# 第一章 道心灰となる
退守居内院は、もとは冷月璃が瀛国に滞在する際の仮の宿であった。今は黒田一郎の手に落ち、牢獄と化している。
冷月璃は両腕を広げ、鎖で壁に繋がれていた。腕を吊るす鎖は太く、錆びた鉄の輪が首にも巻かれている。彼女の白い衣は既に破られ、肩から胸へと裂け目が走っている。
「どうだ、剣神殿。この辱めは」
黒田一郎は車椅子に座り、冷ややかな笑みを浮かべている。彼の両足は膝から下がなく、布が風に揺れる。
冷月璃は答えない。ただ静かに目を閉じ、微動だにしない。
「鄧店主、準備はできているか」
「はい、黒田様」
鄧店主は肥えた体を揺らしながら近づく。彼の手には太い麻縄がある。その縄は代々伝わる幌金縄で、天道の劫を降ろす器とされる。
「冷月璃よ、お前が守った民というものを見せてやろう」
黒田が手を叩くと、内院の門が開く。ぞろぞろと入ってくるのは、冷月璃がかつて守ったこの街の民衆だ。彼らは一様に好奇と欲望の目を向ける。
「一人一両だ。一両銅銭で、この剣神の胸を揉める」
鄧店主が声を張り上げる。民衆の間にどよめきが走る。
「本当かよ」
「剣神様だぞ」
「まさかこんなことになるとはな」
我先にと数人の男たちが前に出る。彼らの手には銅銭が握られている。
冷月璃は目を開けた。その瞳は氷のように冷たく、何も映さない。
「お前たちは、私が守った者たちか」
その声は震えていない。ただ静かに、諦念の色を帯びている。
「守ってもらった覚えはねえよ。俺たちはただ、剣神様が強いから崇めてただけだ」
一人の男が言い放つ。彼は一両銅銭を鄧店主に渡し、冷月璃の胸に手を伸ばす。
壁に固定された鉄の輪が冷月璃の両乳を通り抜ける。乳首は壁の穴から外に突き出され、露わになっている。
男の指が乳首に触れる。ざらついた指先が敏感な部分を撫でると、冷月璃の体がわずかに震えた。
「おお、剣神様の胸だ」
「柔らかいな」
「俺もやらせろ」
次々と男たちが並ぶ。一人また一人と胸を揉み、つまみ、引っ張る。冷月璃の胸は赤く腫れ上がり、敏感になってゆく。
「いい気分か、剣神殿。お前が守った民が、お前を弄んでいる」
黒田の声が響く。
冷月璃は答えない。ただ微かに唇を噛み締めている。
「さあ、鄧店主。次はお前の番だ」
鄧店主が下卑た笑みを浮かべる。彼は冷月璃の背後に回り、自らの腰の帯を解いた。
「剣神様、失礼します」
太い陰茎が露わになる。鄧店主はそれを冷月璃の秘所に押し当てる。
「やめ…」
冷月璃の口から初めて声が出た。しかしそれは弱々しい拒絶に過ぎない。
「やめる? 何がやめるだ。お前はもう剣神じゃない。ただの玩物だ」
ぐちゅり、と鈍い音がして、鄧店主の肉棒が冷月璃の中に沈み込む。
「ああっ…」
冷月璃の体が弓なりに反る。鎖ががちゃがちゃと音を立てる。
「いい声だな、剣神殿。もっと聞かせてくれ」
鄧店主は腰を前後に動かす。抽送のたびに冷月璃の体が揺れる。
「あっ…あっ…あっ…」
声が漏れる。抑えようとしても、体が勝手に反応する。
「おいおい、剣神様が感じてるぞ」
「すげえや、あの冷月璃がよ」
「俺も後でやりたいな」
民衆の囃し立てる声が耳に刺さる。
同時に、前から男の手が胸を揉む。乳首を指でつままれ、捻られる。
「ああっ…」
前後からの刺激が重なる。冷月璃の体は熱くなり、思考が混濁し始める。
「どうした、剣神殿。もう限界か」
鄧店主の耳元の囁きが聞こえる。
「お前が守った民が、お前をこうして弄んでいる。お前の使命は何だったんだ? 剣神としての誇りはどこにいった?」
言葉が心に突き刺さる。
「あっ…あっ…あっ…」
絶頂が近づく。体が勝手に震え、内壁が収縮する。
「イくか? イくんだろう? 民衆の前で、俺の前で、イくんだ」
「違う…違う…私は…」
「お前は何だ? 剣神か? それとも俺の雌奴隷か?」
「わ…私は…」
絶頂の中で、冷月璃の心に亀裂が走る。
かつて信じた道。守るべき民。剣神としての誇り。
全てが音を立てて崩れてゆく。
「あああああっ!」
大きな声が内院に響く。絶頂の波が冷月璃の全身を襲う。
体が痙攣し、意識が白く染まる。
「ほら、イったぞ。剣神がイった」
「すげえじゃねえか」
「まだまだやろうぜ」
民衆の笑い声が遠く聞こえる。
鄧店主はまだ動きを止めない。肉が絡み合う卑猥な音が響く。
「どうだ、冷月璃。お前の道心はもう砕けたか?」
黒田が冷たく問う。
冷月璃は答えられない。ただ絶頂の余韻に震えている。
「まだ終わらんぞ。これからだ」
鄧店主の手が再び腰を掴む。新たな抽送が始まる。
「あっ…あっ…あっ…」
声が止まらない。体が勝手に動く。
民衆の囃し立てる声と、鄧店主の卑劣な囁きが交錯する。
その中で、冷月璃の心に最初の亀裂が入った。
かつて剣神と崇められた者の誇り。天下無双の力。蒼生を守る使命。
全てが、この一瞬で灰となった。
「終わったな、冷月璃」
黒田の声が遠く響く。
「お前の道心は、もう二度と戻らん」
冷月璃は静かに目を閉じた。
もはや守るべきものはない。信じる道もない。
ただ、この身を弄ぶ者たちの欲望のままに、堕ちてゆくだけだ。
その選択すらも、もはや彼女の自由ではなかった。
次の絶頂が近づく。体はもう拒まない。
「あっ…あっ…あっ…」
冷月璃の声だけが、夜の空に響き渡った。