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站点:NovelAI.one内容:前8章在线试读ID:fd056434更新:2026-07-15 01:26
蘇婉児は実習監督員として、初めて単独で奴隷登録状況の検査に赴いた。タブレット端末を手に、都心から北へ車で三十分ほどの高級住宅街に足を踏み入れる。この地域は高額納税者か、あるいは特別な許可を得た者だけが居住を許される。指紋認証と顔認証を通過し、門扉が無音で開いた。 リビングルームに通されると、まず広々とした空間と、異様な
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初めての検査

蘇婉児は実習監督員として、初めて単独で奴隷登録状況の検査に赴いた。タブレット端末を手に、都心から北へ車で三十分ほどの高級住宅街に足を踏み入れる。この地域は高額納税者か、あるいは特別な許可を得た者だけが居住を許される。指紋認証と顔認証を通過し、門扉が無音で開いた。

リビングルームに通されると、まず広々とした空間と、異様な静寂が蘇婉児を包んだ。床一面に敷かれたペルシャ絨毯の上で、一人の女奴隷が犬のように四つん這いになっていた。彼女は首輪を嵌められ、鎖の先はソファに座る主人の手に握られている。主人は四十代半ばの男で、だらりと脚を投げ出し、女奴隷の頭を股間へと押し付けていた。

女奴隷の口は主人の陰茎を咥えている。唾液が主人の腿を伝い、絨毯に染みを作っていた。蘇婉児は一瞬息を呑んだが、業務用の笑みを浮かべ、タブレットを構えた。

「失礼いたします。奴隷管理局の蘇婉児と申します。登録状況の確認に参りました」

主人は面倒そうに顔を上げ、「ああ、監督官か。勝手に見ていけ。ただし、こいつはまだ調教中だ。邪魔をするなよ」とぶっきらぼうに言った。彼は女奴隷の髪を掴み、さらに深く咥えさせた。女奴隷は嗚咽を漏らし、涙を流しながらも、主人の命令に従って口を動かし続けた。

蘇婉児は検査の手順を思い出しながら、端末に記録を打ち込む。奴隷の身元、健康状態、居住環境、そして使用状況。該当項目をチェックするたびに、女奴隷の苦しげな声が耳に残った。主人が突然女奴隷の顔を引き剥がし、陰茎を解放した。粘液と唾液が糸を引いた。

「よし、身体検査だ。登録証と合わせて、お前がしっかり確認しろ」

主人は女奴隷をうつ伏せにさせ、その臀部を持ち上げさせた。尻肉が露わになり、割れ目から膣口と肛門が覗く。女奴隷の陰部はすでに産毛のように濡れており、膣口はヒクヒクと痙攣していた。蘇婉児は端末のカメラを構え、標準の記録写真を撮影した。

その時、背後から足音が近づいた。振り返ると、見知った顔が立っている。先輩だった。彼は制服のまま、何食わぬ顔で近づいてきた。

「おお、蘇婉児か。この案件、俺も担当してるんだ。一緒に見てやるよ」

先輩はそう言うと、女奴隣の腰に手を掛け、自分の陰部を露出させた。彼は何の躊躇もなく、中指と人差し指を女奴隷の膣に差し込んだ。女奴隷は声を上げたが、主人の手が首輪を引いたため、抗議の声は無視された。

「健康状態は良好だ。膣の弾力も悪くない。こっちも見させるか」

先輩は指を抜き、今度は指の代わりに自分の陰茎を膣口に押し当てて、一気に挿入した。女奴隷が悲鳴を上げる。先輩は律動的に腰を動かしながら、蘇婉児に振り返った。

「監督官として、ちゃんと記録を取れよ。この使用状況も書類に残さねばならん」

蘇婉児は硬直したが、仕事だと言い聞かせ、端末を操作した。記入欄に「本日検査時に、主人の代理として先輩監督官が試用。奴隷の反応は良好」と打ち込む。その間も、女奴隷から水音と先輩の息遣いが耳に響いた。先輩は手際よく体位を変え、肛門にも挿入を試みた。女奴隷は涙と涎をまき散らしながら、声も出せずに奉仕を続けた。

蘇婉児は気がつくと、自分の太腿がわずかに擦れ合っているのを感じていた。胸の奥が煮えたぎり、異様な熱が下腹部に集まる。嫌悪すべき光景のはずなのに、身体はその刺激を拒めなかった。彼女は唇を噛みしめ、手が震えるのを必死に抑えながら、記録を完了させた。

検査終了後、蘇婉児は事務所に戻った。夕刻のオフィスは誰もおらず、彼女は自分の机に座り、タブレットのデータを転送しながら、昼間の光景を反芻していた。女奴隷が犬のように跪き、主人の股間を舐める姿。先輩が躊躇なく女奴隷を貫き、その身体をモノとして扱う様子。そして何よりも、自分がその場面に性的興奮を覚えたという事実が、頭から離れなかった。

彼女は手帳のペンを取ろうとして、気づけば太腿を撫でている自分の手を見つめた。慌てて手を離すが、その感覚は消えない。白昼に起きたあの光景が、脳裏に鮮明に焼き付いている。彼女は何度も瞬きを繰り返し、やがて深く息を吐いた。

「……私は、何をしているんだろう」

蘇婉児は窓の外に目をやった。ビル群の影が伸び、街は夕闇に包まれ始めていた。自分の中に芽生えた暗い欲望が、確かに大きくなっているのを感じながら、彼女はただその揺らぎを見つめることしかできなかった。

隠された世界

実習期間が終了した翌日、上司は蘇婉児を個室に呼び寄せた。机の上には分厚い書類が積み上げられ、その一番上には「機密」の朱印が押されている。

「蘇婉児、お前の成績は優秀だった。そろそろ本当の業務を見せる時だ。」

上司はそう言って、一枚の通行証を差し出した。それは管理局の最深部、立ち入り禁止区域への鍵だった。蘇婉児は緊張しながらそれを受け取り、胸の高鳴りを抑えきれなかった。

「今夜、特別な観察任務がある。直接見て学べ。」

その夜、蘇婉児は地下の特別区画へと足を踏み入れた。廊下の両側にある部屋の一つ一つから、かすかな喘ぎ声や金属の擦れる音が漏れていた。彼女は案内係の職員に従い、一つの観察室の前に立った。

中を覗くと、そこには一人の女がいた。彼女は完全に裸体で、首と手首には革製の首輪と手錠がはめられている。彼女の前に立つ主人と呼ばれる男が手に鞭を持っていた。

「数えろ。」

男の低い声が響く。女は従順にうなずき、自ら身体を前に折り曲げ、臀部を差し出した。

「一、二、三……」

鞭が振り下ろされるたびに、白い肌に赤い筋が浮かび上がる。しかし、女の口から漏れるのは苦痛の悲鳴ではなく、むしろ甘やかな喘ぎ声だった。彼女の瞳は潤み、口元には恍惚の笑みが浮かんでいる。

「もっと…もっとください…」

彼女は自ら腰を振りながら、裂けた皮膚が引き攣れるのも構わずに懇願した。蘇婉児はその光景に息を呑んだ。彼女は奴隷制度の理論を学んできたが、自らの意志で苦痛を悦びに変える奴隷の姿を目の当たりにするのは初めてだった。

さらに奥の部屋へ進むと、別の光景が広がっていた。そこには乳奴隷と呼ばれる女たちがいた。彼女たちの胸は異常に膨れ上がり、皮膚が張り裂けそうなくらいに張り詰めている。医療職員が彼女たちの胸に注射器を刺した瞬間、女たちは一斉に悲鳴を上げた。

「ああっ…搾って…搾ってくれ…」

やがて乳房から白濁した液体が搾り出され、容器に溜まっていく。その間、女たちは苦痛と快楽の入り混じった声を上げ、身体を震わせていた。そして、そこに一人の男性職員が現れた。彼は無表情でズボンを下ろし、その女性の背後に回った。

「今日からお前は新しい母体だ。しっかりと種を受け止めろ。」

言葉と同時に、彼の腰が激しく動き始めた。女の腹の上で膨れ上がった乳房が揺れ、彼女は無意識のうちに腰を浮かせて男の動きに合わせた。周囲の他の乳奴隷たちはそれを見つめ、羨望と期待の視線を送っていた。

「新しい奴隷が生まれる…次の世代のために…」

誰かがそう呟いた。蘇婉児はその場から動けなかった。彼女の頭の中では、これらの光景が繰り返し再生されていた。

その夜、寮に戻った蘇婉児は全く眠れなかった。布団の上で身体を横たえても、目を閉じるたびにさっき見た奴隷たちの姿が浮かんでくる。鞭打たれる女の恍惚の表情、搾乳される女の喘ぎ声、種付けされる女の痙攣。

「私が…もしあの場所に立っていたら…」

その考えが頭をよぎった瞬間、彼女の身体が熱くなった。下腹部の奥から何かが蠢き出す感覚。彼女は無意識に両腿を擦り合わせた。指が自然と脚の間に伸び、そこが既に濡れていることに気づいた。

「違う…私は監督官だ…私は奴隷なんかじゃない…」

そう自分に言い聞かせながらも、彼女の心の奥底では別の声が響いていた。

「でも、あなたはもうあの世界の一部なんだよ。」

部屋の時計が午前二時を指していた。蘇婉児はシーツを握りしめ、震える息を必死に抑えながら、自分がこれから進む道がどこへ続いているのか、もう既に薄々気づき始めていた。

非合法の痕跡

定期検査は、いつも通りの退屈な作業だった。蘇婉児は目の前の女性奴难の歯茎を指で押し開け、登録番号を確認する。問題なし。次の奴隸も同じく問題なし。連れてこられた十数人の女たちは皆、正式に登録された合法奴隸だった。

「もう一組、待機しています。監督官」

部下の言葉に、蘇婉児は軽くうなずいた。次の集団が部屋に入ってくる。その中に一人、明らかに挙動が違う女がいた。彼女は俯き、震えながらも、他の奴隸たちのように跪こうとしない。蘇婉児は目を細めた。何かがおかしい。

「おい、お前。名前を言え」

女は唇を噛み締め、しばらく沈黙した後、かすれた声で答えた。

「……名前はありません」

蘇婉児の手が止まった。未登録の奴隸だ。しかも、この反応は――まるで自分が奴隸であることすら認識していないかのようだった。

「貴様、誰の所有だ? 首輪の管理番号は?」

「管理番号……そんなものは……」

女は首を振り、恐怖に目を見開いた。蘇婉児はすぐに彼女を別室に隔離し、直属の上司である領導に報告した。

「未登録奴难を発見しました。明らかに違法な経路で流通している可能性があります」

「……よくやった。その女の供述を徹底的に調べろ。行き先や出自を辿れ」

指示を受け、蘇婉児は直属の班を率いて調査を開始した。女の身体的特徴や言葉の訛り、皮膚の状態から、彼女がどこから連れてこられたのかを推測する。手がかりは少なかったが、ある地域の闇市場に繋がる痕跡を掴んだ。

数日後、蘇婉児は単独でその地域に潜入していた。廃工場が立ち並ぶ寂れた一角。そこに、違法な女奴隸取引の拠点があるという情報を得たのだ。彼女は制服を脱ぎ、安物のスーツに着替え、目立たないように建物の影を伝って近づく。

工場の二階の窓から、複数の男たちの声が聞こえた。粗暴な笑い声と、時折聞こえる女の悲鳴。蘇婉児は壁に張り付き、息を殺して中の様子を伺った。男たちの会話から、ここが密売組織のアジトであることは間違いなかった。

「次の獲物は、明日の晩に運び込む。あの監督官どもには秘密だぜ」

「ああ、表向きは合法奴隸扱いにしてすり抜けるんだ。バレなきゃ問題ない」

蘇婉児は歯を食いしばった。彼らは奴隸管理局の監査をかいくぐるノウハウを持っている。しかも、組織はかなりの規模で動いているようだった。彼女は携帯端末を取り出し、班に報告しようとした。

その時だった。背後から粗暴な手が伸び、彼女の口をふさいだ。

「おっと、誰かと思えば……可愛いネズミが一匹、潜り込んでるじゃねえか」

腐った息と、男の汗の匂い。蘇婉児は必死に抵抗したが、四肢はあっさりと拘束された。もう一人の男が端末を奪い、壁に叩きつけて破壊する。

「監督官の小娘だぜ。こりゃいい。高い値がつく」

男たちは嘲笑いながら、蘇婉児を工場の中へ引きずり込んだ。床に叩きつけられ、スーツの上着を引き裂かれる。スカートの裾をまくり上げられ、太腿に冷たい指が這う。

「綺麗な肌してるじゃねえか。調教してやれば、いい奴隸になるぜ」

「やめ……やめてくれ……」

蘇婉児は声を振り絞った。恐怖で全身が震えた。同時に、どこかで――このまま堕ちてしまいたいという、甘やかな絶望が胸の奥で疼いた。彼女はその感情に自身で驚き、混乱した。

男の一人が手を伸ばし、彼女の太腿の内側を撫でながら、耳元で低く囁いた。

「安心しろ。ちゃんと教育してやるからな」

「そこまでだ!」

突然、工場の扉が蹴破られ、複数の足音が響いた。男たちが一斉に振り返る。そこには、先輩が率いる奴难管理局の制圧部隊が立っていた。先輩は迷うことなく、手近な男の顔面を拳で打ち抜いた。続けて後ろから部下たちが突入し、瞬く間に組織のメンバーたちを制圧していく。

「蘇婉児! 無事か!」

先輩が彼女の腕を掴み、立ち上がらせた。その手の温かさに、蘇婉児は一瞬、すべてを委ねたくなるような錯覚を覚えた。しかし、すぐに自分が辱められそうになった現場を救われた事実が、彼女の心に複雑な波紋を広げる。

「……ありがとうございます、先輩」

彼女の声は、感謝と同時に、かすかな残念さを帯びていた。自分を縛るはずだった鎖が、ほどかれてしまった。その喪失感が、彼女をさらに深い闇へ誘おうとしていることに、蘇婉児はまだ気づいていなかった。

先輩は彼女の肩を抱き、低い声で言った。

「こんな危険な単独行動は、二度とするな。次は助けられないかもしれない」

その言葉は、警告であり、同時に――彼女の耳には、ある種の許しにも聞こえた。次は助けられない。つまり、次は一人で堕ちても構わないということだ。蘇婉児は俯き、唇を噛んだ。胸の奥で、何かが確かに変わり始めていた。

昇進と片思い

非合法組織の摘発から一週間が経った。蘇婉児は新たにグループリーダーに任命され、二人の部下が配属された。小さな個室オフィスを与えられ、机の上には書類が山積みになっている。窓から差し込む朝日が、彼女の頬をかすかに照らしていた。

「蘇さん、お疲れ様です。昨日の報告書、確認しました」

「あ、ありがとう。よくできてるね」

部下の一人が書類を差し出す。まだ二十代半ばの若い男で、目つきは真面目そのものだ。もう一人はもう少し年上で、物静かだが仕事は的確だった。蘇婉児は彼らに指示を出しながら、ふと自分の立場の変化に驚いていた。つい先月までは、ただの一監督官に過ぎなかった。それが今では三人のチームを束ねる立場だ。

すべてはあの摘発作戦の成功によるものだ。危険な任務だった。非合法組織のアジトに踏み込み、囚われていた女奴隷たちを救出した。その時、先輩が先陣を切って突入した姿が、蘇婉児の脳裏に焼き付いている。

扉を蹴破る音。銃を構える鋭い影。鮮やかな動きで敵を制圧する背中。血の匂いと汗の匂いが混ざる中で、彼は一言「大丈夫か?」とだけ言った。その声が、蘇婉児の心臓を震わせた。

「蘇さん? どうかしましたか?」

「え? いや、何でもない。続けて」

部下の声にはっと現実に戻る。手元の書類が少し濡れている。自分の手汗だ。蘇婉児は軽く頭を振って、思考を追い出そうとした。しかし、先輩の顔がどうしても離れない。彼の目尻のしわ、口元のほくろ、少しだけ伸びた髭。全部が、なぜか許せる気がした。

昼休み、食堂で同僚たちと雑談していると、ふとした話題が耳に入った。

「先輩、奥さんと子どもがいるんだってな」

「そうらしいよ。もうすぐ三人目が生まれるんだとさ」

箸を持つ手が止まる。スープの入った椀が微かに震えた。蘇婉児は無理に表情を変えず、箸を持ち直して食事を続けた。だが、喉の奥が詰まったようで、食べ物がうまく飲み込めない。

「蘇さんは知らなかったのか?」

「いや……知ってたよ。ただ、驚いただけ」

嘘だった。知らなかった。結婚していることすら、初耳だ。三人目の子ども? つまり、長い間家族を大切にしてきたのだ。そんな男に、自分が恋をするなんて。あまりにも滑稽だ。

午後の業務中、先輩が書類を持って蘇婉児のオフィスに現れた。扉をノックする音に、心臓が跳ね上がる。

「蘇、これ、上からの指示だ。お前のチームで処理しろ」

「はい。承知しました」

受け取る時、指先が触れた。一瞬の接触が、全身を駆け巡る電流のように感じられる。蘇婉児は必死に顔を上げ、冷静な表情を保った。先輩は何も気づかず、書類の内容を淡々と説明している。その声が低く、耳に心地よかった。

「……以上だ。何か質問は?」

「ありません。すぐに取り掛かります」

「頼んだぞ」

先輩は振り返らずにオフィスを出ていった。蘇婉児は机に突っ伏して、深く息を吐いた。胸が苦しい。言葉にできない感情が、渦巻いている。彼の妻はどんな女性だろう。きっと優しくて、家庭的で、子どもを愛しているのだ。自分とは正反対だ。

部下たちが会議から戻ってくる気配がして、蘇婉児は慌てて体を起こした。机の上の書類を整え、パソコンを立ち上げる。仕事に集中しなければ。そう自分に言い聞かせながら、キーボードを叩き始めた。

しかし、夜になってもその思いは消えなかった。自宅のアパートに戻り、ベッドに横たわると、先輩の姿が浮かんでくる。彼が女奴隷クラブに通っているという噂を思い出した。既婚者でありながら、そんな場所に行く男を、なぜ自分は好きになったのか。

「馬鹿みたい」

呟きは虚しく部屋に響く。枕に顔を埋め、涙を押し殺した。昇進した喜びも、新しい仕事のやりがいも、この胸の痛みの前では色あせてしまう。

翌朝、出勤すると上司から呼び出しがあった。

「蘇、機密性の高い案件がいくつかある。お前に任せたい」

「私にですか?」

「お前は優秀だ。先輩もお前を推薦していたぞ」

先輩の名前を聞いただけで、また心臓が高鳴る。蘇婉児はうつむきながら「承知しました」と答えた。これからますます先輩と関わる機会が増える。それは喜ばしいことのはずだった。しかし同時に、自分の感情が暴走する危険もはらんでいる。

上司の部屋を出ると、廊下で先輩とすれ違った。彼はいつものように軽く手を挙げて「頑張れよ」と言った。その笑顔を見て、蘇婉児は心の中で決意した。この感情を、絶対に表に出してはいけない。彼が既婚者であること、自分はただの同僚であること。それを忘れずに、仕事だけに集中しよう。

そう誓った瞬間、胸の奥がまた引き裂かれるように痛んだ。それでも、蘇婉児は背筋を伸ばして歩き出した。オフィスのドアを開け、部下たちに指示を出す。日常は続く。そして、非合法組織の影も、まだ完全には消えてはいなかった。

肉畜の真実

蘇婉児は昇進後、初めて自分の執務室を与えられた。窓の外には奴隻管理局の本館がそびえ立ち、その影は街の一部を覆っていた。彼女は机の上の書類を手に取り、目を通す。そこには「肉畜廃棄処理手続き」という文字が並んでいた。

「これは…?」

彼女が上司に問い合わせると、上司は淡々と説明を始めた。

「女奴隻は特殊な薬剤を投与され、五十歳まで若々しい外見を保てる。しかし、その年齢に達すると人権を剥奪され、管理局の検収を受けた後、屠殺許可が下りる。そして、その肉体は高級宴会の食材となるのだ」

蘇婉児は一瞬、言葉を失った。人間が屠殺され、食卓に上がる。それは単なる制度ではなく、管理された死のプロセスだった。

「私が…その審査をするのですか?」

「ああ。お前の仕事の一つだ。今日から数名の女奴隻の廃棄評価を担当してもらう」

上司はそう言って、ファイルの束を差し出した。

翌日、蘇婉児は面談室に通された。そこには一人の女奴隻が座っていた。年齢は四十代後半か、薬の効果でまだ三十代のように見える。肌は滑らかで、目は澄んでいた。しかし、その瞳には恐怖も悲しみもなかった。

「あなたが新しい評価官ですか」

女奴隻は微笑んだ。蘇婉児は用意された質問を読み上げる。

「健康状態に問題はありませんか?」

「はい。この通り、何の不具合もありません」

「死に対する恐怖は?」

「いいえ。むしろ、この身を捧げられることを誇りに思います」

蘇婉児はその答えに衝撃を受けた。目の前の女はまるで屠殺が待ち遠しいかのような口調だった。

「なぜ…なぜそんなに落ち着いていられるのですか?」

「私たちは幼い頃からそう教えられてきました。この体は社会に奉仕するためにあると。老いて役に立たなくなる前に、最後の奉仕として肉となる。それこそが、私たちの使命だと」

女奴隻は穏やかに語った。その目は狂気にも似た静けさを帯びていた。

蘇婉児はさらに何人かの女奴隻と面談した。全員が同じだった。恐怖よりも、むしろ待望の感情を抱いているように見えた。ある者は「早くその日が来ないかしら」と呟き、別の者は「私の肉は上等だと聞いています」と自慢げに話した。

その夜、蘇婉児は自宅で一人、考え込んだ。彼女はこの制度に密かな好奇心を抱き始めていた。なぜ女たちは死を望むのか。その背後にはどんな心理が潜んでいるのか。そして、もし自分が同じ立場に置かれたら、どう感じるのだろうか。

彼女は自分の手が微かに震えているのに気づいた。それは恐怖か、それとも別の感情か。蘇婉児はまだ自分自身の答えを見つけられずにいた。

母親の死

蘇婉児は冷たい書類の束を手に、管理局の廊下を歩いていた。今日は特別な屠殺許可の交付に立ち会う任務が与えられていた。上司からは「重要な案件だ。しっかり見届けろ」とだけ告げられていた。

屠殺場の隣にある小部屋に通されると、既に数人の職員が待機していた。壁の一面は大きなガラス窓になっており、向こう側には広々とした屠殺室が見える。床には排水溝が走り、天井からは太い鎖とフックがぶら下がっていた。

「対象の女奴隷を連れてくる」と職員の一人が言った。

蘇婉児は書類に目を通した。そこには年齢、健康状態、所有者の情報が記載されている。四十代後半の女、肉畜として十年以上飼育されていた。名前は書かれていなかった。ナンバーだけが記されていた。

やがて重い扉が開き、二人の警備員に両腕を拘束された女が引きずられるようにして入ってきた。ぼろぼろの衣服は血と汚れで固まり、髪は脂でべとつき、その顔には深い皺が刻まれていた。しかし、蘇婉児はその顔を見た瞬間、心臓が凍りつくような感覚に襲われた。

見覚えがあった。

幼い頃、母と名乗る人物の記憶はほとんどない。だが、唯一残っている写真の中で、自分を抱く女の顔が、今目の前にいる女の顔と重なった。あごのほくろ、目の形、唇のわずかな歪み。間違いなかった。

「ちょっと待ってください」蘇婉児は声を絞り出した。「この女の身元をもう一度確認させてください」

職員が眉をひそめたが、蘇婉児は構わずに端末を操作した。データベースを検索し、過去の記録を調べる。母が自分を捨てたのは、蘇婉児が生後六ヶ月の時だった。その後、母は保護者を失い、やがて人身売買のネットワークに捕まり、奴隷として売られた。現在の所有者はある違法組織のリーダーで、肉畜として飼育していた。

蘇婉児の指が震えた。

「どうされました?」と職員が尋ねた。

「いえ…何でもありません。続けてください」

蘇婉児は自分を落ち着かせようとした。母は自分を捨てたのだ。今さら何の感情も湧くはずがない。しかし、それでも胸の奥が重く沈むのを感じた。

彼女は部屋を出て、母の主人に会いに行くことにした。管理局の別室で待っていたのは、四十代くらいの男だった。スーツを着ているが、その目は冷たく、全身からは危険な雰囲気が漂っていた。

「監督官様、何か問題でも?」男は軽く笑った。

「いえ…ただ、今回の屠殺について少しお聞きしたいことがありまして」

「ほう」

「あの女は…以前、何か特別な事情があったのでしょうか」

男はしばらく蘇婉児を見つめてから、ゆっくりと答えた。「覚えているのは、もう十年以上前に手に入れた女だ。最初は普通の奴隷として使っていたが、次第に飼いならされて肉畜に落ち着いた。最近、肉の質が落ちてきたので、屠殺に踏み切った。それだけです」

「特段、問題はありません」

「ええ、書類は完璧です」男はにっこり笑った。「ただ、もし興味があれば、屠殺の過程を見学なさいますか?なかなか貴重な経験ですよ」

蘇婉児は一瞬ためらった。頭の中では「断るべきだ」という理性が叫んでいる。しかし、別の声も聞こえた。「見たい。見なければならない。なぜ母が最後にどんな顔をするのか、確かめたい」

「…お願いします」彼女の口からは思わずそう言葉が出ていた。

男は満足そうにうなずき、屠殺室へと案内した。蘇婉児はガラス窓の向こう側ではなく、直接その場に立っていた。冷たい空気が肌を刺す。消毒液と鉄の匂いが混ざった異様な臭いが鼻をついた。

母は台の上に固定されていた。四肢は鎖で縛られ、首には革製の首輪が巻かれている。その目は虚ろで、何も見ていないようだった。だが、蘇婉児が近づくと、かすかに視線が動いた。

蘇婉児は声をかけようとした。しかし、何と言えばいいのか分からなかった。母は自分を捨てたのだ。恨み言を言うべきか、それとも無視すべきか。迷っているうちに、時間は過ぎていった。

処刑人が入ってきた。手には長く鋭いナイフが握られている。彼は慣れた手つきで母の首を撫で、静かに何かをささやいた。母はその言葉に耳を傾け、わずかにうなずいた。

「準備完了」と処刑人が言った。

蘇婉児は息をのんだ。心臓が激しく打ち、全身が震えている。母が死ぬ瞬間を見届けるなんて、自分はなんてことをしているのだろう。しかし、目はその光景から離せなかった。

処刑人がナイフを振り上げた。その刃が母の喉に当たる直前、母の顔に一瞬の変化が現れた。それまで虚ろだった目に、不思議な輝きが宿った。口元がほんの少し上がり、苦しみではなく、むしろ解放されたような、安堵の笑みを浮かべたのだ。

「畜生の誇り…」母はかすれた声でそう言った。

そして刃が母の喉を切り裂いた。血が噴き出し、台の上に広がった。体が痙攣し、やがて動かなくなった。しかし、その顔には確かに喜びと満足の表情が刻まれていた。

蘇婉児は立ちすくんだ。なぜだ。死の間際に、なぜそんな顔をするのか。恐怖も、苦しみも、後悔もなく、ただ純粋な安らぎだけがあった。まるで、これこそが自分の望んだ結末だと言わんばかりに。

「どうでしたか?」と男が隣で尋ねた。

蘇婉児は答えられなかった。頭の中が混乱していた。母は自分を捨てた女だ。憎むべき相手だ。しかし、あの最期の表情は、蘇婉児の心に深く突き刺さった。肉畜として生き、肉畜として死ぬ。それが、彼女にとっての幸せだったのだろうか。

「肉畜の屠殺に興味を持たれるとは、さすが管理局の方ですね」男は軽く笑った。「もしまた機会があれば、いつでもご連絡ください。他にも面白いものを見せられますよ」

蘇婉児は無言でうなずいた。母の遺体は、職員たちによって素早く片付けられていた。台の上には血痕だけが残されている。

彼女は管理局に戻り、自分の席に座った。書類を処理する手が震えていた。目の前の文字がぼやけて見える。あの最期の笑顔が、瞼の裏に焼き付いて離れなかった。

なぜ満足したのか。なぜ喜んだのか。自分は母が何を考えていたのか、全く分からなかった。しかし、その謎が蘇婉児の心を強く惹きつけた。肉畜の屠殺とは、ただの殺戮ではない。そこには何か、もっと深い意味があるのではないか。

彼女は端末を操作し、屠殺許可に関する資料を検索し始めた。過去の事例、肉畜の飼育記録、屠殺後の処理方法。一つ一つのデータが、彼女の好奇心をさらに刺激した。

隣の席で先輩が声をかけた。「蘇、今日は早く帰るぞ。夜、クラブに行かないか?」

蘇婉児は顔を上げた。「…今日はやめておきます。まだ仕事が残っていますので」

「そうか。また今度な」先輩は軽く手を振って去っていった。

蘇婉児は再び端末に向かった。彼女の指は、屠殺の過程を詳細に記録した動画ファイルを開いていた。画面には、肉畜が屠殺される様子が映し出されている。その一つ一つの動作を、彼女は食い入るように見つめた。

胸の奥で、何かが変わっていくのを感じた。母の死は、蘇婉児に新たな扉を開いたのだ。その扉の向こうには、今まで知らなかった世界が広がっていた。肉畜の屠殺に対する強い好奇心が、彼女の中で急速に育ち始めていた。

クラブの約束

第七章 クラブの約束

その日の午後、蘇婉児はいつものように書類を整理していた。机の上に積まれた報告書をめくりながら、ふと窓の外を見ると、先輩が誰かと密かに話しているのが目に入った。彼はいつになく落ち着かない様子で、手にしたスマートフォンを何度も確認している。蘇婉児は胸の奥で何かが引っかかるのを感じた。

数日後、彼女は偶然、先輩のパソコンの画面に映ったブックマークを見つけた。そこには「女奴隷クラブ 会員専用」という文字が踊っている。蘇婉児は息を飲んだ。先輩がそんな場所に通っているとは想像もしていなかった。彼女は仕事終わりに、そのクラブの存在をネットで調べ始めた。匿名での入会が可能で、会員は仮面を着用し、本名を明かさずにサービスを受けられるという。

蘇婉児は決心した。自分もそのクラブに加入し、内情を確かめようと思った。登録は簡単だった。メールアドレスと仮の名前を入力し、会費を支払えば、すぐに会員証が発行された。サイトをさらに見ていくと、「女奴隷体験サービス」という文字が飛び込んできた。それは一般の会員が奴隷役となり、選んだ主人にサービスを提供するというものだった。

彼女は震える手でそのページをスクロールした。体験の内容は厳格に決められており、主人を自由に選ぶことができる。蘇婉児の頭に真っ先に浮かんだのは先輩の顔だった。彼女は自分の気持ちを確かめるように、先輩の会員IDを探し当てた。彼は頻繁にクラブを利用しており、多くの女奴隷を調教した実績があるようだ。

蘇婉児は申し込みフォームに記入した。主人としての先輩のID番号を入力し、体験日時を指定する。送信ボタンを押す瞬間、彼女の心臓は激しく鼓動していた。緊張と期待が入り混じり、何かに駆り立てられるようにその行為を完了した。

当日、蘇婉児は自宅の鏡の前で何度も仮面を調整した。黒いレースの仮面は顔の上半分を覆い、彼女の素性を完全に隠してくれる。彼女は薄手のドレスに着替え、クラブの指定する場所へと足を運んだ。道中、彼女は何度も立ち止まりそうになった。しかし、先輩の姿を想像すると、足は自然と前に進んだ。

クラブの入り口は薄暗い路地の奥にあった。重厚な鉄の扉を押し開けると、中は柔らかな照明に包まれている。受付で仮面を確認され、彼女は案内された個室へと通された。部屋の中央には低いベッドがあり、壁には革の鞭や鎖が飾られている。蘇婉児は息を整え、待つことにした。

しばらくして、扉が開く音がした。彼女の心臓は止まりそうだった。入ってきたのは、見覚えのある背の高い男だった。彼もまた仮面をつけていたが、その立ち居振る舞い、腕のほくろ、そして何より彼の匂いが、間違いなく先輩であることを告げていた。蘇婉児は声を出さずに彼を見つめた。先輩は何も言わず、ゆっくりと近づいてきた。

初めての体験

仮面の下で、蘇婉児の呼吸は微かに震えていた。個室のドアが開く音が聞こえ、彼女は無意識に膝を折って床に伏せた。皮革製のソファに体重が沈む音、そして顔見知りの低い声が響く。

「新しい女か。顔を上げろ。」

蘇婉児はゆっくりと顔を上げた。仮面の狭い隙間から、先輩の姿が見える。彼は今日もスーツ姿で、既にネクタイを緩めていた。その目は冷たく、彼女を見下ろしていた。心臓が激しく打つ。もし仮面が外れたら——その恐怖を押し殺し、彼女は用意された台詞を口にした。

「ご主人様、本日はご奉仕させていただきます。」

先輩は何も言わず、手にした鞭を軽く振った。革が空気を切り裂く鋭い音。蘇婉児は背筋を伸ばした。彼女の背中を鞭が叩く。最初は軽く、次第に強くなる。痛みが走るたびに、彼女は唇を噛んだ。声を上げてはいけない。これは仕事だ。自分はただの女奴隷だ。そう言い聞かせながら、彼女はその場に耐えた。

「もっと声を出せ。反応が薄いと、つまらないぞ。」

先輩の声には苛立ちが混じっていた。蘇婉児は次の一撃で、絞り出すような悲鳴を上げた。痛みは確かに鋭かったが、それ以上に彼女を苛んだのは、先輩が自分を一人の女として見ていないという事実だった。彼はただ、目の前の女奴隷を弄んでいるだけだ。その認識が、彼女の胸に奇妙な emptiness を刻んだ。

鞭が止み、次に命じられたのは床への跪きだった。先輩は彼女の前に立ち、自分の股間を指さした。

「舐めろ。」

蘇婉児は一瞬躊躇した。しかし、それはほんの一瞬だった。彼女は前に這い寄り、指で彼のベルトを外した。口の中に彼の熱が広がる。舌の上で質量と匂いが混ざり合う。この行為は、かつて想像したこともなかった。しかし、今はそれを拒むことができなかった。彼女はただ、言われた通りに舌を動かした。

やがて先輩は彼女の頭を掴み、ソファに押し倒した。脚を開かせ、濡れた秘部に指を差し入れる。蘇婉児は体を強張らせた。指が彼女の内部を探る。そして突然、先輩が手を止めた。

「お前、処女か?」

声には驚きと、何より喜びが混じっていた。蘇婉児はこくんと頷いた。先輩は低く笑い、彼女の腰を掴んだ。その瞬間、激しい痛みが彼女を貫いた。彼の中の獣が解き放たれたかのように、先輩は乱暴に腰を動かし始める。蘇婉児はシーツを握りしめ、声にならない悲鳴をあげた。痛みは尖っていたが、その奥で何かが蠢き始めていた。身体の内側から湧き上がる熱。それは彼女自身も知らなかった感覚だった。

「初めてが俺で良かったな。思い出に残るようにしてやる。」

先輩はそう言いながら、更に激しく彼女を打ちつけた。蘇婉児の意識は、痛みと快感の狭間で揺れ始めた。涙が仮面の下を伝う。それは屈辱の涙なのか、それとも——彼女にはもう判別がつかなかった。ただ、身体の芯で何かが崩れていくのを感じていた。今まで保っていた何かが、音を立てて崩壊していく。

彼女はもう、自分が誰なのかさえ、ぼんやりとしか認識できなかった。