低い声が返ってくる。林雪はドアノブを回し、重い鉄の扉を押し開けた。部屋の中は薄暗く、カーテンが半分だけ閉められている。張社長は大きな机の向こう側で、革張りの椅子に深く腰掛けていた。彼の指先には煙草が挟まれており、灰色の煙が天井に向かってゆっくりと立ち上っている。

「お座り」

彼は顎で向かいの椅子を示した。林雪はおずおずと腰を下ろす。沈黙が数秒続き、彼女の鼓動が耳の奥で響き始める。

「インターン期間、お前の働きは見ていたよ」

張社長が煙草を灰皿に押し付けてから、口を開いた。その声には感情がまったく込められていない。

「はい……ありがとうございます」

「だがな、林雪。この業界で生き残るためには、写真的な技術だけじゃ足りない。本当のプロフェッショナルはな、全てを会社に捧げる覚悟が必要なんだ」

彼は机の引き出しから一枚の書類を取り出した。正社員契約書——そう書かれた文字が、蛍光灯の光を反射している。

「ここにサインすれば、お前はうちの正社員だ。ただし、その前に——」

張社長は立ち上がり、ゆっくりと彼女の背後に回る。林雪の肩に手が置かれた。指が、彼女の首筋をなぞるように触れる。冷たい感触に、全身の毛が逆立った。

「正社員テストだ。俺を満足させられたら、この契約書に判を押してやる」

「……え?」

言葉の意味が、一瞬理解できなかった。しかし彼の手が彼女の肩から鎖骨へと滑り落ちた瞬間、すべてが氷のように冷えていくのを感じた。

「こ、こんなこと……できません……!」

林雪は反射的に椅子から立ち上がろうとした。しかし張社長の手が、彼女の肩を押さえつける。

「できない? お前はこの業界で働くって決めたんだろう? だったら、その覚悟を見せろ」

「でも……私はカメラマンとして……」

「カメラマンも女優も、この会社では同じだ。全ては作品のためにある。お前の身体も、感情も、全部な」

彼の声は依然として穏やかだった。しかしその言葉の一つ一つが、刃物のように彼女の心を切り裂いていく。

「嫌です……お願いです……やめてください……」

林雪の声は震えていた。涙が目尻に浮かぶ。しかし張社長はその涙を見て、かすかに笑った。

「泣くな。まだ何も始まっちゃいない」

彼は彼女の顎を掴み、無理やり視線を合わせさせる。

「選択肢は二つだ。俺の要求を受け入れ、ここに残るか——あるいは、今すぐ荷物をまとめて出て行くか。だが、その場合はな、この業界での仕事は二度と無いと思え。俺の口一つで、お前の名前は業界中に広まる。『使えない女』ってな」

林雪の呼吸が浅くなる。逃げ出したい——その思いが全身を駆け巡る。しかし同時に、彼女は知っていた。この会社だけではない。この業界は、張社長の言葉通り、情報が一瞬で循環する世界だ。もしここで拒否すれば、他の会社でも雇ってもらえなくなる。カメラマンとしての夢は、一瞬で砕け散る。

「どうする? 時間はあまりないぞ」

張社長は彼女の手首を掴み、立ち上がらせた。彼の指の力が、骨を砕かんばかりに強い。

「……わかり……ました……」

その言葉は、喉の奥から絞り出されたかすれた声だった。もう抵抗する力は、彼女のどこにも残っていなかった。

張社長は満足げにうなずくと、彼女を机の上に押し倒した。冷たい木の感触が、彼女の頬に伝わる。視界の端に、あの契約書が映った。インクの匂いが、鼻を刺す。

何もかもが、現実とは思えなかった。まるで自分が別人の人生を見ているようだ。彼女の身体は、まるで人形のように張社長の手によって動かされていく。抵抗する術も、叫ぶ力も、もう彼女の中にはなかった。

全てが終わった時、林雪は震える手で衣服を整えた。床には涙の跡が点々と落ちている。張社長は満足げに煙草に火をつけ、紫煙を吐き出した。

「悪くなかった。お前には才能がある——いや、素質があるな」

彼は契約書を差し出した。万年筆も一緒に。

「ここにサインしろ。お前は今日から、うちの正社員だ。ただし——今日のことは、誰にも言うなよ。これは俺たちだけの秘密だ」

林雪はペンを受け取った。インクの汚れが、指先に小さな黒い点を残す。彼女は震える手で、契約書に名前を書いた。文字が歪んでいる。それはまるで、他人の筆跡のようだった。

「よくできた。では、お前の初任務だ」

張社長は引き出しから別の書類を取り出した。そこには、撮影スケジュールが書かれている。林雪の名前の横には、初めて見るタイトルが記されていた。

「来週の撮影だ。相手は王浩——お前も顔は知っているだろう。初めての撮影にしてはなかなかの大役だ。しっかりやれよ」

林雪の手から、契約書が滑り落ちた。彼女の目は、虚ろに空中をさまよっている。

「……はい……」

それだけ言うのが、精一杯だった。

社長室を出た後、林雪は廊下の壁に手をついて立ちすくんだ。全身の力が抜け、膝が笑っている。周りの同僚たちは、何事もなかったかのように忙しそうに動き回っている。誰も彼女の異変に気づかない。

いや——気づいていても、無視しているのかもしれない。この会社では、こういうことが「日常」なのだろう。

林雪はゆっくりと歩き出した。足取りは重く、まるで泥の中を進むようだ。更衣室の鏡には、生気を失った自分の顔が映っている。彼女はその顔をじっと見つめた。

もう戻れない。

その言葉が、頭の中で反響していた。夢を追いかけて入ったこの会社が、彼女を飲み込もうとしている。抗う力はもう残っていなかった。彼女はただ、流されるままに進むしかない。

鏡の中の自分は、もう笑わなかった。

初めての撮影

# 第五章:初めての撮影

化粧室の鏡の前で、林雪は自分を見つめていた。学生服に身を包んだ彼女の姿は、まるで高校生に戻ったかのようだった。しかし、目尻に滲む涙の跡が、その錯覚を打ち破る。

「林さん、準備はいいですか?」

ドアの向こうから李強の声が聞こえる。表面は穏やかだが、その声の奥底には期待と興奮が潜んでいることを、林雪はもう知っていた。

「はい……」

震える声で返事をする。もう逃げ場はない。三日前、張社長に呼び出され、正社員としての契約を突きつけられた。「女優としての仕事を拒否するなら、試用期間のまま解雇だ」と宣告されたのだ。

林雪はゆっくりと立ち上がる。スカートの裾が太ももに触れる感触さえ、今は異物のように感じられる。ドアを開けると、李強が待っていた。

「よく似合ってるよ。本当に高校生みたいだ」

その言葉に悪意は感じられない。しかし、彼の視線が自分の体を舐めまわすように動くのを、林雪は感じ取った。ああ、この人もまた、私をただの肉として見ているのだ。

スタジオに向かう廊下の途中、張社長とすれ違う。彼は一瞥もくれず、「ちゃんとやれよ」とだけ言い放った。その背中には、一切の感情が読み取れなかった。

スタジオのドアが開かれると、強い照明の光が林雪を包み込む。簡素なセットが組まれていた。和室の一部を再現した空間で、畳の上に古いソファとテーブルが置かれている。奥には、父親の写真が飾られた棚があった。

「林さん、こちらが王浩さんです」

李強が紹介する。そこに立っていたのは、がっしりとした体格の男だった。年は四十代前半だろうか。その目は獲物を見つけた獣のようで、林雪は無意識に後ずさりした。

「初めてだってな。よろしく」

王浩はにやりと笑い、林雪の手を握る。その手のひらの熱さと力強さに、林雪の心臓は早鐘を打ち始める。

「それじゃあ、簡単に説明するね。シチュエーションは、父親が娘を自分のものにするっていう、いわゆる近親相姦ものだ。林さんは反抗しながらも、最終的には父親の愛に目覚めるって役どころだよ」

李強はカメラを調整しながら、淡々と説明する。その声は、まるでスーパーマーケットの買い物リストを読み上げるかのようだった。

「楽しんでいるように見えるのがポイントだ。痛がるだけじゃ、視聴者は満足しないからね」

林雪の顔が青ざめる。唇が震え、言葉が出ない。

「よし、始めるよ」

李強がカメラを構える。照明が一段と強くなる。王浩は上着を脱ぎ、シャツのボタンを外し始めた。

「アクション!」

李強の声が響く。

王浩の表情が変わる。優しい父親の微笑みから、欲望に歪んだ笑みへと。

「おかえり、雪。今日は学校、どうだった?」

台詞は書かれているが、王浩はそれに忠実ではない。彼は林雪に近づき、その髪を撫でる。優しい仕草だが、その指先には欲望が滲んでいる。

「……普通でした」

林雪は台本通りに答える。声が震えている。

「そうか……父さんは、雪に言いたいことがあるんだ」

王浩の手が林雪の肩に触れる。その瞬間、林雪の全身が硬直した。

「お願い……やめてください」

林雪の声は泣きそうだった。しかし、カメラは回り続けている。

「どうしたんだ、雪? 父さんが嫌いか?」

王浩の声は優しいままだが、その手はより強く林雪の肩を掴む。痛みに林雪が顔を歪めると、王浩はその隙に唇を彼女の首筋に寄せる。

「いやっ!」

林雪は反射的に体をよじった。しかし、王浩の腕はそれを許さない。

「カット!」

李強の声が響く。林雪が安堵の息を漏らした瞬間、李強は冷たく言い放った。

「林さん、そんな拒絶じゃダメだ。最初は嫌がるけど、次第に快楽に溺れていくんだよ。その変化を見せないと」

「でも、本当に嫌なんです……止めてください、お願いします」

林雪は涙を流しながら、李強に懇願する。しかし、李強は顔色一つ変えず、首を振る。

「契約書にサインしただろ? プロってのは、自分の感情を仕事に持ち込まないものだよ」

「そうですよ、林ちゃん」

王浩が手を伸ばし、林雪の涙を指で拭う。その仕草は一見優しげだが、その目は笑っていない。

「慣れますよ。最初はみんなそうだから。俺が優しくしてあげますからね」

その言葉に、林雪の心は冷えていく。抗えない現実が、ゆっくりと彼女を包み込む。

「よし、もう一度行くよ。ダメなら何度でもやるからな」

李強の声が、無慈悲に響く。

二度目のテイク。王浩の抱擁はより強く、林雪の体は自由を失っていく。

「いや……いやだ……」

林雪の声はかすれていた。

王浩の手がスカートの裾に触れる。その瞬間、林雪は必死にもがいた。しかし、その抵抗も虚しく、スカートは引き裂かれる。

「ああっ!」

悲鳴が部屋に響く。

「その調子だ! もっとその感情を出せ!」

李強の声が遠くから聞こえる。

王浩の体が重くのしかかる。林雪は畳の上に押し倒され、両手を拘束される。カメラのレンズが全てを捉えている。

「いいぞ、その顔だ。苦しみながらも、どこか快感を感じているような表情を」

李強の指示が飛ぶ。林雪は必死にその指示に従おうとする。嫌悪と恐怖で体が震えているのに、自分から腰を動かさなければならない。それがどれほどの苦痛か、誰も理解してくれない。

「もっと感情を込めて! 父さんを愛してるって言え!」

王浩が命令する。林雪は震える声で、「お父さん……好き……」と呟く。その言葉は、自分自身を裏切るようで、胸が張り裂けそうだった。

時間は残酷なほどゆっくりと流れる。一時間、二時間、三時間……林雪の意識は朦朧としていた。体はもう感覚を失いかけている。それでも、カメラの前で演じ続ける。

「しっかりしろ、林ちゃん。まだ終わりじゃないよ」

王浩の声が聞こえる。彼の動きはますます激しくなり、林雪の体はそれに耐えるしかない。

「もっと声を出せ! 気持ちいいって言え!」

李強の指示が飛ぶ。

林雪の口からは、機械的に「気持ちいい」という言葉が漏れ出る。しかし、それはまるで他人の声のように聞こえる。

四時間が経過した。林雪の体は完全に動かなくなっていた。畳の上に横たわり、天井を見つめる。その目は虚ろで、何も映していない。

「カット! お疲れ様」

李強の声が響く。スタジオの照明が消え、一気に薄暗くなる。

王浩は体を起こし、シャツを羽織る。その表情には一切の罪悪感がない。

「初めてにしては上出来だったな。また頼むよ」

そう言い残し、王浩はスタジオを去っていく。その後ろ姿を、林雪は見送ることもできなかった。

「林さん、片付け手伝ってくれるか?」

李強の声が聞こえる。しかし、林雪の耳にはその言葉は届かない。彼女はただ、畳の上に横たわり、天井を睨みつけていた。

涙はもう出ない。叫び声を上げる力もない。ただ、冷たい現実だけが彼女の体に残る。

レンズの向こうで、全ては記録された。それは彼女の最初で最後の抵抗を、無惨に打ち砕く映像となって、永遠に残るのだ。

スタジオの空気は重く、林雪の体はもう自分自身のものではなかった。彼女はゆっくりと体を起こし、引き裂かれたスカートを直す。

「次の撮影の予定は、来週です。詳しい内容は後日連絡します」

李強の声が、遠くから聞こえる。

林雪は何も答えず、ただ頷いた。機械のように、感情を殺して。

公衆トイレの便器

次の撮影のテーマが「公衆トイレの便器」だと聞かされたとき、林雪の顔から血の気が引いた。張社長は書類に目を落としたまま、冷たい声で言った。

「今回は、お前は便器だ。通行人が用を足しに来る。お前の役目は、それをすべて受け止め、舐め清めることだ。」

林雪は唇を震わせたが、何も言えなかった。抗議の言葉は喉の奥で固まり、ただ小さく頷くことしかできなかった。

更衣室で渡されたのは、黒い革のボディスーツだった。胸と股間が露出するように大胆にカットされ、全身にピタリと貼り付く。鏡に映った自分の姿は、もはや人間とは思えなかった。ただの物体だ。用意された動きをこなすだけの、人間の形をした什器。

撮影場所は、繁華街から外れた公園の公衆トイレだった。昼間は家族連れで賑わう場所も、今は夜の闇に沈んでいる。強力なライトが便器を照らし出し、カメラが据え付けられた。李強がレンズを調整しながら、無表情で指示を出す。

「雪、便器の前にひざまずけ。顔を便座の高さに合わせろ。」

林雪はコンクリートの冷たさを膝に感じながら、言われた通りの姿勢をとった。革の衣装が体を締め付け、呼吸が浅くなる。目を閉じると、吐き気が込み上げてきた。

「よし、本番だ。通行人が来る。」

トイレの入口に、王浩と他の三人の男優が立っていた。作業服に身を包み、酔っ払いのふりをしている。王浩が最初に歩み寄り、林雪の前に立った。

「おい、ここに小便しろってよ。便器があるじゃねえか。」

彼は笑いながらズボンのファスナーを下ろした。温かい液体が林雪の顔に降り注いだ。強烈なアンモニア臭が鼻をつく。彼女は思わず顔をそむけたが、李強の鋭い声が飛んだ。

「顔を上げろ。カメラに映っていない。」

林雪は歯を食いしばり、再び顔を前に向けた。黄色い液体が髪を伝い、頬を滴り落ちる。口に流れ込んだ尿の塩辛さに、胃液が込み上げてきた。しかし、吐くことは許されない。

「次だ、舐め清めろ。」王浩が命令した。

林雪は震える舌を伸ばし、便器の縁をなめた。自分の尿ではない。他人の排泄物を舐めるという屈辱が、脳髄を直接焼くようだった。それでも、撮影が早く終わるようにと、必死に動きを続けた。

二人目、三人目の男優が次々に用を足した。彼女の体は尿まみれになり、トイレ全体に異臭が充満した。四人目が終わったとき、彼女はもうすべての感覚を失っていた。ただ機械的に舌を動かし、指示に従うだけの存在だった。

「はい、カット。OKだ。」

李強の声が遠くに聞こえた。林雪はその場に崩れ落ち、嘔吐した。胃液と尿が混ざり合い、コンクリートの床に広がる。しかし、誰も彼女を気に留めなかった。片付けを始めるスタッフの間を、彼女は這うようにして更衣室へ向かった。

鏡の前に立つと、そこには別人がいた。髪は乱れ、化粧は流れ落ち、目は虚ろだった。林雪は自分の顔をじっと見つめた。もう、泣くことさえできなかった。

次の撮影のスケジュールが、無言でロッカーに貼られていた。彼女はそれを見て、ただ小さく息を吐いた。抵抗する気力は、もう残っていなかった。

獣姦の恥

# レンズの向こうの陥落

## 第七章 獣姦の恥

呼び出しの電話は、いつものように突然だった。

「林さん、今日の撮影、準備できてるわよ。早くスタジオに来なさい」

張社長の声は事務的で、そこには一切の温情もなかった。林雪は電話を切ると、震える手で服を着替えた。もう何日目だろうか。時間の感覚はとっくに失われていた。ただ、与えられる指示に従い、要求されるままに身体を差し出すだけの日々。

スタジオに足を踏み入れた瞬間、異様な空気を感じた。いつもと違う。何かが違う。カメラのセッティングはいつも通りだが、中央に敷かれたマットの周りに、見慣れないケージが置かれていた。

「今日のテーマは特別だ」

李強がカメラを調節しながら、振り返らずに言った。その声には、かすかな愉悦が混じっていた。

「何を…何をするんですか?」

林雪の声は震えていた。

「見ればわかるさ」

張社長が奥から現れた。その後ろには、リードを引かれた一匹の犬がいた。体高のある、がっしりとしたシェパードだ。黒く光る毛並み、鋭い目つき。林雪の心臓が嫌な予感に跳ねた。

「衣装はあっちにある。着替えてこい」

林雪は拒否したかった。喉の奥まで言葉がせり上がったが、張社長の冷たい視線に飲み込まれた。首を振ることさえ、許されない。彼女は無言で更衣室に向かった。

そこに掛けられていたのは、透明なレースのネグリジェだった。薄く、透けて、何も隠せない。下着もつけさせる気はないのだ。林雪は唇を噛みしめ、ゆっくりと服を脱いだ。自分の身体が、自分のものではなくなっていく感覚。心が麻痺していく。

着替え終えた彼女がスタジオに戻ると、男たちの視線が肌に刺さった。李強は満足げに頷き、張社長は手元の書類に目を落としたまま、一言だけ言った。

「始めろ」

王浩が犬をマットの上に連れてきた。犬は興奮した様子で、鼻をヒクつかせ、林雪の匂いをかごうとする。

「おとなしくしてろよ」

王浩は林雪の肩を押し、マットの上にうつ伏せに倒した。冷たい感触が全身を走る。犬の吐く息が、首筋にかかる。

「やめて…やめてください…」

林雪の声はか細く、誰にも届かない。

「カメラ、回せ」

李強の声が響いた。

犬の体重がのしかかった。獣の熱が、背中越しに伝わる。林雪は必死に歯を食いしばった。しかし、犬の動きが始まると、悲鳴は喉の奥でかき消された。

痛みが走った。人間とは違う、無機質で野蛮な動き。制御されない力。林雪の指がマットを掻きむしるが、何の意味もない。

「もっと顔を見せろ」

李強が指示を飛ばす。反射的に顔を上げると、レンズが彼女の苦痛を逃さず捉えていた。

「ストップ。もう一度角度を変える」

張社長が冷たく言った。

「ま、まだおわって…」

「もう一度だ」

犬が再び動き始める。痛みが増した。林雪の視界が歪む。涙が止まらない。それでも男たちは容赦しない。

「もう一度」

「もう一度」

言葉が繰り返されるたび、林雪の心は砕けていった。痛みは身体だけではない。心の奥底で何かが壊れる音がした。抵抗することが無意味に思えた。どうせ終わらない。どうせ逃げられない。

「もう一度」

李強の声が遠くに聞こえる。林雪の意識は薄れ始めていた。最後の理性が、彼女の口をわずかに動かした。

「…おねがい…もう…やめて…」

しかし、その言葉は誰にも届かなかった。

カメラは回り続け、犬の荒い息遣いと、男たちの低い笑い声だけが、スタジオに響いていた。

集団輪姦

会社の更衣室で、林雪は手渡されたナース服を見つめていた。真っ白な布地は、胸元が大きく開き、スカートの丈は太ももの付け根すら隠せない。彼女の指が布の端を撫でる。指先は震えていた。

「早く着替えろ」

李強の声がドアの向こうから響く。彼はカメラの準備を終え、待ちきれない様子だった。

林雪はゆっくりと服を脱ぎ、そのナース服を身にまとった。布が肌に触れるたび、冷たい感触が背筋を走る。鏡の前に立つ。そこに映る自分は、もはや自分ではなかった。化粧で飾られた顔、無理やり押し上げられた胸、そして短すぎるスカート。すべてが、彼女を一人の人間ではなく、商品へと変えていた。

更衣室のドアを開けると、李強が待っていた。彼の目が林雪の身体を舐め回すように見つめる。

「よし、行くぞ」

李強に先導され、廊下を歩く。スタジオの扉が開かれると、中にはすでに5人の男優が待っていた。王浩が最前列に立ち、にやりと笑う。彼の筋肉質な腕が、嫌でも目に入る。

「いよいよだな、新人ちゃん」

王浩の声が部屋に響く。他の男優たちも低い笑い声を漏らす。

部屋の中央には、簡素なベッドが置かれていた。シーツは白く、無機質だ。壁にはいくつかの照明器具が取り付けられ、すべてが林雪を照らし出す準備を整えている。

張社長は部屋の隅にあるソファに座っていた。足を組み、手にはコーヒーカップを握っている。彼は林雪を見ると、軽くうなずいた。

「始めよう」

その一言で、撮影が始まった。

林雪はベッドに案内され、仰向けに寝かされた。照明が彼女の顔を照らす。まぶしさに目を細める。李強がカメラの位置を調整しながら、指示を出す。

「まずは胸を強調しろ。カメラに向かって、ゆっくりと」

林雪は従った。抵抗する力は、もうなかった。ただ、機械的に身体を動かす。彼女の手がナース服の前を開ける。胸が露わになる。男優たちの視線が集中する。

王浩が最初に近づいた。彼の指が林雪の胸に触れる。その感触に、林雪の身体が硬直した。

「リラックスしろよ」

王浩の声が耳元でささやく。彼の手が林雪の身体を撫で回す。カメラがその一挙一動を捉える。

次に別の男優が割り込む。彼は林雪のスカートをまくり上げた。太ももが露わになる。林雪は唇を噛みしめた。目には涙が浮かんでいたが、それはきっと映らないだろう。

撮影は続いた。男優たちは順番に林雪の身体を侵犯した。最初はためらいがあった。抵抗しようとする衝動が何度も湧き上がった。しかし、そのたびに張社長の視線が彼女を射抜く。あの冷たい目が、すべての抵抗を無意味にすると告げていた。

時間が経つにつれ、林雪の身体は麻痺し始めた。痛みはある。しかし、それは遠くの出来事のように感じられた。彼女の意識は、身体から遊離し、天井のシミを見つめていた。

出血が始まったのは、3人目の男優が終わった頃だった。林雪の下腹部に鋭い痛みが走る。彼女の脚の間から、赤い液体がシーツに広がった。

「止めてくれ…」

林雪の声はかすれていた。しかし、誰も耳を貸さない。

李強がカメラを近づける。彼の声が指示を飛ばす。

「そのまま続けろ。血がもっと見えるように、脚を開け」

林雪は従った。自分の意思ではない。まるで人形のように、脚が開かれる。

4人目の男優が彼女の上に覆いかぶさる。彼の動きが激しくなるたび、林雪の身体から血が噴き出した。シーツは真っ赤に染まる。痛みは激しさを増した。しかし、林雪の意識はさらに遠くへと逃げる。

張社長が立ち上がった。彼はコーヒーカップを置き、ゆっくりとベッドに近づく。林雪の荒い呼吸が聞こえる。彼の表情は変わらない。

「よくやっている」

その言葉が、林雪の耳に届いた。褒められている。しかし、その言葉に温かさはなかった。ただ、冷たい承認だけがあった。

「プロフェッショナルだ。お前は、もう一流の女優だ」

張社長はそう言って、林雪の頬を軽く叩いた。その手の感触が、林雪の中で何かを壊した。涙が止まらなかった。しかし、それは彼女の意志とは無関係に流れていた。

撮影は終わらなかった。5人目の男優が、彼女の身体を最後まで使い潰した。林雪の意識は、途中で途切れ途切れになった。気づけば、すべてが終わっていた。

部屋には血の匂いが充満していた。シーツは真っ赤で、林雪の身体は無数の痕で埋め尽くされていた。彼女はベッドの上で横たわり、動けなかった。

李強がカメラの電源を切る。その音が、部屋に響いた。

「今日はこれで終わりだ。明日も同じスケジュールで入っているからな」

彼の声が遠くで聞こえる。林雪はただ、天井を見つめていた。そこには、あのシミがまだあった。それは、彼女の行く末を暗示しているかのようだった。

張社長が部屋を去る前に、振り返って一言を残した。

「よく耐えた。お前は、間違いなく成長している」

その言葉が、林雪の中で何かを決定づけた。彼女はもう、抵抗することをやめた。この世界の中で、自分はただの道具に過ぎないと、完全に理解したのだ。

林雪はゆっくりと目を閉じた。周囲の音が遠のく。彼女の心は、完全に麻痺していた。そして、その麻痺こそが、彼女にとっての唯一の救いだった。