林雪瑶は書類の山を見下ろしながら、ペンを指先で軽く回していた。窓の外には都心のビル群が霞んで見える。午後の日差しは強く、オフィスに冷たい空気が流れている。彼女は深く息を吸い込み、ファイルの端を指で撫でた。
その時、ドアがノックもなく開いた。
「林社長、お忙しいところ失礼するよ」
陳鋒が入ってきた。スーツは完璧に決まり、口元には穏やかな微笑みを浮かべている。手には書類を一束抱えているが、その目は林雪瑶の体を舐め回すように動いていた。
「何か御用ですか、陳さん」
林雪瑶は顔を上げ、冷たい口調で答えた。しかし心臓は早鐘を打ち始めていた。彼が部屋に入ってきた瞬間、空気が変わったように感じる。
「プロジェクトの件で少し相談がね」
陳鋒は振り返り、秘書のドアをそっと閉めた。秘書の驚いた顔を無視して、彼は鍵を回した。カチリという音が部屋に響く。
「ちょっと待って、あの子にはまだ仕事が――」
「いいんだ。俺たちだけで話そう」
陳鋒は書類を机の上に置くと、ゆっくりと林雪瑶の背後に回った。彼の手が彼女の肩に触れる。その瞬間、彼女の体が硬直した。
「覚えてるか?大学の頃、お前はいつも図書館の隅で本を読んでた。あの頃からお前の首筋に目を奪われてたんだ」
耳元で囁く声は甘く、しかし同時に鋭い刃物のように彼女の心に突き刺さる。彼の指が彼女の髪を梳き始める。
「陳さん、やめてください。ここは会社です」
林雪瑶は声を震わせながらも、立ち上がろうとした。しかし彼の腕が彼女の腰をしっかりと掴み、引き寄せた。
「会社だからこそいいんじゃないか?お前は高嶺の花のキャリアウーマン。誰もこんな場面を想像しないだろう」
彼の手がスカートの裾から滑り込む。太ももの内側を撫で上げる感触に、林雪瑶は息を呑んだ。抵抗しようとしたが、体は言うことを聞かない。彼の指が下着の端に触れた瞬間、彼女は目を閉じた。
「お前はいつもそうだ。清らかな貴婦人のふりをして。でもな、本当のお前はこんな風に俺に犯されたいんだろう?」
陳鋒は彼女の耳たぶを軽く噛みながら、卑猥な言葉を吐き続ける。林雪瑶の体は正直に反応し、彼の手の動きに合わせて震え始めた。
「降参だ……降参します……」
彼女の声はかすれていた。陳鋒は満足げに笑い、彼女を机の上に押し倒した。書類が床に散乱する。彼の手が彼女のブラウスのボタンを次々に外していく。
「お前の夫は何も知らない。毎日仕事に追われて、家族のことなんて考えちゃいない。お前も娘も、俺のものだ」
彼が腰を進めるたびに、机が軋む音が室内に響く。林雪瑶は眉をひそめ、唇を噛みしめた。恥辱と快感が入り混じった波が彼女を飲み込む。彼の卑猥な言葉が耳に刺さり、同時に背徳的な興奮が全身を駆け巡る。
「どうだ?気持ちいいか?この高慢ちきな社長さんよ」
「はい……はい……気持ちいいです……」
彼女は泣きそうな声で答えながら、腰を彼に押し付けた。自分でも信じられないほど、この瞬間を待っていたのだ。夫との冷めた関係、毎日の虚ろな生活。彼に支配されるこの感覚だけが、彼女を満たしてくれる。
やがて陳鋒は体を離し、スーツの乱れを整えた。ネクタイを直し、ジャケットの襟を立てる。その動作は何もなかったかのように完璧だった。
「書類は後で見とくよ。今日はこれで失礼する」
彼は振り返りもせずにドアを開け、颯爽と去っていった。残された林雪瑶は机の上にうつ伏せになり、荒い息を整えている。顔は真っ赤に染まり、体はまだ熱を帯びていた。
彼女はゆっくりと体を起こし、散らばった書類を拾い集めた。引き出しからコンパクトミラーを取り出し、化粧の崩れを直す。頬の赤みがなかなか引かない。指先が震えていた。
心の中では、さっきの辱めが繰り返し再生される。恥ずかしさと同時に、次の機会への期待が湧き上がる。彼の言葉が耳に残っている。
「また来るよ。その時まで、俺だけのものだってことを忘れるな」
林雪瑶は深く息を吐き、書類に視線を戻した。指先はまだ少し震えていたが、口元には微かな笑みが浮かんでいた。